







2017年9月23日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7587/
(2017年12月8日 修正2 ;追記)
2017年11月30日10時16分にniftyニュース(時事通信)から、運輸安全委員会の報告書が公表されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月30日13時46分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
松江市沖で昨年12月、えい航中の底引き網漁船が転覆し乗組員4人が死亡、5人が行方不明になった事故で、運輸安全委員会は30日、調査報告書を公表した。
強風や高波、えい航に使われたロープの長さなど、傾きやすい条件が重なったほか、傾きを戻す「復原力」が低下していたと指摘した。
事故は昨年12月14日未明に発生。
鳥取県岩美町の田後漁協所属の「大福丸」(76トン)がズワイガニ漁を終えて戻る途中でエンジンが停止し、僚船(117トン)がえい航中に転覆した。
報告書によると、えい航のロープは、一部が水面に付くようにたるませるのが望ましい。
両船の場合は約200mの長さが必要だが、トラブルが重なったため、約100mの係船用ロープを使用。
たるまずに張られていたため、僚船の引っ張る角度が大きくなると傾きやすくなる状態だった。
当時は、強風・波浪注意報が出ていた。
大福丸は高波で左右に大きく揺れ、左舷側から強風を受けていたところに、僚船から右側に引っ張られる形となり、大きく傾いた。
また、甲板に新造時にはなかった揚網機やマストなど6トン以上を追加し、海水が入ったズワイガニ用の水槽7個計12トンを置いていたため、復原力は新造時の半分近くまで低下。
傾きを戻せなかったとみられる。
運輸安全委は、再発防止策として、構造物を追加する場合は復原力を十分に検討することや、えい航時は両船の全長の3倍のロープをたるませて使うことなどを挙げた。
船長ら4人は船内などから見つかったが、救命胴衣は着用していなかった。
出典
『傾きやすい条件重なる=荒天、えい航方法-9人死亡・不明の漁船転覆
・運輸安全委』
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12145-2017113000469/
『松江沖漁船転覆 構造物追加で復原力半減 運輸安全委』
https://mainichi.jp/articles/20171130/k00/00e/040/318000c
(ブログ者コメント)
以下は、運輸安全委員会から公表された報告書。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2017/MA2017-11-1_2016tk0016.pdf
2017年9月29日9時11分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
漁船用ロープや漁網などの海の漂流物が原因の船舶事故が、2016年までの10年間に約500件起きていることが、海上保安庁への取材で分かった。
漂流物が船のスクリューに絡まって立ち往生するケースが多く、衝突や転覆で人身事故に及んだケースもある。
非金属の漂流物はレーダーで検知するのが難しいことが事故多発の背景にあり、フェリー会社や漁師らが頭を悩ませている。
8月末、岡山県笠岡市沖の瀬戸内海で、本土と離島を結ぶ定期フェリーを運航する瀬戸内クルージング(笠岡市)のベテラン海技士、藤井さん(男性、42歳)は、操舵室から海面を見つめ、慎重にかじを握った。
片道約11kmの航路で、ビニールやロープ、流木など、6個の漂流物を見つけた。
「海面の色が変だったり、潮の流れがおかしかったりする場所に、漂流物があることが多い」という。
同社のフェリーは今年4月、笠岡・伏越(ふしごえ)港の岸壁に衝突し、乗客7人が転倒してけがをした。
接岸の際、スクリューを逆回転してブレーキを掛けようとしたが、海中にあったロープ(長さ約3m)が絡まり、船を制御できなくなったことが原因だった。
事故の際は別の社員が操船していたが、藤井さんが操船する際もスクリューに漂流物が絡まることが年2、3回あり、自ら海に潜って除去している。
海保によると、07~16年にあった全国の船舶事故約2万件のうち、漂流物が原因のものは497件あった。
漂流物事故の比率は少ないが、毎年50件前後が発生しており、重大な事故も起きている。
16年4月には、愛媛県の今治港で小型漁船が転覆し、漁師の男性(当時75歳)が行方不明に。
シャフトに網が絡まり、船のバランスが崩れたためとみられる。
過去3年間の事故(計141件)で原因となった漂流物は、ロープ62件、網40件、袋・シート10件など。
海保は、原則6m以上の大型漂流物が見つかった場合、航行警報を出して各船に伝えるが、確認されるのはごく一部。
漂流物が原因で年2、3回運航が遅れるという「佐渡汽船」(新潟県佐渡市)は専属ダイバーを雇い、絡まった漂流物を取り除くが、海中にある場合や夜間の航海では発見が難しいという。
神戸大大学院海事科学研究科の若林伸和教授(航海学)は、「波の影響もあり、肉眼で漂流物を判別するのは困難。望遠カメラや赤外線センサーなどを活用し、漂流物を検知するシステムの開発を急ぐべきだ」としている。
出典
『海の漂流物 船事故多発 10年で500件、検知困難で』
https://mainichi.jp/articles/20170929/k00/00m/040/135000c
(ブログ者コメント)
笠岡市の事例は本ブログでも紹介スミ。
2017年9月20日18時22分にNHK香川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月24日14時23分にもNHK香川から同趣旨の記事がネット配信されていた。
20日午前11時ごろ、観音寺市にある観音寺港の岸壁で、液化ガスの運搬船、「第十八春日丸」の係留ロープを岸壁から船に巻き取る作業をしていたところ、ロープが岸壁近くにいた観音寺市の71歳の男性にあたった。
男性は転倒し、頭を強く打って意識不明となり、近くの病院に運ばれたが、24日午前、死亡した。
ロープは直径4cmくらいの太さがあり、警察は、近くにいた人や運搬船の船員から話しを聞くなどして、事故当時の詳しい状況を調べている。
出典
『係留ロープがあたり 男性が重体』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/8034102031.html
『係留ロープが当たった男性死亡』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/8034210691.html
(ブログ者コメント)
死亡した男性が関係者か一般人かは不明。
おそらくは関係者だと思うのだが…。
(2017年10月4日 修正1 ;追記)
2017年9月26日付で朝日新聞香川全県版(聞蔵)から、死亡した男性は無職だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
警察によると、事故当時、船の乗員3人が、岸壁のピットにロープを巻いて船を固定する作業中だった。
男性(無職)は、ロープが張った時に接触、転倒したとみられるという。
(ブログ者コメント)
ロープ巻き取り現場に一般人が近づいた場合、乗員が注意喚起すると思うのだが・・・・。
乗員が目を離した隙に近くに来たということだろうか?
2017年9月15日15時1分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
島根県沖で昨年12月、鳥取県岩美町の田後(たじり)漁協所属の底引き網漁船大福丸(76トン)が転覆し、乗組員4人が死亡、5人が行方不明になった事故で、行方不明者4人の親族13人が、近く、同船を所有する「D水産」(岩美町)と同社社長を相手取り、計約5億円の損害賠償を求める訴訟を鳥取地裁に起こす。
代理人弁護士が15日、明らかにした。
弁護士によると、原告側は、老朽化で安定性を欠いた船を出漁させたことや、エンジントラブルが発生したにもかかわらず海保に救助を依頼しなかったことなどにより、事故が引き起こされたと主張する方針という。
境海上保安部などによると、大福丸はズワイガニ漁から境漁港(鳥取県境港市)に戻る途中、エンジントラブルが発生。
助けを求めた別の漁船に引航されている間に転覆した。
出典
『「老朽化で漁船転覆」不明4人の親族、5億円賠償請求へ』
http://www.asahi.com/articles/ASK9H3FSLK9HPUUB005.html
(事故当時の報道)
2016年12月14日19時34分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
境海保などによると、大福丸はエンジントラブルを起こし、田後漁協所属の僚船が午前3時ごろから曳航していたが、約1時間後に見失った。
大福丸の船体は午後1時現在、確認されておらず、沈没したり流されたりした可能性があるという。
同漁協によると、大福丸は8日夜に境港市の境港からズワイガニ漁に向かい、14日朝に境港に水揚げする予定だったとみられる。
境海保によると、現場周辺では当時雨が降っており、17mの風が吹いていた。
波の高さは3~4mで、松江地方気象台によると、強風注意報と波浪注意報が発令されていた。
出典
『漁船転覆 トラブルでえい航中、1人死亡8人不明 松江沖』
http://mainichi.jp/articles/20161214/k00/00e/040/194000c
12月14日15時2分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「こんなに荒れたのは、この冬初めて」。
大福丸の転覆現場から1.6kmほど離れた美保関灯台の横で飲食店を経営する男性(77)は言う。
付近は横殴りの雨を伴う強風が吹き、海面には白い波が立つ。
海上保安庁の巡視艇とヘリコプターが捜索にあたる中、男性は「心配です。無事に戻ってきてほしい」と語った。
出典
『「こんなに荒れた海、この冬初めて」 9人乗り漁船転覆』
http://www.asahi.com/articles/ASJDG3D6XJDGPTIL006.html
12月15日13時30分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
重宝(じゅうほう)丸の甲板員、横山さん(52)にとって、大福丸の沖島船長は中学校の1学年先輩で、同じ水泳部だった。
事故があった14日も、船で現場海域を捜し回った。
重宝丸は、14日まで大福丸とともに漁に出ていた。
事故当時は強風が吹き、横波を受ける形になっていたという。
「漁に慣れている沖島さんでも、荒波やトラブルには勝てなかったのか。早く見つけたい」
出典
『「漁に慣れたあの人でも…」 転覆の漁船、海底で発見』
http://www.asahi.com/articles/ASJDH2STQJDHPTIL003.html
12月15日21時13分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運輸安全委員会が派遣した船舶事故調査官3人は、周辺の海域一帯を見渡せる松江市の美保関灯台から現場を視察。
報道陣の取材に対しては、「大福丸の大きさでは、当時は大しけに近い状態だったのではないか」と説明し、エンジントラブルで別の漁船に曳航されていた点よりも気象の影響が大きかったとの見解を示した。
出典
『沈没の漁船内、船長と機関長が溺死 死者は3人に』
http://www.sankei.com/west/news/161215/wst1612150070-n1.html
(ブログ者コメント)
農林水産業関連の事故は、原則、掲載対象外だが、今回の事例は設備の老朽化や緊急時対応の不手際が問われている模様につき、紹介する。
(2017年10月3日 修正1 ;追記)
2017年9月29日20時5分に毎日新聞から、遺族が提訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
行方不明のまま死亡認定された乗組員4人の遺族が29日、船を所有していた「D水産」と同社社長に約4億5000万円の損害賠償を求める訴訟を鳥取地裁に起こした。
訴状などによると、遺族側は、大福丸が建造から30年以上が経過し、事故前から船が傾きやすく、電気系統などに不具合があったと指摘。
エンジントラブル後に海上保安庁へ通報しなかった点など、船長(死亡)への指導も不十分だったと主張している。
出典
『漁船転覆 不明者遺族が損害賠償求め提訴 鳥取地裁』
https://mainichi.jp/articles/20170930/k00/00m/040/107000c
9月29日17時6分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
船主が、エンジンの不具合を認識しながら、修繕を怠ったまま出航させたことなどが沈没につながったと主張する方針。
出典
『不明4人の遺族、船主提訴 昨年末の松江沖漁船沈没で』
http://www.sankei.com/west/news/170929/wst1709290067-n1.html
2017年8月21日19時13分にNHK岡山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
21日午前6時半ごろ、香川県の海運会社から「タグボートの乗組員が意識不明になっていると船から連絡があったので救助してほしい」と海上保安部に通報があった。
玉野海上保安部が調べたところ、玉野市の玉港にある防波堤にタグボートが乗り上げていて、中で男性2人が倒れていたという。
調べによると、このタグボートは香川県坂出市の「O海運」が所有する「信栄丸2世」(16トン)で、2人はいずれも岡山市内の病院に運ばれたが、このうち船長で香川県高松市のSさんが死亡した。
また、乗組員の66歳の男性も意識が朦朧としていて、病院で手当てを受けているという。
海保によると、駆けつけた際、タグボートの中では異臭がしたということで、海保は何らかの原因で船内に有毒なガスが充満し、船長が中毒死した可能性があるとみて、詳しい状況を調べている。
タグボートは21日午前5時ごろに坂出港を出航し、玉野市内の造船会社に台船をえい航する途中だったという。
出典
『タグボートの船長死亡 ガス中毒か』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/4023200431.html
8月21日22時32分に山陽新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
21日午前7時ごろ、玉野市玉の防波堤そばの浅瀬に、O海運(坂出市)所有のタグボート・信栄丸2世(長さ11.85m、16トン)が乗り上げているのを玉野海上保安部が発見。
乗組員2人が操舵室の床に倒れており、船長のSさん(73)=高松市瀬戸内町=が意識不明で病院に搬送され、死亡が確認された。
もう1人の男性(66)=丸亀市=も意識が朦朧とした状態だったが、治療を受け、命に別条はないもよう。
玉野海保によると、診断結果などから、2人ともガス中毒の疑い。
発見時に操舵室のドア、窓は閉まり、調理器具があった。
同日午前6時半ごろ、大野海運から「乗組員が意識不明との連絡が船長からあった」と通報が入り、船を捜していた。
浸水が見られたが、油の流出はなかった。
玉野海保は、航行中に何かがあったとみて、経緯や死因などを調べている。
信栄丸2世は2人が乗り組み、同日午前5時ごろ、坂出市の坂出港を出港。
玉野市の造船所に向けて台船(長さ45m、幅16m)をえい航していた。
乗り上げ現場はJR宇野駅から南西約1.5km。
出典
『ガス中毒か タグボートの船長死亡 玉野で浅瀬乗り上げ、男性治療』
http://www.sanyonews.jp/article/583548
8月21日20時51分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2人に目立った外傷はなく、同保安部は排ガスによる中毒の可能性もあるとみて、原因を調べている。
出典
『排ガス中毒か、タグボートの船長死亡…岡山県沖』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170821-OYT1T50096.html
(2018年2月24日 修正1 ;追記)
2018年2月22日20時36分に山陽新聞から、初めて動かした空調用発電機の排ガスが原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
運輸安全委員会は22日、死因は発電機の排ガスによる一酸化炭素中毒とする報告書を公表した。
報告書によると、操舵室の空調用発電機が故障し、船長が新しいガソリン発電機を操舵室の扉の外に設置。
事故当日、冷房のため初めて動かしたが、発電機の排気口から操舵室の通風口までは約80cmしか離れておらず、排ガスが通風口から室内に流入したとみられる。
出典
『船長死因は一酸化炭素中毒と公表 玉野タグボート事故で運輸安全委』
http://www.sanyonews.jp/article/673041/1/?rct=jiken_jiko
2月22日12時20分にNHK岡山からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
22日、公表された運輸安全委員会の報告書によると、このタグボートはエアコン用の発電機を操だ室の扉の外側に設置していたが、実際に発電機を作動させたところ、排気ガスが通気用の窓から操だ室に流れ込み、室内の一酸化炭素濃度が上昇することがわかったという。
発電機は事故の2日ほど前に設置され、使用したのはこの日が初めてだったという。
報告書は、排気ガスが操だ室に流れ込んだことが事故の原因だと結論づけている。
報告書は、同じような事故を防ぐため、船に発電機を設置する際には、室内に排気ガスが入り込まないよう注意が必要だと指摘している。
出典
http://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/4025401721.html
2017年6月29日12時54分にNHK福島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年6月、いわき市の小名浜港で起きた作業船の火災について、国の運輸安全委員会は、「機関室の中で高温になった排気管に可燃物が付着して出火した可能性がある」とする報告書をまとめた。
この火災は去年6月6日の午前、いわき市の小名浜港に停泊していた作業船「第二海宝丸」から「船内から煙が出ている」と消防に通報があり、機関室などが焼けたもの。
この火災について、国の運輸安全委員会が船体などを調査して出火の原因などを調べ、その結果を報告書にまとめて、29日、公表した。
それによると、火が出る前に船長が機関室の中にある金属製の排気管から白い煙が出ているのを目撃していたことや、機関室の焼け方が特に激しかったことから、「機関室の中で高温になった排気管に可燃物が付着して出火した可能性がある」と結論づけた。
一方、作業船は火災のあとにいったん水没し、燃えがらなどが海に流出してしまったことから、詳しい状況については特定できなかったとしている。
報告書では、今回、船長が白い煙を目撃した際に、ふだんの航行の際に出ている煙と思い込み対応を取らなかったことから、同じような船の火災の被害軽減に向けては、煙を見つけた際の火災を想定した適切な措置や、火災警報装置の設置などが役立つと指摘している。
出典
『作業船火災で運輸安全委が報告書』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6054665811.html
以下は、運輸安全委員会報告書の抜粋。
「事故の経過」
本船は、船長及び甲板員1人が乗り組み、平成28年6月6日09時30分ごろ‘小名浜港4号ふ頭に係留されている台船’(以下「本件台船」という。)から補油の目的で小名浜港1号ふ頭に移動し、10時00分ごろ1号ふ頭の岸壁に係船した。
船長は、主機を止める目的で機関室に入った際、主機の過給機出口排気管の上部から白煙が出ているのを認めたが、ふだん、運転を続けていると白煙が消えていたので、主機を止め、10時20分ごろ補油に立ち会った。
本船は、10時40分ごろ補油が終了し、操舵室で主機を始動して本件台船に向かい、11時05分ごろ本件台船の南側で回頭し、出船左舷着けで係留することとした。
船長は、後進をかけて船尾方を見たところ、操舵室の船尾側にある船員室内の機関室出入口から黒煙と炎が噴出しているのを発見し、前部甲板左舷側にいた甲板員と共に本件台船に飛び移り、11時10分ごろ119番通報を行った。
・・・・・
「その他の事項」
船長は、月に数回主機の保守運転をしており、運転するたびに、本事故時に白煙が発生した場所の上部にある排気管の連結部付近から白煙が出ていたが、運転を続けていると白煙が消えており、本事故当時、主機を停止するので、今回も消えると思っていた。(写真1参照)
「分析」
本船は、船長が、本事故の前に主機の過給機出口排気管の上部で白煙が生じているのを認めていること、及び機関室の過給機付近の焼損が激しいことから、主機の過給機出口排気管の高温部に可燃物が付着し、加熱されて出火し、周囲にあった可燃物に延焼した可能性があると考えられるが、本船が水没して引き揚げられたものの、出火場所付近の残留物が流出したことから、出火した状況を明らかにすることはできなかった。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2017/MA2017-6-8_2016sd0035.pdf
2017年5月25日21時19分にNHK四国から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
25日午後1時ごろ、大洲市長浜町の岸壁に停泊していた砂利の運搬船「八幡丸」で、甲板にいた船員で兵庫県姫路市の男性(61)が、船のクレーンに付属するワイヤーの巻き取り装置に巻き込まれた。
男性は市内の病院に運ばれたが、まもなく死亡が確認された。
警察によると、事故当時、運搬船には船長と船員あわせて5人が乗っていて、男性とは別の船員がクレーンを操作して、海に突き出すようになっていたアームの部分を船側に収める作業にあたっていたという。
警察は、なぜ男性がワイヤーの巻き取り装置に巻き込まれたのか、船長らから話を聞いて調べている。
出典
『船のクレーン事故で船員死亡』
http://www.nhk.or.jp/matsuyama-news/20170525/3717111.html
5月26日付で朝日新聞愛媛全県版(聞蔵)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
巻き込まれたのは同船の機関長で、警察によると死因は失血死。
同僚の男性が船上のクレーンを操作した際に、クレーン操縦室の後方にあるドラムワイヤに男性が巻き込まれた状態で見つかったという。
2017年5月5日18時37分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月15日17時23分にテレビ朝日から、5月16日9時52分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
15日午後1時10分ごろ、福岡市中央区荒津の沖合で「マストが折れた船舶が旋回している」と海保に通報があった。
海保によると、長崎県壱岐市の壱岐郷ノ浦港所属の貨物船第28壱岐丸(160トン、乗員3人)が近くの防波堤に衝突した。
機関長のKさん(61)=壱岐市=が機関室で血を流して倒れ病院に運ばれたが、まもなく死亡した。
海保は、衝撃で体を打ち付けられたとみている。
男性船長(64)と男性乗組員(58)も、頭を打撲したり歯を折るなどのけがをしたが、命に別条はないという。
船首が破損したが、油の流出は確認されていない。
船長は調べに「居眠りをしていた」と説明しているといい、業務上過失致死の疑いがあるとみて調べる。
船の所有会社によると、午前9時45分に壱岐郷ノ浦港を出て、午後1時ごろに福岡市中央区の博多漁港に着く予定だった。
船長、機関長ともに乗船歴20年以上のベテランという。
出典
『貨物船が防波堤に衝突、1人死亡 船長「居眠り」と説明』
http://www.asahi.com/articles/ASK5H5D75K5HTIPE02B.htm
『貨物船が防波堤に衝突 機関長の男性死亡 福岡』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000100801.html
『防波堤に貨物船衝突…機関長死亡、2人けが』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170516-OYT1T50016.html
2017年3月3日18時33分にNHK松山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月4日付で朝日新聞愛媛全県版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午前9時15分ごろ、愛媛県の新居浜港の出入り口付近で、いずれも化学薬品を積んだタンカーで、出港中だった山口県の「第三十光輝丸」332トンの船首付近と入港中だった岡山県の「第八雄豊丸」499トンの左舷中央付近が衝突した。
この事故で、「第八雄豊丸」が、船体の側面に穴が空いて一部が浸水し傾いた状態になったが、タンクに損傷はなかった。
「第三十光輝丸」は、船首下の球状船首部分がへこんだ。
海保によると、タンカーは2隻とも自力で航行できる状態で、化学薬品や油の流出はなく、双方の乗員あわせて10人にけがはなかった。
「第八雄豊丸」には、引火性の高い液体で、法律で危険物に指定されている有害な化学物質「ベンゼン」1000トンが積まれているという。
海保は、「第八雄豊丸」を港の沖合に誘導し、航行させても安全かどうか、確認する作業を行っている。
また、見張りなどが不十分だった業務上過失往来危険の疑いで双方のタンカーの乗員に話を聞いて、事故の詳しい状況を調べている。
出典
『タンカーどうし衝突 けが人なし』
http://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20170303/4420701.html
2017年3月2日10時40分にNHK東海NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月2日12時20分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午前0時5分ごろ、鳥羽市の鎧崎灯台から東に約400mの海上で、大阪市の海運会社「Ⅾ運輸」が所有するケミカルタンカー「愛和丸」(全長61m、491トン)が座礁した。
タンカーは化学物質のカセイソーダ約1100トンを積み、山口県から名古屋市に向かう途中で、乗組員5人は救助されて無事だった。
タンカーは、応急修理のため、1日午後6時すぎからタグボートによって沖合に曳航されていたが、途中から浸水が進んで徐々に船体が傾き、午後10時前、鳥羽市の南東約9kmの沖で沈没した。
2日午前6時50分ごろ、周辺で長さ200m、最大幅50mの帯状の油が流出しているのを、上空のヘリコプターが確認した。
カセイソーダは毒性があり、海運会社によると、船内では水に溶かした状態で密閉されているという。
流れ出ると海水が白濁するが、周辺で濁りは確認されていないという。
海保では、天候状況を見て、愛和丸の撤去作業を始める。
出典
『座礁タンカー 移動中に沈没』
http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20170302/4371541.html
『三重沖 タンカー沈没、油流出 乗組員5人は無事救助』
http://mainichi.jp/articles/20170302/k00/00e/040/251000c
3月2日19時15分にNHK津からは、灯台の光とブイの光を見間違え陸に近づいたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
船を所有する会社や海保によると、当時、操船を担当していた2等航海士の男性(63)が「灯台の光を沖合いに浮いているブイの光と見間違えて、陸上に近づいてしまった」と話しているという。
海保は、さらに話を聞くなどして、詳しい原因を調べている。
また、陸上では劇物に指定されている化学物質のカセイソーダがおよそ1100トン積まれていて、船を所有する会社では、3日以降、水中カメラなどによる調査を行い、船体とともに撤去の方法を検討していくという。
出典
『航海士「灯台とブイ見間違え」』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/3074372641.html?t=1488488740214
3月6日12時10分にNHK津からは、少量のカセイソーダが流出しているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月7日10時3分にNHK東海NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
今月1日、三重県鳥羽市沖で座礁したあと沈没したタンカーから、積み荷の化学物質「カセイソーダ」が漏れていることが、船を所有する海運会社などの調査でわかった。
漏れた化学物質の量は少ないとみられるということで、会社が影響の有無について調査している。
海運会社によると、水中ロボットで調査したところ、船は水深50mほどの海底で横倒しになり、タンクの空気を抜くための甲板上にある穴付近が白く濁り、カセイソーダが漏れていることが分かったという。
カセイソーダはアルカリ性の物質だが、会社によると、周囲の水質は中性を示していて、漏れた量は少ないとみられるという。
会社では引き続き、周辺への影響がないか調査するとともに、船の撤去を検討するとしている。
出典
『沈没タンカー 少量化学物質流出』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/3074475551.html?t=1488833919528
『沈没タンカーから化学物質漏出』
http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20170307/4477841.html
3月7日19時7分にNHK津からは、漏れたカセイソーダは海水と同化し無害化されるので周辺海域への影響なしという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
海運会社側は7日、「専門家による調査の結果、カセイソーダは海水と同化して無害化されるので、周辺海域への影響はない」とする見解を明らかにした。
会社側の説明によると、カセイソーダは海水中のマグネシウムイオンと反応して肥料などに使われる水酸化マグネシウムとなり、海水と同化するという。
これについて鳥羽海上保安部は、会社側の見解は妥当との見方を示すとともに、「引き続きタンカーの監視を継続する」としている。
出典
『タンカー沈没「漏出影響なし」』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/3074511181.html?t=1488920331982
2017年1月30日15時51分にYAHOOニュース(苫小牧民報)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月30日12時21分と2月1日12時24分にNHK札幌から、1月30日12時58分に毎日新聞から、1月31日7時0分に北海道新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
30日午前7時30分ごろ、苫小牧港・西港中央南埠頭1号岸壁=苫小牧市真砂町=で、えい船会社苫港サービス(本社苫小牧)が所有する作業船「ふじ丸」(13トン)が転覆、沈没した。
海保や消防などは民間のダイバーを投入し、行方不明となった船長(男性、74歳)の捜索に当たり、約2時間後、海面から10m下に沈む船に取り残されているのを発見、救助したが、搬送先の病院で死亡が確認された。
もう1人の乗組員(男性、74歳)は海に投げ出され、近くにいた別の船に救い出されたが、あばら骨を折るけがをした。
2人とも、救命胴衣は着けていたという。
苫港サービスによると、ふじ丸は、飼料を積んで入港した大型貨物船「SWIFTNES」(2万2468トン)を港に係留させるためにロープを貨物船から岸壁まで運ぶ作業にあたっていたが、ロープが船のスクリューに絡まり、引きずり込まれるように沈んだという。
海保のこれまでの調べでは、貨物船を係留するためのロープが貨物船のスクリューに巻きついているのが見つかっている。
近くの岸壁で釣りをしていて作業船が転覆するのを見たという60代の男性は、「大型貨物船が港に係留されたあとに貨物船から離れる際に、船尾が何かに引っかかっていたのか、船首が上がって、15秒ほどで転覆してしまった。厳しい寒さの中なので、これは大変なことだと思った」と話していた。
現場付近で釣りをしていた(別の?)男性によると、係留作業をしていた作業船が突然動きを止め、船体の左後方から海に引きずり込まれるように沈んだという。
男性は、「船に(係留の)縄がひっかかったように見えた」と話した。
海保は、貨物船の係留作業中に、係留用の縄が貨物船のスクリューに巻き込まれた可能性もあるとみて、原因を調べている。
出典
『苫小牧港で作業船転覆1人死亡 プロペラにロープ絡まったか』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170130-00010001-tomamin-hok
『苫小牧港で作業船転覆 船長死亡』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20170130/3462851.html
『作業船転覆 運輸安全委が調査』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20170201/3533341.html
『苫小牧港 作業船転覆、船長が死亡…外国船の係留中』
http://mainichi.jp/articles/20170130/k00/00e/040/220000c
『係留用の縄が巻き込まれたか 苫小牧作業船転覆 海保が原因調査』
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doo/1-0363339-s.html?df=1
(2017年2月9日 修正1 ;追記)
2017年2月7日17時52分にNHK札幌から、貨物船の船長が判断ミスで逮捕されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
苫小牧海上保安署は、関係者の話や記録などを調べた結果、貨物船の船長の判断ミスが事故につながったとして、7日、フィリピン人の船長(男性、48歳)を業務上過失致死傷と業務上過失往来危険の疑いで逮捕した。
海保によると、事故当時、作業船は貨物船を係留するためのロープの先端を岸壁に向けて運んでいたが、ロープが逆回転させていた貨物船のスクリューに絡まったため、海に引きずり込まれるように転覆したという。
出典
『転覆事故でフィリピン人船長逮捕』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20170207/3698171.html
(2017年3月3日 修正2 ;追記)
2017年3月1日19時31分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌地検苫小牧支部は、業務上過失致死傷などの罪で、パナマ船籍の貨物船の船長(48)=フィリピン国籍=を起訴した。2月28日付。
起訴状などによると、1月30日、苫小牧港の岸壁に着岸しようと貨物船を後進させた際、誤って貨物船のプロペラに係留用ロープを絡ませるなどしたため作業船が転覆、作業船の船長=当時(74)=を死亡させ、機関長の70代の男性にけがを負わせたとしている。
出典
『2人死傷転覆事故、フィリピン国籍の貨物船船長を起訴 札幌地検支部』
http://www.sankei.com/affairs/news/170301/afr1703010030-n1.html
2016年12月15日13時2分にNHK長崎から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし4月、長崎市京泊の三重式見港で、クレーンの作業船「第十八興真丸」が台船とともに曳航されていた時に転覆し、乗っていた61歳の男性の船長が死亡した。
事故原因を調べていた国の運輸安全委員会は、15日、報告書を公表し、転覆した作業船は、台船の後ろにへさきをくっつけて曳航されていたが、船が左右に振れないように台船との間につながれた2つのロープのうちの右側が切れていたという。
このため、作業船が横向きになったまま引かれる状態になり、転覆したと考えられるという。
ロープが切れたのは、作業船の船首部分と台船の船尾とが連結されていなかったことから、先頭の船が左に曲がった際に作業船の船首がずれ、強度を超える力がロープに加わった可能性が考えられるという。
報告書は、今回のように台船に船のへさきをつけて曳航される場合は、振れを抑えるようにロープで固定するなどの対策を講じることなどを求めている。
出典
『作業船転覆原因はロープ切断』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5035248931.html?t=1481834440302
(ブログ者コメント)
運輸安全委員会の報告書は下記参照。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2016/MA2016-12-25_2016ns0033.pdf
2016年12月10日付で鹿児島放送から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月10日17時42分に南日本放送から、12月10日18時43分にNHK鹿児島からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午前8時ごろ、奄美市の名瀬港岸壁に停泊していた貨物船「きょらむん」で、作業員がフォークリフトでコンテナの荷下ろしをしていたところ、近くで作業をしていた貨物船の次席二等航海士の男性(56)を轢いた。
男性は胸などをタイヤで轢かれていて、心肺停止の状態で病院に運ばれたが、およそ1時間半後に死亡が確認された。
「きょらむん」は9日夕方、谷山港を出て、10日朝、名瀬港に入港し、午前7時ごろから荷下ろし作業中だった。
海保の調べに対し、フォークリフトを運転していた59歳の男性は「ブレーキをかけたが、間に合わなかった」と話しているということで、さらに詳しく事故の状況や原因を調べている。
出典
『停泊中の貨物船で死亡事故』
『奄美名瀬港に接岸中の船で事故 男性死亡』
http://www.mbc.co.jp/newsfile/mbc_news_disp.php?ibocd=2016121000020602
『フォークリフトにひかれ死亡』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/5055152321.html?t=1481409121873
(ブログ者コメント)
「きょらむん」は、鹿児島から名瀬、徳之島を通って喜界島まで行く定期貨物船。
(2017年1月14日 修正1 ;追記)
2016年12月11日付の南日本新聞紙面に、当時のやや詳しい状況が、下記趣旨で掲載されていた。
海保によると、航海士はコンテナとトラックを連結するため、船内を歩いていたところ、フォークリフトと接触、転倒した。
フォークリフトを運転していた男性は、「危ないとの声を聞き、ブレーキをかけたが、間に合わなかった」と話しているという。
2016年9月30日19時55分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月30日20時26分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
30日午前10時45分ごろ、山口県周南市の徳山下松港沖を航行中のケミカルタンカー(199トン)が浸水していると、運航管理者の運輸会社(大阪市淀川区)から徳山海保に連絡があった。
乗組員4人は全員避難して無事だったが、タンカーは大きく傾き、甲板の一部まで水につかっている。
海保が監視を続けている。
同社によると、タンカーは午前10時20分ごろ、徳山下松港を広島県江田島市に向けて出港。
間もなく、乗組員から「浸水して船体が傾いている」と連絡があった。
タンカーは、岸から約350mの沖合で傾いた状態。
出港時に異常は見られなかったが、出港の約5分後、微速で航行中に浸水が発生し、船体が左側に傾き始めた。
船にはカセイソーダ(水酸化ナトリウム)の水溶液約450トンが積まれているが、船体に表立った破損はみられない。
海保が潜水調査で船底の破損状況を調べた結果、明確な亀裂や損傷はなかった。
船底で海水を出し入れして船体のバランスを取るタンクが破損した可能性が高いとみて、岸にタンカーを移動させて調べる。
出典
『タンカー浸水、大きく傾く 表立った破損見られず 山口』
http://www.asahi.com/articles/ASJ9Z5GJBJ9ZTZNB00X.html
『山口沖、タンカー出港5分で浸水 船のタンク破損か』
http://this.kiji.is/154550128937680899?c=39546741839462401
10月1日18時41分にNHK山口からは、下記趣旨の続報記事がネット配信されていた。
海保などが、船のバランスを保つために海水を出し入れする船底のタンクを調べたところ、およそ33トンの海水が入っているのが見つかり、排出作業を進めた結果、30日夜、船は水平に戻った。
タンカーには、劇物のカセイソーダ450トンが積まれていたが、流出は確認されておらず、1日午前7時すぎに「東ソー」の岸壁まで移動させた。
調べに対し船長は、「船を安定させるためタンクを空にして出港した」という趣旨の説明をしているという。
海保は、船長らから港を出た際の状況を詳しく聞くとともに、岸壁まで移動させたタンカーの船体に浸水を引き起こした原因につながる痕跡が残されていないか、詳しく調べている。
出典
『タンカーを岸壁に移動』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/4063142731.html?t=1475352004900
(2017年7月15日 修正1 ;追記)
2017年7月12日12時29分にNHK山口から、バラストタンク内に海水が残っているのに航行に支障がないか確認せず出港した容疑で当時の船長が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月13日付で毎日新聞山口版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
徳山海保は、タンカーの当時の船長が船のバランスを保つ「バラストタンク」に海水が入っているのを知りながら、航行に支障がないか確認せずに出港させたことが事故につながったとして、業務上過失往来危険などの疑いで12日、書類送検した。
書類送検されたのは、去年9月に周南市のコンビナートの沖合で浸水し航行できなくなったタンカー「洋和丸」(199トン)の54歳の当時の船長。
同海保によると、「洋和丸」には海水を入れて船のバランスを保つ「バラストタンク」が備えられていて、積み荷の重さによって海水の量を調整しなければならないという。
ところが、当時の船長は、タンクの中に海水が入っているのを認識しながら劇物のカセイソーダ450トンを積んで出港し、5分後に浸水が始まったという。
同海保は、「バラストタンク」の中の海水が航行に支障がないか確認せずに出港させたことが事故につながったとして、12日、当時の船長を業務上過失往来危険などの疑いで書類送検した。
当時の船長はNHKの取材に対し、「タンク内に残されていた海水は船体が傾くほどの量だとは思わなかった。軽く考えていた」と話している。
出典
『タンカー事故で元船長を送検』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/4065069781.html
『周南のタンカー事故 元船長を容疑で書類送検 徳山海保 /山口』
http://mainichi.jp/articles/20170713/ddl/k35/040/571000c
(2017年7月21日 修正2 ;追記)
2017年7月20日18時35分にNHK山口から、起訴猶予になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
書類送検された54歳の当時の船長について、検察は19日付けで起訴猶予とした。
この理由について検察は明らかにしていない。
起訴猶予となったことについて元船長は、NHKの取材に対して「今後も海運会社の指導を受けながら安全運航に努めていきたいと思います」とコメントしている。
出典
『書類送検の元船長を起訴猶予』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/4065342561.html
2016年9月10日12時27分に和歌山放送から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月10日20時10分にNHK和歌山からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
きのう(9日)午後6時40分頃、御坊市の日高港沖およそ12.5kmを航行していた韓国船籍の小型タンカー「EIWA MARU3(エイワ・マル・スリー)」(740トン、全長およそ64m)で爆発が起き、「乗組員がヤケドを負っているので和歌山下津港に引き返している」と、船舶代理店から海南海上保安署に通報があった。
この事故で、韓国人の男性機関長がやけどを負い、搬送先の和歌山市内の病院で死亡が確認されたほか、インドネシア人の男性乗組員2人が膝の骨を折るなどのケガをした。
海南海保の調べによると、当該船は乗組員10人で、積み荷の潤滑油を有田市の東燃ゼネラル石油に降ろした後、三重県の四日市港に向かっていた。
事故当時、タンカーでは、空になったタンクのクリーニング作業と、甲板上での溶接作業を同時にしていたということで、潤滑油が揮発したガスに溶接の火が引火したと見て、海南海保が詳しい事故の原因を調べている。
また、国交省の運輸安全委員会は、船舶事故調査官2人を現地に派遣することを決めた。
出典
『日高港沖で小型タンカーの爆発事故 船長が死亡』
http://wbs.co.jp/news/2016/09/10/87321.html
『小型タンカーで爆発 3人死傷』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/2045577341.html?t=1473545012935
2016年8月25日20時7分にNHK青森から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月25日10時2分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
おととし12月、北海道の函館港から韓国に向けて日本海を航行していたカンボジア船籍の貨物船が鰺ヶ沢町の沖で沈没し、外国人乗組員10人のうち中国人2人とミャンマー人のあわせて3人が死亡した事故で、国の運輸安全委員会が、25日、報告書を公表した。
それによると、甲板にある鋼鉄製の出入口の扉が腐食して穴が開いていたほか、出港前に乗組員がすべての出入口の扉が閉まっているかどうかの確認を怠っていたという。
このため、3mの波を受けた際に海水が船内に入りこんで船体が傾き、さらに多くの海水が流れ込んだことなどで沈没した可能性が高いとしている。
その上で、報告書では、乗組員が出入口の扉などの検査を頻繁に行うことや、カンボジア政府に対して、船会社が安全対策をきちんと実施するよう、指導することを求めている。
報告書によると、スクラップ約3000トンを積んだ貨物船MING GUANG(1915トン)は、12月24日夕、函館港から韓国に向け出港。
日本海を西進中に船体が右側へ傾き始め、本州方向に引き返したが、26日午前6時ごろ沈没した。
出典
『貨物船沈没事故 浸水が原因か』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/6085072471.html?t=1472161557086
『青森沖沈没死亡事故で調査報告書 点検不十分で隙間から浸水』
http://this.kiji.is/141346997179547656?c=39546741839462401
(ブログ者コメント)
運輸安全委員会の報告書は、下記参照。
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/ship/detail.php?id=7376
2016年4月29日21時33分にNHK高松から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日午後3時すぎ、小豆島町福田の福田漁港で、高知市の会社員の男性(30)が砂利の運搬船を係留する作業をしていたところ、係留用のロープがはねあがり、男性にあたった。
男性はすぐに病院に運ばれたが、頭や腰などを強く打っていて、およそ1時間半後に死亡が確認された。
警察によると、当時は、男性を含めて5人で船の係留作業をしていて、男性は岸壁でロープを巻き付ける作業を1人で担当していたという。
警察は、一緒に作業をしていた人たちから話を聞くなどして、作業の状況や事故の原因などについて詳しく調べている。
出典
『係留作業の綱あたり死亡』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/8034979061.html?t=1461966465592
4月29日21時45分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
砂利運搬船の係留用ロープが、岸壁側で作業中の乗組員の男性(30)に当たった。
警察によると、たるんでいた係留用ロープが何らかの原因で跳ね上がった弾みで、男性に直撃した可能性がある。
出典
『砂利運搬船の係留ロープ当たり男性死亡、香川・小豆島の漁港』
http://www.sankei.com/west/news/160429/wst1604290055-n1.html
2016年4月4日21時56分に時事ドットコムから、トラブル発生を伝える下記趣旨の記事がネット配信されていた。
広島県福山市の走島で3月に断水があり、市が原因を調査した結果、同市の景勝地「鞆の浦」から島へ引かれた海底の送水管が切断されていたことが、4日、分かった。
市は、福山海保へ被害届を提出した。
市によると、送水管は全長約6km、直径約150mmの鋼管。
切断箇所は、島と鞆の浦のほぼ中間の沖合約3kmの地点で、送水管約100m分の行方が分からなくなっているという。
管は、水深約20mの海底に埋設されていたが、一部が海底に露出し、本来の設置場所から150~200m東へ移動していた。
出典
『海底送水管を切断か=100メートル分紛失-広島・福山』
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016040400736&g=soc
4月13日19時5分に広島ホームテレビからは、下記趣旨の続報的記事がネット配信されていた。
福山市走島の漏水事故で切断されていた送水管は、来月中旬に仮復旧されることになった。
公開された切断部分の画像では、海底1mに埋設されているはずの送水管はむき出しになっている様子がうかがえる。
東方向に140mから200mずれていたほか、約100m分がなくなっていた。
走島の水道は、現在、給水船によって維持されているが、福山市は、なくなった部分をつなぐ送水管の仮復旧を、来月中旬に終える予定だ。
また、本復旧が完了するのは来年10月になる見通しで、復旧にかかる費用は約3億円を見込んでいることを明らかにした。
出典
『走島の送水管 仮復旧は来月中旬』
http://news.home-tv.co.jp/news.php?ymd=2016-04-13&c=&id=2016-04-133
4月26日21時5分にNHK広島NEWS WEBからは、管の一部が見つかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故から1か月たった今月20日、福山海保が付近を捜索したところ、本来の位置から600mほど東の海底で、切断されたとみられる管が見つかったという。
海保は、船のいかりが送水管を引っかけて切断した可能性もあるとみて、原因を調べている。
出典
『切断されたと見られる管 発見』
http://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20160426/4877901.html
(2016年5月9日 修正1 ;追記)
2016年5月6日19時26分にNHK広島NEWS WEBから、福山港に入港する船が船長と航海士の意思疎通不足でイカリを海底まで下したことが原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
ことし3月、福山市沖合の走島で島につながる送水管が切断された問題で、大手海運会社の日本郵船は会見を開き、送水管を切断したのは日本郵船の運搬船とみられると発表し、関係者に謝罪した。
福山市役所で開かれた会見には、日本郵船の田澤副社長など、3人が出席した。
それによると、ことし3月20日午後5時前に、日本郵船が運航する「新平隆」(10万2200トンあまり)が、鉄鉱石を積んでブラジルから福山港に向かう途中の走島の沖合で、いかりを下ろす準備作業をしていたところ、いかりが海底に達して送水管を破損したとみられるという。
フィリピン人の船長は、送水管を傷をつけないよう、いかりを海面より高い5m程度下ろすよう指示したものの、乗組員に正確に伝わらず、海底まで下ろしてしまったという。
福山海保の指摘を受けて、乗組員への聞き取りや船の運航記録などを調査してわかったもので、今後、損害賠償などにも対応していくとしている。
田澤副社長は、「生活に欠かせないインフラを破損したという重大な結果を真摯に受け止め、ご迷惑をおかけした住民や関係者の皆様に心からおわび申し上げます」と謝罪した。
出典
『送水管切断は日本郵船の船』
http://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20160506/5097071.html
5月7日付で朝日新聞備後版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
船長は、海面よりやや上にイカリがくるよう指示したつもりだったが、航海士は30m近く下して海底に接触させ、約250m引きずって航行した。
調査では、船長が言い間違えた可能性があるとみている。
一方、事故当時に船長の指示の誤りを指摘したと社内調査で主張した航海士は、イカリの位置を正確に把握できていなかったという。
田澤副社長は、「コミュニケーション不足や航海士の認識不足など、基本的なミスが原因。責任は当社にある」などと述べ、謝罪した。
(2016年12月7日 修正2 ;追記)
2016年12月6日8時15分にNHK広島NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
貨物船は、水深およそ20mの地点で誤って32.5mのいかりを下ろしていたということで、福山海保は、5日、貨物船の54歳のフィリピン人の船長を水道法違反の疑いで書類送検した。
出典
『走島送水管切断で書類送検』
http://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20161206/4991681.html
12月6日付で朝日新聞備後版(聞蔵)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報と過去記事内容とを合わせ考え、タイトルを修正した)
福山港への入港準備のため沖合でイカリを下ろした際、誤って必要以上に深く下ろすよう船員に指示し、海底に達したイカリが送水管を壊した疑い。
2016年1月12日21時42分にNHK高松から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午後1時40分ごろ、「多度津港の船から油が漏れている」と、坂出海上保安部に通報があった。
同海保の職員がかけつけて調べたところ、油が流出したのは香川県が所有する県立多度津高校の実習船「香川丸」499トンで、翌日から高校の生徒を乗せて漁業実習などに向かうために、給油を行っていたという。
給油は、タンカーからパイプをつないでポンプで行っていたが、香川丸の乗組員の県職員が給油の状況を確認していなかったため、満杯になった燃料タンクから油があふれたという。
油は海に流出したが、油の拡散を防ぐためのフェンスを海上に設置していたため、大きく広がることはなく、漁業被害は出ていないという。
同海保では、流出した油の除去作業を行うとともに、海洋汚染などに関する法律に違反する疑いがあるとして、関係者から詳しく事情を聞いている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/8034991531.html?t=1452631446680
2015年12月2日2時29分に朝日新聞から、『船衝突事故「海保のミスも一因」』というタイトルで、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
関門海峡で11月、コンテナ船とケミカルタンカーが衝突する事故があり、第7管区海上保安部(北九州市市)は、1日、海保の管制ミスも事故の一因だったとして、両船の船長ら3人のほか、7管の運用管制官を業務上過失往来危険の疑いで書類送検した。
4人とも、容疑を認めているという。
管制官は、7管の関門海峡海上交通センター(同市)所属。
レーダーや船舶との無線交信などで航路の状況を把握し、針路を示す。
海保は全国7カ所にセンターを置くが、管制官が同容疑で立件されるのは、同海峡で2009年10月、自衛艦とコンテナ船が衝突した事故以来となる。
事故は、11月3日午後0時半ごろに発生。
北九州市門司区の太刀浦コンテナターミナルを出港して博多港(福岡市)へ向かうパナマ船籍のコンテナ船(1万7887トン)と、韓国から千葉へ向かう韓国船籍のケミカルタンカー(741トン)が衝突した。
7管によると、コンテナ船は出港後、航路外から「タンカーの前を横切り航路に入る」と管制官へ無線で告げた。
管制官は、交信状況が不調でよく聞こえないまま継続。
レーダー画面に映った2隻の位置を見て、航路内の船が航路外に優先すると定める港則法に基づきコンテナ船が航路内のタンカーの通過を待って航路に入ると思い込み、「タンカーをかわして航路に入る。了解」と応答した。
この応答も、交信不調で同船に伝わらなかったという。
やり取りを聞いた別の管制官が、「コンテナ船はタンカーの船尾を通って航路に入る」とタンカーに連絡。
タンカーは、情報と異なって前方を横切ったコンテナ船を避けきれなかったという。
7管は、コンテナ船の動きの確認の不徹底が衝突を招いたと判断し、コンテナ船と交信していた管制官を立件した。
関門海峡海上交通センターは常時5人が勤務し、うち1人が統括運用管制官として全体を監督している。
自衛艦とコンテナ船の衝突事故後、不適切な管制の変更や取り消しを命じるために新設されたポストだが、7管は、「不十分な交信を基に管制しているとは予見できなかった」(7管幹部)として、統括運用管制官の立件を見送った。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASHD13J53HD1TLLS001.html


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。