(1/3から続く)
8月29日付で毎日新聞東京版からは、病院の様子などになどについて、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
付近の住民は、「自宅で面倒を見きれなくなった年寄りを受け入れてくれた病院で、ありがたかった」と話した。
別の住民は、「子どもがかぜを引いたら連れて行く普通の病院だったが、いつからか、療養が必要な老人のための病院になったようだ」と話した。
出典
『熱中症? 入院患者4人死亡 20日から空調故障 岐阜の病院』
https://mainichi.jp/articles/20180829/ddm/001/040/166000c
『熱中症? 病院、4人部屋に扇風機1台 院長、状況明言避け』
https://mainichi.jp/articles/20180829/ddm/041/040/129000c
8月28日21時35分に産経新聞westからは、識者の見解が下記趣旨でネット配信されていた。
熱中症に詳しい東京都立多摩総合医療センターの清水敬樹救命救急センター長によると、屋内で過ごすうちに熱中症になるケースでは、1日で容体が急変するのではなく、数日かけて徐々に悪化するという。
「入院患者であれば1日に数回、看護師が体温などを確認するはずだ」と指摘した上で、「仮に熱中症だったなら、数日間は体調の異変に気付けた可能性がある。病院の管理体制に問題があったとも考えられる」とみる。
近畿大の平出敦教授(救急医学)は、「連日扇風機だけという環境では、食欲が落ちたり高齢者の病状に悪影響を与えたりする可能性がある」と強調。
エアコンの修理に時間を要したことについて、「健康にリスクを抱えた患者が集まる病院の環境整備は優先されるべきだ」と訴えた。
出典
『医療関係者「患者は入院中。前兆把握できた」と疑問視』
http://www.sankei.com/west/news/180828/wst1808280082-n1.html
8月30日付で毎日新聞東京版からは、死亡診断書の内容や巡回時の記録内容について、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜中署によると、病院側は死亡診断書で死因を多臓器不全や心不全などとし、熱中症との関係には触れていないという。
医師法は、遺体に異状があれば24時間以内に管轄の警察署に届け出なければならないと規定しているが、病院はいずれも死亡に不審な点がないと判断したため、警察に通報しなかったとみられる。
市などによると、各階には温度計と湿度計が置かれ、看護師が定期的に記録していたほか、夜間は看護師と看護補助者各1人が当直勤務し、2~3時間ごとに巡回して、重篤患者については1~2時間ごとに脈拍や体温などを記録していたという。
出典
『岐阜・入院患者死亡 5人、病死と判断 診断書、「熱中症」触れず』
https://mainichi.jp/articles/20180830/dde/041/040/030000c
8月30日19時45分にNHK岐阜からは、死因は特定できなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察が27日までに死亡した4人の遺体を詳しく調べた結果、熱中症によるものか病気によるものか死因を特定できなかったことが、捜査関係者への取材でわかった。
出典
『患者4人の死因は特定できず』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/20180830/3080000150.html
9月1日5時29分に朝日新聞からは、5人とも病死とみられるが4人に熱中症の所見があったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警は5人全員に司法解剖を実施。
いずれも病死とみられるが、4人には熱中症の所見があったという。。
出典
https://www.asahi.com/articles/ASL8052X3L80OHGB00G.html
9月1日21時50分に読売新聞からは、死因は特定できておらず一部の患者から熱中症を示す痕跡が見つかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
司法解剖の結果、一部の患者から熱中症になっていたことをうかがわせる痕跡が見つかったことが、捜査関係者への取材で分かった。
死因は特定できていない。
出典
『5人死亡、司法解剖で一部患者から熱中症の痕跡』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180901-OYT1T50106.html?from=ycont_top_txt
8月30日5時7分にNHK NEWS WEBからは、故障した部品の調達でエアコン修理に時間がかかっていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月20日に病院からエアコンの修理の依頼を受けた地元のガス会社にNHKが取材したところ、調査した下請け業者から「室外機の部分が壊れている」という報告を受けたということで、部品の調達には1か月ほどの時間が必要だったという。
出典
『入院患者死亡の病院 エアコン定期点検せず 岐阜』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180830/k10011599541000.html
8月30日22時35分に朝日新聞からは、過去にエアコンは繰り返し故障したため、修理業者からは室外機取り換えの指摘があったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
病院側は、本館3、4階のエアコンが故障した20日は、普段使っていない新館の病室に入院患者を移すことを検討したとも説明。
この時は新館のエアコンが稼働せず断念したが、29日になって、両階に残っていた患者7人をエアコンが動くようになった新館に移したという。
複数の元病院職員らによると、過去にもエアコンが繰り返し故障していたという。
少なくとも10年ほど前から故障を繰り返し、修理に1週間ほどかかったこともあったという。
その際は、患者のわきの下に保冷剤を挟むなどして対応していたが、エアコンの修理業者は、室外機を換えるといった根本的な措置を取るよう指摘していたという。
出典
https://www.asahi.com/articles/ASL8Z5RCZL8ZOHGB00M.html
(3/3へ続く)
(2/3から続く)
8月31日7時0分に毎日新聞からは、病院は4人の死者が出た後に3、4階の患者をエアコンの利く部屋に移動させていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
病院側は、26日夜~27日午前に4人が死亡した後、エアコンが故障した3、4階の部屋から他の患者をエアコンの利く部屋に移動させ始めていたことが、捜査関係者への取材で判明した。
岐阜県警は、15時間で4人の死者が出たことで、病院が事態の重大性を認識した可能性があるとみている。
捜査関係者によると、病院は4人が死亡してから、3、4階にいた別の患者11人をエアコンの利く別室に移動させていた。
このうち、24日に入院して3階にいた男性(84)は、27日に2階に移ったが、28日午後6時38分に死亡した。
病院側は、死者が出るまで約1週間、3、4階にいた患者全員をエアコンの利かないまま過ごさせ続けたことになり、危険性の認識が遅れていた可能性がある。
出典
『岐阜5人死亡 4人死亡で部屋移す 病院側、重大性認識か』
https://mainichi.jp/articles/20180831/k00/00m/040/183000c
8月31日19時53分に産経新聞westからは、移動先は新館のリハビリ室だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市によると、病院側は28日までに、エアコンの故障していない新館のリハビリ室(本来病床ではない)にベッドを運び、軽症とみられる11人を移動させた。
また、29日にも新館5階に7人を移動させ、定員11人の病室に13人がいる。
出典
『リハビリ室に入院患者11人移動 エアコン故障で岐阜の病院』
http://www.sankei.com/west/news/180831/wst1808310096-n1.html
8月31日7時35分に岐阜新聞からは、病院では毎月2~4人が亡くなっているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同病院では毎月2~4人が亡くなり、冬の寒い時期には7人亡くなったこともあるという。
今月は、今回判明している5人。
出典
『体温や室温記録 患者5人死亡、容体逐次把握か』
https://www.gifu-np.co.jp/news/20180831/20180831-69963.html
(ブログ者コメント)
〇事故発生にはTPMという要素も絡んでくる。
熱中症が直接の死因ではないらしいが、エアコンの故障が春とか秋であれば、このような事態にはならなかったような気がする。
〇部品調達の関係でエアコンの修理に時間がかかるという点は理解した。
ただ、病院側は、高齢の重篤患者が多数いる病院という特殊事情を、どの程度の逼迫性をもって修理を依頼した業者に伝えていたのだろうか?
普通、そのような事情があれば、業者はあちこち心当たりの会社を探しまわるとか、既存部品の転用で急場を凌げないか検討するなど、手を尽くしそうな気がするのだが・・・。
病院側、業者側ともに、また故障したのか・・・程度の認識しかなかったということはないだろうか?
(2018年9月4日 修正1)
2018年9月3日8時35分に岐阜新聞から、3、4階のエアコンは定期点検されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、2/3中、BM対応だったと報じられていた記事部分を削除した)
5人がいた本館3、4階のエアコンを含む全4基はいずれも定期点検が行われていたことが、2日、県の調査で分かった。
一方、問題発覚後に患者を移動させた新館の全7基の定期点検は未実施だった。
県によると、フロン排出抑制法では、同病院の規模で3年に1度の定期点検が義務付けられている。
県は、31日に立ち入り検査を実施。
病院から1日に点検状況の報告があり、本館の5階と3、4階のためのエアコン2基は2017年4月に、1、2階の2基は16年8月に実施済みだったという。
新館は、定期点検を義務付けられていなかった同法改正前の12年5月から14年10月の間に行われたきりだった。
県は口頭で点検するよう指導した。
3日にも文書でも送る。
出典
『故障エアコン、定期点検済み 岐阜市の病院』
https://www.gifu-np.co.jp/news/20180903/20180903-70787.html
(2021年3月20日 修正2 ;追記)
2021年3月18日21時15分に日本経済新聞からは、院長が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜県警が業務上過失致死の疑いで男性院長(71)を書類送検していたことが18日、捜査関係者への取材で分かった。
病院は同日、代理人弁護士を通じて「患者は病死したもので、刑事責任を問われるような問題はなかったと認識している。引き続き捜査に全面的に協力する」とのコメントを出した。
県警が司法解剖し、5人中4人に熱中症の所見が確認されたことから、エアコンの故障と死亡との間に因果関係があると判断したとみられる。
〔共同〕
(2021年6月24日 修正3 ;追記)
2021年6月23日19時42分にNHK岐阜からは、院長は不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜市にあるY病院では、3年前、平成30年の8月26日から28日にかけて、入院していた80代の患者5人が相次いで死亡しました。
5人がいた、いずれの病室でも、1週間ほど前からエアコンが故障していて、警察は、患者が熱中症になった疑いがあるとみて捜査し、ことし3月、エアコンの故障を知りながら、患者を冷房が効いた部屋に移動させるといった必要な措置を怠り死亡させたとして、70代の院長を業務上過失致死の疑いで書類送検していました。
この院長について、岐阜地方検察庁は23日付けで不起訴にしました。
不起訴の理由について「犯罪を証明できるに足りる十分な証拠が得られなかった」としています。
病院側は、当時から一貫して「刑事責任を問われるような問題は無かった」と主張していました。
不起訴となったことについてY病院の院長の男性は、「当病院で他界した方に謹んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りします。不起訴となったのは適切な捜査の結果と受け止めています。今後もより良い医療を目指して 努力を続ける所存です」とするコメントを発表しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/20210623/3080006502.html
2018年8月25日7時47分に岐阜新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
24日午前10時30分ごろ、岐阜市野一色の県総合医療センターで「ドーンという音がした」と、近所の男性から消防に通報があった。
同センターによると、磁気共鳴画像装置(MRI)内を循環して冷却する液体ヘリウムが爆発的に気化し、MRIがある建物の外に設置されているヘリウムガス排気口から白煙が出た。
けが人はいなかった。
同センターによると、液体ヘリウムが何らかの原因で圧力が下がったとみられる。
排気口を通じて白煙が排出した。
建物の外壁が白煙の化学反応により、縦20cm、横50cmにわたり剥がれたという。
MRIは装置内部が壊れた。
同センターは「調査を継続し、来週前半には復旧したい」としている。
出典
『MRI異常か、破裂音と白煙 県総合医療センター』
https://www.gifu-np.co.jp/news/20180825/20180825-68472.html
2018年8月16日5時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
地域のがん治療の拠点病院で、がんの疑いが見つかりながら、治療を受けられずに患者が死亡する例が相次いでいる。
生死にかかわる情報は、なぜ埋もれてしまうのか。
横浜市立大付属病院は6月下旬、心臓の治療で6年前に受けたコンピューター断層撮影(CT)検査で腎臓がんの疑いが見つかった60代男性が、診断が遅れて今年4月に亡くなったと発表した。
放射線科の診断医はCT画像の異常に気付き、画像診断報告書に腎臓がんの疑いについて記した。
だが、男性の主治医の循環器内科医は報告書を見ておらず、男性は腎臓がん治療の機会を逸した。
6月には、同様の確認不足でがんの治療が遅れた例が、千葉大病院、兵庫県立がんセンターでも相次いで発覚。
いずれも、地域のがん治療の中核となる、がん診療連携拠点病院だ。
医療事故の分析にあたる日本医療機能評価機構によると、報告書の確認不足は、2015年1月~18年3月に37件あったという。
ある大学病院幹部は、「氷山の一角に過ぎない」と話す。
【医療の細分化影響】
30年前は、CT画像を1枚撮るのに3分かかった。
現在は、数秒で数百枚撮れる。
昔は、主治医の診療に必要と判断した体の部位だけを撮影したが、今は、広範囲に撮るのが一般的という。
画像はまず、検査を依頼した患者の主治医に送られる。
早く患者に説明したり、治療の方針を決めたりするためだ。
その後、放射線科の診断医がCT画像を詳細に見て、報告書を作成。
がんなどの異常は、その際、診断に必要なかった部位で見つかることが多い。
後で報告書は送っても、必要な情報をすでに得た主治医は読まず、異常に気づかない。
専門化、細分化された現代の医療現場では、専門外の異常に気を配るのは難しい。
関東地方の拠点病院のベテラン外科医は、「患者1人にかけられるのは15分が精いっぱい。限られた時間とリソースは自分の専門につぎ込みたいし、その方が患者のためになる。他分野までカバーしろというのは、正直、無理だ」と話す。
脳出血などに比べれば、がんの治療は、一刻を争うことはそう多くない。
日本放射線科専門医会・医会の井田理事長は、「緊急の事案は主治医にすぐ連絡するが、がんの疑いを急いで伝えても、忙しい主治医は検査が必要な数カ月先には忘れる。人的努力だけでは、情報が埋もれるのは防げない」と話す。
【対策とる病院も】
対策をとる病院もある。
17年に、情報共有不足によるがん患者の死亡事案を公表した東京慈恵会医大病院は、報告書の要旨を患者に渡すようにした。
主治医が報告書を見て必要な検査を予約しているかを確認する専門の部署も作った。
日本医学放射線学会は7月19日、見解を発表。
報告書を主治医が読んでいるかをチェックする仕組みを電子カルテ上で作ることなどを提言した。
ただ、チェックすること自体が目的になり、重要な情報が見過ごされるおそれもある。
阪大病院は、主治医が予期しなかったがんなどの異常のうち、月単位の確認の遅れが患者に重大な影響を及ぼすもののみ、電子カルテ上で他と異なるアラートで主治医に通知している。
対象を絞ることでアラート確認の形骸化を防止。
診療科ごとに報告書の見忘れがないか、毎月、確認している。
医療過誤原告の会の宮脇会長は、「患者には、一つひとつが命に関わる大切な情報。医療者は患者と共有する視点で、医療安全を考えてほしい」と訴える。
出典
『「疑い」報告あったのに…がんのCT画像、なぜ見落とし』
https://www.asahi.com/articles/ASL7076Z4L70ULBJ01K.html
(ブログ者コメント)
横浜市立大附属病院、千葉大病院の事例は、本ブログでも紹介スミ。
2018年4月1日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8205/
(2018年7月31日 修正1 ;追記)
2018年7月23日12時2分にNHK関西から、調査委員会の報告書がまとまっていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年9月、京大医学部附属病院で「セレン」と呼ばれる元素が欠乏する病気の治療を受けていた京都市の60代の女性患者が、病院で調剤された薬を自宅で使ったところ、背中に痛みを訴え、翌日、死亡した。
この問題を受けて、京都大学の調査委員会は今年3月に報告書をまとめ、女性の死因は急性のセレン中毒だったと結論づけるとともに、当時、病院の薬剤師2人が調剤した薬には、医師が処方した濃度の1000倍のセレンが含まれていたと指摘していた。
また、女性が死亡した経緯を捜査していた京都府警察本部は、当時、31歳の薬剤師の男性が、本来、ミリグラムで測るべきところを、単位を誤ってグラムで計測し、さらに、確認する立場だった37歳の薬剤師の女性もミスを見落とした結果、1000倍の濃度の薬を調剤して女性を死亡させたとして、23日、2人を業務上過失致死の疑いで書類送検した。
京大病院の広報担当者は、「書類送検の段階なのでコメントできない」としている。
出典
『京大病院調剤ミス容疑で書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180723/0004302.html
7月23日12時0分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
調剤時に計量器に表示される単位を勘違いしていたという。
出典
『京大病院で調剤ミス、患者死亡 容疑の薬剤師を書類送検』
https://www.asahi.com/articles/ASL7R3HCJL7RPLZB00T.html
(ブログ者コメント)
以下は、京大附属病院から平成30年3月26日付でネット配信されている説明資料。
https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/press/20180326.html
9/14ページに、以下の記述がある。(この情報に基づき、タイトルも修正した)
セレン注射薬大瓶製造工程の問題点
薬剤師は院内製剤マニュアルを遵守していたが、マニュアルに 問題があった。
・・・
製造手順書の試薬量は、mg表記であったが、電子天秤はg表記だった
手順書 21.906 mg 電子天秤 0.021~0.022 g
2018年7月10日3時0分に大分合同新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大分市内の調剤薬局が、小児用の風邪薬を処方するはずの男児(8)に、誤って高血圧・狭心症の治療薬を出し、服用した男児が5日間入院する調剤事故を起こしていたことが9日、分かった。
薬局はミスを認めている。
両親は、薬局に医療費や慰謝料など133万円の損害賠償を求め、大分簡裁に提訴した。
両親や代理人弁護士によると、薬は昨年10月に処方された。
男児は血圧低下や頻脈、呼吸障害を起こし、大分こども病院(大分市)に入院した。
今のところ後遺症は出ていないが、医師の説明では、ぜんそくのような症状が現れる恐れがあるという。
今年5月に提訴した。
訴えられたのはK調剤薬局(同市三ケ田町)。
訴状などによると、せきが出るなどして医院を受診した男児に対し、医師が処方箋に記した抗生剤ではなく、血圧降下などの効果がある薬を手渡した。
薬は、ぜんそく様の症状などの副作用が起きることがあるという。
男児は帰宅後、翌朝までに2回服用。
様子がおかしかったため、母親が薬の説明書を確認し、別の薬だと気付いた。
両親は、「子どもにつらい思いをさせた。こんなことは二度と起きてほしくない。薬局の対応も許せない」と非難。
同薬局は取材に対し、「誤りがあったのは事実。大変申し訳なく思っている」と話している。
【薬剤取り違えなど 全国で5000件】
医療現場の事故事例を調べている日本医療機能評価機構(東京)のまとめでは、薬局で調剤事故などにつながりかねないミスは、2016年に、少なくとも全国で4939件あった。
調査は国内8873店(県内は70店)が協力。
「薬剤の取り違え」は740件だった。
日本薬剤師会などによると、薬局に報告義務はなく、全体の詳しい実態は分かっていない。
件数を把握している機関はないのが実情だ。
薬事法の改正を受けて、国は07年4月、各薬局に安全管理体制の整備を義務付けた。
個別に「業務手順書」を作成し、事故防止対策をするよう求めている。
ただ、県内のある薬剤師は、「どんなに気を付けていても、人為的なミスはゼロにならない。複数の薬剤師で点検する薬局も多いが、チェックの目をくぐり抜けることもある」と指摘。
患者に渡すところで気付くケースも、まれではないという。
出典
『風邪薬と間違え高血圧治療薬、8歳児入院 薬局が処方ミス』
https://oita-press.co.jp/1010000000/2018/07/10/JD0057089705
(ブログ者コメント)
名前が似ていたのか?
棚の横に並んでいたのか?
それとも・・・・。
間違った理由が報じられていないか探してみたが、見つからなかった。
2018年7月8日8時55分に福島民友から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
南相馬市は7日、県保健衛生協会に業務委託した総合健診の胃がん検診で、40代から80代の男女23人に発泡剤を、水ではなく消毒液で飲ませたと発表した。
うち1人が喉に痛みを訴え、もう1人に発疹などの症状が出たが、重症者はいない。
市と同協会は、23人全員に謝罪した。
市と同協会によると、6日午前に同市で行った総合健診で、同協会の60代女性看護師が胃のバリウム検査で受検者に、水ではなく消毒液を15cc飲ませた。
水の入った容器と消毒液の入ったボトルを取り違えたらしい。
同協会によると、健診終了後に片付けをしていて、ボトルの取り違えに気が付いたという。
同協会からの連絡を受け、市は同日夜、23人全員に連絡し、健康状態を確認したところ、16人に症状はなく、5人は体調不良はなかったが、医療機関を受診。
1人が喉の痛み、1人が発疹などの症状を訴えた。
同協会によると、7日現在で症状を訴える人はいない。
市と同協会によると、通常と違う検診車を使用したことから、看護師が水の容器に酷似する消毒液のボトルを取り違えたという。
同協会は、消毒液の主成分はエタノールで、飲用アルコールと同じ成分であることから、健康に大きな影響はないと説明。
同協会は、担当者の慣れによる確認不足が原因としており、市と連携しながら再発防止を徹底したいとしている。
出典
『検診で23人に「消毒液」...水と誤り飲ませる 2人に痛み、発疹』
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20180708-286926.php
7月7日19時1分にNHK福島からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
協会によると、消毒剤はエタノールなどが含まれる手を消毒するためのもので、ふだんの検診で使っていた水を入れたボトルと、消毒剤が入ったボトルが似ていたため、担当の60代の看護師が水と思い込んで受診者にすすめ、1人あたり15ccを飲んだという。
検診後、使用済みのボトルを処分する際に消毒剤だったとわかったという。
出典
『胃がん検診で消毒剤飲ませるミス』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20180707/6050001731.html
2018年6月26日4時11分に神奈川新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜市立大学付属病院(同市金沢区)で、がんの疑いが指摘されていたにもかかわらず、情報共有不足が原因で患者が死亡する医療事故が発覚した。
病院側は、緊急性の高い疾患やがんなどが認められた場合、担当医への電話連絡を徹底するなどの再発防止策を掲げるが、失った信頼を回復するには、病院一丸となった取り組みが欠かせない。
同病院によると、亡くなった60代男性の2012年10月のコンピューター断層撮影(CT)検査は、心臓の治療を目的に実施された。
放射線科技師は、心臓が撮影された部分の画像のみを循環器内科の担当医に提供。
一方で、放射線科医師が、この画像に写った腎臓に陰影を発見し、「がんの疑いを排除することが望まれる」との内容の画像診断報告書を作成した。
しかし、循環器内科の担当医が報告書の存在に気付かず、結果的にがんが見落とされた。
同病院では17年8月、がんなどの疑いが認められた場合、放射線科医ら画像検査に関わった職員が、検査を依頼した医師に直接電話連絡をするとの基準を徹底した。
それまでは慣例的に行われていただけで、不在時の引き継ぎなどが十分に徹底されていなかった。
当時の放射線科医、担当医とも退職しており、実際に電話連絡を行ったかどうか、記憶していないと話しているという。
25日の会見で同病院は、再発防止策として、医師間の電話連絡の徹底のほか、電子カルテに未確認の画像診断報告書がある場合、注意を喚起するなどのシステム改修を挙げた。
医師が確認した時点で「既読」とする機能も追加するという。
また会見では、この男性のほかに悪性腫瘍が見落とされていた事案が、横浜市大付属市民総合医療センター(同市南区)も含め10件あったことが判明した。
うち2件は手術で腫瘍を取り除いたが、より早い段階で所見に気付いていれば、内視鏡手術など他の対応も考えられたとしている。
年齢を理由に治療を終えた90代の女性を除く9人は、現在、治療中もしくは経過観察中といい、外部委員が入った病院の医療事故調査委員会で調査している。
出典
『【横浜市大病院医療事故】引き継ぎ不徹底、がん見落とす 類似ケース少なく
なく』
http://www.kanaloco.jp/article/341444
6月25日18時6分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
同病院で亡くなった男性は、心臓の治療で循環器内科に定期的に通院。
心臓内のカテーテル治療の実施に向け、2012年10月にCT検査を受けた。
放射線科の医師がCT画像を確認し、腎臓がんの疑いがあると診断して、翌日に報告書を作成した。
しかし、循環器内科の担当医に直接伝えることはせず、この担当医も、心臓部分が撮影されたCT画像を受け取ったが、電子カルテ上にあった報告書に気づかず、確認していなかった。
医師は2人とも既に退職している。
男性は、他の医療機関でのCT検査で肺がんの疑いがわかり、今年3月に付属病院に緊急入院。
その際、12年に撮影したCT画像の存在が発覚した。
・・・・・
今回の調査では、画像診断の報告書を主治医などが確認していなかったケースが、同病院で、昨年6月までの1年間で計568件に上った。
診断結果の報告は、慣習的に、放射線科医から主治医へ電話で直接連絡するようになっていたが、ルール化されていなかった。
同病院は、再発防止策として、医師がコンピューター上でカルテを閲覧する際、目を通していない画像診断報告書の一覧を表示して注意を促すよう、システムを改修するなどとしている。
出典
『CT検査共有せず、がんで男性死亡 横浜市立大付属病院』
https://www.asahi.com/articles/ASL6T5VJ5L6TULOB00X.html
6月25日19時57分に朝日新聞からは、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
CTの画像診断報告書を確認していない事例の報告は、全国で相次ぐ。
医療事故の分析にあたる日本医療機能評価機構によると、2015年1月~18年3月に36件あった。
機構によると、がんが放置された事例の多くでは、検査目的の部位と異なる所でがんの疑いが指摘されていたという。
横浜市大で死亡した男性も、心臓の病気で循環器内科を受診。
腎臓にあったがんが放置された。
検査をした放射線科医は、画像診断の結果を循環器内科の医師に伝えず、循環器内科の医師が画像診断報告書を読むこともなかった。
第三者機関の日本医療安全調査機構の木村常務理事は、こうした事故について、「1人の医師の注意不足というより、システムの問題。個人ではなく全体での対策が必要」と語る。
全国で起きている理由については、「医療機器の発達により、医師らが共有すべき情報量が増え、複雑化している」ことをあげる。
東京慈恵会医大病院(東京都港区)は、昨年発覚した患者の死亡事故を受けて今年4月、CT画像の診断報告書を患者に手渡す取り組みを始めた。
医療過誤原告の会の宮脇会長は、「各診療科の専門分化による構造的な問題で、他の病院でも多く発生しているはずだ」と指摘。
「患者も画像を確認できれば、がんが放置されるような事例を減らすことができる。患者と一緒に医療安全を進める取り組みが広がってほしい」と話す。
厚労省は今月、千葉大学病院で画像見落としがあり、男女2人が亡くなった事例が発覚したのを受け、昨年11月に都道府県などの医療担当部署に出した事務連絡を、再び、出した。
画像診断報告書の確認の徹底を医療機関に呼びかけることを求めている。
【画像診断結果放置でがん治療の遅れにつながった主な事故】
2016年12月 名古屋大病院で、肺がん女性死亡
17年 2月 東京慈恵会医大病院で、肺がん男性死亡。7月に別の男性2人の死亡も発覚
17年10月 名古屋大病院で、大腸がん男性死亡
18年 6月 千葉大病院で、腎臓や肺のがんで男女2人死亡
同 兵庫県立がんセンターで、肺がん女性治療中
※ 年月は明らかになった時期
出典
『がんの放置、なぜ起こる 検査目的の部位と異なる所で』
https://www.asahi.com/articles/ASL6T61V1L6TULBJ011.html
(2/2に続く)
(1/2から続く)
2018年6月27日17時42分にNHK神奈川からは、過去の見落とし事例の反省から慈恵医大病院が取り組んでいる再発防止策の内容に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
がんの疑いがあるというCT検査の画像診断の結果が医師の間で共有されず、見落とされるケースが各地の病院で明らかになっているが、東京・港区にある東京慈恵会医科大学附属病院では、以前明らかになったミスを受け、その対策に取り組んでいる。
この大学病院では、去年までの5年間に6人のがん患者の検査結果を主治医などが見落とし、このうち3人が死亡していたことを、去年、公表した。
ミスの原因として、検査した医師と主治医との連携不足だけでなく、主治医が交代する時の引き継ぎが十分でなかったこともあげている。
その上で、病院はミスを防ぐための対策を進めている。
その柱の1つは、情報を共有する複数のルートを作ることだ。
画像を診断した医師は、主治医だけでなく事務職員にも報告し、事務職員は主治医に検査の情報がきちんと届いているかを確認する。
また、CT検査の画像診断を受けた患者に対しても、原則、全員に検査結果を説明し、報告書を手渡すことにしている。
主治医が交代して、万が一、検査情報が伝わらなかった場合、患者側から指摘できるようにするためだ。
東京慈恵会医科大学附属病院の大城戸医局長は、「患者にも情報共有のパートナーになってもらい、医師が見落としていることを防ぐメリットがある」と話している。
さらなる対策として、医師の間で患者の検査結果がひと目でわかるシートも作成した。
このシートを看護師もチェックして、病院全体で見落としを防ごうとしている。
東京慈恵会医科大学附属病院の丸毛病院長は、「医師にすべてを頼るやり方では、重大なミスを減らすことは難しい。医師でなければできないこととそうでないことを切り分けて、医師をサポートする体制を充実させる必要がある」と話している。
がんの疑いがあるという検査結果が医師の間で共有されず、見落とされたことなどから、患者が適切な治療を受けられず死亡したケースが、千葉大学と横浜市立大学の附属病院で、今月、相次いで明らかになった。
見落とされていたのは、いずれもCT検査などの画像診断の結果だった。
このうち、千葉大学医学部附属病院では、平成25年以降、9人の患者の検査で、がんなどの疑いがあったにもかかわらず、医師の間で共有されず、主治医が結果を見落とすなどしていた。
これによって4人の患者の治療に影響が出て、このうち2人が去年、がんで死亡したという。
また、横浜市立大学の附属病院でも、「がんの疑いがある」という検査結果が医師の間で共有されなかったケースが相次いだ。
適切な治療を受けられなかった患者は去年6月までのおよそ1年間に、あわせて12人に上り、このうち2人が死亡した。
電子カルテに記載されていた検査結果の情報について、主治医が確認していなかったことが原因だという。
医療事故の分析などを行っている「日本医療機能評価機構」によると、画像診断についての報告書を主治医などが十分確認せず、病気を見逃して治療が遅れたケースは、平成24年から去年までに64件報告されている。
また、病院などから医療事故の報告を受けている「日本医療安全調査機構」によると、医師ががんの疑いがあると診断したのに、主治医との間の情報共有が不十分だったケースや、患者が痛みを訴えた部位と違う部位にがんの疑いがあった場合に、医師が詳しく確認せず見落としてしまうケースがあったという。
日本医療安全調査機構の木村常務理事は、「AIを含めたシステムなどで、人間のミスを補うための対策に取り組む必要がある。患者側も病院にすべてを任せるのではなく、自分が受けた検査の結果を改めて医師に尋ねるなどして、適切な医療を求めて欲しい」と話している。
出典
『がん画像診断の見落とし 対策は』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20180627/1050002904.html
2018年6月19日14時29分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
食生活などの調査や研究を行う「国立健康・栄養研究所」の部長ら3人が、無資格で研究の被験者にエックス線を照射していたとして書類送検された。
警察は、研究費を確保するために不正が続けられていたと見て調べている。
書類送検されたのは、食生活などの調査や研究を行う「国立健康・栄養研究所」で生活習慣病などを研究する部署に所属している53歳の部長など3人。
警察によると、3人はおととしから去年にかけて無資格で、研究の被験者の60代から80代の男女6人にエックス線を照射していたなどとして、診療放射線技師法違反の疑いが持たれている。
研究所が施設の移転準備に伴って機器の使用状況を確認する中で、無資格の職員がエックス線を照射する骨密度測定装置を操作していたことがわかったという。
これまでに健康被害は確認されていないという。
調べに対し、部長は「研究の結果や成果を出さなければ、研究費を打ち切られる可能性があった」と話しているという。
この研究所での無資格の職員によるエックス線の照射は、去年までの10年間でおよそ3600回に上っていたということで、警察は、研究費を確保するために不正が続けられていたと見て調べている。
出典
『無資格でX線照射か 国立研究所の部長ら書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180619/k10011485401000.html
6月19日12時27分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3人は容疑を認め、部長は「成果を出さなければ部が廃止になる可能性があり、後ろめたかったがやってしまった」と話しているという。
送検容疑は、2016年12月~17年12月ごろ、男女6人に対して計8回にわたり、無資格でX線骨密度測定装置を使用するなどした疑い。
同研究所は今年1月、生活習慣病研究の一環で無資格測定をしたと公表していた。
同法違反の公訴時効は3年だが、警視庁が押収したファイルには07年以降、約900人に対し計約3600回、無資格でX線測定装置を使った記録が残っていた。
出典
『国立研究所部長ら書類送検=無資格でX線測定容疑-警視庁』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018061900671&g=soc
※今年1月の公表内容は下記。
(2018年1月17日19時8分 朝日新聞)
国立健康・栄養研究所(東京都)は17日、放射線を人体に照射する資格のない研究者がX線照射をした疑いがあると発表した。
照射を受けたのは最大913人で、これまでに健康被害の報告はないという。
研究所は第三者委員会を設置し、詳しく調べる。
診療放射線技師法は、医師・歯科医師または診療放射線技師しか放射線を人体に照射できないと定める。
研究所によると、今月9日、機器の使用状況を確認中にX線骨密度測定装置を使った生活習慣病予防の研究で疑いがわかった。
2007年から10年間の追跡調査で、関東地方を中心にした913人が参加。
3人の常勤研究者がいる研究班で、うち2人は無資格。
外部の研究協力者も1~2人いたが、無資格だった。
研究班の責任者は、「法に触れるという理解のないまま、やらせていた」と話しているという。
研究所は対象者に個別に連絡し、説明会を開く。
相談窓口も設ける。
出典
『国立健康・栄養研、無資格X線照射の疑い 最大913人』
https://www.asahi.com/articles/ASL1K5KB8L1KULBJ00J.html
2018年6月23日17時24分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は23日までに、大阪北部地震が起きた18日に約3時間の停電が起き、自家発電機系統の送電線などに異常が見つかったと明らかにした。
電気事業法が定める自家発電機の年1回の点検を、少なくとも5年間実施していなかったという。
センターは停電中、人工呼吸器などに絞って発電機の代わりに非常用電源を使用し、患者の対応に当たった。
地震では、屋上にある受水槽の破損で浸水した4病棟が閉鎖し、一部の患者が転院した。
センターによると、地震発生直後に停電し、手動で自家発電機へ切り替え作動させたが、院内へ送電できず、復旧までに約3時間かかった。
19日に専門業者が点検した結果、自家発電機は正常に作動していたが、電力状況を確認するパネルの不具合や送電線にショートなどの異常があったという。
センターの担当者は、「未点検の原因や送電線の異常を今後、調査する」と話している。
出典
『国立循環器病センターの停電 自家発電機は5年未点検』
http://www.sankei.com/west/news/180623/wst1806230056-n1.html
6月23日9時10分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は22日、大阪府北部を震源とする18日の地震発生後、自家発電機からの送電線が故障していたことを明らかにした。
自家発電機は、電気事業法で年1回、全館を停電させて行う点検が必要だったが、少なくとも5年間未点検で、法令違反だったという。
同センターによると、地震発生直後に停電が起き、自家発電に切り替わった。
約10分後、電気が復旧したという表示がセンターの監視モニターに出たため、職員が自家発電を止めた。
その直後に再び停電表示が出て、自家発電機は作動したが、約3時間、館内に送電できなくなったという。
出典
『国立循環器病センター、自家発電5年間点検せず』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180623-OYT1T50041.html
6月22日23時33分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府北部を震源とした今回の地震で被害を受けた国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は、1年1回と定めている停電時の非常用自家発電機の保安検査を5年以上していなかったと22日、発表した。
厚労省からの問い合わせで調べてわかったという。
同センターは、18日の地震による停電で非常用の自家発電機に切り替わったが、不具合で電力の供給が一時、不安定になった。
電気事業法による同センターの規則で、通常時の点検は1カ月に1回、商用電源を止めた停電状態の検査は1年に1回と定めている。
通常の点検は定め通りだったが、停電を想定した検査は、少なくとも5年以上やっていないことがわかったという。
19日に通常状態の点検をし、自家発電機が正常に動くことは確かめられたという。
厚労省はこれを受けて22日、都道府県に対し、非常用電源を持つ全ての病院について、法律に基づく保安検査の実施状況を確認するよう求める通知を出した。
出典
『停電想定での自家発電機検査、5年以上実施せず 国循』
https://www.asahi.com/articles/ASL6Q6HXWL6QPLBJ008.html
(ブログ者コメント)
〇今回の事例は、非常用設備単体の点検だけでは不十分という
ことを改めて教えてくれた。
〇全館停電させての点検となると準備が大変。
また、停電させること自体のリスクも考えられる。
よって、発電機単体の点検だけで済ませていた。
・・・そんな背景でもあったのかもしれないとは、ブログ者の経験からして、ふと頭をよぎったこと。
2018年6月14日17時29分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
静岡県立静岡がんセンターは14日、県東部に住む60代の男性患者が、抗がん剤の副作用で肝機能障害を起こしたのに気付かず治療を続け、症状が悪化し、昨年9月に死亡したと発表した。
血液検査で出た肝機能の数値異常を見逃していた。
センターによると、男性は直腸がんと肝転移のステージ4と診断されていた。
昨年7月中旬に、3週間の抗がん剤服用と1週間の休薬を1サイクルとする1回目の治療を始め、終了時の検査で肝機能障害を示す数値が出ていたが、担当の男性医師が確認しないまま、2回目の治療を始めた。
男性は2週間後の8月下旬に劇症肝炎のため緊急入院し、10日後の9月上旬に死亡した。
直接的な死因は薬剤性肝障害だった。
男性が服用していたのは錠剤で、副作用で肝機能障害を引き起こす可能性がある抗がん剤だった。
遺族とは今年5月に示談が成立。
センターは、看護師や薬剤師が検査データを確認するなどとした再発防止策を講じた。
記者会見した高橋病院長は、「患者の生命に関わる重大な医療事故。患者と家族の皆さまに多大な心痛をかけ、県民の信頼を損なったことを深くおわび申し上げます」と陳謝した。
出典
『検査結果見逃し患者死亡 肝障害、静岡がんセンター 』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3176891014062018CR8000/
6月15日7時30分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年7月中旬、同病院消化器内科の男性医師が、直腸がん・肝転移で治療中の男性患者に、経口薬の抗がん剤「レゴラフェニブ」の投与を開始した。
1週間ごとの血液検査で肝機能の状況を確認していたが、8月中旬、検査の数値が悪化し、肝機能障害が発生したにもかかわらず、投与を続けた。
8月下旬、患者が再び血液検査を受けたところ、肝機能が急激に悪化する「劇症肝炎」と診断され、緊急入院。
9月上旬に死亡した。
病院は、8月中旬の時点で抗がん剤の投与を中止しなかったことが原因としている。
担当した男性医師は、8月中旬のカルテに、肝機能に関する数値を転記していなかった。
男性医師は、「(数値を)確認したかどうか記憶にない」と説明したという。
記者会見した高橋院長は、「ご家族の皆様に多大なご心痛をおかけしたことを心よりおわび申し上げます」と謝罪した。
再発防止策として、医師が検査結果のコピーを患者に渡して直接説明するほか、薬剤師もチェックシートを使って確認するなどの対策を始めたという。
出典
『検査結果見落とし患者死亡…抗がん剤で肝障害』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180614-OYT1T50121.html
2018年6月13日17時1分に静岡新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
静岡県立総合病院(静岡市葵区)で5月下旬、滅菌処理が不完全な状態の手術器具が患者に使用されていたことが、13日、病院への取材で分かった。
滅菌処理装置の電源の入れ忘れと使用前の確認不徹底による人為ミスで、病院は対象となる患者78人に謝罪した。
感染症の有無を調べるため、患者の血液検査を行っているが、健康被害は確認されていない。
同病院によると、滅菌処理が不十分だったのは鉗子(かんし)などの手術器具4セット、手術器具を保護する布2枚など。
該当の手術器具を使用した患者が4人、布などを術中に用いた可能性がある患者が74人いた。
手術器具の滅菌処理は、委託業者が院内で実施している。
高温洗浄と高温乾燥をした後、高圧蒸気滅菌装置にかけることになっているという。
5月28日、手術器具が滅菌済みであることを知らせる付属品の色が変わっていないことに看護師が気付いた。
その後の調査で、高圧蒸気滅菌装置の電源が同23日の一定時間、入っていなかったことが判明した。
同病院は、「事態を深刻に受け止め、再発防止に努める。委託業者の指導と職員教育を徹底する」としている。
出典
『滅菌不完全器具で手術 病院、対象患者78人に謝罪』
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/501663.html
6月13日6時0分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
静岡県立総合病院(静岡市葵区)で5月、十分に滅菌処理されていない器具で手術が行われていたことがわかった。
病院によると、滅菌装置が作動していなかったことが原因で、使用前の確認も不十分だった。
感染症などの被害は確認されておらず、病院は患者に説明、謝罪し、チェックの手順を改めるなどの再発防止策を取った。
病院によると、手術で使用する器具類は、洗浄、乾燥後に高圧蒸気滅菌装置で処理される。
病院内に設備があり、委託会社が一連の工程を担当している。
滅菌処理を終えると、目印として器具を包む袋や箱のラベルの色が変わるが、5月28日朝、看護師が一部で色が変わっていないことに気づいた。
調査したところ、23日、複数ある装置のうち、一時的に作動していない装置があったという。
滅菌が不十分なまま使われたのは、鉗子などの手術器具4セット、器具を置く際にかぶせるなどする布2枚、手術室の照明の角度を変えるための交換式の取っ手15点。
病院は、手術器具を使用した患者4人と、布などを使用した可能性がある患者74人の計78人に事情を説明し、謝罪した。
病院は、これまでに75人の患者に血液検査を行ったが、感染症などは確認されていない。
今後も一定期間、患者の経過観察を続けていくという。
出典
『滅菌不十分な器具で手術…静岡県立総合病院』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180613-OYT1T50006.html
2018年6月9日22時26分にNHK関西から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪・堺市の市立総合医療センターで3年前、50代の男性の定期検診で胸のエックス線画像を取り違えて肺がんの疑いを見落とすミスがあり、治療を始めるのがおよそ1年遅れていたことが分かった。
ミスがあったのは堺市西区の市立総合医療センター。
センターによると、平成27年5月に、50代の男性が定期検診を受けた際、胸のエックス線画像に「かげ」が見つかったが、担当の医師が肺がんの可能性を調べるため1年前の画像と比べようとして、誤って1週間前に撮影した画像と比べてしまったという。
このため、大きさなどの変化が確認できず、医師は肺がんの疑いは無いとして、男性の精密検査などは行わなかったという。
男性は翌年、肺がんと診断されて手術を受け、現在は回復しているという。
センターでは、肺がんの疑いを見落としたことで治療がおよそ1年遅れたとして男性に謝罪し、慰謝料を支払ったという。
堺市立総合医療センターは、「再発防止のため、現在は、画像を2人の医師で確認したり、日付の文字を大きくしたりするなどの対応をとっている」としている。
センターでは、おととしにも70代の女性患者の胃がんを見落とし、治療を始めるのがおよそ7か月間遅れるミスがあり、女性はその後、死亡している。
出典
『X線画像取り違えがん治療に遅れ』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180609/0000876.html
6月9日19時14分に日本経済新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
センターによると、医師は2015年(平成27年)5月8日に撮影したエックス線の画像で、男性の胸部に陰影を確認。
男性は、この1週間前と約1年前にも、エックス線検診を受けていた。
センターでは、過去の画像と比較して陰影が大きくなるなど差があれば、がんの疑いもあるとして上司に報告し、二重チェックする決まりになっている。
医師は、1週間前の画像を、約1年前のものと取り違えて比較。
陰影に変化がないと判断したが、実際には、陰影は約1年前と比べて拡大していた。
男性は16年5月にも検診を受け、精密検査の結果、肺がんと診断された。
センター側が過去の画像を詳しく調べる中で、取り違えミスが発覚。
医師が画像に記された日付を見落としたのが原因と考えられるという。
男性は治療のため入院、同年8月に退院した。
センターの寺口事務局長は、「あってはならないミス。二重チェックの徹底や、画像の日付の文字を大きくするなどの対策を取り、医師にも注意喚起している」と説明している。
出典
『肺がん見逃し治療遅れ 画像取り違え 堺の病院』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3158343009062018AC8Z00/
※おととしの見落とし事例は下記記事参照。
(2018年2月15日8時15分 朝日新聞)
堺市立総合医療センターは14日、堺市堺区の70代の女性患者の検査結果を主治医が見落とし、胃がんの治療開始が7カ月遅れたと発表した。
女性はミス判明の翌月に手術を受けたが、約1年後に死亡した。
センターは「どれだけ予後に影響があったか断定できない」としている。
センターによると、女性は2016年1月に外来受診で胃痛や貧血を主治医に訴えた。
翌月に別の医師が胃カメラ検査と、細胞を取って調べる「生検」を実施。
カルテに「胃潰瘍あり」と書き、生検は記載しなかった。
その後に判明した生検の結果は胃がんだったが、主治医は生検がされていたことに気づかずに確認を怠り、胃潰瘍と診断した。
同年9月に女性が再び不調を訴えた際、後任の主治医が胃がんの検査結果に気づいた。
10月に胃を切除する手術をしたが、女性は17年9月に亡くなった。
センターはミスを認め、遺族に謝罪したという。
会見した花房院長は、「生存期間が短くなった可能性は完全には否定できないが、7カ月前でも胃がんのステージや治療内容は変わっていなかっただろう」と話した。
出典
『検査結果を見落とし、胃がん治療7カ月遅れる』
https://www.asahi.com/articles/ASL2H2GHBL2HUBQU002.html
(2018年2月15日付 読売新聞)
女性は16年2月、胃の痛みを訴え、同センターで胃の内視鏡検査と病理検査を受診。
病理検査の担当医師は胃がんを見つけ、電子カルテに添付された報告書に記載したが、主治医がこれに気付かず、カルテに書かれた内視鏡検査の所見だけで胃潰瘍と判断した。
約7か月後に女性が吐き気を訴えたため、別の医師が再検査した際、以前の検査結果に気付いた。
女性は16年10月、胃の一部を切除する手術を受け、抗がん剤治療を続けたが、昨年9月に死亡した。
主治医は既に退職し、別の病院に勤務中。
調査に、「内視鏡検査の結果が『胃潰瘍』と書かれており、そう思い込んでしまった」と話しているという。
同機構は、「ミスと死亡の因果関係は不明だが、がんは当初からかなり進行していたと考えられる」と説明。
一方で、医師間の情報共有が不十分だったとして、病理検査結果の連絡体制やカルテの記載方法を見直すなどの再発防止策をまとめた。
出典
『「胃がん」検査結果見逃す…堺市医療センター、治療7か月遅れ』
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180215-OYTET50009/
(2月14日23時16分 毎日新聞)
センターによると、2016年2月の内視鏡検査と病理検査で胃がんとの結果が出た。
しかし、主治医だった30代男性医師は検査結果を確認しないまま、女性に「貧血と胃潰瘍」と説明した。
内視鏡検査をした別の医師がカルテに良性と読み取れる記載をしたため、思い込んだという。
女性の嘔吐が続き、16年9月に後任の主治医が気付いた。
翌月の手術の際にはリンパ節に転移しており、治療を続けたが、昨年9月に亡くなった。
出典
『堺市 医師が検査結果の確認怠る 治療開始7カ月遅れる』
https://mainichi.jp/articles/20180215/k00/00m/040/113000c
2018年6月8日21時53分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉大学病院(千葉市中央区)は8日、30~80代の男女9人の患者について、CT検査画像診断の報告内容を医師が見落とすなどしたため、がんの診断が最大約4年遅れ、4人の治療に影響があり、2人が腎臓や肺のがんで亡くなったと発表した。
別の2人は現在も治療を継続。
このうち1人の男性患者が昨年7月に受診した際、がんの疑いが見落とされていたことが発覚し、病院が調査していた。
病院によると、亡くなった2人は70代男性と60代女性。
70代男性は、2016年1月に皮膚がんの疑いで画像検査を受け、放射線診断の専門医が画像診断報告書で肺がんの疑いを指摘したが、担当医は報告書を十分確認しなかった。
男性は昨年4月に皮膚科で画像検査を受けて肺がんが分かったが、同年6月に亡くなった。
病院側は、「(16年の時点で)治療していれば、選択肢の幅が広がったと言える」とした。
また、60代女性は13年6月、腸の病気の経過観察でCTの画像診断を受け、報告書で腎がんが疑われると指摘されたが、担当医が十分確認していなかった。
4年後の昨年10月に、別の診療科で撮影したCT画像で腎がんが確認されたが、同年12月に亡くなったという。
病院側は、「(13年の時点で)治療していれば、その後の経過に大きな違いがあった」としている。
昨年7月、50代男性が肺がんの疑いで呼吸器内科を受診した際、約1年前に受けていた頭頸(とうけい)部のがんを確認するCT検査の報告書を医師が確認したところ、すでに肺がんの疑いが指摘されていたことが発覚。
放射線診断の専門医が報告書を提出していたのに、診療科の医師が専門領域の頭頸部だけに注目しており、肺がんについては確認不足だったことがわかったという。
その後の調査で、亡くなった2人を含む8件について、画像診断の確認不足が判明した。
病院が設けた外部調査委員会は、
▽放射線診断専門医は報告書を提出したが、診療科の医師が自分の専門領域のみに注目した
▽報告書の作成が遅れ、診療科の医師が確認しなかった
などが原因と指摘した。
病院は、再発防止策として、
▽7月に画像診断センターを新設して、放射線診断専門医を5人増やす
▽画像診断報告書を主治医が患者と一緒に確認する
ことなどを実施すると説明している。
山本病院長は記者会見で、「患者、ご家族の皆さまには多大なご負担とご心痛をおかけし、誠に申し訳ありません」と謝罪した。
医療機関での予期せぬ死亡事故の原因を調べて再発防止につなげるため、15年10月に始まった「医療事故調査制度」に基づき、第三者機関「医療事故調査・支援センター」に届け出るという。
医療安全が専門の長尾能雅・名古屋大教授は、「他の病院でも多く発生している問題だと推測される。画像診断報告書を一定期間見ていなければ電子カルテで警告する仕組みに加え、主治医と患者が一緒に確認することなどで警告を補う別の対策も必要だ」と話す。
出典
『CT報告「がん疑い」、担当医見落とす 千葉大2人死亡』
6月8日17時27分にNHK千葉からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
60代の女性は平成25年6月に、腸の病気の経過観察のためCT検査を受けた。
その際、画像診断を行った放射線の専門医が腎臓がんの疑いがあると報告書で指摘していたが、主治医らが見落としていたという。
そして、4年余りが経過した去年10月になって、改めてCT検査をした結果、腎臓がんが進行していることが分かり、女性は12月に死亡した。
70代の男性は、おととし1月に、皮膚の悪性腫瘍の疑いがあるとして、ほかの病院で受けた検査の結果を千葉大学附属病院に持参した。
その中で、肺がんの兆候があると指摘されていたにもかかわらず、主治医は問診などを行っただけで、十分な確認を行わなかったという。
その後、去年4月になって皮膚科でCT検査を行ったところ、肺がんが進行していることが分かり、男性は2か月後に死亡した。
画像診断に関する検査結果の見落としは各地の医療機関で相次いでいて、厚労省は去年11月、全国の医療機関に対して注意を促した。
具体的には、治療方針を決める主治医と画像診断を行った医師の間での連携不足を防ぐため、主治医が画像診断を行った医師に診断内容を確認することを求めている。
また、患者に対してその内容を説明することも求めた。
・・・・・
出典
『CT検査見落とし2人死亡千葉大』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20180608/1080002423.html
6月8日14時25分にNHK首都圏からは、画像診断の流れなどに関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉大学医学部附属病院では、患者の画像診断や検査結果の報告は、次のような流れで行われていた。
まず、診療科の医師が放射線診断の専門医と検査の担当者に、それぞれ画像診断を依頼する。
依頼を受けて検査の担当者は、撮影した画像データを診療科の医師と放射線診断の専門医の両方に送る。
そして診療科の医師は、みずからの目で画像データを確認するとともに、放射線診断の専門医が作成した診断結果の報告書も参考にして、今後の治療方針を決めていた。
この流れの中でミスが起きた原因として、外部調査委員会は4点を指摘している。
①そもそも、診療科の医師が画像診断を依頼しなかったケース
②診療科の医師が、放射線診断の専門医から提出された報告書について自分の専門領域だけに注目し、それ以外の所見を見落としたケース
③放射線診断の専門医による報告書の作成が遅れ、結果的に診療科の医師が確認しなかったケース
④放射線診断の専門医が報告書を作成しなかったケース
こうしたミスの再発を防ぐため、病院側は業務の流れを見直し、画像診断の体制を強化するとしている。
具体的には、来月1日付けで「画像診断センター」という組織を設け、放射線診断の専門医の人数を増やしていく。
また、放射線診断の専門医が作成した報告書の内容を患者も一緒に確認する仕組みを作るとしている。
さらに、来年1月にシステムを更新して、診療科の医師による報告書の確認状況の記録や管理を徹底するとしている。
出典
『画像診断の流れとミスの原因』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180608/0012788.html
(2/2に続く)
(1/2から続く)
6月9日付で毎日新聞東京版からは、今回事案の発覚経緯など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
発覚のきっかけは昨年7月。
50代の男性が他の病院で肺がんの疑いがあると告げられ、千葉大病院で検査を受けた。
約1年前にも、同病院でCT検査を受けていた。
放射線診断専門医が当時作成した画像診断報告書を医師が確認したところ、「肺がんの疑いがある」と書かれていた。
担当医が記載を見落とし、専門分野の首や頭しか注目していなかったことが原因だった。
病院側は、「報告書を確認するという担当医の認識が不足していたため」としている。
さらに同様のミスが見つかったため、同11月に院内調査を始めた。
結果、2013年以降、9人の患者ががんと診断されていなかったことが発覚。
死亡した2人を含む5人について、報告書を見落としていたほか、2人については担当医が専門医に画像診断を依頼していなかった。
また、専門医による報告書作成が遅れて担当医が確認しなかったり、専門医による報告書が作成されていなかったりしたケースが患者1人ずつであった。
同病院におけるCT検査などの画像診断は、年約6万件に上る。
うち、担当医が「広く診断を確認する必要がある」と判断した約4万件について、専門医に画像診断を依頼している。
専門医は、頭部から胸部、腹部など、全身の画像診断を行う。
だが、対応する専門医は常勤5人、非常勤5人の計10人のみで、対応が追いついていなかった。
・・・・・
見落とし防止に取り組む病院もある。
東京慈恵会医科大病院(東京都港区)では、画像診断報告書の見落としで患者が死亡した問題を受け、今年4月から年15万件のCT画像の診断報告書などを患者に手渡して、再発防止に努めている。
大船中央病院(神奈川県鎌倉市)では、画像診断報告書を読まない限り、主治医の電子カルテに警告が繰り返される。
青木・診療放射線技師は、「こうしたシステムの活用も、見落としの防止に役立つ」と話す。
一方、厚労省は「千葉大の報告を踏まえて今後の対応を検討する」としている。
出典
『千葉大病院 がん見落とし 報告書、担当医が確認不足 専門分野のみに注目』
https://mainichi.jp/articles/20180609/ddm/041/040/134000c
(2019年1月22日 修正1 ;追記)
2019年1月21日12時19分にNHK千葉から、再発防止策としての診断医増員は専門医不足で進んでいないという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
病院は、この問題を明らかにした際、画像診断を行う「放射線診断医」と呼ばれる専門医の不足が原因の1つだったとして、再発防止策として、画像診断の専門部署を新設し、常勤の専門医をそれまでの5人から10人に増やすとしていた。
しかし、これまでに新たに採用できたのは専門部署の責任者を務める非常勤の医師だけで、常勤の専門医は半年以上がたった現在も増員できていないことがわかった。
病院側は、全国的な専門医の不足が背景にあるとしていて、千葉大学医学部附属病院の市川副院長は、「非常勤で採用したり、CT検査などのシステムを改修して専門医の負担を軽くしたりするなど、できるかぎりの対策を進めたい」と話している。
出典
『がん見落とし 再発防止策進まず』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20190121/1080004696.html
2018年6月8日21時21分にNHK秋田から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月5日午前9時20分ころ、横手市増田町亀田の交差点で横手市十文字町のMさん(男性、71歳)が運転していた軽トラックが軽乗用車と衝突した。
警察によると、事故の直後、Mさんは救急車で横手市内のH総合病院に搬送されたが、診察の結果、すり傷などの軽いけがと診断され、その日のうちに自宅に帰った。
しかし6日午前11時ころ、近くに住む姉が自宅を訪ねたところMさんが死亡しているのを見つけ、通報した。
警察が8日の午後、司法解剖を行ったところ、Mさんの死因は小腸が破裂したことによる腹膜炎で、事故で腹を強く打ったことが原因とみられるという。
警察が、事故からMさんが死亡するまでの詳しいいきさつを調べている。
死亡したMさんが搬送されたH総合病院の総務管理課の斉藤課長補佐は、「この件で警察から連絡があったことは把握しているが、細かい内容は分からない。また、月曜日にならなければ診断の経緯を調査するかも含めて分からず、いまは何も答えられない」と話している。
出典
『事故で軽傷診断の男性 翌日死亡』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20180608/6010000914.html
6月8日付で秋田朝日放送からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
死因は小腸の破裂による腹膜炎で、警察によると、小腸が原因となる場合、気づにくいケースがあるという。
事故は、軽トラックと軽乗用車のどちらかが信号無視をした可能性があり、警察が当時の状況を調べている。
出典
『車同士の衝突事故で軽傷と診断された男性が翌日死亡』
https://www.aab-tv.co.jp/news/aab_shownews.php
2018年5月16日22時47分に時事通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪市阿倍野区の障害者支援施設で、入居者の女性(52)が熱湯の入った風呂に転落する事故が起きていたことが16日、分かった。
女性は全身やけどで15日夜、搬送先病院で死亡。
職員が温度確認などを怠ったとみられ、警察は業務上過失致死容疑で捜査している。
警察によると、事故があったのは障害者5人が入居するグループホーム「T」。
12日午後4時半ごろ、悲鳴に気付いた職員が浴室内で痛みを訴える女性を発見。
女性は下半身を中心に広範囲にやけどを負っており、入浴しようとしてバランスを崩し、熱湯が入った風呂に転落したとみられる。
施設を運営する社会福祉法人によると、女性職員が湯を張ったが、職員は付き添わず、女性が1人で入浴していた。
施設が確かめたところ、温度は70~80℃に設定されていたという。
施設の規則は、入浴させる前に実際に手を入れ温度を確認すると定めていたが、職員は怠っていた。
同法人は取材に、「マニュアルが適切に守られず、誠に申し訳ない」と謝罪した。
出典
『障害者施設で死亡事故=熱湯風呂に入居者転落-大阪』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018051601459&g=soc
5月16日20時46分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
施設は2階建て住宅で入居者が暮らす形で、当時、5人が入居していた。
女性は全身の60%にやけどを負ったという。
出典
『80度近い風呂に転落、52歳死亡 大阪の障害者施設』
https://www.asahi.com/articles/ASL5J578FL5JPTIL00T.html
5月16日22時25分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
入所する知的障害者の女性(52)が入浴中にやけどを負い、15日に死亡した
全身が真っ赤になった女性は「熱い、熱い」と叫んでいたという。
司法解剖の結果、死因はやけどによるショックだった。
ホームを運営する社会福祉法人「日本ヘレンケラー財団」(同市阿倍野区)によると、ホームには知的障害者ら5人が入所。
当時は、従業員1人が入所者の世話をしていたという。
出典
『障害者施設 入所者が熱湯で死亡 80度近くか 大阪』
https://mainichi.jp/articles/20180517/k00/00m/040/116000c
5月17日9時5分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午後4時30分頃、施設職員が叫び声を聞いて浴室に駆け付けたところ、一人で入浴中だった女性(52)の肌が真っ赤になっていた。
女性は救急搬送されたが、やけどは体の約6割に及び、15日夜に死亡した。
蛇口からの給湯温度は最高の85℃に設定され、浴槽の湯は80℃前後あったとみられる。
警察は、女性が浴槽につかる前にかけ湯をしたとみている。
出典
『80度浴槽でかけ湯、女性が全身やけどで死亡』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180517-OYT1T50006.html
5月17日13時27分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
施設を運営する「日本ヘレンケラー財団」の西川理事長は17日、風呂の設定温度は当時85℃で、職員が入浴前の温度確認を怠ったことを明らかにした。
死亡したのは、施設で暮らしていた女性(52)。
西川理事長によると、施設の50代の職員が浴槽に湯を張る際、温度を85℃に設定した。
入所者の女性は1人で入浴し、浴槽に足を入れたが熱すぎたためバランスを崩し、湯の中に転倒したとみられる。
警察によると、女性は12日午後4時半ごろに風呂に入り、全身にやけどを負った。
病院に搬送されたが、15日に死亡した。
日本ヘレンケラー財団は、ホームページによると昭和23年、毎日新聞社の招聘で、 視覚と聴覚の重複障害をもつ“奇跡の女性”ヘレン・ケラーの来日を記念。
「ヘレンケラー精神」を啓蒙し、寄せられた基金などをもとに昭和25年5月に設立された。
出典
『職員が温度確認怠る…85度の熱湯風呂で入所者死亡、理事長が謝罪 大阪』
http://www.sankei.com/west/news/180517/wst1805170060-n1.html
2017年10月3日16時47分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都大付属病院は3日、薬剤師が調剤した注射薬を自宅で投与した60代の女性患者が死亡したと発表した。
薬は通常の700倍超の濃度で、調剤を誤った可能性が高いという。
稲垣院長は、「このような事態を招き、心よりおわび申し上げる」と謝罪した。
女性が投与した前日に、一緒に調剤された注射薬を使った別の患者は色の異常に気づき、投与を途中で止めていたという。
病院は報告を受けたものの、死亡した患者に使用中止を伝えていなかった。
病院側は、「この時点では原因が分かっていなかった」と釈明している。
京大病院によると、注射薬は「セレン注製剤」。
8月28日、医師の処方箋に従って薬剤師2人が調剤した。
9月26日夕、患者が自宅で投与し、約3時間後に背中に痛みを感じたため、翌27日午前に同病院で処置を受けたが、死亡した。
病院が調べたところ、通常の738倍の濃度のセレンが含まれていたことが判明した。
別の患者は9月25日にセレン注製剤を使用したが、「薬の色が赤みを帯びている」と、途中で投与を中止したうえで、病院に報告していた。
調剤した薬剤師は、1人がキャリア10数年、もう1人は5年未満だった。
セレンは体内に存在する微量元素で、欠乏するとさまざまな症状をきたす。
医薬品として販売していないため、京大病院では薬剤師が注射薬を調剤していた。
病院は厚労や京都府警に事故を届けた。
今後、調査委員会で詳しく検証する方針。
出典
『京大病院、調剤ミスか 60代患者死亡 濃度700倍の注射薬』
http://www.sankei.com/west/news/171003/wst1710030070-n1.html
3月26日19時14分に京都新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同病院は26日、セレン注射薬を患者に渡すまでの過程で通常の1000倍の濃度に調剤するミスが発生したとの検証結果を明らかにした。
死因はセレン中毒だった。
女性の血中のセレン濃度は基準値の20倍を超えていた。
院内に残っていた注射薬の濃度は、処方箋通りに作った場合の1000倍だった。
同病院によると、昨年5月16日に薬剤師が院内の保管庫からセレン試薬瓶を取り出し、無菌室で水と混ぜて注射薬を作った。
計量する時に単位を間違えた可能性があるが、調剤した薬剤師2人は調査に「いつも通りにやった。間違うはずがない」と話している。
このうち1人はセレン試薬瓶を約1カ月後に廃棄。「試薬が古いと考えた」と説明したという。
同病院は「昨年5月以降の保管状況で、ミスが発生した場所や時期は特定できなかった」としている。
薬剤師が現在も同病院に勤務しているかは明らかにしなかった。
再発防止策として、調剤時の手順書を改訂したり計測方法を改めたりしたという。
出典
『京大患者死亡、濃度千倍の調剤ミス 検証結果公表』
http://kyoto-np.jp/top/article/20180326000140
3月27日10時7分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書などによると、薬は医師の処方箋をもとに薬剤師2人が調剤。
2人は調査委の聞き取りに「いつも通りに量った」とミスを否定したが、薬の管理記録にはセレンの使用量を詳細に記す欄がなく、原因は解明できなかったという。
出典
『京大病院調剤ミス、薬濃度1000倍…患者死亡』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180327-OYT1T50061.html
3月26日19時13分にABC NEWSからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年9月、京大病院に通院していた女性患者が、体内に不足すると心筋症などを引き起こす「セレン」という元素を補うための注射薬を自宅で投与したところ、容態が急変し死亡した。
「セレン」の注射薬は通常の1000倍の濃度で調剤されていた。
製剤マニュアルには調合の単位が「ミリグラム」で記載されているが、薬剤師が調剤の際、単位を「グラム」と取り違えた可能性があるという。
出典
『【京都】京大病院 調剤ミスで女性死亡』
https://www.asahi.co.jp/webnews/abc_2_006_20180326010.html
3月26日19時52分に日本経済新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
病院は、同じ薬を投与された他の患者から異常を指摘された際に「人体への影響はないだろう」などと薬剤部内で判断していたと説明。
グラム表記のはかりを使用するのに、マニュアルはミリグラム表記で書かれているなど、不備があったという。
当初は投与された薬の濃度を738倍としていたが、再度測定したところ、約1000倍と判明したという。
出典
『調剤ミスで患者死亡と断定 京大病院、薬成分千倍に』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2858636026032018AC8Z00/
2018年3月2日12時31分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
厚生労働省は2日、臓器提供の意思のある患者の脳死判定で、コンタクトレンズを外さずに不適切な検査をしたとみられる事例があったと発表した。
同省のマニュアルでは、脳死判定時に「角膜を露出させる」としている。
同省は、マニュアル順守を徹底するよう、全国の提供病院に通知した。
厚労省によると、専門家が検証し、脳死の判定自体は妥当だったと結論付けた。
問題とされるのは、昨年8月に兵庫県の県立病院が40代女性に実施した脳死判定。
判定後に眼球を運んだ兵庫県のアイバンクが、「ソフトコンタクトが角膜についたままだ」と指摘した。
ただ、病院側はコンタクト装着を否定したという。
脳死判定の検査には、角膜に綿棒で刺激を与え、まばたきをしないことを確認する項目がある。
専門家の検証では、ソフトコンタクトを着けていても刺激は伝わることや、他の複数の検査でも脳幹の反射がないことを確認しており、脳死判定は妥当と判断した。
通知では、コンタクトの使用状況について、家族への聞き取りを徹底するよう求めた。
出典
『コンタクト外さず脳死判定 兵庫の県立病院、マニュアルでは「角膜を露出」、不適切検査か 厚労省、注意喚起』
http://www.sankei.com/west/news/180302/wst1803020042-n1.html
3月2日11時34分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年8月、兵庫県の県立病院で脳死判定を受けた40代女性から摘出された眼球にソフトコンタクトレンズが装着されたままになっていた可能性があると、2日、厚労省が公表した。
脳死判定で角膜の反射を確認する際、伝わる刺激が弱まった恐れがあるが、厚労省の検証会議は、「脳死と判定したことは妥当」と結論づけた。
厚労省によると、女性は昨年8月3日、くも膜下出血のため兵庫県の県立病院で脳死と判定された。
脳死判定をするには角膜の反射をみる検査が5種類あり、同院はいずれの検査も行った上で脳死と判定した。
しかし、摘出した角膜が提供された兵庫アイバンクで、眼球にソフトコンタクトレンズが着いたままだったことが判明。
アイバンクが厚労省などに連絡した。
脳死判定した病院の医師は「コンタクトレンズは付いていなかった」と話しており、わかりにくい場所にずれていたか、眼球にかなり密着した状態になっていた可能性がある。
マニュアルでは、脳死判定に必要な角膜反射の観察は、角膜を露出させて行うこととなっている。
厚労省の検証会議は「コンタクトの影響で脳死判定の際に角膜に伝わる刺激が弱まった恐れがある」と指摘したが、他の検査が正しく行われており、脳死と判定したことは問題ないとした。
厚労省は、臓器提供を行う施設に、マニュアルを守るよう通知を出した。
出典
『コンタクト着いたまま眼球摘出 厚労省検証会議「脳死判定は妥当」』
http://www.sankei.com/affairs/news/180302/afr1803020017-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。