







2015年5月10日13時41分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午前5時10分ごろ、羽田空港のA滑走路と誘導路上で、飛行機を引っ張っていた全日空の牽引車からの油漏れが見つかった。
A滑走路は清掃のため、午前6時から約3時間20分閉鎖された。
国土交通省東京空港事務所によると、閉鎖中は計4本ある滑走路のうち別の2本を使ったが、国内・国際線の出発便計27便に30分以上の遅れが出た。
全日空と空港事務所によると、国際線側に駐機していた飛行機を国内線側に移動させた際、油圧装置などに使う作動油が漏れたという。
漏れた量は不明で、同社が原因を調べている。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASH5B3TJ7H5BUTIL003.html
5月10日10時34分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午前5時10分ごろ、羽田空港で旅客機をけん引していた全日空のけん引車から作動油が漏れるトラブルがあった。
A滑走路(3000m)や誘導路で油が見つかり、A滑走路は清掃のため午前6時から約3時間20分閉鎖された。
空港事務所によると、4本ある滑走路のうち別の2本を使用したが、20便以上に遅れが出た。
けん引車は、国際線ターミナルから整備地区まで全日空のボーイング767を移動させる途中で、当時、補修作業のため閉鎖されていたA滑走路を横切った。
全日空が、油漏れの原因を調べている。
出典URL
http://www.47news.jp/CN/201505/CN2015051001000717.html
2015年4月23日12時26分にNHK盛岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
平成24年12月、花巻空港で、ジェイエアが運航する、日本航空の小型ジェット機、ボンバルディアCRJ200型機が、雪の中、滑走路をそれて着陸したトラブルで、国の運輸安全委員会は、23日、報告書を公表した。
それによると、パイロットが、滑走路の滑りやすさを示すおよそ1時間前の情報を最新の情報と勘違いし、その後の雪で、さらに滑りやすくなっていたことを考慮せずに着陸した可能性が高いとしている。
このため、着陸後、スピードを落とす操作を十分に行わなかった結果、機体が滑り始め、さらにパイロットが車輪の向きを急に変えたため、滑走路を左にそれた可能性が高いとしている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/6044200801.html?t=1429824629250
(ブログ者コメント)
当時の状況について、報告書には以下の記載がある。
2.1 飛行の経過
機長は、16時44分ごろ、花巻空港の同社運航支援者から16時40分の気象情報及び16時18分の滑走路等の雪氷情報を入手した。
さらに機長は17時08分ごろ、花巻飛行場対空援助局(花巻レディオ)から最新の気象情報及び16時18分の雪氷情報を入手した。
その際、機長及び副操縦士は、花巻レディオが通知した雪氷調査の実施時刻を確認せず、飛行中に同社運航支援者から入手した同時刻の雪氷情報よりも新しい情報であるものと認識し、引き続き着陸可能な雪氷状況であることを確認してアプローチを継続した。
3.4 判明した事項の解析
機長及び副操縦士は、着陸前に花巻レディオから雪氷情報を入手した際、花巻レディオが通知した雪氷調査の実施時刻を確認せず、この花巻レディオからの雪氷情報が、飛行中に同社運航支援者から入手していた同時刻情報よりも新しい情報であるものと誤って認識していた。このことから、着陸の可否を判断する際に、雪氷調査が実施された16時18分以降の気象状態を加味した総合的な判断がなされていなかったものと考えられる。
機長及び副操縦士が花巻レディオから入手した雪氷情報が新しい情報であるものと認識したのは、同社運航支援者から入手した雪氷情報と一部内容が異なっていたことが関与したと考えられる。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/rep-inci/AI2015-3-1-JA202J.pdf
2015年4月22日14時49に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
全国の空港で、駐機中の航空機に作業用車両が衝突したり、航空機への給油時の作業ミスで燃料が漏れたりするなどの事故やトラブルが、今年3月末までの1年間に92件起きていたことが国土交通省のまとめでわかった。
航空機の安全に関わる問題で、作業ミスや施設面の不備など、空港で起きた、運航以外に起因する事例の実態が明らかになったのは初めて。
同省は、「一歩間違えば、というケースもあった。問題を放置しない意識を徹底し、重大事故の防止につなげていきたい」としている。
同省などによると、世界の航空死亡事故の発生率は、近年、運航100万回あたり0.5回前後で下げ止まり傾向にあり、国際民間航空機関は、今後、格安航空会社(LCC)の台頭などで運航本数が増加すれば、これに比例して重大な事故も増えると見込んでいる。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150422-OYT1T50078.html
(ブログ者コメント)
記事には一覧表も掲載されており、そこでは以下の5件の事故・トラブルが紹介されている。
4月 8日 羽田空港
貨物運搬車が確認不足で航空機の貨物用ドアと接触
5月22日 福島空港
空港の消防車が部品老朽化で3ケ月消火剤を放出できない状態に。
6月23日 伊丹空港
貨物運搬車の運転手がアクセルとブレーキを同時に踏み機体と接触。フロアマットが固定されていなかった。
8月17日 関西空港
給油車輌が次の作業への移動を焦り、航空機に燃料ホースを接続したまま発車して燃料が漏れる。
9月26日 中部空港
作業員が知識不足で誘導路に侵入し、発見した航空機が停止。
そのうち、関西空港での事例は、本ブログでも紹介済み。
2014年11月22日掲載
[昔の事例の顛末] 2014年8月17日 関西空港で航空機に燃料を供給するホースをつないだまま給油車両を動かしたため主翼の給油口が壊れ欠航、安全装置を切ったままの作業が常態化か?
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4441/
国交省発表資料(全22ページ)は、下記参照。
http://www.mlit.go.jp/common/001065225.pdf
2015年4月5日6時38分に時事ドットコムから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月5日20時26分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
2014年7月にアフリカ北西部マリで起き、116人が死亡したアルジェリア航空機墜落をめぐり、事故原因は計器の氷結に伴う不具合とみられることが4日、仏航空事故調査局(BEA)の調査で分かった。
操縦士が凍結防止装置を作動させるのを失念していた可能性もある。
同機は14年7月24日未明、西アフリカのブルキナファソのワガドゥグ空港から北アフリカのアルジェリアの首都アルジェに向けて離陸し、約1時間後、高度3万1000フィート(約9500m)で水平飛行に入った後、急激に失速して墜落した。
凍結防止装置の不作動により、気圧計が氷結して関連計器が不具合を起こし、結果的に失速につながった可能性が高いという。
BEAは、「凍結防止装置が作動していれば、計器は温風で暖められていた」と指摘した。
出典URL
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201504/2015040500018&g=int
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150405-OYT1T50084.html?from=y10
(1/2から続く)
4月7日20時19分にNHK徳島からは、自衛隊が管制している他空港の状況について、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
NHKが同様に自衛隊が管制を行っている全国7か所の空港について取材したところ、いずれも内部規定に基づいて、2人以上の態勢で管制業務を行っていることが分かった。
徳島空港の管制業務を担当する海上自衛隊徳島教育航空群によると、トラブルがあった日曜日は民間機の発着しかないことから、管制官が1人で対応していたという。
自衛隊が管制業務を行う空港は、国内では徳島空港以外に、航空自衛隊による「新千歳」や「三沢」、「茨城」など6つの空港と、陸上自衛隊による「丘珠空港」の、あわせて7か所あり、NHKが取材したところ、いずれも内部規定に基づいて、2人以上で管制業務を行っていることがわかった。
徳島空港は海上自衛隊が管制業務を行う唯一の空港で、内部規定はあるが、人数は示されていなかったという。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/8023821011.html?t=1428440415351
4月7日15時17分に朝日新聞からは、管制体制を見直すという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
海上自衛隊徳島教育航空群広報室は7日、管制官が1人で業務を担うことについて「問題があった」との見解を示した。
当初は「問題ない」としていたが、5日に起きた着陸やり直しの経緯などを再調査し、管制官1人でトラブルが起きた過去の事例などもふまえて判断を変えた。
今後、管制業務の内容や人数などの内規を見直すという。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASH4741M0H47PUTB00D.html
(ブログ者コメント)
那覇空港の事例は、下記参照。
2011年9月15日掲載
2011年9月13日 深夜の那覇空港で主幹管制官が居眠りし、貨物機2便が離着陸遅れ (修正2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/740/
その後、高松空港でも、管制官が一人になった時にトラブルが起きている。
2012年12月24日掲載
2012年12月17日 高松空港で1人勤務の管制官が居眠りしていたため着陸寸前の旅客機が交信できず、もう一人の管制官は私用で1時間ほど外出していた (修正1)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/2557/
(2016年8月29日 修正1 ;追記)
2016年8月26日8時8分に読売新聞から、出発機の滑走路選びに気を取られていた、滑走路閉鎖中の表示板も使っていなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月25日10時45分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
調査報告書を運輸安全委員会が公表した25日、同空港の管制業務を担当している海上自衛隊徳島教育航空群は、松茂町の同航空群で記者会見を開き、トラブルを陳謝した上で、関係者の処分を検討していることを明らかにした。
報告書では、男性管制官が出発機の滑走路選びに気をとられ、作業車両の存在を忘れたことなどが原因と指摘。
トラブル時、管制室には管制官が1人しかおらず、作業車両が滑走路で作業をする際に慣例となっていた「滑走路閉鎖中」を示す表示板も使われなかったことも一因になったとしている。
車と機体は10数mまで近づき、運輸安全委は、「ここまで接近したのは、国内では、この数10年、例がない」としている。
記者会見では、同航空群司令、森1等海佐の「一歩間違えば大きな事故につながった管制ミス。報告書を厳正に受け止め、再発防止と安全確保のため指導を徹底する」とのコメントが出された。
同航空群司令部首席幕僚の高田1等海佐は、当時の状況について、「管理態勢に問題があった」とした上で、再発防止策として、トラブル後は管制室に2人以上の管制官を置くことを内規で定めた他、「滑走路閉鎖中」の表示板は大きく目立つ色に変え、使用を義務付けたことなどを説明。
高田1等海佐は、「国民にご迷惑をおかけし、申し訳ない」と頭を下げた。
出典
『「一歩間違えば大事故に」…海自が管制ミス陳謝』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160825-OYT1T50151.html?from=ycont_top_txt
『滑走路の作業車忘れ着陸許可 徳島空港の着陸トラブル』
http://www.asahi.com/articles/ASJ8S3RS6J8SUTIL00D.html
(ブログ者コメント)
運輸安全委の報告書は、下記参照。
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail.php?id=2113
2015年4月5日23時39分に読売新聞から、トラブル時の状況を報じる下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月6日5時4分にTBS News iからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午前11時頃、徳島県松茂町の徳島空港で、羽田発の日本航空455便(ボーイング767―300型機)のパイロットが着陸しようとしたところ、滑走路に作業車両を発見し、着陸をやり直すトラブルがあった。
徳島空港の滑走路を走る白い車が通り過ぎた30秒ほどあとに、旅客機が着陸しようと滑走路に近づくが、再び浮上していった。
日航によると、いったん車輪が着地したが、すぐに離陸して危機を回避したという。
同機は約25分後に着陸。乗客乗員計67人にけがはなかった。
徳島空港は、海上自衛隊の航空機と民間機が滑走路を共用。空港の管制・管理は海自徳島教育航空群が担当する。
同群によると、滑走路では当時、委託を受けた民間業者が同群の車両を使い、航空機に滑走路終端までの距離を知らせる「距離灯」の電球交換をしていた。
だが、管制官が業者に退避の指示を忘れ、無線で着陸許可を出したという。
日航によれば、パイロットは滑走路上空に差しかかる前に作業車両の存在に気づき、「着陸やり直し」操作の過程で車輪を着地させ、直後に離陸。
この後、同機は上空を旋回し、再度着地を試みた。
その際、車両は滑走路から出ていたが、パイロットは視界不良のため着地寸前で再び高度を上げ、結局3回目で着陸に成功したという。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150405-OYT1T50094.html?from=ycont_top_txt
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2462259.html
4月6日0時59分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
徳島空港で5日、日航機が着陸しようとして滑走路上の作業車を発見、再上昇したトラブルは、視界不良など悪条件が重なれば重大事故につながりかねない事態だった。
日航機と作業車の距離は1000~1500m。最悪の場合、5~6秒後に衝突の恐れもあった。
国交省の担当者は、主翼の付け根付近の「主脚」のタイヤがいったん滑走路に接地するほど着陸操作の最終段階に至ってから再上昇したことを重視。「障害物が原因で接地後に再上昇するのはめったにないこと」と指摘した。
さらに、そのまま機首付近の「前脚」も接地し滑走していれば、機体と作業車が衝突した恐れもあるため、担当者は「深刻な事態と受け止めている」と話した。
パイロットは、滑走路への進入中の着陸やり直しや、タイヤが接地してからの再上昇を通常から訓練。
ただ、日航の担当者は,「今回は目視で作業車を発見できたが、悪天候で視界が悪ければより困難になる。管制上、どういうミスがあったのか詳しく調べてほしい」としている。
出典URL
http://www.sankei.com/affairs/news/150405/afr1504050026-n1.html
4月6日15時15分に朝日新聞からも、同趣旨の記事が解説図付きでネット配信されていた。
4月6日17時20分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
日航機が車を発見してから回避のために急上昇するまで15秒程度だったとみられることが、国交省航空局への取材でわかった。
国交省によると、着陸許可を受けた日航機は滑走路の東側から車輪を出して進入。
滑走路の東端付近で副操縦士が2500mの滑走路の中間地点付近で白い作業車を発見し、機長が着陸回避を決断した。
車輪は、作業車の約800m手前で接地したが、急上昇で危険を回避した。
この間、約15秒だったとみている。
徳島空港は民間と海上自衛隊が共用し、管制は海自徳島教育航空群が担っている。
同航空群によると、管制業務は通常4人態勢だが、日航機に着陸を許可した当時、管制室には1人しかおらず、ほかの3人は別の階で別の業務をしていたという。
広報室は、「土日曜は訓練飛行を行わずに民間機しか発着しないため、管制業務は1人でも担当が可能で、法的にも問題はない」と説明している。
同航空群によると、管制官は、5日午前10時40分、作業車へ滑走路への進入を許可した。
作業車は午前10時43分に滑走路に進入。車には業務委託先の外部社員1人が乗車していた。
管制官は、午前10時53分に、乗客乗員67人を乗せた日航機に着陸を許可したが、作業車には滑走路外への退避を指示していなかった。
日航機は6分後に着陸やり直しを連絡し、上昇後の午前11時2分、作業車は滑走路の外に出た。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASH463FZZH46PUTB003.html
http://www.47news.jp/CN/201504/CN2015040601002000.html
4月6日20時29分に産経新聞からは、1人管制に対する下記趣旨の問題提起的な記事がネット配信されていた。
1人で勤務していた海自の管制官が、滑走路に進入していた作業車の存在を忘れ、日航機に着陸許可を出していた今回のトラブル。
国交省の管制官がいる空港では、過去のミスから2人以上の勤務が原則となっており、配置のあり方が議論になりそうだ。
空港に着陸しようとする航空機は、管制官から許可を得る必要がある。
着陸後は、駐機場までの地上走行経路の指示を、管制官から受ける。
許可と指示は、それぞれ無線交信する周波数が異なる上、ほかに離陸機とのやり取りも必要で、通常2人以上の管制官で担当する。
国交省によると、規則上は1人勤務でも問題ないが、過去のミスを受けて、2人以上の配置を指導している。
最近では平成23年9月、那覇空港で管制官2人が担当していた時間に、相手を休憩させ1人だけで勤務していた管制官が居眠りしてしまい、航空機からの無線での呼び掛けに応答せず、一部の着陸機が進入をやり直す事態となったこともあった。
ただ、「原則2人以上」を徹底しているのは、国交省の管制官がいる空港に限られ、全国に8つある、自衛隊機と民間機が乗り入れる徳島空港のような共用空港については、防衛省の配置規則に従うため、国交省では関知していない。
航空評論家の青木謙知氏は、「空港の隅々まで見渡せる狭い地方空港では1人で十分だ」と指摘し、「問題は車両の存在を忘れる管制官の低い意識だ」と話す。
一方、元全日空機長の前根明氏は、「複数態勢であれば(今回のトラブルは)防げた可能性もある」としている。
出典URL
http://www.sankei.com/affairs/news/150406/afr1504060030-n1.html
(2/2へ続く)
2014年12月18日付で日本経済新聞(夕刊)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月18日10時44分に朝日新聞から、12月8日13時39分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
羽田空港で2012年3月、上海発の日本航空のボーイング777型機が着陸時に機体後部を滑走路に引きずった事故で、運輸安全委員会は18日、エンジンを逆噴射させて減速していたのに、機長のミスで接地後に再び離陸しようとしたことなどが原因だとする事故調査報告書を公表した。
事故は12年3月31日午後4時すぎに発生。
機体がいったん接地してから再び離陸するまでの間に、機体後部が路面に接触する「テールストライク」が起き、外板や圧力隔壁の一部を損傷した。
機体は再上昇して、約30分後に着陸をやり直した。
乗客乗員308人にけがはなかった。
報告書によると、当時操縦を担当していた副操縦士は、後部車輪が滑走路に着いた後、減速のための逆噴射を行う「逆推力装置レバー」を操作した。
これに対し、計器確認などを担当していた機長は、接地後の軽い上下の揺れを、機体がバウンドして浮き上がったと錯覚し、次の接地時の衝撃を避けようと再離陸を決断した。
機長は、再接地の際に強い衝撃を受けないよう、着陸やり直しを副操縦士に指示した。
さらに、副操縦士に操縦の交代を宣言せずに同レバーを元に戻して再加速を試み、自ら操縦かんを引いて機首を上げようとした。
機体のマニュアルでは、同レバー操作後の再離陸は危険を伴うため認められていなかった。
副操縦士は、機長の指示や操作に疑問を指摘しなかった。
この間、機体は減速して揚力が落ち、再離陸が可能な出力が得られるまでに時間がかかり、機長の操縦で機首だけが上がった状態のまま滑走した。
機体後部を約7秒間、数100mにわたって引きずったとみられるが、機長も副操縦士も、接触には気づいていなかったという。
安全委は、2人の連携ミスが誤った判断を招き、事故につながった可能性があると指摘。
機長が交代を宣言せずに操縦を始めたことで、一時的に役割分担が不明確になり、計器類の確認が十分できていなかった点などを問題視した。
日航は事故後、機長と副操縦士間の操縦引き継ぎの手順や操縦中のアドバイスの方法を見直し、運航ガイドラインを改正した。
出典URL
http://www.nikkei.com/article/DGKKASDG18H2C_Y4A211C1CR0000/
http://www.asahi.com/articles/ASGDK6KLDGDKUTIL04J.html
http://mainichi.jp/select/news/20141218k0000e040230000c.html
2014年11月15日14時10分に産経新聞westから、「航空の安全を揺るがす大問題・・・」というタイトルで下記趣旨の記事が、解説図付きでネット配信されていた。
関西国際空港で航空機に燃料を供給する給油会社の作業員が8月、給油車両が動かないようにする安全装置をかけずに給油した上、航空機にホースを差したまま車両を動かしたため、燃料漏れ事故を起こしていたことが15日、関係者への取材で分かった。
国交省は、「航空業務の安全対策を揺るがす事態」として、新関西国際空港会社を通じ、給油会社に対して、再発防止や従業員教育を徹底するよう指示した。
事故を起こした作業員は、石油元売り大手JXグループの燃料給油会社、IKS(大阪府豊中市)に所属。IKSの親会社、エネオスウイング(名古屋市)は、産経新聞の取材に「詳細は確認中」としている。
関空では、航空機に給油する際、地下のパイプラインにつながる地面のバルブと、機体の主翼下部にある給油口の両方に、「サービサー」と呼ばれる給油車両がそれぞれホースをつなげ、パイプラインから機体へ燃料をくみ上げる。
車両は通常、事故防止のため、給油が終わってホースを収納するまで、トランスミッション(駆動装置)のギアが入らないようにする安全装置がかけられる。
ところが、この作業員は8月17日、ピーチ・アビエーション機(A320型)に給油中、主翼にホースがつながった状態で車両を移動させ、ホースが外れた。
ピーチによると、燃料供給は終わっていたが、ホース内部に残っていた燃料が駐機スペースに漏れ出した。
この事故で主翼の給油口も破損したため、ピーチは往復2便を欠航した。
関係者によると、作業員は安全装置の作動スイッチを切った状態で給油作業をしていた。
ホースが外れた際、ピーチはすでに乗客156人の搭乗案内を始めていたが、実際に何人が機内にいたかは不明という。
国交省は、安全装置を解除した状態での作業が現場で常態化していた疑いがあるとして、今回の事故を重大視。
空港の設置管理者である新関空会社を通じ、IKSに対して再発防止などを求めた。
これを受け、新関空会社とIKSは原因や再発防止について話し合い、作業手順や設備の改善、従業員教育の徹底を再確認した。
IKSはこれらを書面で提出し、新関空会社は着実な実行を求めたという。
国交省幹部は、「今回の事故は省内で大問題になった。作業員は手順を省略したかったのだろうが、何重にも安全対策を講じるのが航空業務の世界だ。これでは何のための安全装置か分からない」と批判した。
出典URL
http://www.sankei.com/west/news/141115/wst1411150041-n1.html
2014年9月26日17時34分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本航空のボーイング787型機が今年1月、成田空港で駐機中にバッテリーから発煙したトラブルを巡り、国土交通省が、バッテリー内部のショートで過熱した可能性が高いとする調査結果をまとめたことがわかった。
国交省がバッテリーを分解して行った調査では、バッテリー内に8つある電池のうち、一つの電池のプラス極とマイナス極が何らかの原因で接触して大きな電流が流れ、過熱した可能性が高いことが判明。
電池内部からは金属片が見つかったが、ショートの原因は解明できていないという。
成田空港でトラブルを起こしたバッテリーは、安全性を高める改修を施したもので、過熱した電池以外に熱は広がっておらず、損傷の程度は軽かった。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140926-OYT1T50063.html
(ブログ者コメント)
前の記事で紹介した宇部発B787型機の発煙トラブルと原因は同じだったのかもしれない。
2011年9月8日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに、副操縦士は3ケ月前まで旧型機に乗務していたなどの新情報を、第2報修正3として掲載します。
(新情報に基づき、タイトルも修正しました)
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/722/
(2014年9月29日 修正3 ;追記)
2014年9月25日12時41分に朝日新聞から、運輸安全委員会が調査報告書を公表したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
全日空系のエアーニッポン(ANK)機が3年前、静岡県沖でほぼ裏返しになったトラブルで、副操縦士(当時38)がスイッチの誤操作を12秒も続けながら異常に気づくのが遅れ、慌てて操縦したため、余計に機体が傾いたことがわかった。
国の運輸安全委員会が25日、調査報告書を公表した。
副操縦士はトイレから戻った機長(当時64)を操縦室に入れる際、ドアを開けるスイッチでなく、垂直尾翼のかじを動かすスイッチをひねった。
3カ月前まで乗務していた旧型機のドアのスイッチと、700型機のかじのスイッチが似た場所にあり、副操縦士は調査に誤操作を認めたという。
ANKは訓練の際、両機種のスイッチが紛らわしい点を明確に注意していなかった。
誤操作は断続的に計12秒間に及んだが、機体の姿勢を示すモニターや、かじと連動したペダルの不自然な動きなどを副操縦士は見逃した。
結果、機体は左に傾き急降下。異常に気づき、右に立て直す向きに操縦桿を操作したが、失速警報に驚き、慌てて操縦桿を逆方向に戻したため、機体が再び左に大きく傾き、背面飛行に近くなった。
運輸安全委は、米連邦航空局に対し、判別しやすいスイッチへの改善をボーイングに指導するよう勧告した。
ANKと合併した全日空にも、傾いた機体を戻す訓練の改善を勧告した。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASG9R6RL0G9RUTIL01F.html
9月25日12時22分にmsn産経ニュースから、9月25日13時24分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
副操縦士は3カ月前まで約4年3カ月、旧型機に乗務していた。
副操縦士は14秒後に誤操作に気づいたが、慌てて操縦桿を急激に操作したため、機体が左側に最大131.7°傾き、最大荷重も地上の2.68倍に達したとしている。
急降下からの回復操作が不十分だった点について、運輸安全委員会は、副操縦士が失速警報の作動に驚き混乱したため対応が遅れた可能性があると指摘。
また、失速警報を伴う異常姿勢からの回復訓練が未経験だったことも副操縦士の混乱を助長したとの見方を示した。
運輸安全委員会は再発防止に向け、全日空に対し、運航乗務員が1人で運航を継続する場合の基本的順守事項の徹底と、失速警報を伴う異常姿勢からの回復訓練を実施するよう勧告。
ドア解錠と機体の姿勢制御の両スイッチの形状、操作方法が似ていることも問題だとして、米連邦航空局に、スイッチ構造の変更を製造元のボーイング社に検討させるよう勧告した。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140925/dst14092512220005-n1.htm
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140925-OYT1T50082.html
(ブログ者コメント)
2012年1月24日5時1分発信の朝日新聞に掲載されていた図を再確認したところ、コックピットの操作パネルは縦3列に分かれており、今回誤操作したドアスイッチは、旧型機では真ん中のパネルにあった。
それが新型機では左側のパネルに移っており、真ん中のパネルには尾翼かじのスイッチが、従来あった位置よりも上方に、ちょうど旧型機のドアスイッチがあった位置の少し上側に移されていた。
誤操作した副操縦士は3ケ月前まで旧型機に乗務していたとのこと。
これでは間違えても仕方がない。
ハードウエア・システム誘発型ヒューマンエラーの一例だと言えよう。
2014年7月9日16時56分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は、航空機の運航などで安全に影響を及ぼす可能性のある軽微なトラブルについて、乗員や整備士らから自発的な報告を促す制度を新設し、10日から運用を始める。
事故の予兆となる「ヒヤリ・ハット」の事象については、国内航空各社では社内で独自収集しているが、格安航空会社(LCC)の増加で安全対策に差も生じていることから、国交省は事故を防ぐためにはこうした事象を広く収集、航空関係者全体で共有する必要があると判断した。
航空法では、事故のほか、事故につながる恐れのある「重大インシデント」や、機体の損傷、空中衝突を避けて回避行動を取るなど、事故につながりかねない事象については、航空会社や機長に国への報告を義務づけている。
国交省によると、年間約1000件程度の報告が寄せられているという。
新制度は「自発報告制度(VOICES)」で、報告義務がない軽微な事象が対象。
エンジンの整備中に重要部品を付け忘れそうになったり、管制官との交信で周波数を間違えていたりしたなど、航空法上は国への報告義務がない軽微なミスやトラブルを想定している。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140709-OYT1T50106.html
7月10日20時21分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
飛行機の軽微なトラブルも、パイロットや管制官に自主的に通報してもらう制度を、国土交通省が10日から始めた。
通報義務の対象外で事故につながったかもしれない「ヒヤリ・ハット経験」を、電子メールや電話、専用ホームページで募る。
広く集めて分析し、改善策を提言して航空業界で共有してもらう狙いだ。
航空法は、オーバーランや異常接近など重大トラブルは国交省への通報を義務づけている。
今回は、整備士や客室乗務員、空港事務所職員らからも受け付け、
○陸上で滑走路に向かう道順を間違えた
○無線の交信で指示が正確に伝わらなかった
○乗客の荷物が通路にはみ出し危険だった
などの内容を想定している。
飛行機の安全性を研究する公益財団法人「航空輸送技術研究センター」を窓口に、有識者や業界団体でつくる委員会で分析。半年に1回程度、改善策をとりまとめる。
仮名通報もでき、国や業界に改善策を提言する際は通報者を伏せる。
日本航空は「航空業界で横断的にトラブルを共有できる」、全日本空輸も「管制や空港を運営する側と情報を共有でき、安全性が上がる」と歓迎している。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASG7B55LXG7BUTIL03J.html
2014年6月27日10時58分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西空港で平成23年、ホノルル行きハワイアン航空ボーイング767が誤って滑走路に進入したトラブルで、運輸安全委員会は27日、機長らが管制官の指示を聞き間違え、管制官もパイロットの復唱を十分確認しなかったのが原因とする調査報告書を公表した。
報告書によると、23年10月12日、滑走路手前にいたハワイアン機を引き続き待機させるため、管制官は「Hold position(待機せよ)」と指示。
機長らは、米国で10年9月まで使われていた「Position and hold(滑走路上で待機せよ)」という管制用語と聞き間違え、滑走路に入った。
このため、滑走路に着陸しようとした全日空の貨物機が着陸をやり直した。
副操縦士は「滑走路上で待機する」と誤って英語で復唱、管制官は指示が伝わったと思いこみ、確認しなかった。
安全委はハワイアン航空にパイロット教育を求め、管制官には「Hold short of runway(滑走路手前で待機せよ)」との用語で待機場所を示すべきだったとした。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140627/dst14062710580002-n1.htm
(ブログ者コメント)
運輸安全委員会の報告書は、以下のURL参照。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/rep-inci/AI2014-3-1-N588HA-JA8356.pdf
そこには、管制官とパイロットの詳細なやりとりが記されている。
骨子は下記。
○タワーはA機に、「Hold short of runway 06R(滑走路06Rの手前で待機せよ)」と指示し、A機はこれを復唱した。
○A機は、誘導路A14に入り滑走路06Rの手前で停止した。
○タワーはA機に、「Hold position(待機せよ)」と指示し、「Expect departure after next arrival fivemiles(出発は最終進入経路上5nmの地点にいる次の到着機の後の予定である)」と通報した。
○A機は、「Position and hold(滑走路に入って待機)」と復唱した。
○A機は、誘導路A14から走行を開始した。その後、停止位置標識を超えて滑走路06Rへ入った。
○タワーはA機に、私は「hold position(待機せよ)」と指示したはずなのに、あなたは滑走路に入ってしまったと伝えた。
○A機はタワーに、あなたは「Position and hold(滑走路に入って待機せよ)」と言ったと答えた。
○これに対してタワーは、「taxi into position and hold(滑走路に入って待機せよ)」という意味ではなく、私が言ったのは「hold position(待機せよ)」であると伝えた。
○A機は、「Position and holding(滑走路に入って待機する)」と復唱したはずだと答えた。
○A機は、「And hold on the runway(そして滑走路上で待機した)」と付け加えた。
○タワーは再びA機に、「Hold position that means tocontinue to hold short of runway(滑走路手前で待機を続けよという意味で待機せよ)」と私は言ったはずだが、理解できなかったかと尋ねた。
○A機はタワーに、我々全員は「Position and hold onthe runway(滑走路に入り待機せよ)」と聞いたと答えた。
2014年5月14日7時30分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新石垣発那覇行きの格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーション252便が先月28日、那覇空港付近で海面に異常接近したトラブルで、管制官の「メインテイン(高度を維持せよ)」という指示を、アルゼンチン国籍の機長(45)が「降下を維持」の意味に取り違えた可能性が高いことが、国交省への取材で分かった。
国交省によると、那覇空港に着陸する旅客機は通常、空港の手前約5kmで高度300mから降下を始めるが、ピーチ機は約10km手前から開始。
高度100mで対地接近警報装置(GPWS)が鳴ったため、再び上昇して着陸をやり直した。
航空当局の関係者などによると、降下開始後に管制官が「メインテイン、1000フィート(高度約300mを維持せよ)」との指示を繰り返したのに、そのまま降下を続けたことが新たに判明。
副操縦士が「トゥー・ロー(低すぎます)」と指摘し、その直後にGPWSが作動したとみられる。
国交省担当者によると、高度を維持または元に戻す場合は通常、「メインテイン(維持)」、高度を上げる場合は「クライム・アンド・メインテイン(上昇して維持)」と指示する。
だが、航空評論家の小林宏之さんは「管制用語としては問題はないが、300mから100mに降下するまで約1分間あり、『上昇せよ』など違う言い方をすべきだったのではないか」と話す。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140514k0000m040138000c.html
本件、2014年4月30日 5時50分に沖縄タイムスから、トラブル発生を伝える下記趣旨の記事がネット配信されていた。
28日に那覇空港に着陸しようとした格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションの石垣発エアバスA320-200型が、空港の北約7kmで高度約75mまで降下、海面に異常接近し、再上昇して着陸をやり直していたことが分かった。国土交通省が29日発表した。乗客乗員計59人は無事で、機体に損傷はなかった。
航空専門家の話では、降下を続けていれば、あと20秒ほどで海面に衝突する恐れがあった。
国交省とピーチ社によると、アルゼンチン国籍の男性機長(45)が操縦かんを握り、日本人の女性副操縦士(38)がサポートしていた。
高度の下がり過ぎを知らせる「地上接近警報装置」が作動し、緊急に機首を上げる回避操作を取った。
機長は「管制官から降下の指示が出たと勘違いした」と説明。当時は雨で視界が悪かったとみられる。
那覇空港への着陸機は通常、約5km手前で高度約300mから降下を始めるが、同機は約10km手前から降下を開始、車輪を下ろし着陸体勢に入った。
高度約100mで警報装置が鳴り、回避操作を取ったが、一時約75mまで下がった。
国交省は、事故につながりかねないトラブル「重大インシデント」だったと判断。運輸安全委員会は29日、ピーチ社が拠点を置く関西空港に航空事故調査官3人を派遣した。
今回の重大インシデントの場面では、客室乗務員が機内アナウンスで「着陸をし直します」と述べただけで、特に機内に混乱は見られなかったという。
ピーチ社は「国交省の運輸安全委の調査に全面協力するとともに、再発防止に努めてまいります」とのコメントを発表した。
出典URL
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=68179
(ブログ者コメント)
指示した側の意図と指示された側の理解内容に齟齬があったということだが、産業現場でも、同じようなトラブルは、しばしば起きている。
今回のケースは用語としては問題なかったようだが、一般論として、指示する場合、相手は分かっているだろうなどといった思い込みは禁物で、主語や目的語を省略しないことが大切だ。
2013年8月14日20時23分に朝日新聞から、同日20時54分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
バッテリートラブルが相次いだボーイング787型機で、全日空が運航する3機にエンジン用消火器の取り付けミスがあったことがわかった。
14日、全日空は部品交換のため1便の出発を遅らせ、日本航空も点検のため運航中の1便が引き返した。
全日空と、報告を受けた国交省によると、羽田空港を14日午前1時に出発予定のフランクフルト便を点検中、消火剤装置の不具合が操縦席の計器に表示された。
装置を交換したところ、装置に2個ある消火剤の噴射口が左右逆になっていたことが判明。片方のエンジンから出火した際に消火剤を噴射しようとしても、もう一方に噴射される状態だった。
製造時のミスで部品を付け間違えたとみられる。
逆に噴射してもエンジンが止まることはなく、火災ももう1系統の消火器で消せるという。
出典URL
http://www.asahi.com/national/update/0814/TKY201308140281.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130814-OYT1T01033.htm
一方、2013年8月15日13時20分にmsn産経ニュースからは、配線ミスだったという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
太田国交相は15日の閣議後会見で、全日空ボーイング787で見つかったエンジン用消火器の配線ミスについて「製造時の不具合の可能性もある」と指摘、米ボーイング社に14日、原因究明と再発防止を要請したと明らかにした。
太田国交相は「米連邦航空局にもボーイング社の監督を要請した。安全に万全を期すため、指摘すべきことはきちんとしたい」と述べた。
配線ミスは14日未明、羽田発フランクフルト行き全日空機の出発前点検で見つかった。
消火剤が意図したのと別のエンジンに噴射されるようになっていた。
全日空の保有全20機のうち、この機体のほか2機で同様の配線ミスが見つかった。
国交省は日航にも点検を指示したが、日航が保有する10機に異常はなかった。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130815/dst13081513220005-n1.htm
2013年7月16日11時50分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は15日、航空機の事故や重大インシデントにつながる可能性のある軽微なミスなど「ヒヤリ・ハット」事例を収集して事故防止に役立てる方針を決めた。
航空会社などが匿名で報告できるようにし、会社を特定したり行政処分したりせず、自主的に報告しやすい環境を整備する。
細かな違反を追及するより、広く情報を集め原因を分析する方が事故防止に有効だと判断した。
有識者検討会で具体的な仕組みを議論、来年4月からの実施を目指す。
国への報告義務がないヒヤリ・ハット事例は、航空各社でつくる第三者機関がパイロットから報告を集め、各社が情報を共有している。
国交省はこの機関の役割を拡充するなどして、国が匿名で情報提供を受けることを検討する。
国交省は、航空会社の整備担当者や客室乗務員、国の管制部門担当者、空港を管理する自治体からも報告を求める考え。
似たようなケースを分類して、どのような事故につながる可能性があるかを分析する。
エンジン火災などの重大インシデントや計器の異常といった安全に影響するトラブルは、国への報告義務がある。
一方、ヒヤリ・ハット事例は「誘導路の配置が紛らわしく、誤った滑走路に入りそうになった」といった実際のトラブルには至らなかったケースで、航空会社が処分を恐れて報告をためらう例も多かったとみられる。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130716/dst13071612060004-n1.htm
(ブログ者コメント)
現状の第三者機関による情報共有の、どこにどんな問題があるから、国交省が関与することになったのだろうか?
その理由や背景、国交省の関与度合いについて調べてみたが、情報は得られなかった。
日本航空は2日、羽田発北京行きの便で使用予定だった最新鋭中型機のボーイング787型機で、バッテリーの格納容器内の異常を示す計器が作動したとして、同機での運航をとりやめたと発表した。
バッテリーから熱や煙が出た際に効率よく機外に排出するための二つの空気穴(直径0.8mm)がテープで塞がれていたのが見つかり、米ボーイング社がバッテリー改修作業中のテストで塞ぎ、その後、剥がし忘れたとみられる。
日航は「穴がふさがれていても、排出機能に大きな影響はない」と説明している。
トラブルが相次いだ787型機は、バッテリーの改修を終え、1日から日航と全日空が定期便の運航を再開したばかり。
国交省は、両社に対し、同様のミスがないか全機を再点検するよう指示した。
日航によると、問題が起きたのは、機体後方の電気機器室に搭載されている補助動力装置用バッテリーのステンレス製格納容器。
午前6時ごろの出発前点検で、整備士が容器内外で圧力が異なる計器表示が出ているのを発見した。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130602-OYT1T00617.htm
(ブログ者コメント)
○航空機ともなれば、定常メンテナンス時には、チェックリストなどを使って作業ミスを防いでいるはず。
今回のバッテリー改修は非定常作業につき、チェックリストはなかった・・・そんな背景でもあったのだろうか?
○それにしても、ボーイング社の作業ミスと聞いて思い出すのは、日航ジャンボ機の隔壁修理ミス。
あの事故と根が同じでなければいいのだが・・・。
バッテリーのトラブルで運航停止が続いていたボーイング787型機が、運航再開に向けた全日空機の訓練飛行で配電盤を損傷するトラブルを起こしていたことが、同社への取材でわかった。
ボーイング社の整備ミスが原因で、国交省は全日空と日本航空に、すべての787型機の点検を指示した。
全日空の担当者は、これまで公表しなかったことについて「運航停止の原因となったバッテリーとは関係なく、危険性の高いトラブルでもないため」と説明。6月1日から営業運航する予定に変更はないという。
全日空によると、トラブルは今月4日、バッテリーの改修を終えた機体で発生した。
羽田空港から新千歳空港へ飛行中、機内の気圧を保つ装置や油圧、電気系統など5カ所でトラブルが起きたとのメッセージがコックピットに表示された。緊急性が低い内容だったため機長と副操縦士がチェックし、運航に支障はないと判断して新千歳に着陸した。
全日空の整備士が調べたところ、機体後部の電気室に複数ある配電盤の一つで、金属製の端子と周辺が数cm四方にわたり黒く変色していた。端子のナットが緩んでおり、配線が接触不良を起こして過熱したとみられる。
配電盤はバッテリーと同じ電気室にあるが、直接つながっておらずバッテリーに異状はなかった。
この配電盤は、ボーイング社の作業チームが4月、バッテリー改修とは別の点検で取り外していた。配電盤を取り付けた際のナットの締め付けが不十分だったことが原因という。
787型機は、1月にバッテリーの発火・発煙が続いて世界中で運航が禁止され、バッテリーの改修を条件に国交省が4月26日に運航再開を許可した。
この際、「利用者の安心を確保することも極めて重要」として、安全情報を積極的に開示するよう全日空と日航に求めていた。
出典URL
http://www.asahi.com/national/update/0516/TKY201305160411.html
米東部マサチューセッツ州のボストン・ローガン国際空港で7日午前10時半(日本時間8日午前0時半)ごろ、成田から到着した日本航空の旅客機ボーイング787の客室後方で煙が出ているのを整備士が発見した。
出火は乗客172人、乗務員11人の計183人が降りた後で、地元消防隊が消火活動にあたり、けが人はなかった。
日航によると、補助動力装置用のバッテリーから出火しており、米国家運輸安全委員会と連邦航空局が原因を調べている。
787は、「ドリームライナー」の名前で知られる最新鋭旅客機で、補助動力装置のバッテリーは、機体後方の電気室内に設置されている。
空港を管理する州港湾局の防火責任者はAP通信に、「何らかの原因でバッテリーが過熱、着火した」との見方を示した。電気室内は約20分間、燃え続けたという。
AP通信によると、787には二つのリチウムイオン電池が使用されており、うち一つが補助動力装置用。
リチウムイオン電池は過去に積み荷として空輸中に貨物機内での出火原因と疑われた事例があるという。
日航によると、出火した機体は先月21日に引き渡されたばかりの新造機。製造したボーイング社は、787で同様のトラブルの報告はないと説明しているという。
国交省は8日、日本航空と全日空に787全機の補助動力装置用のバッテリーを緊急点検するよう指示した。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130108k0000e040183000c.html
(ブログ者コメント)
□事故発生直後の緊急点検指示。素早い対応で、それはそれでよいのだが、原因がはっきりしない時点での指示ということに、ちょっと違和感を覚える。
バッテリー関連の何をどう点検すればいいのか、両社、迷ったのではないだろうか?
今回は、コトの重大性・緊急性と、不具合個所がはっきりしていることを勘案して指示が出されたのかもしれないが、原因がはっきりしない時点での点検指示は、事例によっては多大なマンアワーがかかり、かつ、それが徒労に終わる可能性がある。
□B787機の燃料油漏れは1月だけで3件。それ以外にもトラブル多発。
おととしの就航からまだ間もない新型機種なので、バスタブ曲線でいうところの初期故障期なのもしれないが、それにしても・・・。
(上記以外のトラブル)
・米国試験飛行時にエンジン故障で火災
・岡山でエンジン付近から白煙
・宇部で燃料漏れ
・米国で機器故障
・米国で燃料漏れ
・宇部でブレーキ不具合
http://mainichi.jp/select/news/20130110k0000m040080000c.html
(上記報道以降のトラブル)
・松山行きでガラスにヒビ
・宮崎で潤滑油漏れ
http://mainichi.jp/select/news/20130112k0000m040058000c.html
・成田で燃料漏れ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130113/dst13011322200004-n1.htm
(米航空局が包括的調査に乗り出す)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130112-OYT1T00488.htm
(2013年2月22日 修正1 ;追記)
2013年2月22日付で毎日新聞東京版朝刊から、また同日1時16分に朝日新聞から、2件の燃料漏れ原因に関する、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本航空ボーイング787が燃料漏れを起こしたトラブルで、燃料タンクのバルブを開閉する駆動装置の塗装に不具合があったことが21日、国交省の調査で分かった。
バルブに異物が付着していた可能性もあり、国交省は近く日航や全日空に対し、目視点検の徹底など再発防止策を指示する。
トラブルのあった日航機は1月、ボストンの空港で左翼先端部から、成田空港では燃料放出用ノズルから燃料が漏れた。
国交省の調査チームは、原因とみられるバルブを3ケ所に絞り、バルブや駆動装置を製造した英国のメーカーに周辺の装置を送って分解調査や動作試験をしていた。
一方、ボストンでの燃料漏れは部品自体の不具合が見つからず、異物が付着してバルブが閉まらなかった可能性が高いと判断した。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130222ddm041040063000c.html
http://www.asahi.com/national/update/0222/TKY201302210489.html
今月、高松空港で、管制官が、パイロットの呼びかけに応じず、飛行機の到着が遅れたトラブルは、管制官が居眠りをしたり、勝手に外出したりしていたためだったことがわかった。
このトラブルは、今月17日、高松空港で、勤務中の管制官2人が、およそ10分間、到着機のパイロットの呼びかけに応じず、あわせて2機の到着が遅れたもの。
国交省が調査した結果、このうち40代の主幹管制官は、到着機がしばらくないとしてヘッドホンを外したまま居眠りし、無線のスピーカーのボリュームも絞ったままにしていたという。
また、60代の管制官は、インターネットで理髪店を予約するため管制室を出たあと、夕食のパンを買おうとそのままターミナルビルに向かい、およそ1時間、勝手に外出していたという。
主幹管制官は、「考え事をしているうちに、うとうとしてしまった」と話しているという。
また、60代の管制官は、「到着機が少なく、1人でも大丈夫だと思った。気が緩んでいた」と話しているという。
国交省は、去年9月にも、管制官の居眠りが原因で、飛行機の到着が遅れるトラブルがあったため、その後、必ず2人以上で勤務することを義務づけた。
しかし、再びトラブルが起きたため、トイレや喫煙の場合を除き、外出する際は事前に上司に届け出ることや、勤務状況を抜き打ち調査することなどを決めた。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/8034364551.html
ちなみにトラブル時の状況は、2012年12月19日9時36分に四国新聞から、12月20日17時25分に朝日新聞から、下記趣旨でネット配信されていた。
国交省は18日、高松空港で17日午後、40代の男性主幹管制官が日航機からの交信に約10分間応答せず着陸許可が遅れ、同機と後続の全日空機が上空で一時待機するトラブルがあったと発表した。けが人や機体の損傷はなかった。
国交省によると、17日午後6時23分、羽田発の日航1411便(ボーイング737、乗客乗員計81人)が高松空港への着陸前、無線の周波数を切り替えて着陸許可を5回求めたが応答がなく、同28分から上空で待機した。
羽田発の全日空537便(ボーイング767、同156人)も同31分から同様に待機。
日航機から連絡を受けた関西空港の「関西ターミナル管制所」が高松空港との交信を試みたが、専用回線でも応答せず、内線電話でようやく連絡が取れた。
出典URL
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/20121219000171
http://www.asahi.com/national/update/1220/TKY201212200637.html
(ブログ者コメント)
那覇空港と同じようなトラブルが、再発防止策を講じていたにもかかわらず、また起きてしまった。
問題は、40代の主幹管制官が居眠りしたことよりも、60代の管制官が1時間近く席を外していたことではないかと、ブログ者は考えている。
この60代の管制官、夕方なのでまさか40代の管制官が居眠りするとは思わなかった?
2人体制になっている理由を真に理解していなかった?
那覇空港の事例を他人事で自分には関係ないと思っていた?
そもそも那覇空港の事例を知らなかった?
様々な理由が考えられるが、その辺は更なる調査で明らかになるだろう。
あと気になるのは、40代の主幹管制官が60代の管制官に対し、「早く帰ってきてください」などと釘をささなかった・・・そんなことがなかったか?ということだ。
もしあったなら、遠慮?それとも権威勾配?
などなど、いろいろなことを考えさせられる事例であった。
那覇空港事例は本ブログで紹介済。
(2013年3月8日 修正1 ;追記)
2013年3月6日9時46分に四国新聞から、関係者が処分されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省大阪航空局は5日、居眠りをしていた男性主幹管制官(45)を減給10分の1(3カ月)、持ち場を離れていた別の男性管制官(64)を同(6カ月)の懲戒処分にした。
国交省によると、64歳の管制官は原則2人勤務の指示に反し、「ちょっと下に行ってくる」と主幹管制官に告げて退室。別棟でインターネットを使い理髪店に予約を入れた後、さらに約200m離れたターミナルビルへ夕食のパンを買いに行き、約1時間後に戻った。
管制塔に1人で残っていた45歳の主幹管制官は、スピーカーの音量を下げてマイクが付いたヘッドセットも外し、居眠りをしていた。
大阪航空局は管理監督責任を怠ったとして、上司の2人も口頭で厳重注意。「職員がこのようなことを起こしたのは誠に遺憾で、深くおわび申し上げる」としている。
出典URL
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/20130306000181
松山空港で保安検査を終えた乗客が利用するラウンジに改修工事で使われた金づちやドライバーなどがカギをかけずに放置されていたことがわかり、乗客の保安検査をやり直すトラブルがあった。
国交省の松山空港事務所によると、17日午前8時すぎ、松山空港で、保安検査を終えて搭乗を待つ乗客のための全日空のラウンジ内に改修工事で使われた金づちやドライバーなどの工具が鍵をかけずに放置されていたと、全日空から連絡があった。
当時、空港では出発する2便の保安検査が行われていたが、乗客がラウンジに立ち入って工具などを持ち出して搭乗できる状態だったとして、保安検査を済ませた乗客全員の検査をやり直した。
このため、日本航空によると、乗客37人が搭乗した午前8時40分発の福岡行きの日本エアコミューターの便に30分の遅れが出るなど、検査のやり直しなどの影響で午後3時までに福岡や鹿児島と松山とを結ぶあわせて6便に最大で1時間の遅れが出たという。
全日空によると、改修工事は16日夜から17日朝6時ごろまで行われ、業者は乗客が立ち入るのを防ぐため、工事のために設けたドアに鍵をかけることになっていたが、業者が鍵を閉め忘れたと話しているという。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/matsuyama/8003564121.html
(ブログ者コメント)
他の作業現場で工具庫の鍵をかけ忘れても、さほど問題にはならないが、今回は場所が悪かった。同様、安全もTPO次第・・・。そういった事例として紹介する。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。