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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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201712132028分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

12131851分にNHK NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東京電力福島第一原発事故の作業で被曝した後に白血病になった40代の東電社員に対し、厚労省は13日、白血病の発症と相当な因果関係があるとして労災を認定したと発表した。

 

事故対応にあたった作業員が被曝による「がん」で労災が認められたのは4人目。白血病では3人目。

 

男性は1994年4月から16年2月まで福島第一原発で働き、事故が起きた11年3月~12月には、原子炉格納容器の注水作業や津波被害の確認などの緊急作業に携わった。


被曝線量は計99ミリシーベルトで、うち、事故後に96ミリシーベルトを浴びた。

 

16年2月に白血病を発症し、富岡労基署(福島県)に労災を申請していた。

 

厚労省によると、原発作業員などが白血病になった場合、被曝を伴う作業をしていた期間の平均被曝量が年5ミリシーベルト以上で、作業開始から1年超を経て発症していれば労災と認定する基準を設けている。

 

これまでに、作業員16人が事故による被曝で「がん」を発症したとして労災を申請し、男性を含む4人が認められた。

5人は不支給が決まり、2人は取り下げた。

残る5人は調査中だ。

 

福島第一原発では事故以降、ことしの5月までに、およそ5万6000人の作業員が収束作業に当たっていて、東電によると、11年度に年5ミリシーベルトを超す被曝をした作業員は1万553人。

徐々に減っているが、16年度でも2860人いた。

 

同様の労災申請は、今後も増える可能性がある。

 

出典

原発事故作業で被曝後白血病 40代東電社員を労災認定

http://www.asahi.com/articles/ASKDF5HT9KDFULFA01Y.html 

原発事故 注水作業など当たった東電社員 白血病発症で労災認定

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171213/k10011257611000.html 

 

 

 

 ※キーワード;福島第1原発





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201665937分にNHK首都圏NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、放射性物質の大量放出が起きた2号機では、非常用の冷却装置が原子炉を冷やす機能を失って核燃料が溶け落ちたが、詳しい原因は分かっていない。


ところが、その後の分析で、この冷却装置で水漏れが起きていた可能性が高いことが分かり、東京電力は、この水漏れが原子炉を冷やせなくなった事態に深く関わっていると見て、調べを進めている。


福島第一原発2号機では、事故発生から4日目に、非常用の冷却装置が原子炉を冷やす機能を失い、その後、外部からの注水にも失敗して核燃料が溶け落ち、放射性物質の大量放出が起きた。
しかし、冷却装置が機能を失った詳しい原因は、今も分かっていない。


これについて、東京電力が、2号機の内部にたまった汚染水の水位や漏れ出している量などを詳しく分析した結果、この冷却装置の付近で9cm2程度の穴から水漏れが起きている可能性が高いことが分かった。


当時、この冷却装置は、2号機の原子炉を冷やす唯一の手段として、冷却水をポンプで原子炉に注入していた。

しかし、設計上の想定とされた8時間を大きく超えて動かし続けていたことなどから、東京電力は、冷却装置に何らかの問題が起きて原子炉に送る冷却水の一部が漏れ出し、原子炉を冷やせなくなった事態に深く関わっていると見ている。


さらに、2号機では、溶け落ちた核燃料を冷やすために注がれた水が汚染水となって、現在も冷却装置から建屋内に漏れ出していて、廃炉作業の大きな支障になっていることから、東京電力は、冷却装置のどこからどのように水漏れが起きたのか、特定を進めることにしている。


原発メーカー東芝の元技師長で法政大学客員教授の宮野廣さんは、東京電力の分析結果について、「どのようにして冷却装置が動かなくなり、事故が深刻化したかは、今後の原発の安全対策や福島第一原発の廃炉にも影響すると考えられる」と話している。


そのうえで、この冷却装置が福島第一原発と同じタイプの多くの原発に備えられていることをふまえ、「装置のどこから、なぜ水漏れが起きたかを調べることが、今後の事故の検証において重要なポイントになる。それを今後の原発の安全対策にいかしていくことが必要だ」と指摘している。

 

出典

冷却不能 装置の水漏れ関係か

http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20160605/5859591.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

漏れた水の量から開口面積を逆算した結果、丸い穴が空いていたと仮定すれば、それは9cm2程度の穴に相当する・・・という話しではないのだろうか?

実際には、断面積9cm2程度の隙間が空いていたとか、複数の穴や隙間から漏れていて、合計すれば9cm2の穴から漏れた量に相当する、ということなのかもしれない。

 

 

 

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2015101138分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東日本大震災で「トモダチ作戦」にあたった米国の原子力空母「ロナルド・レーガン」が、1日、米海軍横須賀基地に配備された。

作戦から4年半。

当時の乗組員たちは、今、健康被害を訴えて米国で訴訟を続けている。

称賛された支援活動の陰で何があったのか。

 

トモダチ作戦に従事した元海軍大尉のスティーブ・シモンズさん(37)に会うため、記者は米国ユタ州ソルトレークシティーを訪ねた。

 

ロナルド・レーガンの元乗組員たちは、事故から約1年9カ月後の2012年12月、「東京電力福島第一原発事故で東電が正しい情報を示さず、被曝した」として、カリフォルニア州サンディエゴの連邦地裁に提訴。

当時、艦載機部隊の管理官だったシモンズさんも、訴訟に加わっている。

 

「空母では、当初、海水蒸留装置の水を飲んだり、その水で調理した食事をとったりしました。現場海域に着いてから3日後の2011年3月15日、艦長が『水を飲まないように』と命じました。だが、すでにシャワーを浴びたり、水を飲んだりしたあと。その後も、甲板の洗浄には汚染された海水を使っていました」

 

「乗組員は強い放射線にさらされ続けましたが、当時は健康へのリスクに無知でした。私たちは人道支援にあたったのであり、核惨事に対応できたわけではない。東電が正しい情報を出していれば、違った対応がとれたはずです」

 

シモンズさんは、帰国後、体調が悪化。様々な症状に苦しんでいる。

 

「11年末、車を運転中に突然気を失いました。高熱が続き、リンパ節がはれ、足の筋力が衰えました。髪の毛が抜け、体重も10数kg激減。トモダチ作戦前は登山をするなど健康体でしたから、症状が現れたときには打ちのめされました」

 

「筋肉を切り裂くような痛みは腕や胸に広がり、全身のはれや囊胞、発汗、膀胱不全などを発症。通院するソルトレークシティーの退役軍人病院の医師は、『放射能の影響だろう』としています」

 

米国防総省は、昨年、連邦議会へ報告書を提出した。

乗組員らが受けた放射線量は一般の米国人が自然界から受けるより低いとし、健康被害との因果関係は考えられないと主張している。

 

「報告書は使い物にならない代物。乗組員全員の検査をせず、健康被害のリスクはなかったとしている。飲料水の汚染は検知器の誤作動だったとしているのも不可解です」

 

「作戦に従事した元乗組員2人が亡くなり、ほかの仲間も深刻な健康被害を抱えています。一方で(係争中の訴訟は)米国内で理解されていません。私自身は海軍に16年以上勤めたので医療費を受けられますが、20代の若い仲間は、健康問題が生じると何の保障もなく、海軍を追い出されている。見捨てられません」

 

横須賀に配備されたロナルド・レーガン。

地元からは、「事実上の母港化が続く」、「原発再稼働に匹敵する問題」などとして反対の声が上がるほか、「完全に除染されたという客観的証拠を示すべきだ」との指摘もある。

 

「(ロナルド・レーガンには)『トモダチ』としての顔と『放射能汚染にさらされた船』という両面があると思う。日米政府間の信頼醸成には資するが、地元側が安全性に疑問を抱くのも当然。原発事故後、日本人の放射能汚染への意識は高まっているでしょう。レーガンの除染について、米側に正しい情報を求める権利がある」

 

米情報公開法に基づき、訴訟の弁護団が、ロナルド・レーガンの航海日誌や米原子力規制委員会(NRC)の電話会議記録を入手していた。

 

航海日誌によると、演習参加のためにハワイから韓国・釜山に向かっていたロナルド・レーガンは、大震災を受けて、11年3月13日までに福島沖に到着。米第7艦隊や海上自衛隊と活動を始めた。

 

そして、NRCの電話会議記録には、13日の米海軍高官の発言が残る。

 

「東北近海の海自艦に立ち寄ってレーガンに戻ったヘリ搭乗員の靴などから放射性物質を検出した」

 

「沖合約185kmにいたレーガンは、放射性プルーム(雲)の下に入った。空気中の放射線量が通常の30倍の数値を示し、救援活動を一時停止した」

 

その後の状況も、航海日誌に記されていた。

 

「16日午後11時45分、福島第一原発東方沖約230kmの海域を航行中に、放射性プルームに包まれた」

 

「17日午前5時7分に抜け出すまでの5時間あまり、強い放射線にさらされた」

 

ロナルド・レーガンは4月上旬まで日本近海で活動を続け、東南アジアや中東を経て、9月にハワイへ。

ワシントン州の海軍施設で除染されたという。

 

横須賀への配備を前に、外務省北米局は、「我が国の周辺に米海軍の強固なプレゼンスが引き続き維持される。トモダチ作戦に従事した艦船でもあり、入港を歓迎する」と発表した。

 

一方、米国で訴訟を起こした元乗組員側の原告は250人を超え、10億ドル(約1200億円)の救済基金の設立を要求。

2人が骨膜肉腫や急性リンパ球白血病で亡くなっている。

 

東電側は、「政治的問題なので裁判になじまない。日本で審理するべきだ」として、却下を申し立てている。

     

出典

トモダチ作戦、称賛の陰で 元空母乗組員ら健康被害訴え

http://digital.asahi.com/articles/ASH9W4TZ7H9WPTIL008.html?rm=994  

 

 

20165181246分に日本経済新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

小泉純一郎元首相は、17日、米カリフォルニア州南部カールスバッドで記者会見し、東日本大震災の被災地への支援活動「トモダチ作戦」で被曝したと訴える元米兵らへの認知と支援を訴えた。

さらに、「大半の原発が停止しても日本経済は維持できている。原発ゼロ社会は可能」と持論を訴えた。

 

会見に先立ち、小泉元首相は元米兵らと面会、症状などの説明を聞いた。

小泉元首相が「日本に何かできることはあるか」と尋ねたところ、元米兵らは黙ったままだったという。

米空母「ロナルド・レーガン」の乗組員だったベント・セレンタス氏は、「元首相のような地位の高い人が来て我々の声に耳を傾けてくれるのはうれしい」と語った。

 

出典

小泉元首相、元米兵への支援訴え 「被災地支援で被曝」

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H1N_Y6A510C1CR0000/ 



※キーワード;福島第1原発

 

 

 


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201512171245分にNHK福島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、放射性物質の大量放出を起こした2号機では、原子炉の圧力を下げる極めて重要な装置の部品が核燃料の熱で溶けたため、圧力をなかなか下げられず、核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が進むなど、事態を悪化させた可能性があることが、東京電力の分析で新たにわかった。


第一原発2号機では、すべての電源を失った中、事故発生から4日目の3月14日に非常用の冷却装置が止まり、建屋の外から消防車をつないで原子炉に水を注ぐしか核燃料を冷やす手段がなくなったが、原子炉の圧力が高く、水が入らない状態だった。


このため、応急的にバッテリーをつないで原子炉の圧力を抜くための弁を開けようとしたが、なかなか開かず、他のトラブルも重なって水の注入が遅れたほか、その後もたびたび注水が中断した。


この弁は「逃がし安全弁」と呼ばれ、別のタンクから送り込んだガスの圧力で開く構造になっていて、東京電力が原因を突き止めようと当時のデータを分析した結果、ガスを送り込む装置の隙間を埋めていた部品が200℃までしか耐えられずに核燃料が出す高熱で溶け、ここからガスが漏れていた可能性があることがわかった。


弁が思うように開かず、水を安定して注入できなかった結果、2号機では核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が進み、放射性物質の大量放出につながった。


このため東京電力は、新潟県の柏崎刈羽原発で問題の部品を高熱に耐えられるものに交換することにしているが、「逃がし安全弁」は、福島第一原発と同じタイプのすべての原発に取り付けられている極めて重要な装置であり、ほかの原発でも安全性の確認が急がれる。

 

出典URL

http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6054384331.html?t=1450381028716

 

 

12172349分に日本経済新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

東京電力は、17日、福島第1原発事故の際、2号機で原子炉の圧力を下げる重要装置の部品が高熱で劣化していた可能性があると発表した。

2号機は、高温の核燃料が溶け出す炉心溶融が進んでいた。
熱にさらされた装置がうまく働かず、冷却水を送る注水作業が難航する一因になったとみられる。

劣化したと考えられるのは、原子炉から蒸気などを抜いて圧力を下げる「
主蒸気逃がし安全弁」と呼ばれる装置のゴム製のシール材。
東電によると、炉心溶融が最も激しかったとみられる2011年3月14日夜にシール材が劣化した可能性があるという。

安全弁は、窒素ガスを送り込んで作動させるが、シール材から窒素ガスが漏れると、正常に作動しない恐れがある。

このとき、消防車を使って原子炉に水を送る作業を試みていたが、15日未明、圧力が高いために注水が困難な状況になった。
この時点ですでに事故はかなり進んでいたが、より事態が悪化した可能性がある。

出典URL

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG17H8X_X11C15A2CR8000/

 

 

201512172057分に朝日新聞からは、3号機格納容器上蓋のシール材も高温で劣化し蒸気が漏れたらしいという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東電は17日、福島第一原発事故で未解明になっていた部分の調査結果を発表した。

2号機では、原子炉の圧力を下げるための「逃がし安全弁」が高温や高圧で作動しなかった可能性が高いとした。
また、3号機の格納容器に「比較的大きな漏洩口」が開いた可能性が高いことも明らかにした。

逃がし安全弁は、原子炉圧力容器内の蒸気を圧力抑制室へ逃がすことで、原子炉を減圧する重要装置。
東電によると、2号機では事故発生からしばらく機能していたが、核燃料が大きく溶け落ちたとみられる2011年3月14日深夜の後、開く操作をしても減圧できなくなった。

東電の分析では、格納容器の圧力が高くなりすぎて弁を開けにくくなったことに加え、弁の部品であるフッ素ゴム製のシール材が長時間高温にさらされて劣化し、弁を動かすために送り込む窒素ガスが途中で漏れた可能性があるという。
このシール材の耐熱性能は、約170℃で数時間だった。

柏崎刈羽原発の逃がし安全弁では、シール材を耐熱性が高いものに交換する方針。

また3号機では、13日夜以降、格納から圧力を逃がすベントの操作をしても圧力が下がりにくくなり、15日には建屋から蒸気が上がるのも確認された。
東電は、格納容器の上ぶた部分のシール材が高温で劣化し、高濃度の放射性物質を含む蒸気が外部に漏れたと推定。

2号機だけでなく3号機でも、格納容器から直接漏れた可能性を認めた。

出典URL

http://www.asahi.com/articles/ASHDK3CJ1HDKULBJ003.html

 

 

以下は、関連報道。

 

20151217日 1535分 産経新聞)

弁作動部品、高熱で溶けた可能性 他の原発に影響も

http://www.sankei.com/affairs/news/151217/afr1512170036-n1.html

 

20151218日 毎日新聞東京版)

福島第1原発事故 2号機の安全弁、高熱で溶ける?

http://mainichi.jp/articles/20151218/ddm/012/040/055000c 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

もう何十年も前のことになるが、ブログ者が勤務していた工場でも、新規購入弁を配管に取り付け、芳香族系の油を流したところ、シール材に使われていたゴムが溶けて、油が漏れるトラブルがあった。

漏洩後に調べてみれば、なんのことはない、普通のゴムだと芳香族系の油に溶ける由。

従来の弁ではそういうことはなかったので、新規購入時の要求仕様記載漏れだったのか・・・?

 

設備というもの、思わぬところに落とし穴があることがある・・・そんな事例として、ブログ者の経験ともども紹介する。

 

 

 

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20159252013分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

福島第1原発事故をめぐり、事故発生の2年前に原子力安全・保安院(当時)の審査官が、東電に津波対応の検討を求めたが、東電側が「(原子)炉を(保安院が)止めることができるのか」などと拒否していたことが25日、政府が公開した事故調査・検証委員会の「聴取結果書(調書)」で分かった。

調書によると、保安院は、平成18年(2006年)9月に原発の耐震性の調査を全国の事業者に指示。
審査官が21年に2回、東電の担当者を呼んで津波対策の検討状況を聞いたところ、担当者は「土木学会の検討を待つ」と返答した。

審査官は、「それでは少し遅い」と感じ、重要設備を建屋内に入れ、設備に水が入らないように防水化を提案したが、担当者は、「会社として判断できない」、「炉を止めることができるのか」と反発したという。

原発事故では、想定を上回る津波が押し寄せ、非常用発電機などが水没。燃料を冷却できなくなり、放射性物質を周囲にまき散らす重大事故に陥った。

東電広報室は、「ヒアリング記録の個別の内容については、コメントを差し控える。当社は関係者への聞き取りなどを総合的に評価し、事故報告書として公表している」とした。


出典URL

http://www.sankei.com/affairs/news/150925/afr1509250036-n1.html

 

 

926日付で毎日新聞東京版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

政府は24日、福島第1原発事故の調査・検証委員会(政府事故調)が関係者から聞き取った聴取結果書(調書)のうち、5人分を新たに公開した。

旧原子力安全・保安院耐震審査室の名倉繁樹安全審査官(当時)は、2009年9月、869年の貞観地震級の津波が福島第1原発を襲った場合の試算について東電から説明を受けた際、東電に「具体的対応を検討した方がよい」と提案したと証言した。

名倉氏は「ポンプは(水没して)だめだな」と思ったといい、「福島第2原発のように重要施設を建屋内に入れたらどうか」ともアドバイスした。

しかし、東電の担当者から、「(原発の津波評価技術を取りまとめた)土木学会の検討を踏まえないことには判断できない」、「炉を止めることができるんですか」と拒否された。
名倉氏は、結局、具体的な対策は指示しなかったという。

出典URL

http://mainichi.jp/shimen/news/20150926ddm041040063000c.html 

 

 

 

(2018年3月2日 修正1 ;追記)

 

20181292328分に毎日新聞から、東電は2002年にも保安院からの津波検討を拒否していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

福島第1原発事故9年前の2002年、福島県沖での大津波を伴う大地震発生を想定した政府の「長期評価」が公表された直後、東電が経産省原子力安全・保安院(当時)から「福島県沖で津波地震が起きた場合のシミュレーションを行うべきだ」と指摘されたにもかかわらず、「(長期評価には)根拠が伴っていない」などとして拒否していたことが分かった。

 

当時、保安院原子力発電安全審査課に在籍していた担当者が29日、毎日新聞の取材に「いろいろ働きかけたが納得してもらえなかった」と明かした。

公表直後の保安院と東電のやりとりが明らかになるのは初めて。

 

政府の地震調査研究推進本部は02年7月、「三陸沖北部から房総沖で1896年の明治三陸地震と同様の地震が発生する可能性がある」とする長期評価を公表。

担当者は翌8月、長期評価が第1原発の安全対策に影響するかどうかを東電に確認するヒアリングを実施した。

 

この担当者の証言や、原発避難者が東電と国を相手取った訴訟で国が提出した担当者の陳述書によると、保安院は「福島~茨城沖も津波地震を計算すべきだ。東北電力はかなり南まで検討している」などと指摘。


東電側は「時間も費用もかかる」「しっかりした理学的根拠もない」などと難色を示し、「40分くらい抵抗」。

保安院はシミュレーションの見送りを了承した。

 

保安院は06年にも想定以上の津波対応を求めたが、東電は具体的な対応をせず、08年になって初めてシミュレーションを実施。

最大15.7mの津波が第1原発を襲う可能性があると想定したが、それに見合った対応は見送られた。

 

担当者は「(事故が起き)耐震の審査に関わった人間として非常に残念だ」と振り返ったが、保安院の対応の妥当性は「軽々には言葉にできない」と述べるにとどめた。

 

出典

『福島第1 02年に津波試算拒否 東電、保安院の指摘に』

https://mainichi.jp/articles/20180130/k00/00m/040/074000c 

 

 

201831105分に読売新聞からは、東電子会社が15.7mの津波を試算した時の状況が、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

2281325分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

業務上過失致死傷罪に問われた東電の勝俣恒久・元会長(77)ら旧経営陣3人の第4回公判が28日、東京地裁であった。

事故の約3年前、同原発に巨大津波が襲来する可能性があるとの試算をまとめた東電子会社「東電設計」の社員が証言した。

 

公判では、巨大津波の襲来を予見できたかどうかが争点になっている。


証人出廷した社員の証言によると、東電側との協議に基づき、1896年の「明治三陸地震」級の地震が福島県沖で起きたとの想定で試算し、同原発に15.7mの津波が襲来する可能性があるとの結果が出た。

 

社員は2008年3月、東電担当者に試算結果を報告したところ、「『計算の条件を見直し、津波が小さくならないか』と再計算を依頼された」などと証言した。


社員は計算条件の見直しを断ったという。

その後、指示はなく、結果がどのように扱われたかは分からないと説明した。

 

出典

『「津波が小さくならないか」東電が再計算を依頼』

http://www.yomiuri.co.jp/national/20180301-OYT1T50048.html 

「津波対策試案、東電に報告」 原発事故公判、子会社社員』

https://this.kiji.is/341436461754713185?c=39546741839462401 

 

 

 

 

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201552030分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。

東京電力福島第1原発事故で、2号機原子炉格納容器内の圧力を下げる「ベント」(排気)操作が難航したことについて、ベント用配管の途中にある安全装置が正常に作動しなかったことが原因だった可能性のあることが、19日、東電の調査で分かった。

安全装置は、格納容器内と排気筒とをつなぐ配管の途中に設置されている閉止板(ラプチャーディスク)。

本来は、一定の圧力がかかれば自動的に破れる仕組みだった。

東電が、ベント配管内の放射性物質による汚染状況を調べた結果、閉止板付近は汚染が確認されなかった。
このため、事故時に閉止板が破れず、格納容器から排出されたガスが閉止板より手前で止まっていた可能性がある。
閉止板は、外に放射性物質を漏らさないために設置されていた。

2号機は事故時、原子炉を冷やす電源を失ったため、格納容器内の圧力が異常に上昇。東電がベント作業を試みたが当時難航したたため、「未解明の事故原因」として再調査を進めていた。

2号機では格納容器から直接、放射性物質を含む気体が漏れたとみられ、1〜3号機の中で最も多くの放射性物質が放出されたと推定される。

出典URL

http://mainichi.jp/select/news/20150520k0000m040160000c.html

 

 

5202347分に朝日新聞からも、図解付きで同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東電は20日、2号機の格納容器から圧力を逃がすベントが失敗していた可能性が高いと発表した。

配管の放射線量を調べたところ、放射性物質が通過していないとみられるという。


東電は、事故で解明できていない部分の調査を続けており、結果の公表は2013年12月と昨年8月に続き3回目。

 

2号機では、11年3月13~14日、複数ある弁が開けられたが、ベントに成功したかどうか分からないまま、格納容器から直接、大量の放射性物質が漏れていた。


昨年10月、原子炉建屋にロボットを入れ、ベント配管がある部屋で放射線量を調べた。

 

配管のうち、圧力が高まると裂ける「ラプチャーディスク」と呼ばれる板がある付近の放射線量は、毎時0.08~0.30ミリシーベルトと低かった。

格納容器側にある弁の周囲も毎時0.15~0.70ミリシーベルトだった。

一方、ベントに成功した1号機と共用している排気筒の近くでは、毎時10シーベルト超の高い放射線量が計測されている。


東電が弁を開けた時点では、板が裂けるほど格納容器内の圧力が高くなく、その後、14日午前11時にあった3号機の水素爆発で一部の弁が閉まってしまい、ベントできずじまいだったとみられるという。

 

出典URL

http://www.asahi.com/articles/ASH5N4R7RH5NULBJ007.html

 

 

 

関連URL

http://www.sankei.com/affairs/news/150520/afr1505200014-n1.html

 

 

 

 

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2015122日付で福島民友から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東京電力は21日、福島第1、第2原発で作業員2人が相次ぎ死亡した労災事故を受け、原子炉注水などを除き構内のほとんどの作業を止め、安全点検を実施した。22日も継続する。


東電によると、21日の点検では、作業現場に危険な場所がないかや、作業手順に間違いがないかなどを確認した。

 

また東電は、作業の手順書に準備や検査など事前段階での安全管理に関する文言が明記されていなかったとして、不備がある部分については見直しを進める考えも示した。


作業員らは5年間で100ミリシーベルト、年間で50ミリシーベルトと被ばく線量の上限が決められており、原発事故前から働く「ベテラン作業員」の多くが高線量の現場を離れた代わりに、作業に不慣れな若手を前線に配置せざるを得ないケースも想定される。

 

東電は、「作業員の習熟度を高めることが今後の課題」としている。

 

出典URL

http://www.minyu-net.com/news/news/0122/news5.html

 

 

12150分に朝日新聞からは、下記旨の記事がネット配信されていた。

 

東京電力は20日、福島県内で記者会見を開き、福島第一・第二原発で作業員が死亡する事故が相次いだことを報告した。

小野・第一原発所長は、第一原発の廃炉作業本格化に伴い、経験の浅い作業員を中心に労災が増えているとして、研修強化の方針を示した。


東電によると、廃炉作業に伴う第一原発の作業員は一昨年12月に約3400人だったが、昨年12月には約7000人に倍増。労災事故も増加傾向にあるという。


東北出身の30代男性作業員は、「最近の作業員の多くは寄せ集め。原発で作業したことがないような人ばかりだ」と説明。

汚染水処理に関わった経験がある男性(56)も、「全面マスクだと話し声が聞き取りづらく、意思疎通が難しい」と事故への影響を指摘する。


第一原発の労災事故多発を受け、福島労働局は16日、東電に労災防止対策の徹底を要求していた。

労働局によると、廃炉作業をめぐる重大な労災事故は14年が8件で前年から倍増。

仕事を始めて間もない作業員の事故や、放射性物質の付着を防ぐ全面マスクによる視界の悪さからけがをする例が少なくないという。

 

出典URL

http://www.asahi.com/articles/DA3S11561464.html?ref=nmail_20150121mo&ref=pcviewpage

 

 

 

(2015年2月9日 修正1 ;追記)

 

20151281848分に産経新聞から、第2原発で28日に作業を一部再開したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東京電力は28日、安全点検のため中断していた作業の一部を第2原発で再開した。

第1原発では安全点検を継続しており、再開は来週以降になるとしている。


再開したのは、第2原発で中断していた約250件の工事のうち2件。

他の作業も安全が確認され次第、順次再開する。

 

出典URL

http://www.sankei.com/affairs/news/150128/afr1501280031-n1.html

 

 

201523日付で朝日新聞福島中会版(聞蔵)からは、東電から調査結果が発表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東電は2日、「現場の危険を取り除く活動が足りなかった」とする調査結果を発表した。

今後、設備を改善し、トラブルの原因や事例を所内で共有する。

また、3日から第1原発での作業を再開する。

 

タンクの天井から落ちて亡くなった事故は、禁止されている単独の作業で、命綱も使っていなかった。

作業に立ち会った東電社員は、「男性を信頼し、危険な行為をするとは思わなかった」と説明したという。

 

東電は、今後造るタンクは蓋が落ちない構造にするほか、ほかの設備も落下や挟まれの危険性を減らすよう見直す。

また、作業中に家族の写真を持ってもらうなどして安全意識を高めたいという。

東電社員については、「デスクワークに追われて現場の対応能力が足りない」との課題を指摘した。

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

○第1原発では2週間ほどかけて安全点検した由。結果につながることを期待する。

 

○東電プレスリリース序文に下記記載がある。 ご参考まで。

福島第一原子力発電所においては、これまでの安全点検を振り返り、深掘りを行うことで、なぜ今回の事故を防ぎ得なかったのかを分析しており、今後、その検討・対策結果について、他の原子力発電所への水平展開を予定しております。

 

○発表された資料は下記(全28ページ)。

資料中、各事故の詳細も記されているので、その旨、個別記事にも追記した。

http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu15_j/images/150202j0301.pdf

 

 

 

 

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20141122日付の毎日新聞朝刊紙面に、「利かなかったブレーキ」というタイトルで、下記趣旨の記事が掲載されていた。

 

朝日新聞は5月20日朝刊で、「吉田調書」を入手したとして「所員の9割が所長命令に違反し、第2原発に撤退した」と報じ、9月11日に取り消しました。

その問題に関し、同社の第三者機関「報道と人権委員会」が11月12日に見解をまとめ、同社は13日朝刊で「見解」を詳しく報じました。

内容は多岐にわたるのですが、注目したのは紙面を作った5月19日当日の報道・編成局内の生々しいやり取りです。

 

①午後のデスク会後、記事を出す特別報道部の担当次長に当番編集長が「調書を見せてほしい」と要請したが、秘密保持などを理由に断られた。

 

②見出しとレイアウトを担当する編集センターの本社間の連絡で大阪は疑問点を告げた。大阪紙面のみ「所長指示通らず原発退避」という見出しも検討したが、最終的に東京の見出しに追随した。

 

③早版の刷りを見た特報部員が「現場の声を入れた方がいいのでは」などの指摘を取材記者2人にしたが、受入れられなかった。

 

④校閲センター員が、「命令違反」の横見出しが所員を責めているように読めるので「書き換えるべきではないか」と編集センターの担当者に提起したが、「第2、第3のスクープがある。今日は書いてないこともあるようだ」と言われた。

 

何人もがブレーキをかけたのに、利かなかったようです。

新聞作りに携わる者として身につまされる話です。

大特ダネが出るというとき、それを疑問視する意見を言えるだろうか。また、それを受け入れて軌道修正できるのだろうか。

自らを省みざるをえません。他山の石としたいと思います。

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

事故が起きるメカニズムを説明するのに、「ドミノ理論」とか「リーマンのスイスチーズモデル」なるものがある。

それは、事故の発端となる出来事が生じても、普通であれば、幾重にも重ねられた安全対策があって、1つや2つ突破されても他の対策のどれかが効いて事故は防止できる・・・しかし全ての対策をすり抜けた時に事故は起きる、というものだ。

新聞社にとって、誤報は事故。この吉田調書誤報問題についても、同じようなことが言えるのではないかと感じた次第。

 

 

 

 

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201453日付で河北新報から、分電盤内のスイッチの写真付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

福島第1原発の汚染水処理で使用していないポンプが稼働し、高濃度の放射性物質を含む滞留水が移送先でない焼却工作建屋に流入した問題で、東京電力は2日、同社の男性社員が誤ってポンプの電源スイッチを入れた可能性が高いとの調査結果をまとめ、原子力規制委員会に報告した。


東電によると、同社員が3月20日、大型電源装置の復旧作業中に、同建屋と、滞留水を一時貯留させているプロセス主建屋の空調設備を稼働させた際、ポンプの電源スイッチを誤って入れたとみられるという。


空調とポンプのスイッチは同じ分電盤にあるが、表示に区別はなく、番号のみが書かれていた。

東電のヒアリングに対し、同社員は「ポンプも含め、誤って分電盤のスイッチを全部入れたかもしれない」と答えたという。

焼却工作建屋は本来の移送先ではなく、誤移送は4月13日まで続いたとみられる。


同社員は当時、繁忙のため、1人で10カ所の分電盤の電源を入れる作業をしていた。通常は2人以上で操作することになっていたという。


東電は再発防止策として、分電盤の電源スイッチに該当機器を表示するほか、未使用ポンプの電源を切り離し、重要設備に監視カメラを設置する方針を示した。


プロセス主建屋と焼却工作建屋のポンプが稼働していることが判明したのは4月13日午後5時ごろ。

すぐにポンプを停止したが、同日夜、焼却工作建屋地下に約203トンの滞留水がたまっていることが確認された。

出典URL
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201405/20140503_63016.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

○写真では、同じようなスイッチが左側に3ケ、右側に2ケ並んでいる。どのように番号が記されていたかは不明。

 

○対策として「該当機器を表示する」ということだが、どのように表示するのだろうか?

アイテム番号以外に、ファンとかポンプといった名称も書いておけば、入れ替わり立ち替わり新しい作業員が担当することになるであろう現場でも、再発防止に寄与すると思うのだが・・・。

 

 

キーワード;誤操作

 

 

 

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2014382111分に毎日新聞から「安全意識の欠如 原子力学会も反省」というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

福島第1原発事故の原因などを調べた日本原子力学会の事故調査委員会は8日、事故の直接原因を「事前の津波対策、過酷事故対策、事故後対策の不備」とする最終報告書を公表した。

背景として、事業者や規制当局の安全意識の欠如に加え、学会自身についても「災害への理解が足りず、専門家として役割を果たせなかった」と反省した。

報告書は、事故などの原因について、
 ○過去の大津波を対策に生かせなかった
 ○過酷事故への備えが不十分だった
 ○避難範囲の設定など住民の被ばく対策が不十分だった
ことなどを挙げた。

事故当時、東電の対処次第では炉心溶融を回避できた可能性も指摘しつつ、「事故当時に現場に要求することは困難だった」と分析した。
国会の事故調が、地震の揺れによる重要機器損傷の可能性を指摘したが、「安全機能に深刻な影響を与える損傷はなかった」と結論付けた。

今後については、事業者や規制当局に、災害対策などの強化や安全性向上の取り組みを続けることを求めた。
学会自身も、「中立性を守る努力が不足していた。自由に意見交換できる雰囲気の醸成に努める」と改革の必要性を指摘した。

学会事故調は2012年6月に発足、約50人の専門家が事故進展や現場対応などを調べたが、既存の公表データを基にしたため、新事実は乏しい。
事故調委員長の田中知・東京大教授は、「調査に限界があり、事実解明に十分ではない点がある。学会の議論を規制や事業者の取り組みに反映させる仕組みを作りたい」と話した。

学会は今後、福島第1原発の汚染水対策、溶融燃料の取り出し、除染や放射性廃棄物の処理などに科学的な助言をする「廃炉問題検討委員会」を発足させる。
最終報告書は丸善出版から近く出版される。


出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140309k0000m040040000c.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

事故3年目ということで、いくつかのテレビ番組で、当時の再現映像が放映されていた。

その中でブログ者が気になったのは、全電源喪失と同時に、制御室も真っ暗になったという映像だ。

これは、事故当初から報道されていたことだが、ブログ者は、本当だろうか?と懐疑の念を抱いていた。

なぜなら、ブログ者が勤務していた工場では、制御室の照明には、一部、バッテリー内蔵型を使用しており、当然、原発でも同じ対応をとっている筈だと思っていたからだ。

全電源喪失は考えられないとした想定のミスが、こんなところにも影を落としていたのかもしれないが、最後の砦である制御室には、万全の対策を施しておいてほしかった。

 

 

 

 

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2014362216分にmsn産経ニュースから、「原子炉状態、爆発原因・・・なお未解明」というタイトルで下記趣旨の記事が、水素爆発の仕組み図とともに、ネット配信されていた。

福島第1原発事故では、原子炉の損傷状態や水素爆発の全容は依然として解明できていない。
高線量の放射線が障害となり、原子炉を直接確認することができないためだ。
東電は、状態の解明につながる未解明事項を設定し調査を続け、平成27年末までに全ての項目で結論を出す見通しだが、全容解明にはなお時間がかかりそうだ。

東電は事故後、当時の格納容器内圧力の変動や冷却配管からの空気の漏洩など、52項目の未解明事項を設定。
データを分析することで当時の状況を再現しようと試みている。

これまでに優先的に調査した重要10項目の検討結果を発表したが、1~4号機では「事故当時何が起こったのか、全容はまだ分かっていないことの方が多い」(東電)という。

52項目の分析結果をつなぎ合わせれば、技術的に目視できない中での原子炉内部の状態把握に役立つほか、他の原発でも過酷事故(シビアアクシデント)を想定した安全対策を向上させることができる。

水素爆発した1、3号機では、圧力容器内で燃料を包む「ジルコニウム」という金属製の被覆管が熱せられ、水と化学反応したことで水素が発生。水素は格納容器外の建屋上部にたまったとみられる。
逃げ場を失った水素に何らかのきっかけで発火し爆発。着火源は静電気の可能性があるが、分かっていない。
事故時に発生した水素の濃度や量も不明で、52項目の未解明事項の一つとして調査が進められている。

2号機も同じ経過をたどったが、先に爆発した1号機の振動で偶然、建屋上部の窓がはずれ落ちたため、水素が外部に逃げて爆発を免れたとみられている。

一方、謎が多く残っているのが、当時定期検査中で圧力容器内に燃料がなかった4号機の爆発だ。
調査では、4号機が3号機と共有している排気配管から水素が流れ込み爆発に至ったとされる。
だが、国会事故調では、「3号機から逆流した水素のみで4号機が爆発にまで到達するかどうか慎重に検討する必要がある」との指摘もある。


出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140306/dst14030622200020-n2.htm

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

今回報道された解説図には、格納容器内で発生した水素が格納容器の隙間から建屋内に漏れたように記されている。

 

しかし過去には、別ルートで漏れこんだと報道されたことがあり、本ブログでも下記趣旨で紹介済。

1、3号機では、格納容器で発生した水素を建屋外に排出するための排気ラインと、建屋内にたまったガスを建屋外に排出するラインとが合流して、1本の排気筒から放出される構造になっていた。

そして津波発生時、建屋内のガスを排出するラインに設置されていた弁が、電源喪失で開いてしまった。

そのような状況下、格納容器で発生した水素を建屋外に排出したため、水素が当該ラインを逆流し、建屋内に侵入。建屋内で爆発した可能性が高い。

http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/1198/

 

いずれが正かは不明だが、ブログ者は、過去の報道のほうが説得力ありと感じている。

 

 

 

 

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2013107147分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東京電力は7日、福島第1原発の1号機の格納容器内に冷却水を注入しているポンプの電源が一時停止したと発表した。

自動的に予備のポンプを使った注水に切り替わり、冷却は続いており原子炉の温度に変化はほとんどないという。


東電などによると、作業員が点検作業中に誤って配電盤の停止ボタンを押したことが原因とみられる。

2、3号機原子炉への注水ポンプは別の配電盤を使っており、影響はなかった。


東電によると、午前9時45分ごろ、免震重要棟にいた社員が、1号機タービン建屋2階にある電源盤が停止したことを警報で確認。1、2号機の格納容器内のガスを吸い出す設備と、2号機の排気設備も一時停止したが、ともに予備の設備で対応している。


福島第1原発では、今年3月にも、ネズミが接触したことで配電盤がショートし、1、3、4号機の燃料プールの冷却装置が停止し、全面復旧に約29時間を要した。

7月にも作業員の作業ミスで、原子炉冷却が約2時間停止している。

 

出典URL

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131007/dst13100714080011-n1.htm

 

 

また2013108852分に福島民報から、1072348分に日本経済新聞(共同)から、誤操作内容などに関するやや詳しい情報が、下記趣旨でネット配信されていた。

 

この作業員は今回初めて配電盤の数値確認を担当したが、配電盤の液晶表示を消灯しようとして、電源を停止する「切」と「確定」の2つのボタンを続けて押した。

 

点検は2人1組だったが、操作に慣れていた別の作業員は見ていなかったという。

操作手順書はなく、東電は「操作手順の明文化、操作訓練を実施する」としている。


ポンプは1~4号機に各2系統ずつあり、異なる配電盤から電気が供給されている。

通常はそれぞれ1系統で注水し、止まると別系統が自動的に起動する仕組みになっている。

 

出典URL

http://www.minpo.jp/news/detail/2013100811371

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0704O_X01C13A0CR8000/

 

 

 

 keyword ;小動物



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20139282037分に読売新聞から、ALPSが停止したという下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東京電力は28日、福島第一原発の汚染水浄化装置「ALPS(アルプス)」に不具合が生じ、27日未明に再開したばかりの試運転を停止したと発表した。


東電によると、不具合が発生したのは、汚染水から取り除いた放射性物質を含む廃液を、処理槽から次の工程へポンプで送り出す部分。

27日午後10時40分頃、廃液が流れにくくなっていることが判明した。ポンプには異常がなく、原因は不明。停止までに約100トンの汚染水を処理したという。


アルプスは、大半の放射性物質を除去できる「汚染水処理の切り札」として、3月に試験運転を開始したが、その後、処理槽の腐食などが見つかり、修理のため停止していた。

東電は、敷地内の貯蔵タンクに保管する汚染水の浄化処理を来年度中に終える方針だが、再び停止が長引けば、処理計画が遅れる恐れもある。

 

出典URL

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130928-OYT1T00501.htm

 

 

2013930113分に毎日新聞から、9291947分に朝日新聞から、剥がれたゴムシートが原因だったという下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

東電は29日、不具合の原因は、タンク内に置き忘れたゴム製シートが排水口をふさいだためと発表した。
アルプスは、62種類の放射性物質を取り除くことができ、汚染水対策の「切り札」と位置づけられているが、トラブル続きで、チェック体制が問われそうだ。


東電によると、ゴム製シートは、タンク内部を上り下りする仮設のはしごの脚を固定するために使ったもので、大きさは縦横20cm、厚さ3mm。

2枚がテープでタンクの底に固定されており、試運転前に回収することになっていたが、作業員が回収は不要と勘違いしてそのまま残したという。

カメラで内部を調べたところ、1ケ所が剥がれていたという。剥がれた1枚が排水口をふさぎ、流量が低下したとみられる。

東電は今後、ほかのタンクも水を抜き、異物がないかどうか調べる。


出典URL

http://mainichi.jp/select/news/20130930k0000m040040000c.html

http://www.asahi.com/national/update/0929/TKY201309290090.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

協力会社の作業員がタンク内部に忘れものをしていないか、誰が、どのようにチェックしたのだろう?それともノーチェックだったのだろうか?

 

思い起こせば今から数10年前、ブログ者は化学工場のSDMで蒸留塔トレイ組立て工事の立ち会いをしたことがある。

協力会社の作業員が1段組み立てる毎に、緩みはないか?忘れ物はないか?などをチェックする仕事だ。

 

その際、一度だけだが、組み立てに使った結構大きな工具を忘れているのを見つけたことがある。

いくら協力会社の作業員が忘れ物防止に気をつけていても、彼らも人間。忘れることもたまにはあるのだ。

確認作業の大切さを、身をもって体験した次第。

 

しかし、この体験は、まだ現場の人員に余裕があった時代のこと。

今は、そんな悠長なことはできないのかもしれない。

ましてや、福島第一原発という、非定常作業が定常作業となっている感のある現場では・・・。

 

 

 

(2013年10月10日 修正1 ;追記)

 

2013930日付の福島民報紙面に、下記趣旨の補足的記事が掲載されていた。

 

ゴムシートは、汚染水タンク内に出入りするためのはしごの滑り止め用で、はしごの脚とタンク床面に挟んでいた。

 

作業後に回収する必要があったが、作業員は接着剤で固定されている別のシートと勘違いし、残したままにしたという。

 

 

 

 

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201392225分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

日本原子力学会は2日、福島第1原発事故に関する調査委員会(学会事故調、委員長・田中知東京大教授)の最終報告書案の概要を公表した。

政府、国会、東電、民間に続く5番目の事故調報告。

 

事故原因について「津波の浸水」が主因とし、地震での損傷は否定した。

電力会社寄りだったとされる事故前の学会の組織運営については「学術的に中立の立場を守る努力が足りなかった」との反省も盛り込まれた。


主な事故原因とした津波について、報告案は「リスクが大きいことが認識されていたものの、『発生確率が低い』として取り扱われなかった」と説明。

地震の影響については「緊急停止し、健全性が保たれた」として、政府、東電両事故調と足並みをそろえた。


海洋への漏洩が問題となっている汚染水処理について、多核種除去装置(ALPS)の活用を提案。ALPSでも除去が難しいトリチウム(三重水素)は、自然の海水に含まれる濃度まで薄めて海へ放出することを求めた。


一方、事故直後の原子炉の状態について、政府が「炉心溶融」の表現を避け続けた事例を指摘。

社会に混乱が広がることを極度に恐れて政府幹部が混乱する「エリートパニック」現象が起こったと分析した。

 

学会事故調は、原子力の専門家ら約40人で構成し昨年6月に発足。2度の現地調査などにより事故原因などを分析した。

学会員からの意見を踏まえ年内に報告書を正式にまとめ、政府や電力会社に提出する。

 

出典URL

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130902/dst13090222100025-n1.htm



※キーワード;福島第1原発





 

 

 

 

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2013241159分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。


福島第一原発事故を巡る捜査で、検察当局が、元同原発所長の吉田昌郎・執行役員(57)が政府の事故調査委員会に事故経緯などを説明した際の聴取記録を差し押さえていたことがわかった。


吉田元所長は業務上過失致死容疑などで刑事告発されているが、病気療養中で事情聴取が難しいことから、強制的な手段を採ったとみられる。


吉田元所長は2010年6月に同原発の所長となり、11年3月の事故時には現場の責任者として事故対応を指揮した。
また東電社内で08年、東北沖で強い地震が発生した場合、15m超の津波が押し寄せる可能性があるとの試算を出した際には、担当部長でもあった。


吉田元所長は事故後、食道がんであることを告白し、昨年7月に脳出血の手術を受けた。
事情聴取に応じられない見通しのため、検察は、元所長が津波対策や事故経緯について政府事故調に語った聴取記録を入手する必要があると判断。
事故調に任意提出を求めたが、「刑事訴追を目的としないと表明した上で調査した記録だ」との理由で断られたため、令状に基づき差し押さえた。

出典URL  

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130204-OYT1T00560.htm



(ブログ者コメント)

 

事故の真のいきさつ、原因を知らずして、再発防止を図ることはできない。

そのためには当事者の率直な証言が欠かせず、よって刑事罰とは切り離そうとする動きも出ていたのだが、そういった思いは、残念ながら司法界には届かなかったようだ。

せっかくの動きが、これでまた二歩も三歩も後退した感がある。

 
 
 
 
※キーワード;福島第1原発







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2012年8月30日付で朝日新聞福島浜通り版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
29日午前10時半ごろ、東電福島第一原発4号機の西側敷地内で、復旧工事をしていた作業員の男性(47)が、高さ約3mの足場から転落した。
男性は、手首やかかとの骨が折れる重傷を負った。
 
警察によると、男性は当時、4号機の復旧作業に使うクレーンの土台を組み立てていた。
男性が土台から足場に飛び移ろうとしたところ、約3m下に転落したという。
 
この日は午前9時半から、東電の下請け企業の社員ら15人が土台の組立て作業をしていた。
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2012年7月24日0時13分にmsn産経ニュースから、最終報告書の要旨がネット配信されていた。長いので、以下に総括部分だけを転載する。
 
事故は、直接的には地震・津波という自然現象に起因するものだが、調査・検証の結果、大規模な事故となった背景には、事前の事故防止策・防災対策、事故発生後の原発における現場対応などについてさまざまな問題点が複合的に存在したことが明らかになった。

東電や原子力安全・保安院などの津波対策・シビアアクシデント(過酷事故)対策が不十分で、大規模な複合災害への備えにも不備があった。
放射性物質の大量放出を想定した防災対策も取られていなかった。
政府の危機管理態勢の問題点も浮かび上がった。


国と自治体は、地震や停電で通信手段が途絶する中、オフサイトセンター(緊急事態応急対策拠点施設)の機能が発揮できなくなるなどして、問題への対応に遅れや不備が生じた。
原発の安全対策を見直す際には、大規模な複合災害の発生という点を十分に視野に入れる必要がある。


日本は古来、さまざまな自然災害に襲われてきた「災害大国」であることを肝に銘じ、自然界の脅威、地殻変動の規模と時間スケールの大きさに対し、謙虚に向き合うことが必要だ。

東電を含む電力事業者も国も、わが国の原発では炉心溶融のような深刻なシビアアクシデントは起こり得ないという「安全神話」にとらわれていたがために、危機を身近で起こり得る現実のものととらえられなくなっていたことに根源的な問題があると思われる。

菅首相は自身が工学部の出身で原子力に「土地鑑」があると自負していた。原子力災害対策では、危機管理センターの機能を活用し組織的に事態の収拾に当たろうとはしなかった。首相自らが当事者として現場に介入することは現場を混乱させ重要判断の機会を失し、判断を誤る結果を生むことにもつながりかねない。弊害の方が大きい。

最悪の事態が生じた場合、「もしそこに住んでいるのが自分や家族だったら」という思いを込めて、自分に何が降りかかってくるか徹底的に分析する方法を提案したい。
地域住民の視点に立った災害のとらえ方と、安全への取り組みが定着して初めて、真に安心できる社会を創造することができる。

 
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120724/dst12072400160000-n1.htm
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
これで、事故に関する4つの報告書すべてが出揃ったことになるが、今回の政府事故調の性格に関し、以下の報道があったので紹介する。

 
(2012年7月24日1時24分にmsn産経ニュース)
 
「真実の証言を得るため責任追及を目的としない」と掲げた政府事故調は、検察職員を中心に構成。非公開の委員会で膨大な証言や資料を丹念に集め客観的な証拠を重視する「検察流の調査」を実施した。
 
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120724/dst12072401250004-n1.htm
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福島第1原発事故の国会事故調査委員会報告書に対する欧米での辛口批評が、以下のように報道されていた。
 
(2012年7月8日9時11分 msn産経ニュース)
 
国会事故調が最終報告書を提出したことについて、英各紙は日本文化に根ざした習慣や規則、権威に従順な日本人の国民性が事故を拡大させたとする点を強調し、「日本的な大惨事」に苦言を呈する報道が目立った。
 
ガーディアン紙は「フクシマの惨事の中心にあった日本文化の特徴」と題した記事で報告書の前文を引用し、島国の慣習や権威に責任を問わない姿勢が事故原因の一端にあるとする報告書の内容を伝えた。
6日にも「文化の名の下に隠れるフクシマ・リポート」と題した記事で、「重大な報告書と文化を混同することは混乱したメッセージを世界に与える」と批判した。

 
一方、「非常に日本的な大惨事」との見出しで報じたタイムズ紙(6日付)も「過ちは日本が国全体で起こしたものではなく、個人が責任を負い、彼らの不作為が罰せられるべきものだ。集団で責任を負う文化では問題を乗り越えることはできない」とコメントした。

 
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120708/dst12070811130003-n1.htm
 
 
(2012年7月12日00時05分 朝日新聞)
 
国会の事故調査委員会の英語版の報告書が「根本原因は日本に染みついた習慣や文化にある」などと記したことについて、英米メディアから「事故の本質を見誤らせる」と批判が出ている。

米ブルームバーグ通信は8日、「不満が残る報告書」という社説を配信。
内容の詳細さや、「人災」と断定したことを評価しつつも、「誰がミスを犯したのかを特定していない」と指摘。
「集団主義が原因」「(責任のある立場に)ほかの日本人が就いていたとしても、同じ結果だった可能性は十分ある」といった記載については「責任逃れで陳腐な言い訳」と手厳しかった。


日本に詳しい、コロンビア大のジェラルド・カーティス教授も英紙フィナンシャル・タイムズへの寄稿でこうした記述に言及。
「文化によって行動が決まるのならば、誰も責任を取らなくてよい。問題は人がした選択であり、その文化的背景ではない」と主張した。


同紙は8日付の東京発記事でも、「最悪の状況に備えることへの構造的な不備、規制官庁との一体化、独立したメディアの監視の欠如などの問題は世界に共通する」と述べ、事故を「メード・イン・ジャパン」と分類することを懸念。
「旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の後で、悲劇的にも、日本の政治家や技術者は事故原因がソ連の設計や運用にあると判断し、日本の原発の安全性を検証しなかった。他の国はこの過ちを繰り返すべきでない」と伝えた。


問題となっている表現の多くは、黒川清委員長が書いた報告書の英語版の序文に含まれているが、日本語版には入っていなかった。公表後の会見では「なぜ日本語版と英語版が違うのか」と疑問の声が上がっていた。

 
http://digital.asahi.com/articles/TKY201207110806.html?ref=comkiji_txt_end
 
 
(2012年7月20日 毎日新聞朝刊紙面 「発信箱」)
 
国の公式な文書が外国語になったら、原文にない文章が続々登場、なんていうのは普通聞かない。
ところが、今回の報告書序文の英語版は、別の作品と呼べるくらい日本語と違う。
 
例えば事故の根本的原因。
英語版は「日本文化、日本的慣習に根ざしたもの」とし、「権威に異を唱えない体質」「集団主義」や「島国根性」などと挙げた。
文化うんぬんは日本語版序文にはない。
そして英語版にだけ「今回の事故で責任を負うべき立場の人が別の日本人だったとしても、結果は同じだっただろう」とある。
 
このことに関し黒川委員長は記者会見で質問され、「(英語版は)国際社会向けに書いた。日本人がこの内容を理解できると思う?」と逆質問していた。
 
結局、日本語版を英語版に合わせて直すらしいが、変な話だ。



 
(ブログ者コメント)
 
□英語版には「Message from the Chairman」という委員長の写真付の序文があり、日本語版には委員長名で、「はじめに」という序文がある。
両者をキーワードだけで比較したが、確かに、英語版にある、「What must be admitted – very painfully – is that this was a disaster “Made in Japan.”」という表現、「至極残念だが、日本ゆえに起きた惨事ということを認めざるをえない」とでも訳すのだろうか?・・・が、日本語版には見当たらなかった。
最も近い表現は、「日本が抱えている根本的な問題を露呈することとなった」くらいだが、ニュアンスは違う。
 
□本件、どこでどう違ったのか不思議に思っていたが、なんと意図的にそうしたとのこと。
隠ぺい体質を糾弾している報告書なのに、なぜ隠ぺいもどきのことをしたのか?ちょっと解せない。
 
□一方、今回の報告書が、個人名を挙げて厳しく追及していないのは、2011年7月8日に本ブログでも紹介したとおり、原子力学会が真の事故原因を表に出すべく、個人の責任追及をしないよう声明を出したことが影響しているのかもしれない。
 
□個人の責任を厳しく追及するのと、その背後にある要因をつぶすことの、どちらが類似事故の再発を防止できるのだろうか?
数10年前までは、日本でも、個人の責任を追及するムードが強かったが、最近では、個人に事故を起こさせる環境を是正するほうに主眼が置かれている。
それは、個人の責任をいくら追及しても、それはモグラ叩きに過ぎないという考え方によるものだ。
その流れに竿さすような欧米からの批評。
これは、東洋哲学と西洋哲学の違いなのかもしれない。
 
□個人の責任を厳しく問うようにすれば、事故が起きるかもしれないと薄々感じながらする不安全行動には、歯止めがかかるだろう。
しかし、当人が思ってもみなかったところで起きる事故に対しては、さほど歯止めにはならないだろう。
ブログ者が感じるところでは、産業現場で起きる事故というもの、後者の割合のほうが多い気がするが、はてさて、福島原発事故は、どちらのカテゴリーに入るのだろうか?
 
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2012年7月6日0時16分にmsn産経ニュースから、『「明らかに人災 国会事故調の報告書要旨』というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 

国会に設置された事故調査委員会がまとめた報告書の要旨は以下の通り。

 【事故は「人災」】

事故の根源的な原因は、東電福島第1原発が、地震にも津波にも耐えられる保証がない、脆弱な状態だったことと推定される。
今回の事故は、これまで何回も対策を打つ機会があったにもかかわらず、歴代の規制当局と東電経営陣が、それぞれ意図的な先送り、不作為、あるいは自己の組織に都合の良い判断を行うことで、安全対策が取られないまま3月11日を迎えたことで発生した。
規制当局と東電との関係では、規制する立場とされる立場の「逆転関係」が起き、規制当局は電力事業者の「虜」となっていた。安全についての監視・監督機能は崩壊していたと見ることができ、いわゆる「規制の虜」だった。
何度も事前に対策を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、事故は自然災害ではなくあきらかに「人災」だ。

 
 【事故の直接的原因】

事故の直接的原因は、地震と津波という自然現象だが、事故が実際にどのように進展していったか解明されていないことが多い。
しかし、東電は事故の主因を早々に津波とし、「安全上重要な機器は地震で損傷を受けたものはほとんど認められない」と中間報告書に明記。政府も、国際原子力機関(IAEA)に提出した事故報告書に同趣旨のことを記した。
「想定外」とすることで責任を回避するための方便のようにも聞こえるが、地震リスクと津波リスクも、東電と規制当局関係者によって事前に認識されていたことが検証されており、言い訳の余地はない。
1号機では、地震により、小規模のLOCA(小さな配管破断などの冷却材喪失事故)が起きた可能性を否定できない。


 
 【運転上の問題の評価】

1号機の非常用復水器(IC)の操作に関してはマニュアルもなく、運転員は十分訓練されていなかった。
早期のうちにICの蒸気管に水素ガスが充満し、そのために自然循環が阻害され、ICが機能喪失していたと推測している。
多重防護が一気に破られ、同時に4基の原子炉の電源が喪失する中で、2号機の原子炉隔離時冷却系(RCIC)が長時間稼働したことなど、偶然というべき状況がなければ、2、3号機はさらに厳しい状況に陥ったとも考えられる。


 
 【緊急時対応の問題】

緊急時対応について、官邸、規制当局、東電経営陣には、準備も心構えもなく、その結果、被害拡大を防ぐことはできなかった。
官邸は、緊急事態宣言を速やかに出すことができなかった。
官邸は東電の本店と現場に直接的な指示を出したことで、現場の指揮命令系統が混乱した。
官邸による発電所の現場への直接的な介入は指揮命令系統の混乱を拡大する結果となった。
東電本店は官邸の意向を現場に伝える役割だけの状態に陥った。
3月14日、2号機の状況が厳しくなる中で、東電が全員撤退を考えているのではないかという点について、東電と官邸の間で認識のギャップが拡大したが、根源には、両者の相互不信が広がる中で、東電社長が官邸の意向を探るかのような曖昧な連絡に終始した点があったと考えられる。
ただし、
(1)発電所の現場は全面退避を一切考えていなかったこと。
(2)東電本店でも退避基準の検討は進められていたが、全面退避が決定された形跡はなく、東電社長が官邸に呼ばれる前に確定した退避計画も緊急対応メンバーを残して退避するといった内容であったこと。
などから判断して、首相によって東電の全員撤退が阻止されたと理解することはできない。


 
 【被害拡大の要因】

事故発災当時、政府から自治体に対する連絡が遅れたばかりではなく、その深刻さも伝えられなかった。
同じように避難を余儀なくされた地域でも、原発からの距離によって事故情報の伝達速度に大きな差が生じた。着の身着のままの避難、多数回の避難移動、あるいは線量の高い地域への移動が続出した。
その後の長期にわたる屋内避難指示や自主避難指示での混乱、線量の高い地域に避難した住民の被曝、4月まで避難指示が出されず放置された地域など避難施策は混乱した。
規制当局の原子力防災対策への怠慢と、当時の官邸、規制当局の危機管理意識の低さが、住民避難の混乱の根底にあり、官邸と規制当局の危機管理体制は機能しなかった。


 
 【住民の被害状況】

被害を受けた広範囲の多くの住民は、不必要な被曝を経験した。また、避難のための移動が原因と思われる死亡者も発生した。
1万人を超す住民アンケートには、いまだに進まない政府の対応に厳しい声が多数寄せられている。
放射線被曝による健康問題、家族、生活基盤の崩壊、そして広大な土地の環境汚染問題は深刻だ。


 
 【問題解決に向けて】

関係者に共通していたのは、およそ原子力を扱う者に許されぬ無知と慢心で、世界の潮流を無視し国民の安全を最優先とせず、組織の利益を最優先とする組織依存のマインドセット(思い込み、常識)だった。
規制される側とする側の「逆転関係」を形成した真因である組織的、制度的問題が「人災」を引き起こしたと考える。
人を入れ替え、組織の名称を変えるだけでは再発防止は不可能だ。


 
 【事業者】

東電はエネルギー政策や原子力規制に強い影響力を行使しながらも自らは矢面に立たず、役所に責任を転嫁する経営を続けてきた。
東電は官僚的だったが、一方で原子力技術に関する情報の格差を武器に、電気事業連合会などを介して規制を骨抜きにする試みを続けた。
東電は官邸の過剰介入や全面撤退との誤解を責めることが許される立場になく、混乱を招いた張本人だった。常により高い安全を目指す姿勢に欠け、現場軽視の東電の経営陣の姿勢は、原子力を扱う事業者としての資格があるのか。


 
 【規制当局】

規制当局は原子力の安全に対する監視・監督機能を果たせなかった。
規制当局の、推進官庁、事業者からの独立性は形骸化しており、その能力においても専門性においても、安全への徹底的なこだわりという点でも、国民の安全を守るには程遠いレベルだった。
日本の原子力法規制は、その改定で、実際に発生した事故のみを踏まえた対症療法的対応が重ねられ、諸外国の事故や安全への取り組みなどを真摯に受け止めて見直す姿勢にも欠けた。
その結果、常に想定外のリスクにさらされることとなった。原子力法規制は抜本的に見直す必要がある。

 
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120706/dst12070600180001-n1.htm
 
 
以下は、事故調査委員会の報告書所在URL。
http://naiic.go.jp/report/
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
□よくぞ半年ちょっとの短期間でここまで調べあげ、かつ報告書として纏めあげられたものだ。
大勢のスタッフがついていたとは思うが、まずは敬意を表する。
 
□従来、事故報告書というものは、直接原因の記述に多くを割き、間接原因の考察は副次的だったものが多かった。
しかし、この報告書は、事故の特殊性もあろうが、間接原因中心にさまざまな角度から鋭くえぐったものになっており、その点で出色だと感じた。
(政府事故調査委員会と棲み分けしているのかもしれないが)
 
□東電が作成した報告書には、「貞観津波の取り扱いは土木学会での検討に委ねていた」といった趣旨の記述があったが、その土木学会について、本文92ページで、以下のような趣旨で斬り捨てている。
「土木学会手法のような民間で策定した技術基準を規制に用いるには、公正、公平、公開が重視され、法令などとも対応がとれなければならないが、土木学会手法は、これらの要件を満たしていない。」
 
□本文194ページに「運転員たちの気概」というタイトルで、短くはあるが、現場のオペレーターたちの当時の心境などに触れ、「彼らの勇気と行動にも支えられ、危機にあった原子炉が冷却停止にまで導かれた事実は特筆すべきである」と記されていた。
事故調委員としても、心打たれるところがあったのだろう。
フクシマ50と称された方々も、この一文をもって、少しは報われたのではないだろうか?
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本件に関する報道量は膨大につき、以下、ブログ者の目に止まった記事の見出しのみ、社別に記す。
 
 
2012年6月20日21時54分 読売新聞
初動対応に誤りなし…東電事故調が最終報告書
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120620-OYT1T01099.htm
 
2012年6月21日7時29分 読売新聞
「官邸が、官邸が…」と東電、自己弁護ばかり
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120621-OYT1T00201.htm
 
2012年6月21日9時50分 読売新聞
氏が10分以上激高・糾弾に違和感…報告書
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120621-OYT1T00243.htm
 
 
2012年6月20日22時12分 msn産経ニュース
「津波想定に甘さ」最終報告 官邸介入「妨げ」と指摘
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120620/dst12062022130032-n1.htm
 
2012年6月20日22時25分 msn産経ニュース(ベント位置図解付き)
抜本的見直し触れず ベント、プール…問題棚上げ 福島第1原発事故
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120620/dst12062022260035-n1.htm
 
2012年6月20日22時28分 msn産経ニュース
際立つ責任転嫁と自己弁護 「国も想定できなかった」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120620/dst12062022280036-n1.htm
 
2012年6月20日22時31分 msn産経ニュース(1~3号機などから放出された放射性物質の量の図解付き)
放射性物質、90万テラベクレル放出 2号機から4割
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120620/dst12062022320038-n1.htm
 
2012年6月20日22時32分 msn産経ニュース
「対応、現実的に困難」 他の事故調の指摘に反論
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120620/dst12062022330039-n1.htm
 
2012年6月20日22時48分 msn産経ニュース
報告書検証の証拠 信頼回復へビデオ公開を
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120620/dst12062022490040-n1.htm
 
 
以下は、報告書掲載URL。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2012/1205628_1834.html
 
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
貞観津波の知見をどのように災害想定に反映していたかが、今回事故の大きなポイントの一つだが、その点に関し、報告書には、40/373ページから48/373ページにかけて、以下のような趣旨で記されている。
 
・従来は、電気事業者が津波評価のルールとしている、土木学会の「津波評価技術」に基づいて、津波発生状況を評価してきた。
・新たな知見などが出された時には検討・調査し、試算もしてきた。
・貞観津波についても、平成20年に投稿準備中の論文提供を受け、試算し、また調査も行った。
・それらに加え、専門家などの意見も聞いた結果、未確認内容が多いこともあり、貞観津波の取り扱いは土木学会での検討に委ね、結論が出るまでは従来のルールに従って評価することにした。
 
ブログ者が読んだところ、当時の東電などの考え方、対応などを調べあげ、客観的に記述しているように感じられた。
しかし、企業が出す報告書には、どうしても自己弁護が見え隠れしてしまうので、その点をメディアから責任転嫁などと指摘されたのかもしれない。

 
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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