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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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202133152分に中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

くしゃみや鼻づまりといったスギ花粉症の症状が、花粉にくっついた大気汚染物質である鉛の濃度によって重くなることを、福井大と名古屋大の研究チームが突き止めた。

鉛が症状を悪化させる詳細な仕組みが解明されれば、症状軽減につながる可能性がある。

花粉症は日本の国民病とも言われ、スギ花粉症は二人に一人が悩んでいるとされる。

世界でも、花粉症を含む季節性アレルギー性鼻炎は、十人中一〜三人が発症しているとされる。

研究チームは、福井県内の花粉症患者約四十人の鼻水内の鉛、水銀、カドミウムなどの重金属の濃度と花粉症の症状の関係性を調べた。

結果、鉛の濃度が高いほど、くしゃみや鼻づまりなどの症状が重くなっていることが分かった。

スギ花粉に大気中の鉛粒子が付着し、その一部が鼻の奥に残って症状を引き起こしているとみられる。

鉛以外の影響は確認されなかった。

マウスを使った実験では、健常マウスは鼻に鉛を入れても変化がないが、花粉症マウスは鉛を入れるとくしゃみの回数が二倍近く、鼻をこする回数は一・三倍ほどに増加した。

福井大の藤枝重治教授(耳鼻咽喉科)は、「鼻の中の鉛を除去し、症状を改善する方法を検討したい」と説明。

名古屋大...

(以下は有料)

https://www.chunichi.co.jp/article/227767

 

331710分に福井新聞からは、より詳細な、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

福井大学と名古屋大学の共同研究グループは3月30日、スギ花粉症患者は鼻の中の鉛の濃度が高く、くしゃみなどの症状を悪化させる一因であると発表した。

会見した福井大学医学部耳鼻咽喉科の藤枝重治教授と坂下雅文講師は、今後、ほかにも悪化させる物質がないか研究し、症状を軽減する薬の開発や対応策につなげたいとしている。

成果をまとめた論文は今月、米医学誌の電子版に掲載された。

大気汚染物質の鉛や水銀、カドミウムなどの重金属は、ぜんそくのリスクを高めるとされている。

研究グループは、大気汚染物質がスギ花粉症に与える影響について調べた。

2016、17年に、県内のスギ花粉症患者44人と花粉症ではない人57人を対象に、花粉飛散前後の鼻汁を採取。
鉛などがどれくらい含まれているかを計測、比較した。

花粉飛散前は、両者の鉛濃度に差はなかった。

花粉が飛散している時期には、花粉症患者の鉛濃度が花粉症ではない人より1・5倍高かった。

患者に症状を聞き取ったところ、鉛濃度が高いほど1日のくしゃみの回数が多く、鼻づまりの程度が重い傾向が見られた。

一方で、水銀やカドミウムなどは検出されなかった。

症状悪化と鉛濃度との関連性を裏付けるため、マウスを使った実験を行った。

アレルギー性鼻炎を持つマウスと健常マウスを準備し、鉛を鼻に投与。
10分間のくしゃみと鼻をこすった回数をそれぞれ調べた。

鼻炎を持たないマウスは投与後も変化がなかった一方、鼻炎を持つマウスは、どちらの回数も4~5割増加した。

さらに、投与から24時間後にマウスの鼻汁の鉛濃度を測定。

鼻炎を持つマウスは健常マウスの4・3倍高い濃度を示したことから、坂下講師は「鼻の中で炎症が起きていると鉛が残りやすく、それが症状の悪化につながると考えられる」と説明した。

調査では、鼻汁を採取する1~4日前の花粉飛散量と鉛濃度に相関関係が見られた。

ヒノキやシラカバなど、ほかの花粉を調べたところ、鉛が付着していたことから、坂下講師は「マスクで花粉の吸い込みを防いだり、鼻うがいで洗浄したりする基本的な対処は大切。症状を軽減する薬の開発に役立つのではないか」と強調。

藤枝教授は「鉛を除去する空気清浄機など、新しい対応策をつくっていければ」と話した。

https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1288605 

 

 

 

 

 

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2021331161分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東京都八王子市の認定こども園で2020年9月、男児(4)が給食で出されたブドウを喉に詰まらせ死亡した事故を受け、市が設置した重大事故検証部会は30日、検証報告書を公表し、事故原因として国や市が作成した事故防止指針が園の職員側に十分伝わっていなかったことなどを挙げた。

報告書では、指針は市から園側に通知されていたとした上で、園側の対応について「通知類の情報量が多いためか、詳細を点検し、必要な情報を抽出する作業が行われなかった」と指摘。

給食施設を持たない幼稚園が認定こども園に移行した際に、給食業務を外部委託業者に依存してしまっていたことも背景にあるとした。

また、男児は喉の既往症があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響で手術が延期されていた。

のみ込みにくかった可能性があるが、職員による男児の体調チェックが不十分だった可能性にも触れた。

報告書を受け、市は対応策に
〈1〉市内の全教育・保育施設を対象とした危機管理
   マニュアルを策定する
〈2〉幼児教育・保育センターの施設職員を対象とした
   研修を一括管理する
などを掲げた。

報告書によると、事故当日、男児は給食で出された直径3センチ程度のブドウ(ピオーネ)を喉に詰まらせ、体調の急変に気づいた職員らが除去、救急措置を試み、到着した救急隊員も措置を施し、病院に搬送したが死亡した。
窒息死とみられる。

国が16年に公表した保育施設などの事故防止指針では、ブドウやサクランボは窒息につながりやすいとして、給食での提供を避けるよう求めている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20210331-OYT1T50101/

 

330170分に朝日新聞からは、市は通知することで周知されたと考えていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東京都八王子市の私立認定こども園で昨年9月、男児(当時4)が給食のブドウ(直径約3センチ)をのどに詰まらせて死亡した事故で、市は30日、有識者による事故検証報告書を公表した。

国のガイドラインが現場で周知されず、給食も外部業者任せだったなどと指摘した。

報告書はA4判で13ページ。
事故があった園や給食の委託業者へのヒアリングなどを基にまとめた。

それによると、園には国の食品事故防止のガイドラインなどが市から通知されていたが、職員や給食の委託業者、栄養士に内容を周知していなかった。

市は通知することで周知されたと考え、研修などをしていなかった。

ガイドラインには、吸い込みによる危険がある食品の事例として、ブドウやプチトマトなどが挙げられていた。

市作成の危機管理マニュアルは公設公営施設向けで、認定こども園や幼稚園、民間保育所などには共有されていなかった。

また、園は献立作りや食育の啓発などを外部業者に任せて、給食会議や検食をせず、業者に依存していたと指摘した。

市は今後、200以上ある市内全ての保育施設などに新たなマニュアルを配り、研修を実施。

毎年9月を「事故防止月間」とし、啓発にも取り組むという。

https://www.asahi.com/articles/ASP3Z5HH3P3ZUTIL01Z.html 

 

4580分にYAHOOニュースからは、本ブログでもしばしば登場いただいている山中医師の解説的寄稿文?が下記趣旨でネット配信されていた。

・・・・・

通知量が多いなら、たとえば「給食での使用を避ける食材」を大きな一枚の絵入りポスターにして、園の給食室や保育士の控室、委託業者の調理室などに貼る、小さいポスターも作成して保護者に毎年配布する、といった方法をとればよい。

危機管理マニュアルは、数ページのわかりやすい冊子にして、公立・私立を問わず、毎年改定してすべての教育・保育施設に配布すればよい。

報告書には「幼稚園型認定こども園における給食に関しては、立ち入り調査の権限が市にはなく、指導監査の基準がない」と記載されている。

補助金の有無による対応の差なのかもしれないが、子どもには差はないのだから、すべて同じ対応が必要なのではないか。

すべての教育・保育施設に対して指導監査する権限を行政に付与するよう、条例を整備する必要がある。

これまで、教育・保育管理下での死亡例の検証報告書は何編も出されているが、それによって何かが変わり、予防効果があったという報告は見当たらない。

検証報告書を見ると、思いつくことのすべてを列記して、「○○すべきである」と指摘することが委員会の役割と考えられているようである。
今回の報告書も同じである。

報告書の提出先は死亡例が発生した自治体で、他の地域や国全体のことは考えられていない。

検証委員会は、報告書で指摘すれば、保育関係者や行政の担当部署は、「指摘されたことに対処する」と思い込んでいるようであるが、保育士も行政官も毎年異動し、指摘したことが実現することは極めて少ない。

検証報告書の提言が実施されたか検証することが不可欠である。

・・・・・

できない理由を受け入れるのではなく、予防につながる具体的な提案を示すのが検証委員会の本来の役割であろう。

・・・・・

https://news.yahoo.co.jp/byline/yamanakatatsuhiro/20210405-00230820/ 

 

※事故当時の報道は下記参照。

2020982059分 YAHOOニュース;共同通信)

東京都八王子市の私立幼稚園で7日、4歳の男児が給食で食べたブドウを喉に詰まらせ死亡したことが8日、警視庁高尾署への取材で分かった。

窒息死とみられ、同庁は幼稚園関係者に事情を聴くなどして、業務上過失致死容疑を視野に、当時の状況を調べている。  

高尾署や八王子市によると、7日午後1時半ごろ、男児は給食で出された直径約3センチのブドウ「ピオーネ」を食べていた際、苦しそうな表情で急に立ち上がった。

職員が吐き出させようとしたが出てこず、119番。

男児は搬送先の病院で間もなく死亡した。  

給食では3粒出され、男児の喉からは皮がむかれた状態の1粒が病院で見つかった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3f848f309172f6fdcb22828c71949619223ee78e

 

2020981649分 時事ドットコム)

7日午後1時半ごろ、給食中の男児が苦しそうにしているのを幼稚園の職員が見つけ、通報した。

男児は搬送先の病院で、間もなく死亡が確認された。
同署などによると、ブドウは直径約3センチで、丸ごと1粒が男児の喉から見つかった。

当時、男児を含む25人の園児が一緒に給食を食べており、職員2人が監督していたという。

同署は業務上過失致死容疑も視野に、園の管理体制が適切だったか調べる。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020090800777&g=soc

 

(ブログ者コメント)

〇文書配布イコール周知ではない・・・そんな事例の一つとして紹介する。

〇豆やグミなどを誤嚥した事例については、本ブログでも過去に何件か、対策と共に紹介している。

 

 

 

 

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2021411331分にYAHOOニュース(読売新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

3月30日午後11時頃、高知県香美市香北町蕨野(わらびの)の自動車部品製造会社「M鉄工所美良布工場」で、同市物部町大栃、会社員上池さん(男性、56歳)に、自動車部品を製造するロボットアームがぶつかり、背後の機械との間に胸を挟まれた。

同市内の病院に搬送されたが、約2時間30分後に死亡が確認された。
胸を圧迫されたことによる窒息死とみられる。

南国署の発表によると、上池さんは1人でアームの近くで作業をしていたが、午後11時50分頃、姿が見えないことを心配した同僚が様子を見に行って発見した。

同署は業務上過失致死容疑を視野に、会社から事故の状況などを詳しく聞く。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bfff97e59369788ec70d81309b7cdda84a56ef56

 

331日付で高知さんさんテレビからは、部品を運ぶアームと機械の間に挟まれたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

昨夜11時ごろ、従業員から「同僚が機械に挟まれ意識がない」と消防に通報がありました。

警察が駆け付けると、従業員の上池さん(男性、56)が部品を運ぶアームと機械の間に挟まり、心肺停止の状態でした。

鉄工所は夜中も稼働していて、事故当時、上池さんを含め2人が勤務していたということです。

https://www.sunsuntv.co.jp/news/2021/03/2706165

 

4150分に高知新聞からは、部品が運ばれてこなくなったため確認しに行ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

南国署によると、同工場は自動車部品を製造しており、男性と同僚1人が作業していた。

男性が手を加えた部品を同僚に運ぶ工程となっていたが、部品が運ばれてこなくなったため同僚が確認に行くと、男性が部品製造機械と運搬用アームの間に挟まれていたという。

同署が原因を調べている。

https://www.kochinews.co.jp/article/446078/

 

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20213291733分にNHK岡山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

捕獲した有害鳥獣を処理する「ジビエカー」と呼ばれる特殊な車両で解体されたシカの肉を肉食動物のエサにしようと、岡山市の動物園に初めて届けられました。

岡山県真庭市では、有害鳥獣として捕獲されるシカなどの野生動物を捕獲場所の近くで食肉に処理できる「ジビエカー」をおととし、導入しましたが、食用として適さない若いシカの肉の利用方法が課題となっていました。

そこで、真庭市と関係が深い岡山市の池田動物園で、食用にできなかったシカの肉を肉食動物のエサとして活用することになりました。

29日は、「ジビエカー」でシカ肉が池田動物園に初めて届けられ、真庭市の吉永忠洋副市長が「この10年間で鳥獣害対策の予算はおよそ10倍増えた。ジビエカーは生き物の命を役立てる地域循環の仕組みで、これからも積極的に取り組んでいきたい」とあいさつしました。

このあと、飼育員から3月に8歳になったばかりのホワイトタイガーの「サン」やハイエナにシカ肉が与えられ、「サン」は無我夢中で平らげていました。

7歳の女の子は、「エサをもらったときの『サン』は迫力があり、食べる力がすごかったです」と話していました。

池田動物園の忠政智登士副園長は「動物たちも喜んでいました。新型コロナウイルスの影響で訪れる客も減少しており、安い値段でよいエサが手に入るのは助かります」と話していました。





https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20210329/4020008459.html 

 

(ブログ者コメント)

ジビエカーとはどのようなものだろうか?
調べた結果は下記。

これまでは、仕留めてから数時間経つと肉に臭みが回り、食用に適さなくなることが問題となっていたが、この車をうまく運用すれば、駆除側、消費者側の双方にとってメリットがありそうだ

『ジビエカーとは』

(日本ジビエ振興会 HP)

「ジビエカー(移動式解体処理車)」は、日本ジビエ振興協会、長野トヨタ自動車()が共同開発した、野生獣を現地で※1次処理する事のできる特装車です。

捕獲現場付近まで駆けつけてから止め刺しを行い、直ちに処理を行うことが出来るので、肉の劣化を抑えることができ、また、近隣に獣肉処理施設のない地域や運搬の手間かかる地域などでの、これまで廃棄されていた鹿、猪の利活用率向上が期待されます。

・・・・・

https://www.gibier.or.jp/gibiercar/aboutcar/

 

 

 

 

 

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202132961分にYAHOOニュース(DIAMOND online)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

2019年に起きた京急線の踏切事故の背景にある本社と現場の分断の実態について、前回の記事『「京急踏切事故」の裏にある、元乗務員たちが語る驚きの問題とは』で書いた。

だが、京急の問題はそれだけではない。

今回は、乗務員の過酷な労働環境と相次ぐ退職者の問題について取り上げる。
(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

 

【他社への流出が相次ぎ 乗務員は1割が欠員】

京浜急行電鉄は、駅の信号や線路の切り替え作業などの運行管理を手作業で行う「人間優位の企業文化」を持つことで知られる。

多くの鉄道事業者がコンピューターで制御している中、京急が手作業にこだわるのは、10年以上の運転経験を持つ経験豊富なベテラン社員がトラブル時に臨機応変に対応するためだ。  

この結果、国土交通省が20202月に発表した東京圏の鉄道路線の遅延「見える化」でも、1カ月(平日20日間)の遅延証明書発行枚数が5.7枚(2018年度)と、対象45路線の平均値11.7枚(同)を大きく下回るなど、遅延や運転見合わせの発生回数が少ないことで注目を集めてきた。  

しかし、人間の判断にも限界がある。

神奈川新町駅第1踏切の事故以前、京急では踏切の支障を知らせる特殊信号発光機の停止現示があった場合、運転士は「速やかに停止するもの」とのみ定められており、常用ブレーキまたは非常ブレーキの使い分けについては、速度・距離など状況を考慮して運転士の判断に委ねるとされていた。  

踏切の直前横断などで特殊信号発光機が動作した場合でも、ダイヤを極力乱さないよう、「臨機応変」に対応するための規定であったと考えられるが、国土交通省運輸安全委員会の事故調査報告書は、運転士の非常ブレーキ使用を遅らせる要因のひとつになった可能性があると指摘している。  

このように、良くも悪くも「人」によって支えられている京急の運行は今、曲がり角を迎えている。

乗務員を中心に退職者が続出し、640人(運転士、車掌がそれぞれ320人)の乗務員中、1割近くが欠員となっており、しかも退職者はJR東日本や都営地下鉄など同業他社へ流出しているというのだ。

人間優位の企業文化は、人間を大切にすることで初めて成立するはずだが、京急の内部で一体、何が起こっているのだろうか。

 

13日連続勤務を 強いられる労働環境】

「個人を駒ではなく人間として扱ってください」
「現場の声をないがしろにしてきた結果が今の状態にあると
 思います」
「顧客満足度は上位かもしれませんが、従業員満足度は最低
 です」――。

これらは、労働組合のアンケートに寄せられた社員の声である。  

京急社員の置かれた状況を端的に表すのなら、「重労働」と「低賃金」だ。

そして、京急乗務員の重労働を象徴する言葉として、しばしばネット上で語られるのが「13連勤」というキーワードである。

なぜ、13連勤という過酷な勤務が生じるのか。  

そもそも京急の乗務員は完全週休2日制ではなく、23週に1度は週6日の勤務が入ることになっているが、これに加えて欠員の穴を埋めるために休日出勤を余儀なくされる。

そして残った休日も、欠員対応や有給休暇を取得する乗務員の代番として出勤すれば、13連勤の完成というわけだ。  

一方で、13連勤が成り立ってしまう背景には、低賃金の問題がある。
基本給だけでは生活ができないため、若手を中心に望んで休日出勤をする人たちがいるからだ。

もちろん、彼らとて労働環境に疑問がないわけではないだろう。

しかし、生活のために無理をしてでも勤務に入らねばならないのである。  

取材をした20代の元車掌に当時の給与明細を見せてもらった。
1
カ月(31日)のうち23日勤務(休日8日)で手取り14万円。13連勤を含む1カ月(30日)のうち27日勤務(休日3日)で、手取り20万をようやく超える程度であった。  

京急退職者は皆、「休みは少ないが高給か、休みを多くとれるが薄給か、どちらかなら分かるが、京急は薄給で休みが少なく、激務だ」と語るが、確かに、これでは働き続けることはできないだろう。

輸送の安全を担う鉄道職員が、これほどの低賃金、重労働というのは健全な状態とはいえない。

 

【真の運転士を求める 精神主義の危うさ】

過酷なのは勤務の中身も同様だ。

休憩時間は折り返しの合間のわずかな時間が中心で、勤務によっては食事の時間を確保することもできないという。

また115秒以上の遅延や急病人救護などが発生すれば遅延報告書や乗務報告書の作成が求められ、こうした作業で休憩時間が削られていく。

業務資料の作成や研修の一部はサービス残業扱いで、給与が発生しない。

乗務員は疲弊していくばかりだ。  

次世代の現場の中心を担うべき若手社員が次々と流出すれば、これまで京急の強みとされてきたマンパワーすらも、いずれ機能不全に陥る可能性が高い。

現場からは列車を減便し、仕業を削減してはどうかとの声も上がったというが、本社はかたくなに列車本数の維持にこだわり、労働環境の改善には至っていない。

京急が理想とする乗務員の姿とは何なのか。

元車掌のA氏から興味深い話を聞くことができた。

以前、京急のある運転課長は、運転士見習いを前に、電車の運転士ではなく「京急の運転士になってほしい」と語ったという。  

どういうことか。

運転課長は、たまたま見かけた京浜東北線の運転士が「よそ見する、手放しする」などひどい勤務態度だったとして、彼らは「運転士ではなくて、ただ乗っているだけの人」。
だからJR東日本は「お金をかけて勝手に電車が止まるようにしたり、ホームから人が落ちないように柵を付けたりしている」と言うのだ。

そして、そうではない京急の運転士こそが真の運転士であるとして、運転士の卵たちに奮起を迫るのである。  

なるほど、確かに機械のバックアップに甘えて、基本動作がおろそかになるのは問題かもしれない。

しかし、この人間優位の捉え方には根本的な誤りがある。

人間優位とは、人間にしかできない、あるいは人間の方が優れた点を尊重する思想であって、機械のバックアップを不要とする考え方ではない。

機械に頼らず、人間の手で仕事をしているから優れているというのは、ただの精神主義である。  

2019年の踏切事故後に始めた取材で話を聞いた現職・元職の京急社員の数は10人近くに上る。
彼らが口をそろえて言うのは、声を上げたくても何もできなかったという無力感だ。

しかし、彼らは同時にこう言う。
「辞めていった人たちがようやく会社も変わったなと思えるように、残った元同僚の待遇が少しでも良くなるようにという思いで証言している」のだと。  

彼らを追い詰めていたのは私たちである。

京急は熱心なファンが多くいることで知られ、顧客満足度調査でも上位に位置している。

その陰でガバナンスの欠如や労働問題は見過ごされてきた。  

筆者も鉄道業界にいた身として、京急のサービスには学ぶべき点が多々あると考えてきたが、その裏側で従業員がどのように働いているか、全く考えたことはなかったことを告白する。

そして、その上で問いたい。
京急は変わることができるだろうか。

https://news.yahoo.co.jp/articles/020013801363a3aaa564f016beafc730c336ce03

 

(ブログ者コメント)

京急の踏切事故と、それに対する枝久保氏の見解は、本ブログ掲載スミ。
その関連情報として紹介する。

 

 

 

 

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202132920分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

在宅勤務の広がりとともに、共同住宅のベランダでの喫煙に厳しい目が向けられている。

受動喫煙による体調不良を訴えた隣人への賠償を命じた裁判例もあり、管理規約の禁止条項に盛り込む新築物件も増えた。

トラブルを避ける上で、自主的なルールづくりやマナーの徹底が一段と求められる。

「ベランダでの喫煙は管理規約違反です。階下の方より『たばこの灰が落ちてきて非常に困っている』との連絡がありました。火災の原因にもなりかねません」

202012月、豊洲(東京都江東区)のタワーマンションに注意書きが張り出された。

規約でベランダでの喫煙を禁じているが、このところ違反が目立ち、煙や灰を迷惑がる入居者が少なくないという。

マンションの注意書きと、新型コロナウイルスの感染拡大で急速に広がった在宅勤務は、無関係ではない。

日本たばこ産業(JT)が20年、20歳以上の喫煙する男女約2万人に実施したアンケート調査では、86.4%が「コロナの影響で在宅時間が増えた」と答え、「自宅での喫煙機会が増えた」と回答した人は60.9%だった。

都内のマンションに住む男性会社員(30)は、「外で吸える場所はほとんどないし、そもそも外出は自粛。在宅勤務中はベランダで一服している」と話す。

15年の国勢調査によると、マンションやアパートなどの共同住宅に住む人の割合は、東京都で6割超、大阪府は約5割を占め、都市部を中心にベランダでの喫煙が増えているとみられる。

「在宅時間の増えた喫煙者が、家族への配慮に加え、室内に臭いが染みつくのを避けようと、喫煙場所にベランダを選んでいるのではないか」(不動産関係者)

住民からの苦情も相次ぐ。

国民生活センターにはコロナの感染拡大後、「階下から煙が上がってくる」、「不快を超えて頭痛や体調不良につながった」といった相談が複数寄せられた。

洗濯物への臭いの付着や、吸い殻のポイ捨てがトラブルに発展した例もある。

一般的な共同住宅のベランダは「専用使用権のある共有部分」に当たり、区分所有者がおおむね自由に使うことができる。

ただ、不動産トラブルに詳しい瀬戸仲男弁護士は、「ベランダ喫煙で近隣住民が被害を受ければ、民法上の不法行為として損害賠償を請求されることがある」と説明する。

不法行為を認めた司法判断も出ている。

名古屋地裁は12年、住民に配慮しない喫煙は違法だとして、ベランダで喫煙を続けた男性に慰謝料の支払いを命じた。

上階に住む当時70代の原告女性はぜんそくの持病があり、帯状疱疹(ほうしん)を発症。
手紙や電話で喫煙をやめるよう求めたが聞き入れられなかったため、訴えを起こした。

204月の改正健康増進法施行で、職場や飲食店での喫煙が原則禁止となった。

こうした流れに沿うように、管理規約などでベランダでの喫煙を禁じる新築物件も増えている。

瀬戸弁護士は、「喫煙者はベランダ喫煙が許される環境かどうか、まずは管理会社や大家に相談するのがよい」と話す。

一方で、住宅を管理する側には「掲示板などで喫煙の自粛を求めたり、灰や吸い殻を落とさないよう呼び掛けたりして、愛煙家と嫌煙家の双方が共通のルールを認識する必要がある」と強調する。

臭いが少なく、煙や灰が出ない加熱式たばこも普及している。

「ステイホーム」を皆が快適に過ごせるよう、隣人への配慮と理解が欠かせない。

ベランダ喫煙に隣人の厳しい目 コロナの在宅増で一段と: 日本経済新聞 (nikkei.com) 

 

(ブログ者コメント)

共同住宅のみならず一戸建て住宅でも、家の中で吸わず(吸えず?)、庭や玄関で吸っている人をよく見かける。
散歩していたら、あるいは窓を開けていたら隣家からなど、家族への迷惑を避けたばかりに近所に迷惑をかけているケースも数多くありそうだ。

 

 

 

 

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20213291953分にYAHOOニュース(テレビ長崎)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

長崎市のF造船長崎工場で29日午前、移動中の高所作業車から男性作業員が転落する事故がありました。
男性は意識不明の重体です。

KTN記者 「こちらの工場の入口を入ってすぐ、あちらに見える車両から転落したものとみられます」

事故があったのは長崎市末石町のF造船長崎工場です。

警察と消防によりますと、29日午前9時前、神奈川県の40代の男性作業員が高所作業車を移動させるため、籠に乗って操縦していたところ、約6メートル下の地面に転落しました。

作業車の右のタイヤが脱輪し、不安定な状態となり、放り出されたとみられるということです。

男性は通報から約40分後に長崎市内の病院に搬送されましたが、意識不明の重体だということです。

警察が事故の詳しい状況を調べています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e63189051ce7de93d50ded17b54140cba286bc72

 

(ブログ者コメント)

6m高さにあるカゴに乗ったまま高所作業車を移動させていたと読める報道だが、そのような危険含みの走行ができる高所作業車があるのだろうか?
疑問に思い、調べてみたところ、そのような車もあるとのことだった。
以下は当該情報。

(㈱アイチコーポレーション HP ;解決Q&A)
Q37 作業床を上げたまま移動(走行)ができる車両
高所作業車(垂直昇降型)の中には、作業床を上げたまま移動(走行)ができる車両がありますが、法的な問題はないのでしょうか?(O.M さん)

A37-1
取り扱い説明書にて作業床を上げたままでの移動(走行)を認めている高所作業車については、作業床を上げたまま移動(走行)しても法的問題はありません。

これは「高所作業車構造規格」で定められた安定度(転倒に対する安全性)及び強度を満たしているためです。
ただし、道路上で作業を行う場合には、所轄の警察署より道路使用許可が必要になります。
これは車検登録済み(ナンバー付)の高所作業車を使用して、走行しながら作業する場合でも同様に必要となります。
(メールキャビン編集部)

https://www.aichi-corp.co.jp/service/faq アカスミ

 

 

 

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20213281626分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東日本大震災の津波で被害を受けた千葉県山武市に、最大で300人が津波から避難できる人工の山が完成しました。

この人工の築山は、山武市の井之内地区の海岸から800メートルほど内陸に、津波からの一時避難場所として整備されました。

海抜10メートルの頂上には広場があって、階段やスロープで3つの方向から上がることができ、最大300人が避難できます。

広場には食料や毛布を備えられる備蓄倉庫のほか、収納機能が付いたベンチや防災用の簡易トイレも設置されています。

山武市では、東日本大震災の際津波で1人が亡くなり、住宅およそ500棟が全半壊する被害が出ていて、28日は地元の住民も参加して完成を祝う式典が開かれました。

近くに住む70代の女性は、「自宅から工事の様子を毎日見ていました。10年前の震災のときは自宅の近くまで津波が来たので、いざとなれば逃げ込めて安心です」と話していました。

山武市消防防災課の荒木課長は、「ふだんから防災訓練などに活用して、津波がきたときに逃げ込める地域の防災のシンボルになってもらいたい」と話していました。







https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20210328/1080014099.html

 

3291211分に読売新聞からは、近くに避難場所としての高台がない地区に設けられたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

市によると、東日本大震災で、市内の浸水面積は9・4平方キロ・メートルに及んだ。

市が復旧・復興事業を進める中、井之内地区では、津波災害時の一時避難場所として住民が徒歩で逃げられる高台がないことが課題となっていた。

このため、市は総事業費約4億7000万円をかけ、海岸から800メートル離れた農地約9053平方メートルを整備した。

完成した「井之内津波避難広場」は、盛り土で造った丘を中心に、非常食の備蓄倉庫や、22台分の駐車場などを用意。
災害時には344平方メートルの頂上部分を避難所として利用できる。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20210329-OYT1T50061/ 

 

 

 

 

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20213271658分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が複数の現場写真付きでネット配信されていた。

27日午後3時ごろ、大阪府摂津市三島3丁目の段ボール製造会社「M紙業」から、「溶接中の火がパレットに燃え移った。今も燃えている」と119番通報があった。

摂津市消防本部によると、火は工場内に燃え広がり、延べ約8820平方メートルの工場と、3階建ての事務所延べ約670平方メートルが全焼した。

隣接する高槻市や吹田市の消防隊も出動し、消火活動にあたったが、けが人の情報はないという。

現場は阪急京都線の摂津市駅から南に約800メートルの、住宅や工場が立ち並ぶ一角。

近くで美容院を経営する岩谷さん(男性、61歳)は、「店の営業中に煙が上がり、消防から逃げてと言われた。早く火が消えてほしい」と不安そうに話した。

https://www.asahi.com/articles/ASP3W5H8YP3WPTIL00C.html

 

3272349分にNHK関西からは、会社は休みで別会社の社員が作業していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

27日午後3時ごろ、摂津市三島にある段ボールを製造する「M紙業」の工場で、「溶接中の火がパレットに燃え移った」と、作業をしていた男性から警察に通報がありました。

消防車など16台が出て消火にあたり、およそ8時間後の午後11時すぎにほぼ消し止められましたが、敷地にある3階建ての事務所と、のべ床面積がおよそ8800平方メートルの工場が全焼したということです。

警察や消防によりますと、けが人や逃げ遅れた人はいないということです。

工場は27日は休みで、出火当時、別の会社の社員が作業していたということで、警察などが詳しい状況について調べています。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210327/2000043089.html

 

(2023年11月30日 修正1 ;追記)

202311272210分に朝日新聞からは、エレベータ設置工事中に天井の鉄板を溶断していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)

府警は27日、工事会社2社の男2人を業務上失火の疑いで書類送検し、発表した。

起訴を求める「厳重処分」の意見を付けたという。

府警によると、2人は岸和田市の建築リフォーム業「U工務店」の部長(63)と、泉南市の工事業「S工業」の元社員(30)。

2021327日、摂津市三島3丁目の段ボール製造会社「M紙業」で、エレベーター設置工事中に天井の鉄板を溶断する作業をしていた際、足場にしていた樹脂製のパレットに引火させ、工場や倉庫など4棟を全焼させた疑いがある。

この会社の被害額は約546千万円に上ったという。

https://www.asahi.com/articles/ASRCW6CXVRCWPTIL00M.html

 

11271810分にYAHOOニュース(ABCテレビ)からは、鉄板を加熱して切り離した際に溶けた金属からプラ製の足場に引火したなど、時に下記趣旨の記事がネット配信されていた。

おととし3月、摂津市の段ボール製造会社「M紙業」で倉庫や工場が4日間にわたって燃え、8000平方メートル以上が全焼しました。

警察によりますと、作業員が倉庫内で鉄板を加熱して切り離した際、溶けた金属からプラスチック製の足場に引火したといいます。

警察は、適切な対策をとらずに作業したとして、現場責任者の男性(63)と溶接作業員の男性(30)を業務上失火の疑いで書類送検しました。

起訴を求める「厳重処分」の意見を付けたということです。

警察に対し、2人とも容疑を認めています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/689a342e7c376c7d9d95b26a77171f5d8f959b09

 

11月27日18時47分に産経新聞からは、パレットを使うと手間がかからないと思ったと話しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

書類送検容疑は、3年3月27日、鉄板を溶断する際、プラスチック製のパレットが可燃性だと知りながら足場として使用するなど、適切な防火対策を怠り、溶断作業中の火花をパレットに引火させ、工場内の4棟を全焼させたとしている。

府警によると、2人は容疑を認めており、工務店部長の男は「パレットを使うと手間がかからないと思った」などと話しているという。

https://www.sankei.com/article/20231127-PIZUZRULGJKHLCBZAXWIWRH2OU/

 

  

 

 

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20213261559分にNHK埼玉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

エスカレーターの安全な利用を促進しようと、利用者に立ち止まって乗ることを求める条例案が26日開かれた埼玉県議会で可決・成立しました。

県などによりますと、こうした条例案が成立するのは全国で初めてとみられるということです。

この条例案は、エスカレーターでは急ぐ人のために片側をあけることが慣習となり、追突や衝突などの事故のおそれがあるとして、自民党県議団が提出したもので、26日の県議会で賛成多数で可決・成立しました。

条例では、エスカレーターの利用者には立ち止まって乗ることを、エスカレーターの管理者には利用者に周知することなどを求めています。

また、知事は周知が不十分な管理者に対し、指導や助言、勧告ができるとしていて、条例に違反しても罰則はありません。

県や自民党県議団によりますと、エスカレーターで歩かないことを求める条例は全国で初めてとみられるということです。

エスカレーターをめぐっては全国で事故が相次いでいて、日本エレベーター協会によりますと、平成30年からおととしまでの2年間で発生した事故は全国で1550件に上っています。

このうち、手すりを持っていなかったり、歩行中につまずいたりして転倒したケースが805件あり、歩かないで乗る習慣などをどう広げていくかが課題となっています。

この条例はことし10月から施行されます。

エスカレーターの歴史や文化に詳しい江戸川大学の斗鬼正一名誉教授は、「マナーとは本来は市民が考え、行動して作るものだと思うので、条例として定めなくてはいけないことは少し残念だが、ここ10数年、呼びかけが行われてきたのにほとんど状況が変わらなかったので、条例ができたことは評価したい。また、条例が監視や罰則ではなく、自主性を尊重しており、われわれ自身が自主的に自分の問題として考えることが必要ではないか」と指摘しました。

また、課題として、「都心の一部の駅のラッシュアワーでは、全員が歩いているような状況があり、埼玉県内のそのような駅でどこまで効果があるのかは疑問だ。また、埼玉県だけでどれだけ実効性があるかもわからないが、ほかの自治体でもぜひ考えてほしい」と訴えました。

そのうえで、「エスカレーターの片側空けが進んだのは効率を第一とする高度成長期やバブル経済のころで、弱者への配慮があまりなかった時代。コロナ禍でライフスタイルを見直していくなかで、この条例が働き方改革や生き方改革を考える1つのきっかけになれば」と話していました。

エスカレーターで歩く人がいることで、身の危険を感じている人がいます。

埼玉県に住む会社員の川瀬さん(男性、48歳)は、6年前に脳出血となり、左半身にまひが残りました。
リハビリでゆっくりと歩けるようにはなったものの、手は右手しか使えません。

エスカレーターで安定して立つためには、手すりを持てる右側にいる必要がありますが、関東地方では右側をあける習慣が広がっているため、歩いている人に後ろから舌打ちをされたり、左によけるように言われたことが何度もあるということです。

このため、川瀬さんはエスカレーターではまず右側に乗ってから右手で体を固定したあと、ゆっくりと左側に移動するようにしています。

しかし、都内の会社への通勤時には急いでいる人も多く、右から左に移動することも難しいことから、手すりを持たずに左側に乗らざるをえないことも多いということです。

川瀬さんは、「条例化しないと守れないのは、さみしいところですが、困っている人はとても多いと思います。エスカレーターでの事故は本当に命取りになるので、これをきっかけにもう少しだけ周りのことを考えてもらいたいと思います」と話していました。

さいたま市大宮区のJR大宮駅前で、エスカレーターの利用や条例について聞きました。

80代の女性は、「エスカレーターでは、人にぶつかられたことがあって、とても怖い思いをしました。若い人のことを思うと、止まってじっとしていると悪いことをしている気がしてしまいます。条例で止まることが当たり前になればいいなと思います」と話していました。

また、7歳の娘と一緒にエスカレーターを利用していた30代の女性は、「子どもと手をつないで横に並んで乗ってから、左側につれてくるようにしています。右から急いでいる人が上ってくるときにぶつかることがあって、小さい子はそこでバランスを崩すこともあるので、止まって乗るように決めてもらえたら安心だと思います」と話していました。

そして、20代の男子大学生は、「エスカレーターは足が弱い人や歩きたくない人が使うべき物なので、急いでいるなら階段を使えばいいと思う。ただ、エスカレーターで走る人も一定数いて、僕もたまにやったりするので、条例が抑止力になればいいと思います」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/saitama/20210326/1100011148.html

 

3262051分にYAHOOニュース(日テレNEWS24)からは、条例案は危険な思いをしたという意見が寄せられたため提出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

条例案を提出した自民党県議によりますと、高齢者や家族連れから、エスカレーターで危険な思いをしたという声が複数寄せられたため提出したものです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/dc7e70bf75008e8deb3b4991ac3393e20dec6854

 

※ちょっと前、202139日付で埼玉新聞からは、努力義務とする修正案が提出されたが否決されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

条例案の提案者を代表して中屋敷慎一氏(自民)は、「エスカレーターを歩く人のために片側を空けることが慣例になっているが、歩行は非常に危険。接触や衝突で他の利用者を転倒させる恐れがある」と説明。

続けて「社会に定着した人々の行動を変えるには、より強いメッセージの発信が必要だ」などと述べた。

一方、県民会議の委員は、「罰則規定がないとはいえ、条例で義務化するのは、いささか県民にとって唐突ではないか。義務化の前に努力義務として県民に投げ掛けるべき」として修正案を提出。

修正案では「利用者の努力義務」として、エスカレーターの利用に当たっては、立ち止まるほか、手すりにつかまり、安全に配慮した状態を保つことなどを盛り込んだが、賛成少数で否決された。

民主フォーラムの委員は原案、修正案ともに賛成。
同会派の田並尚明代表は、「止まって乗っている人が嫌がらせを受けたというニュースを見たことがある。安心して条例を守れるように周知が必要になるのではないか」と話した。

https://www.saitama-np.co.jp/news/2021/03/09/11_.html

 

 (2021年5月3日 修正1 ;追記)

202152915分に毎日新聞からは、エスカレーターの片側空けを止めるよう5年前から呼びかけていた団体があったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

「エスカレーターでは立ち止まる」――。
埼玉県は3月、エスカレーターを利用する際は止まって乗ることを努力義務とする条例を制定した。
全国の自治体でも初の条例とされる。
エスカレーターの片側を空ける「暗黙のルール」の見直しを求めるものだ。

実は、東京都理学療法士協会が5年前から呼びかけていた。

仕掛け人の一人の同協会の小林さんに聞いた。

――取り組みのきっかけを教えてください。

2016年夏に私たちの協会が開催した都民公開講座にお越しいただいたパラリンピック金メダリストで現在日本パラリンピアンズ協会長をお務めの大日方邦子さんから、こんな提案があったんです。

「そろそろエスカレーターを歩いて上るような社会は変えていけませんでしょうか」

理学療法士は、障害のある方や高齢の方の運動機能の維持・改善を目指すリハビリテーションの専門職です。

病気やけがをした人の体をよくして、社会生活に戻れるよう支援する仕事です。

しかし、大日方さんの言葉で、障害を改善するだけではなく、障害のある人が安全で安心して暮らせる社会を目指すことも我々の使命なのではないかと気づかされたのです。

――埼玉県が条例を制定したことはどう思いますか。

◆条例で定めることには、いろいろな考え方があるとは思います。

しかし、私たちの協会としては、エスカレーターを利用する際に、不安に思っている人がいることを知っていただくきっかけになればうれしいと思っています。

困った方に少しでも焦点が当たって、理解してもらえればと。

いいタイミングで条例化していただいたと思っています。

・・・

https://mainichi.jp/articles/20210430/k00/00m/040/237000c

 

 

 

 

 

 

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202123日に掲載した第3報がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第4報修正4として掲載します。
第3報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/11375/

 

(2021年4月3日 修正4 ;追記)

2021326日に静岡新聞から、工場長らは不起訴になったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

静岡地検沼津支部は25日、業務上過失致死傷の疑いで書類送検された当時の富士工場長を含む社員6人と、協力会社社長の計7人=当時40代~60代=をいずれも嫌疑不十分で不起訴処分とした。

爆発の原因を慎重に捜査した結果、刑事責任を問うのは困難と判断した。

友添太郎支部長は、原因は静電気による粉じん爆発と断定したものの、「いくつかの特殊な要因が重なって大きな爆発を引き起こした」と説明。
7人が特殊要因を予見して事故を未然に防ぐのは難しかったと判断した。

具体的な特殊要因の内容や、7人が作業員に対する静電気帯電防止機能が備わった着衣や靴の着用の徹底を怠ったとの指摘には、「捜査上の証拠に関わるため、明らかにできない」と言及を避けた。

同年12月1日午前8時25分ごろ、紙にインキを定着させる樹脂の製造プラントで発生。
熱した松やになどを反応釜の中で加工した樹脂を冷却後、砕いてフレコンバッグと呼ばれる包装用袋に充塡(じゅうてん)する作業をしていた協力会社の男性従業員2人が死亡し、プラント内外にいた作業員ら13人が重軽傷を負った。
プラントは全壊、全焼した。

同社は18年11月、爆発の発生元はプラント1階部分で、粉砕した樹脂をフレコンバッグに高速充塡する際に静電気が発生して樹脂に着火したなどとする調査結果を公表。

富士署と県警捜査1課は今年1月、粉じん爆発の発生防止対策を怠ったなどとして、業務上過失致死傷の疑いで7人を同支部に書類送致していた。

https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/878795.html

 

325182分に時事ドットコムからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

同地検は、複数の特殊な条件が重なると、粉じん爆発につながる大きな静電気が発生することを特定。

その上で、7人にそのような静電気の発生を予見することは難しかったと判断した。 

https://news.yahoo.co.jp/articles/357660a62ab379f2dcb5559efd4ff45701a3956b

 

(ブログ者コメント)

「大きな静電気が発生することになった特殊要因の内容は明らかにできない」とのことだが、再発防止のためには、刑事罰という束縛から離れ、その点をこそ明らかにしてほしいものだ。

 

 

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20213251920分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

おととしの台風15号で停電や断水が長引いたことを受けて千葉県富津市は、災害時でも限られた水を繰り返しろ過してシャワーを浴びることができる装置を導入しました。

富津市が導入したのは、AIの技術も使って水を複数のフィルターでろ過し、繰り返し使うことができる装置で、テントなどを設置すれば、さまざまな場所で仮設のシャワー室を作ることができます。

富津市では、おととしの台風15号で停電と断水が続いた際に、開発した会社からの支援の申し出を受けて、市内2か所に、この装置を使った仮設のシャワー室を設置しました。

この時、多くの住民に使われていたことから、市は、災害時に避難所などで活用することを想定して、今回、装置を2つ購入することを決めたということです。

高橋恭市市長は「市民の近くに運んで対応できるのが利点だ。コロナ禍の災害で、衛生環境を保つための手洗いなどにも活用できると思っている」と話していました。






https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210325/1000062198.html

 

(ブログ者コメント)

現状のコロナ禍、一番の関心事は、ウイルスが除去できるのか?という点だ。
映像から判断すると、WOTAという会社の製品らしいが、該社HPにはその点の記載なし。
ただ、以下の報道からすると、ウイルスも除去できそうだ。
NHKには、そういった点も報道してほしかった。

2021318120分 YAHOOニュース;水ジャーナリストの寄稿文?の抜粋)

環境省が、環境分野のイノベーション活性化のために創設した「環境スタートアップ大賞」の表彰式が、3月17日、CIC Tokyo(東京都港区)で行われ、WOTA株式会社が、事業成長が期待されるスタートアップに贈られる「事業構想賞」を受賞した。

・・・・・

「WOTA BOX」は、上下水道がつながっていない場所でも水を使うことができる。
災害時の避難所をはじめ、スポーツイベントやレジャー施設などでの利用を想定している。

2019年、台風19号で被災し、下水処理施設が機能停止した長野市では、6か所の避難所に計14台が導入された。

使用済みの水をろ過し、繰り返し水を使う。
シャワーであれば、100リットルの水で100回浴びられる。

・・・・・

給湯器やシャワーブース、脱衣所をセットにした「屋外シャワーキット」も販売。
WOTA BOXと屋外シャワーキットとのセット価格は、498万円(税別)。
これまで自然災害時に、20カ所以上の避難所で2万人以上が利用した。

WOTA BOXは幅820×奥行き450×高さ933ミリメートル、重量は82キログラム。
内部には排水をろ過する装置がある。

【処理された水はWHOの水質基準を満たす】

シャワーなどで使用した水が再びきれいになる仕組みは以下のとおり。

まず、排水は、ゴミポケットで大きなゴミが取り除かれる。

次に、活性炭膜、逆浸透膜など6本のろ過フィルターを組み合わせて、小さなゴミ、せっけんの成分、細菌、ウイルス、金属イオンなどを段階的に取り除く。

・・・・・

処理された水はWHOの水質基準を満たしている。

また、水道を必要としない独立型の手洗い機「WOSH」も開発した。
こちらも98%以上の水を再利用できるため、20リットルの水を一度補充すれば、連続で500回以上の手洗いができる。

・・・・・

https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotojunji/20210318-00228006/ 

 

20207141644分 日本経済新聞)

東大発スタートアップで水処理装置の製造・開発を手掛けるWOTA(ウォータ、東京・文京)は14日、水循環型の手洗い機「WOSH(ウォッシュ)」を開発したと発表した。

同社が持つろ過や塩素添加、紫外線照射の技術を生かし、衛生的な水で手を洗うことができる。

新型コロナウイルスの感染拡大でニーズが高まると見込み、11月に出荷を始めて2021年末までに国内外を合わせて1万台の供給を目指す。

・・・・・

ウォッシュは目が細かいフィルターを使用しており「新型コロナウイルスなどのウイルスを含んでいても、ろ過の過程でフィルターにより除去することができる」(同社)という。

水質をセンサーで監視する機能も搭載しており、塩素や紫外線(UV)によって殺菌し安全な水であることを確かめられる。

・・・・・

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61494950U0A710C2XY0000/

 

 

 

 

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20213251913分にNHK岐阜から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

去年3月、美濃加茂市にある美濃太田駅構内で長良川鉄道の1両編成の車両が脱線しました。

国の運輸安全委員会は現場に調査官を派遣するなどして事故原因を調べていて、25日に調査報告書が公表されました。

それによりますと、現場付近の枕木130本のうち50本に腐食やひび割れがあったほか、レールと固定するために枕木に打ち込む「犬くぎ」と呼ばれる専用のくぎが、マニュアルでは1本の枕木に8本打たなければいけないところ、実際には6本だったということです。

このため、列車がカーブを通過する際に横方向の力がかかってレールの幅が広がったことが事故の原因につながった可能性が高いとしています。

また、作業員の技術力不足で、危険なまくらぎの整備が行われていなかったことも指摘されています。

これについて長良川鉄道は、「木製の枕木から耐久性が高いコンクリート製の枕木に交換を進めている。社員の技術力の強化をはかり、再発防止に努めたい」とコメントしています。



 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/20210325/3080005855.html 

 

32651分に中日新聞からは、枕木の不良を担当社員は把握していたが、次年度に計画されている交換までしのげると思ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

運輸安全委員会は二十五日、二〇二〇年三月に岐阜県美濃加茂市の長良川鉄道で、カーブを走行中の列車が脱線した事故の調査報告書を公表した。

技術力不足の社員が枕木の不良を経過観察でいいと判断して整備せず、レールの幅が広がって脱線した可能性が高いとした。

報告書によると、現場で腐食やひび割れなどが生じている枕木が連続していることを、現場担当の社員が一九年十月の検査で把握。
二〇年度に交換する計画があるのでしのげると考え、整備しなかった。

同社は管理を任せきりにしていた。

同社は事故後、不良枕木の交換や、検査書類を安全管理者が確認するなどの対策を取った。

https://www.chunichi.co.jp/article/224627?rct=national 

 

3252211分にYAHOOニュース(岐阜新聞)からは、本社は整備状況について工務区に任せっきりだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

長良川鉄道の列車が昨年3月、岐阜県美濃加茂市内で脱線した事故で、運輸安全委員会は25日、現場付近で枕木の腐食やひび割れ、レール締結状態の不良が連続していたことが原因とする報告書を公表した。

報告書によると、現場周辺約100メートル間に敷設されていた枕木130本のうち、50本に腐食やひび割れを確認。
不良の枕木が3本以上連続する部分は4カ所あった。
8本連続していた場所もあったとしている。  

レールの締結状態については、枕木に固定する犬くぎが浮き上がっていた場所が見つかった。

このため、列車通過時に現場でレール間が拡大して、列車前方の車輪が右側に脱輪したと結論づけた。  

枕木などの不良について委員会は「工務区は状況を把握していたと考えられる」とした上で、「本社は整備状況について工務区に任せきりであった。整備の必要性が正しく伝わらなかった可能性がある」と指摘。

「枕木、レール締結の管理において技術力不足が見受けられる現業の社員が経過観察で良いと考え、整備が行われなかったためと考えられる」とし、安全管理体制の再確認を求めた。  

同鉄道は、事故後に不良の枕木が3本以上連続する場所で枕木の交換工事を進めており、「報告書の結果を真しん摯しに受け止め、再発防止策を確実に履行し、安全確保に努めたい」とコメントした。  

事故は2020年3月18日午後2時45分ごろ、美濃太田駅の手前約300メートル地点の緩やかなカーブで、北濃発美濃太田行き普通列車(1両編成)が脱線。

時速17キロで減速しながら走行しており、男性運転士と乗客10人にけがはなかった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bd8615cbaf0ffbcb82e5996d7ec98c4a31a5df0f

 

(ブログ者コメント)

枕木不良を経過観察扱いとした社員の技術力不足とは、どのようなものだったのだろうか?
報告書を見たところ、以下のような記載があった。

p9
) 不良まくらぎが8本連続していた。

同社によると、連続性の判断基準については参考資料を基に「連続3本以上」を目安としていたが、規定されてはいなかった。

p28不良まくらぎの交換は、設備更新による改善(劣化等による鉄道施設の被害の未然ボい牛)のために実施するPCまくらぎ化補助金事業とは異なり、設備の保守(不適合の除去)のために速やかに実施する必要があるものであるとの認識が欠けていたことが関与していた可能性がある。

今、すでに不具合が生じている設備を、もうすぐ交換予定だからと、そのままにしておく・・・。
そういうことは、経営環境が厳しい昨今、どの企業でも起こりそうな気がした。

https://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-acci/RA2021-2-2.pdf

 

(2021年6月18日 修正1 ;追記)

20216172027分にNHK岐阜からは、先に当該場所を通過した列車の運転士が運転指令に「線路に異常がある」と連絡したのに、指令は修繕担当に連絡しただけで、次の列車の運転士には連絡しなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)

去年3月、岐阜県美濃加茂市で起きた長良川鉄道の脱線事故で、線路の異常を知らせる連絡を受けたのに、列車を止めるなどの措置を怠って列車を脱線させたとして、当時の運転指令員が業務上過失往来危険の疑いで書類送検されました。

この事故は、去年3月18日、美濃加茂市の美濃太田駅近くで、第三セクターの長良川鉄道の1両編成の車両が脱線したもので、乗客や乗員にけが人はいませんでした。

警察によりますと、この事故で、当時、指令室に勤務し、今は別の部署で働く30代の元運転指令員が、事故の前に脱線現場を走行した列車の運転士から、「線路に異常がある」と連絡を受けたのに、次に走行する列車の運行を中止するなどの措置を怠り、列車を脱線させたとして、業務上過失往来危険の疑いが強まったということです。

警察に調べに対して、元指令員は容疑を認めているということで、6月17日に岐阜地方検察庁御嵩支部に書類送検されました。

長良川鉄道によりますと、元指令員は当時、1人で無線を受けていて、会社に対して、「修繕の担当者には連絡したが、次の列車の運転士への連絡はしなかった」と話しているということです。

この事故をめぐっては、ことし3月、国の運輸安全委員会が、枕木の老朽化や枕木とレールを固定するくぎが不足していたため、列車がカーブを通過する際の横方向の力で、レールの幅が広がった可能性が高いとする調査報告書を公表しています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/20210617/3080006455.html

 

(ブログ者コメント)

司令員は、なぜ、修繕担当者への連絡だけでヨシとしたのだろうか?

事故前に通った運転手からの連絡は、どのような表現だったのだろうか?
もしかして、事態を軽く思わせるような表現?

そんな疑問が湧き、調べてみたが、調べた範囲では全て「線路に異常があると連絡した」という報道だけだった。

 

 

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20213251828分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

千葉県浦安市は、市内の案内看板などに誤った英語表記が見られることから、正しく見直す取り組みを進めていくことになりました。

人口の2.5%が外国人で、外国からの観光客も多い浦安市は、市民から「市内の案内看板などの英語表記が誤っている」という指摘を受け、有識者を交えた委員会で検証を進めてきました。

その結果、例えば新浦安駅前の「自転車進入禁止」の看板が、英語表記では「NoEntranceBicycles」(ノー・エントランス・バイシクルズ)と、「入口自転車なし」という意味になっていること。

また、「一般車一時乗降場」の看板は、「PrivateCarsOnly」(プライベート・カーズ・オンリー)と、「一般車だけ」という意味の表記になっていて、乗り降りできるか分からないことが指摘されました。

さらに市のホームページの日本語の表現が分かりづらいため、機械では正しく翻訳することができず、検証した53件のうち、9割以上の51件に修正の必要があったということです。

浦安市では、ホームページについてはすでに修正し、案内看板については順次、正しい表記に変えていくことにしています。

委員の1人で市内に住むアメリカ出身の林パトリツィアさんは、「新型コロナウイルスの感染拡大の当初、市のホームページを見ても全く意味が分からず困った。今後は外国人にとってさらに住みやすい街になっていくと思う」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20210325/1080014082.html 

 

※昨年、202011211118分に毎日新聞からは、誤表記見直しの経緯などに関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

千葉県浦安市は20日、市のホームページ(HP)の自動翻訳や公共施設の案内表示などの不正確な外国語を改善するため、「多言語表記検証委員会」を設置したと発表した。

12月下旬に初会合を開き、現状と課題を検証し、年度内にも改善案をまとめる方針だ。

市によると同市のHPは、各担当課が更新した情報を民間の自動翻訳システムが機械翻訳している。
英語や中国語など8言語に対応しているが、ネーティブのチェックは入っていないという。

10月中旬に市国際交流協会の白木聖代・前会長が内田悦嗣市長に面会し、市HPで災害時情報や急病診療所の案内などで間違った英訳が掲載されている現状を指摘。

白木さんは自動翻訳の誤訳や不自然な英語の改善を求めて通訳や研究者らで作る「日本の英語を考える会」(会長・鶴田知佳子東京女子大教授)の理事をしている。

内田市長は20日の定例記者会見で「日本全国の問題に浦安がさきがけとなって取り組みたい」と話した。

https://mainichi.jp/articles/20201121/k00/00m/040/035000c 

 

※以下は、白木さんのブログ記事(20201232235分)。

・・・・・

浦安市のホームページの機械英語翻訳に問題あり、と内田市長に連絡したところ、市長が即座に反応、「浦安市多言語表記検証委員会」が発足することになった、ということを先回ブログに書いた。

私も委員として参加するが、それに先駆けて、ホームページ以外のところには問題がないかと市内の様々な場所で「間違い探し」をしてみた。

・・・・・

https://note.com/nihonnoeigo/n/nbe8a022be8fe 

 

(ブログ者コメント)

自動翻訳を使ったがゆえの誤訳については、本ブログでも20204月に神戸市の中国語事例を紹介している。

 

 

 

 

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2021325178分にNHK山梨から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

平成24年に大月市の中央自動車道の笹子トンネルで天井板が崩落し、9人が死亡した事故をうけ、中日本高速道路が社員の安全教育を進めたいとして建設を進めていた研修施設が完成し、25日、遺族や報道関係者に公開されました。

この研修施設は、平成24年12月2日、大月市の中央自動車道の笹子トンネルで天井板が崩落し、9人が死亡した事故を受けて、トンネルを管理する中日本高速道路が、社員の安全教育の徹底と再発防止に努めようと、八王子支社の敷地内に建設しました。

施設には、実際に崩落した天井板などを使い、事故直後のトンネルを再現したスペースや、潰れた状態のワゴン車、それに、遺族の提供した、被害者が事故当時に身につけていた所持品など、事故の悲惨さを伝えるさまざまな展示が行われています。

このほか、事故調査委員会の調査結果や、中日本高速道路の安全対策への取り組み例なども紹介されています。

遺族は、社員の説明を聞いたり、質問をしたりしながら、1つ1つの展示物をじっくりと見ていました。

視察のあと、事故で亡くなった松本さん(当時28)の父親は、「実物が展示されていて、事故のリアルさがよくわかる。この施設を使って、インフラの維持に関わる企業や自治体の担当者が学べるようになればいい。ただ、なぜ事故を防げなかったのかがいまだに明らかになっていないことは遺族として不満だ」と話していました。

安全啓発館の飯塚館長は、「笹子の事故を風化させないというのが1つの大きな目的だ。また、過去に起きた事故などの歴史から、社員が自分ごととして学び、リスクを1つでも減らして大きな事故を減らせるようにと思っています」と話していました。

施設は来月から、グループ会社を含む社員や新入社員向けの研修施設として利用される予定です。






https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20210325/1040012653.html 

 

326850分に毎日新聞からは、松本さんが不満だと感じている内容などについて、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

同館は4月以降、5年かけて同社とグループ会社の社員ら約1万人が訪れる予定になっている。

・・・・・

長女(当時28歳)を亡くした松本さん(70)=兵庫県=は、パネルなどで展示された同社の調査内容について、「事故を防げなかった理由の調査は物足りない。内部で調査したことを素直に反省して展示すべきだ」と語った。

https://mainichi.jp/articles/20210326/k00/00m/040/035000c 

 

325202分に山梨放送からは、今後は社外受け入れも検討するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

施設は来月から社員の研修に使われ、今後は官公庁やほかの企業の研修も受け入れることも検討するという。

https://www.ybs.jp/tv/wnews/sp/news1200gt0v8txkrvgbw95.html

 

(ブログ者コメント)

笹子トンネル事故は本ブログでも紹介スミ。

 

 

 

 

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20213251951分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

25日午後445分ごろ、東京都大田区久が原2丁目のプラントメーカー「Nテクノ」の作業場で爆発が起きた。

東京消防庁によると、工場にいた40代の男性が死亡し、80代の男性がけがを負った。

警視庁池上署などが原因を調べている。

爆発があったのは5階建てビルの1階部分にある作業場で、衝撃でシャッターや鉄の扉が吹き飛び、ガラスが割れた。
火災は発生しなかった。

ホームページなどによると、同社は「水素・酸素混合ガス」を作る装置や水の殺菌機器などのほか、化粧品などを製造・販売している。

関係者によると、爆発があった1階の作業場でこうした商品の実験などをしているという。

近くに住む50代の男性は「ドン」という大きな音を聞いて、家から外に出た。
周囲を見回すと、Nテクノ社のビルから白い煙が上がっていた。
しばらくすると、救急車が駆けつけ、ぐったりした様子の男性を搬送していったという。

同社では、過去にも社員らがけがをする爆発事故があったといい、男性は「事故を繰り返すのは困る。安全を徹底してほしい」と話した。

現場は都営地下鉄浅草線の西馬込駅から南西に約800メートルの住宅街。

https://www.asahi.com/articles/ASP3T6HDDP3TUTIL060.html

 

 

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2021326854分にFNN PRIME(北海道文化放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

同じ部活に所属する男子大学生の髪にライターで火をつけてケガをさせたとして、20歳の男子大学生が逮捕されました。
傷害の疑いで逮捕されたのは、北海道北広島市に住む大学2年の20歳の男です。

男は325日午前240分ごろ、同市内の友人宅で同じ部活に所属する同級生の20歳の男子大学生の頭髪にライターの火を引火させ、ケガをさせた疑いが持たれています。

男子大学生はおでこや両頬、左耳、両手に全治2か月の大やけど負い入院していますが、意識はあるということです。

警察によりますと、2人は大学の柔道部に所属していて、当時、計6人で大会の打ち上げ後の2次会として集まって酒を飲んでいました。

事件前、男子大学生の縮毛、いわゆる"天然パーマ"に関し、"オイルを塗ったら髪が真っすぐになる"などと周囲で話が上がり、男子大学生が大量のオイルトリートメントを髪に塗っていました。

その直後、男が男子大学生の頭にライターで火をつけ、燃え広がったところを周囲が水やその場にあった飲料水で消火。

事件から約10分後、「人がやけどしていて、火遊びが原因」などと消防に通報が寄せられ、男子大学生は病院に搬送、消防の通報を受けた警察も現場に駆けつけ、5人から警察署で事情を聴いていました。

現在までに、男子大学生を標的とした「いじめ」があったなどとの情報はなく、残る4人の関与も無かったものとみられています。

調べに対し、男は「火をつけたのは間違いない」などと容疑を認めていて、警察が詳しく調べています。

https://www.fnn.jp/articles/-/160816

 

325236分に北海道テレビ放送からは、整髪料を塗ったのは友人で?ライターの火を近づけた学生は猛省しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

きょう(25日)午前3時前、北広島市美沢のアパートの一室で飲み会をしていた大学生6人のうち、1人が頭や耳などに火傷を負って病院に運ばれました。

6人は北広島市内の大学の柔道部の仲間で、部活の打ち上げのあと、この部屋に集まって酒を飲んでいたということです。

警察によりますと、深夜になって被害者の学生の頭に「天然パーマをなおそう」とオイル系の整髪料を大量に塗ってふざけていたところ、一人がライターの火を近づけたため引火し、額や耳、手などに2度の火傷を負いました。

警察は、火をつけた学生を傷害の疑いで逮捕しています。

火をつけた学生は警察の調べに泣きながら反省しているということです。

https://www.htb.co.jp/news/archives_10912.html

 

(ブログ者コメント)

本件、事故ではないのだが、珍しい事例なので紹介する。

 

 

 

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20213242311分にYAHOOニュース(神奈川新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

24日午後3時10分ごろ、川崎市川崎区扇島のJFEスチール東日本製鉄所(京浜地区)で、粉末状のコークスが落下し、作業中だった会社員の男性(39)が下敷きになった。

男性は約40分後に救助されたが、意識不明の重体。
川崎臨港署が事故原因を調べている。  

署によると、男性はコークスを運ぶベルトコンベヤーに不具合が生じたことから、装置を止めて調べていたという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/28af80fce1e816daa81fc1507be5d245ec447ba0

 

 

 

 

 

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2021322200分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東京電力福島第一原発で事故が発生して間もない201131618日、米政府が4号機の使用済み燃料プールに水がないと誤って判断したのは、同原発構内の一部で放射線が人の死亡に直結する高線量率になっているとの情報が根拠の一つだった――。
そんな事情が米政府側の記録や関係者の話でわかった。

実際にはプールに水はあった。
が、米政府はプールに水がないため、大量の放射性物質が火災で大気中に巻き上げられ、首都圏まで運ばれかねないと懸念。
原発80キロ圏内の自国民に避難を勧告した。

首都圏に放射能汚染が及ぶ最悪の事態の恐れをめぐり、日米の深刻な認識の相違が生じていた。

4号機の原子炉建屋は315日朝に爆発。
最上階のプールには1331体の使用済み燃料が保管されていた。

記者が参加した「福島原発事故10年検証委員会」(座長=鈴木一人・東京大教授)事務局に対する東電の回答によると、東電は当時、燃料が水面に露出すれば建屋周辺は毎時10シーベルト(1万ミリシーベルト)の線量になると試算していた。

だが実際には、10シーベルトと比べれば線量は桁違いに低く、東電が3月中旬に建屋外で測定した最高値は毎時400ミリシーベルト。
急性放射線障害になった人もいなかった。

東電は当時、測定した線量を逐一公表しており、政府も東電もプールに水があると判断していた。

米原子力規制委員会(NRC)の当時の電話会議などの記録によると、NRC16日早朝(日本時間同日夜)、東京に派遣した職員から「プールは爆発で壁が崩壊し、水を保持する能力を失った」との報告を受けた。

グレゴリー・ヤツコ委員長(当時)は、80キロ圏内の米国人に避難を勧告する方針を決定。
米議会の公聴会で「プールに水はない」と述べた。

ヤツコ氏は19年に出した著書で、この発言の誤りを認めている。

水がないと判断したことについて、日本に派遣されたNRC職員のトップだったチャールズ・カストー氏は18年に出した著書で「建屋の外部の放射線レベルが非常に高いとの話があり、その線源は燃料そのものに違いないと判断した」と振り返っている。

NRCの記録を検証したところ、カストー氏は17日夜(日本時間18日午前)の電話会議で、同じ敷地内にある2号機と3号機の建屋の間に6千ミリシーベルト相当の線量があると発言していた。

別の会議参加者が「私もその数字を見た」と応じると、カストー氏は「それは致死線量(lethal doses)だ」と述べた。

検証委の聞き取りに対し、「致死線量」情報の出所について、カストー氏は「NRCの人間から聞いたとうっすら覚えている」と答えるにとどまった。

記録によると、1517日、NRCの内部では「5人が致死放射線量(lethal doses of radiation)を受けた」、「施設や制御室は致死線量(fatal doses)で、何も制御できなくなるだろう」といった情報も共有されていた。

これらは事実と異なる情報だった。

https://www.asahi.com/articles/ASP3Q5SJKP3QUTIL044.html

 

 

 

 

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20191226日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。

第1報は下記参照。

https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10305/

 

(2021年3月30日 修正2 ;追記)

202132261分にYAHOOニュース(DIAMOND online)からは、事故が起きた場所の信号は見え難いというヒヤリハット報告が1~2年前に現場から出ていたが対応されることはなかった、京急では現場の声が反映されることはほとんどないなど、下記趣旨の記事(鉄道ジャーナリストの寄稿文?)がネット配信されていた。

国土交通省の運輸安全委員会は218日、事故の調査報告書を発表した。
だが、京急の元乗務員たちは、報告書では見過ごされている深刻な問題があると指摘する。
(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

【本社と現場の分断により ヒヤリハット報告が機能不全】

201995日に京浜急行電鉄神奈川新町第1踏切で立ち往生したトラックと下り快特列車が衝突した事故について、国土交通省の運輸安全委員会が218日に事故調査報告書を公表したことは本連載でも取り上げた。  

しかしながら、この報告書は事故そのものの経過については細かい検証がなされたものの、踏切の支障を知らせる特殊信号発光機の視認距離が不十分であった原因や、この問題が見過ごされてきた背景について、十分な掘り下げが行われたとは言い難い。  

なぜ、踏切事故を防ぐことができなかったのか。

取材を進める中で、複数の元乗務員から、事故の芽が生じてしまう京急の実態について話を聞くことができた。  

京急で10年以上車掌として勤務し、事故前に退職したA氏が語るのは、「本社が指示を出して現場は従うだけ」という現場と本社の分断だ。

職場には「本社に意見することは悪いことだ」との空気が蔓延しており、現場の声が反映されることはほとんどないという。

その一例は、ヒヤリハット報告の機能不全である。

ヒヤリハットとは仕事中に起こる「ヒヤリとした」「ハッとした」危険な出来事を指す言葉で、1件の大きな事故の裏には29件の軽微な事故があり、その裏には300件のヒヤリハットがあるとのハインリッヒの法則に基づき、事故の芽を摘むためにさまざまな業界で行われている安全推進活動だ。  

京急でもヒヤリハット報告が行われているが、本社側からは「余計な仕事を増やすな」という圧力を感じ、現場の上長からも「ヒヤリハット報告なんか出すな」と言われるため、現場には「ヒヤリハット報告は後ろめたい」という風潮が蔓延しており、事故以前から「福知山線の次に重大事故を起こすのは京急ではないか」という心配が乗務員からも語られていたという。  

A氏は、事故が起きた神奈川新町第1踏切の特殊信号発光機についても「見えにくいので移設できないか」とのヒヤリハット報告が事故の12年前には出ていたと証言する。

しかし、「本社に報告する」や「速度を落として対応する」など、根本的解決に至らない回答に終始した結果、事故の発生を防ぐことができなかった。

 

【非常ブレーキの制動距離が 国の定める基準を超える車両も】

事故以前に当該踏切の特殊信号発光機についてヒヤリハット報告はあったのか。

筆者が京急広報部に問い合わせたところ、「そのような報告については確認できなかった」とのことだったが、同じく10年以上車掌として勤務経験のあるB氏も同様のヒヤリハット報告を見たと証言している。

A氏、B氏ともに記憶違いがあったのか、ヒヤリハット報告が本社まで届かなかったのか、広報部の調査が不十分だったのか、真相は定かではない。  

しかし、20191127日に鉄道本部長名義で発行された社内文書に「現業からのヒヤリハット報告において、会社の対応が不十分なのではないかという厳しい指摘をいだだきました。私をはじめ、鉄道本部の管理部門は事故再発防止に向けて最大限努力をしておりましたが、このたびの指摘を頂き、現業の皆さまの思いに応えられていないという現実を目の当たりにし、ハッといたしました」との記述があることからも、京急自身がヒヤリハット報告の運用について課題があったと認めていることは確かなようだ。  

ヒヤリハット報告にまつわるエピソードは、これだけではない。

・・・・・

筆者は、この事故についても京急広報部に確認したが、「上大岡駅に関するヒヤリハット報告はなかった」と回答があった。

しかし、本件については筆者自身がヒヤリハット報告書の写しを確認しており、京急広報部の説明は事実に反する。

筆者は鉄道事業者の広報部で報道担当を3年間務めた経験上、この事態を非常に憂慮する。

というのも、広報は不都合な事実を積極的に語らないことはあっても、有るか無いかを問われた時に嘘をつくことはあり得ないからである。

それはつまり、広報に正確な情報が届いていないということを意味しており、本社のガバナンスが機能していないということを示しているからだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/786fdfb2a635d8ae350b1971bfc25ceed20e4e31 

 

※関連情報調査結果、事故発生の2ケ月後、20191114435分にYAHOOニュース(DIAMOND online)からは、信号視認場所から踏切までの距離は最高時速105km時に設定されたものだが、その後、最高時速が120㎞に上げられた際、距離が見直されなかったという、変更管理不備に言及した、上記記事と同じ鉄道ジャーナリストの寄稿文?がネット配信されていた。

9月にトラックと電車が衝突した京急電鉄は12日、暫定的な再発防止策を発表した。
この発表資料を読み解くと、京急の安全意識が十分なレベルでなかったことが垣間見える。
(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

【再発防止策に垣間見える安全意識のマズさ】

・・・・・

【「余裕がなさすぎる踏切」になった理由はどこに?】

訂正後の設置基準は前述の省令に準じた内容であるが、制動距離(ブレーキをかけてから実際に停止できるまでの距離)が約520メートルであることを踏まえると、遠方発光信号機を視認できる地点が570メートル手前というのは、余りにも余裕がなさすぎる。

しかも、京急が公表した現地写真によれば、左カーブの左側遠方に設置されている信号機は、電柱の合間に一瞬見えるだけだ。

同社は遠方発光信号機を省令や社内基準に沿って設置し、運転関係者も実地で確認をしたと説明する。

しかし、そうであればなぜ、ここまで余裕のない設計になってしまっていたのだろうか。

京急によると、この踏切に支障報知装置と発光信号機が設置されたのは1981年。
以降、位置の変更や信号の増設はしていないという。

設置当時は法令上に支障報知装置に関する規程はなかったが、同年の運輸省鉄道監督局(当時)の通達「踏切支障報知装置の構造基準」に定められた、停止を指示する信号機は列車が踏切までに停止できる距離以上の地点から確認できる位置に設置するという基準を満たす設備として位置づけられた。

つまり、設置条件は1981年から変わっていないことになる。

ところが、京急が現行の時速120キロ運転を開始したのは19954月のこと。
1981
年時点の最高速度は時速105キロであった。

時速105キロの場合、減速度を時速4.5キロ毎秒、空走時間を2秒としたときの停止距離は約400メートルだ。

そうなると、遠方発光信号機が踏切の390メートル手前に設置されているのは、当時の運転速度を前提としたもので、その後のスピードアップに応じた適切な見直しがされていなかったのではないかという疑念が生じてくる。

本社と現場が、共にこの問題を見過ごしてしていたのだとしたら、京急社内の安全に対する認識に大きな問題があったと言わざるを得ないだろう。

もうひとつの論点がブレーキ操作である。

京急は発光信号機を確認した際のブレーキ取り扱いについて、これまでは常用ブレーキを原則とし、停止位置までに停止することができない場合は非常ブレーキを使用するとの規程を定めていたが、これを1017日から「直ちに非常ブレーキを操作」に見直したという。

常用ブレーキを基本としていた理由について、京急は「非常ブレーキで停止すると火災現場やトンネル、橋梁など避難誘導が難しい箇所に停止する可能性がある。そのリスクを避けるため」と説明するが、これは本末転倒というよりほかにない。

鉄道事故の被害軽減にあたって最も重要なことは、速やかに減速し事故時に生じるエネルギーを低減することである。

避難の心配はその次に考えるべきことだ。

 

【「ダイヤ乱れ」を避けたい?非常ブレーキを嫌った本音はどこに】

・・・・・

この規程を制定する際に、踏切を担当する信号通信部門と、運転部門で意思の疎通はできていたのだろうか。

実際、規程を変更して約1ヵ月、非常ブレーキを扱うことによる問題は生じていないという。

そうであれば、なぜそこまで常用ブレーキ使用にこだわる必要があったのか。

常用ブレーキと非常ブレーキのもうひとつの違いは、非常ブレーキは、使用したら停止するまで解除することができない点にある。

踏切直前横断で発光信号機が点滅するたびに、列車を非常停止させてダイヤが乱れるのを避けたいという、もうひとつの狙いがあったのではと疑われても仕方ないだろう。

・・・・・

https://diamond.jp/articles/-/220475

 

(2021年9月8日 修正3 ;追記)

2021971717分にNHK首都圏からは、電車の運転士とトラックの運転手が書類送検された、京急は事故後、信号点滅異常時は速やかに非常ブレーキをかけるよう定めた、市は現場に「大型車通行困難」の案内板を設置したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

警察や国の運輸安全委員会が調べたところ、電車の運転士(30)は踏切の異常を知らせる信号機に気づいたあと、まず通常のブレーキをかけ、その後、より強力な非常ブレーキを使用していたということです。

この間、電車は180メートルほど進んだということで、警察は、非常ブレーキの遅れが事故につながった疑いがあるとして、7日、運転士を業務上過失致死傷などの疑いで書類送検しました。

警察は認否を明らかにしていません。

また、警察は死亡したトラック運転手についても、踏切内で立ち往生したことで事故を引き起こしたとして、過失運転傷害などの疑いで書類送検しました。

【京急の対策は】

京急電鉄によりますと、事故当時、現場の踏切の異常を知らせる信号機は、踏切の570メートルほど手前から見える位置に設置されていました。

国の運輸安全委員会の調査では、この位置で異常を知った場合、踏切の手前で止まるためには、わずか1秒余りの間に強力な非常ブレーキをかける必要があることがわかったということです。

京急電鉄では事故後、現場の周辺に信号機を4つ増設して、踏切の900メートルほど手前から異常を確認できるようにしたということです。

また、事故当時、京急のルールでは、信号が点滅して異常を知らせている場合は速やかに停止するとされていて、具体的なブレーキの種類までは定められていませんでしたが、事故後は、ただちに非常ブレーキをかけることを定めたということです。

また、踏切内の異常を検知すると電車の速度を自動的に落とす、自動ブレーキの導入も検討しているということです。

【市の対策は】

一方、現場周辺の道路を管理する横浜市は、付近の道路は狭く、大型トラックが入ると方向転換が難しいことから、事故後、周辺に『大型車通行困難』という案内板を設置するなどの対策をとっています。

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210907/1000069921.html

 

97220分に朝日新聞からは、京急の電車には5段階の常用ブレーキと6段階目に当たる非常ブレーキがあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

今回の事故では、適切にブレーキが使われたかどうかが焦点の一つになっている。

京急の運転士だった男性は、常用ブレーキや非常ブレーキを使う判断の難しさを指摘する。

京急では、運転士は15段階の常用ブレーキと「6段階目」にあたる非常ブレーキを手で操作。

踏切で障害物を検知すると、線路脇の専用信号機が点滅する仕組みだ。

男性によると、専用信号機は、歩行者の無理な踏切横断などで一瞬点滅することが頻繁にあり、多くの場合は、すぐに点滅しなくなるという。

男性は、「まず常用ブレーキで様子を見ていた。非常ブレーキを使うと遅延するかもしれないという意識もあったかもしれない」と振り返る。

京急の内規では原則、常用ブレーキを使うことになっていたが、今回の事故後、信号の点滅を確認した場合は「直ちに非常ブレーキを使用し、停止する」と変更した。

信号機自体も手前に増設した。

京急は現在、自動ブレーキも視野に、「運転士をバックアップするシステム」の導入を検討中だ。

男性は、「安全のためには必要だと思う。ただ、自動ブレーキになれば、確実に今よりも遅れが多く発生すると思う。そこを乗客として、社会としてどこまで容認してもらえるか」と話す。

県警は事故後、列車を使った実況見分を現場で行い、信号機が見えたりブレーキを操作したりした位置を確認した。

京急社員ら数十人を聴取したり、列車の点検記録を調べたりもした。

その結果、ブレーキや信号は正常に機能し、設備の点検や京急社内の安全教育も「不適正な行為は認められなかった」という。

その上で、「(運転士が)停止措置をとれば踏切までに停止可能だった」と判断した。

事故原因の可能性として、国の運輸安全委員会の事故調査報告書が指摘したうち、信号機が架線柱で断続的に遮られていたことについて、県警は「(信号が)見え隠れする状況であっても見通しに問題ないと判断した」とした。

常用ブレーキと非常ブレーキの使い分けが明文化されていなかった点は、「過失に関わる重要な部分なので差し控える」と説明した。

https://www.asahi.com/articles/ASP976T49P97ULOB00X.html

 

 (2021年12月25日 修正4 ;追記)

202112241829分に毎日新聞からは、トラックの運行管理に問題があったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

事業用自動車事故調査委員会は24日、事故の調査報告書を公表した。

報告書によると、運行管理者は病気治療のため不在で、正式な代役を置いていなかった。

当日の運行経路の指示はなく、道路工事などの情報収集も運転手任せにしていた。

運転手が過去2回利用した首都高速道路の入り口は工事で閉鎖していた。

急きょ経路を変更し、別の入り口に向かったとみられるが、Uターンすべき交差点を右折し、線路沿いの狭い道へ進んだ。

報告書は、道に迷った時点で運行管理者に連絡、相談する体制があれば、事故を防げた可能性があったとしている。

(共同)

https://mainichi.jp/articles/20211224/k00/00m/040/254000c 

 

1418分に朝日新聞からは、グループ会社の役員が運行管理を代行していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

この運送会社では当時、運行管理者が病気の治療で業務を行えず、グループ会社の役員が代行。

出発時に具体的な経路を指示していなかった。

運転手は道に迷った際に会社に連絡して指示を受けるべきだったが、連絡しておらず、緊急時の対応について会社の教育も不十分だったなどとした。

https://www.asahi.com/articles/ASPDS4C8PPDRUTIL047.html

 

 

(2022年3月26日 修正5 ;追記)

20223242251分にYAHOOニュース(神奈川新聞)からは、電車の運転士は不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

横浜地検は24日、業務上過失致死傷と業務上過失往来危険の疑いで書類送検された電車の男性運転士(30)を不起訴(起訴猶予)処分とした。  

池田交通部長は、「運転士の過失の程度は比較的軽微と判断した」と、不起訴と結論付けた理由を説明。

「運転士が信号に気付けなかった事情や、気付いてから対応するまでの時間なども踏まえて捜査した。乗客のけがの程度や、亡くなったトラック運転手の落ち度なども考慮し、慎重に検討した」と述べた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9ba40c1f1f3137daf404f2b2c46e02bc70e777cb

 

  

 

 

  

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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