(1/2から続く)
(ブログ者コメント)
〇2月8日付の関電プレスリリース内容の骨子は下記。
・元請け会社は、事故前に、強風時のクレーン待機姿勢を評価し、瞬間風速約42m/秒の風に耐えられるとの評価結果を当社へ報告していました。
・元請け会社は、当日の作業時や作業終了時に風が弱かったため、その後の風速変化に注意を払うことなく、暴風警報発令に気付かず、必要な対応をとりませんでした。
・当社は、暴風警報発令を認識していましたが、瞬間風速約42m/秒の風に耐えられるとの評価に頼り、元請会社がクレーンの転倒を防止する対応をとっているかを確認しませんでした。
また、暴風が予想される状況において、機材の転倒や落下等による、安全上重要な設備等に対する影響について議論していませんでした。
・当日21時20分頃、発電所構内の風が急に強まり、ブームが前後に揺れ始め、21時49分頃、クレーンへ瞬間的に強風が吹きつけ(瞬間風速40m/秒以上と想定)、ブームを支えていたバックストップが変形し、バックストップの支えを失ったブームがクレーン後方へ倒れたものと推定しました。
出典
『高浜発電所2号機クレーン倒壊の原因と対策について』
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2017/0208_1j.html
〇これまでの情報を整理すると、事故に至る経緯は下記のようになるだろうか。
16時半頃 クレーン作業終了(瞬間風速7mにつきアームたたまず)
17時頃 暴風警報発令(事故の約5時間前)
18時頃 関電が暴風警報発令を知る(事故4時間前)
21時20分頃 風が急に強まる(事故30分前)
21時50分頃 クレーン倒壊
(2017年4月9日 修正2 ;追記)
2017年4月7日19時6分にNHK福井から、関電による福井県内3原発の総点検結果が報告されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受け、関西電力は高浜、大飯、美浜の各原発で行われている工事の安全対策を点検し、その結果を豊松副社長が県庁に藤田副知事を訪ね、報告した。
それによると、改善すべき工事の作業は3つの原発で合計約300件に上り、クレーンの転倒防止のほか、吊り荷が安全上重要な機器の上を通らないようにする安全対策が図られているかなどを確認したという。
その上で関西電力は、今後、工事の元請け会社と、気象警報など事故につながる恐れがある情報の共有を徹底するとしている。
これに対し藤田副知事は、報告書の内容を妥当だとした上で、「継続して安全性を厳しくチェックしてもらいたい」と求めていた。
高浜原発をめぐっては、3号機と4号機の運転をしてはならないとする裁判所の仮処分が覆ったが、関西電力は再稼働を前に県や高浜町の理解を得たいとしており、再稼働は早くて1か月後になると見られる。
高浜原発3号機と4号機の再稼働について、関西電力の豊松副社長は、「再稼働に向けた準備は行うが、県に報告するステップが残されているので、安全性をきちんと確認した上でどこかの時点で再稼働について報告したい」と話していた。
出典
『クレーン事故総点検で報告書』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3055391721.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。