2015年3月27日4時58分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌ドームでプロ野球の試合を観戦中、ファウルボールに当たって右目を失明した札幌市の30代女性が、主催者の北海道日本ハムファイターズとドームを所有する札幌市などに約4700万円の損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁は26日、球団などに約4200万円の支払いを命じた。
長谷川裁判長は、「ドームの設備は、観客の安全を確保するのに十分ではなかった」と指摘した。
判決によると、女性は2010年8月、家族で一塁側内野席の前から10列目で日本ハム―西武戦を観戦中、家族の様子をうかがうために目を離した直後にファウルボールが顔面を直撃し、右目を失明した。
判決で、長谷川裁判長は、ドームの管理は内野席の防球ネットを取り外すなど臨場感の確保に偏っていたと指摘。
打球が女性の座席に到達するまでは約2秒だったと認定した上で、アナウンスなどで打球への注意喚起をしていたが、「わずかな時間で打球を避けるのは不可能。防球ネットなどの安全設備を設ける必要があった」とした。
原告の女性は判決後の会見で、「球場の安全対策を強化してほしい」と話した。
球団は、「プロ野球観戦の臨場感が失われることを懸念する。野球界全体に及ぼす影響も十分考えられ、控訴を視野に検討していく」とのコメントを出した。
出典URL
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150327-00000011-asahi-soci
3月27日0時47分に産経新聞westからも、解説的な下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌ドームでプロ野球観戦中にファウルボールが当たって右目を失明した女性に、計約4650万円の賠償を支払うよう北海道日本ハムファイターズなどに命じた26日の札幌地裁判決。
「カープ女子」や「オリ姫」といった女性らをターゲットにファン層の拡大を目指す野球界にも、波紋を広げそうだ。
阪神タイガースの本拠地で、高校野球が開催中の阪神甲子園球場では、運営する阪神電鉄の担当者が、「危険性は常にあるという認識で観戦してもらいたい。ボールから目を離さないようにお願いしたい」と率直に訴える。
27日にセ・リーグ開幕戦の阪神-中日戦が行われる京セラドーム大阪でも、担当者は、「できる限りの安全対策はしている」と困惑気味だ。
観戦チケットの裏面には、ファウルボールなどによる事故に主催者側が責任を負わない旨が記載されているが、札幌地裁の裁判長は、「初めて観戦に訪れる者や幼児、高齢者も安全に楽しむことができる安全設備が施されるべきだ」と指摘している。
これに対し、スポーツ評論家の玉木正之氏は、「ネットを目の前に見る野球なんて野球ではない。テレビ観戦と同じ感覚で球場に行くのは違うのでは」と、試合の迫力を楽しみたいファンの声を代弁する。
平成20年には、クリネックススタジアム宮城で、目にファウルボールを受けた男性が視力が低下したとして楽天野球団などに損害賠償を求めた裁判で、1審仙台地裁は請求を棄却、2審仙台高裁もこれを支持している。
日本大の福田充教授(危機管理論)は、「安全安心を優先しすぎると野球自体を楽しめる環境が損なわれる。野球を楽しむことを優先すれば安全が損なわれる。観客側と球場側の責任の線引きは難しい。野球に詳しくない人に対する防護策を講じ、注意喚起を徹底すべきだ」と指摘する。
出典URL
http://www.sankei.com/west/news/150327/wst1503270015-n1.html
(ブログ者コメント)
○安全管理というもの、ここまで求められることがあるという事例として紹介する。
それにしても・・・という感はあるが・・・。
○これまで、産業活動中とは言い難い場面で起きた事例であっても、参考になりそうなものは、紹介してきた。
しかるに、その数が結構増えてきたため、一般の産業災害事例とはカテゴリーを分けておいたほうが過去事例検索時に使い勝手がよいだろうと思い、新たに「商業施設、イベント等」カテゴリーを作成した。
該当する過去記事も、新カテゴリーに編入中。
2014年11月18日19時12分にNHK福岡NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡県内の県立高校で、バレーボールの部活動をしていた当時1年生の女子生徒が、ネットを張る器具で大けがをしたのは、学校側の安全管理が不十分だったためだとして県を訴えていた裁判で、福岡地裁は訴えを認めて、県に1800万円余りの賠償を命じた。
この裁判は、おととし1月、福岡県の県立高校で、当時1年生だった女子生徒が、バレーボールの部活動中にネットを張るワイヤーを巻き上げる器具を使っていたところ、支柱に取り付けられていた器具が急にずり上がって顔面を直撃し、骨折するなどの大けがをしたのは、学校側の安全管理が不十分だったためだとして、この元女子生徒が県に対して、3000万円余りの賠償を求めていたもの。
18日の判決で福岡地裁の永井裁判長は、「器具や支柱には異常はなく、器具の固定の仕方が不十分だったため事故が起きた」とした上で、「事故の3か月前に大分市でも同様の事故があり、広く報道されていたことも考えれば、事故が起こる可能性は予見できたはずで、学校側は器具を安全に設置して管理する義務を怠った」として、県に1800万円余りの賠償を命じた。
判決を受けて福岡県教育庁は、「判決文を検討して適切に対応したい」とコメントしている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20141118/3291771.html
2014年7月26日付で毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県尼崎市の県立尼崎西高校のグラウンドで今年5月、陸上部員が投げた槍がサッカー部員の男子生徒の脚に当たり、数針を縫うけがをしていたことが県教委などへの取材で分かった。
陸上部の顧問が練習に立ち会っていたが、安全確認を徹底していなかったという。
県教委などによると、5月7日午後5時35分ごろ、大会に向けて練習していた陸上部の男子部員が投げた槍が、43m先でボールを取ろうとしていたサッカー部の男子部員の左脚に当たった。
グラウンドでは当時、陸上部員が北側から南側へ槍を投げる練習をし、サッカー部は南側で練習中だった。
サッカー部の生徒は病院へ救急搬送され、足を数針縫ったが、2日後から通学したという。
同校は「大ごとではない」と判断し、警察には届けなかった。
出典URL
http://mainichi.jp/area/news/20140726ddf041040016000c.html
(ブログ者コメント)
学校で槍投げの練習をしていて部外者に重傷を負わせた事故が過去にあり、その学校では、練習場所を変えるなどの再発防止策をとった
2012年7月 福山市の大学
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/2061/
今回の学校では、どういった対策をとるのだろうか?
大ごとではないからといって、何もしないとは思えないが・・・。
2014年4月22日11時51分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
青森県八戸市教委は21日、昨年5月に市内の市立小学校で行われた運動会で、徒競走のゴールテープが首に当たった児童が転び、頸椎捻挫などのけがをする事故があり、市が約39万円の損害賠償金を払うことで保護者と示談が成立したことを明らかにした。
市議会総務協議会で説明した。
同市教委によると、150m走でこの児童は、ゴール係の児童が持ち上げたテープの下を走り抜けようとしたが、風にあおられたテープが首に当たり、後方に転倒した。
児童は入院したが、現在は後遺症もなく通学しているという。
示談は3月に成立、賠償金の内訳は,通院交通費や慰謝料など。
同市教委は、「ゴールテープの扱いは、競技中も教師の確認が必要。管理指導が不十分だった」と話した。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140422-OYT1T50045.html
(ブログ者コメント)
先月、銀行のマットで転倒し負傷した事例を紹介したが、それと同様、思いもかけないところで事故が起きた事例として紹介する。
2013年4月15日18時51分にNHK秋田から、下記趣旨の記事が掲載されていた。
13日、能代市の公園でバスケットボールリングのボードが落下し、シュート練習していた男子中学生が顔などに軽いけがをしていたことが分かった。
能代市によると、13日午後5時半ごろ、能代市浜浅内にある公園で中学2年の男子生徒がバスケットボールのリングを使ってシュート練習をしていたところ、ボードが落下してきた。
中学生は、よけようとしたものの、ボードが体にあたり、顔や手首を打撲する軽いけがをした。
落下したボードは縦80cm、横1m20cmの木製の板に鉄製のリングがついていて、地上からおよそ2.5mの支柱に取り付けられていた。
また、このリングは能代市が24年前に設置し、9年前に新しいボードに変えたという。
市では、ボードを支柱に留めていた金具が腐って落下したとみている。
事故を受けて、能代市は市内33か所の公園などに設置しているバスケットボールのリングを急きょ点検したところ、事故が起きた公園以外に4カ所で落下する危険があることがわかり、使用禁止にするとともに撤去や改修を検討しているという。
能代市は、「再び事故が起きないよう安全確保に努めたい」としている。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/akita/6013752881.html?t=1397598616908
2014年4月7日8時54分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
宮崎県都城市は6日、同市高城町の高城運動公園総合体育館で、バレーボール大会に出場していた沖縄県の高校3年男子生徒の右脇腹にコートの木片が刺さったと発表した。
入院して摘出し、命に別条はないという。
市によると、5日午後1時50分頃、生徒が試合中にレシーブのため滑り込んだ際、木片(長さ約10cm、幅約5mm、厚さ約3mm)の一部が刺さり、病院に搬送された。
コートの集成材がめくれたとみられ、大会前の点検では異常はなかったという。
4日から6日まで行われた「春季高校選抜バレーボール都城大会」で、九州・沖縄・山口の男子9チームが参加していた。
体育館を管理している市は、「負傷した生徒の回復を願うとともに、早急に体育施設の点検を行い、再発防止に努める」とのコメントを出した。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140406-OYT1T50115.html
4月7日付で朝日新聞宮崎版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
市によると、男子選手が飛び込んでボールを拾うフライングレシーブをしたとき、コートの集成材の一部が刺さった。
市は、集成材のつなぎ目が浮き上がっていたのではないかとみている。
事故後、床面をテープで補修したという。
(ブログ者コメント)
同種事故が2012年に相模原市でも起きている。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/1632/
(2014年5月9日 修正1 ;追記)
2014年4月7日付の宮崎日日新聞紙面に、どのような場所の木片が刺さったのか、写真付きで下記趣旨の記事が掲載されていた。
建物を所管する同市高城総合支所建設課によると、大会開始前には異状は報告されていなかったものの、再点検したところ、事故発生場所を含め、床板に小さなヒビが複数箇所で確認されたため、テープを貼って応急措置をとった。
同体育館は1983年に建設され、2002年に床のメンテナンスを行っていたという。
(ブログ者コメント)
掲載されていた写真には、以下のコメントが付されていた。
『男子生徒が負傷した現場。床板の継ぎ目とそばに生じた亀裂との間にあった床板の一部がめくれ上がったとみられる』
2013年8月21日9時30分に朝日新聞から、発生頻度の棒グラフ付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中学、高校の部活動中に、治療が必要なけがが年間26万件起きていることが、日本体育協会の研究班の調査でわかった。
骨折は7万5千件あり、治療費が月10万円以上かかった頭や首の重いけがも約500件あった。
命にかかわる深刻なけがも少なくないことから、研究班は予防指針作りに乗り出した。
研究班は、整形外科医、スポーツ医学の専門家ら12人がメンバー。
2009~11年度の3年間、学校で起きたけがや病気の医療費給付をする日本スポーツ振興センターに届け出のあったけがを調べた。
サッカー、野球、バレーボール、バスケットボール、ラグビー、テニス、剣道、柔道、体操(新体操を含む)、水泳、陸上競技の11競技で分析した。
この結果、年間に骨折は7万5千件、捻挫や打撲症などはそれぞれ6万6千件ほど発生していた。
治療費が最初の1カ月で10万円以上かかった頭や首の重いけがは、3年間で1634件。09年度507件、10年度547件、11年度580件と増加傾向にあった。
野球、サッカー、ラグビーの順で多いが、部員数をそろえた発生頻度では、ラグビー、柔道、体操の順だった。
頭のけがでは、脳しんとうが最多で全体の4割近い。
救命率が5割以下ともいわれる急性硬膜下血腫なども年間約50件あった。
予防指針作りに協力する東京慈恵会医科大の谷教授(脳神経外科)によると、脳しんとうはラグビーのタックルや、柔道の受け身が十分にとれずに起きることが多い。
一般的に5~10日で軽減するが、回復しない段階で再び打撃を受けると、致命的な脳損傷につながることがある。
予防指針には脳しんとうなどを防ぐため、タックルなどで事故が起きにくい体勢の研究や指導方法などを盛り込む。事故が多発する場面や時間帯なども分析する。3年ほどかけて作り、学校などに配布したい考えだ。
研究班班長の福林教授は「一歩間違えれば命にかかわりかねない頭のけがも含め、3年間でみても減っていない。部活動での予防の取り組みは不十分で、早急な対策が必要だ」と話す。
出典URL
http://www.asahi.com/national/update/0821/TKY201308200500.html
盛岡市青山の岩手県営体育館で19日に行われた体操の東日本学生選手権で、ロンドン五輪団体総合銀メダリストの加藤凌平選手(19)(順天堂大)がつり輪で演技直前に練習をしていたところ、片方の輪と上部から伸びたワイヤをつなぐ革製のベルトが切れた。
主催の関東学生体操連盟関係者によると、弾みで加藤選手が肩を痛めたが、大事には至らなかったという。つり輪は1993年に購入されたものだった。
同体育館の運営を委託されている県スポーツ振興事業団は20日、同体育館を含めて、県内で運営している11施設のスポーツ器具の一斉点検を始めた。
同事業団によると、つり輪は県が所有し、同事業団が管理している。
切れたベルトは長さ約65cm。リング(直径約25cm)の反対側で、ワイヤを通すために折り返して輪っか状になっている部分で切れた。
同体育館では大会開催時、器具の設置準備の際に、体操競技経験者の職員と主催者側で器具の点検を行っている。
今回の選手権の開催前にも、つり輪を含めた器具の点検を実施したが、異常はなかったという。
同体育館で使用されているつり輪のメーカーであるスポーツ器具製造「セノー」によると、つり輪のベルト部分の一般的な耐用年数は2年。過去にこのベルトの交換があったかどうかは確認できなかったという。
同事業団は昨年度、県に対して、運営を委託されている施設で器具が老朽化しており、事故の発生の可能性を指摘し、器具の交換を求めたが、認められなかったという。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20130521-OYT8T00474.htm
また、5月20日20時33分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関東学生連盟によると、加藤選手が懸垂技をしていた際、上から垂れ下がるワイヤとリングをつなぐ革製ベルトの1本が切れた。加藤選手は左腕一本でぶらさがる形となった。
順大の監督は「器具は練習からミシミシと音がするほど古くて、いつか事故が起きると思っていた。憤りを感じる」と話した。
つり輪は岩手県の所有で、約20年前から使用されていた。
事故を受け、日本体操協会は20日、つり輪を製造したメーカーに原因究明を求めた。各都道府県協会には、日本体育施設協会が目安としている耐久年数などに基づき、全ての器具の安全性を確認するよう通達した。
つり輪の劣化を防ぐための保管方法や使用方法のマニュアルをメーカーが早急に作るといい、それまでの間、3年以上使っているつり輪の使用を見合わせることも指示した。
出典URL
(ブログ者コメント)
○運動会で綱引きの綱が切れた事故を本ブログに掲載したことがあるが、用具の維持管理不備という点で、今回も根は同じような事故だ。
○安全帯のロープも同様、劣化状況などを定期的に点検しておいたほうがよさそうだ。
10月中旬、三好市の池田総合体育館の舞台で、ポールを上げ下げするための舞台装置から約10kgの重りが突然落下し、下にいた女子高校生にぶつかる事故が起きていたことがわかった。
三好市によると、この女子生徒は1年生で、事故当日は舞台にボールよけのネットを張るため、舞台の天井近くに収納されていたバトンと呼ばれるポールをおろそうと一人で舞台装置を操作していたところ、ロープに取り付けられていた重りが突然、約8m付近から落下して、下にいた女子生徒にぶつかったという。
重りは鉄製で重さが約10kgあり、女子生徒は頬の骨を折る大ケガを負った。
三好市によると、この舞台装置は天井に滑車が設置されていて、ロープを引っ張ると重りが上がり、ポールが下りてくる仕組みになっている。
事故後、三好市が装置を確認したところ、重りをロープに固定するねじが緩んでいたということで、ロープを引っ張った際に重りがはずれて落ちたとみられるという。
舞台装置は点検の法的義務はなく、この装置の点検も一度も行われていなかったということで、警察も事故の状況を詳しく調べている。
市は、「ケガをされた方の早い回復を願っています。同じ型の装置のある体育館の点検など、再発防止に努め、指定管理者にも点検を指導したい」と話している。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/tokushima/8023164461.html
2012年7月17日付の毎日新聞紙面に、下記趣旨の記事が掲載されていた。
16日午前11時25分ごろ、福山市の福山平成大学グラウンドで、同大2年の陸上部員の男子学生(19)が投げた競技用の槍(長さ2.6m、アルミ製)が、近くの女子高生(15)の左側頭部(こめかみ)に刺さった。
警察によると、女子高生は重傷だが意識はあり、命に別条はないという。
警察によると、男子学生は槍投げの練習中。
女子高生も陸上部で、高校のグラウンドが工事中で使えないため、同大のグラウンドで練習して帰宅する途中だった。
女子高生は、男子学生が槍を投げた地点から約60m先の砂場(縦約8.7m、横約16.4m)の脇を歩いていた。
男子学生は砂場に向けて槍を投げたが、それたらしい。
同大陸上部では、槍を投げる前に大声で「投げます」と叫び、周囲に知らせる決まりになっていた。
男子学生は警察に、投げる前に「投げます」と叫んだと説明している。女子高生のそばを歩いていた同級生は、その声に気付いたという。
女子高生は、槍の一部が刺さったまま病院に搬送された。
また、7月18日付で中国新聞から、グラウンドの見取図付きで、また7月17日19時23分にNHK広島からも、これまでにも「危ない」という指摘が出ていたなどといった、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同大は17日、記者会見を開き、謝罪した。
警察は業務上過失傷害の疑いも視野に、男子学生から事情を聴いている。
会見には学長ら6人が出席。「大けがをさせて申し訳ない」と頭を下げた。
大学側は施設利用面の不備を認め、今後は槍投げなど投てき競技の練習を禁じ、専用の練習施設を探すと述べた。
これまでも槍が目標の砂場をはずれるケースがあり、学生から「危ない」との指摘が出ていたため、槍投げの練習はほかの競技が終わってから行うことや、投げる前に声を出して安全確認をすることなど、独自のルールを定めてきたが、やはり不備があった、と述べた。
陸上競技部の監督が男子学生に状況を聞くと、「投げようとした瞬間に(女子高生が)見えたが、投てき寸前で止められなかった」と話したという。
ただ、大学側は今回の事故原因について「学生から十分に話を聞けておらず、確認できない」と述べるにとどまった。
出典URL
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201207180026.html
http://www.nhk.or.jp/lnews/hiroshima/4003630821.html
(ブログ者コメント)
□中国新聞の見取図を見ると、女子高生は砂場の手前20mくらいの地点から右折し、槍を投げる方向と同じ方向に歩いていた。
とすれば、右折後、10数秒程度で槍が飛んできたのだろう。
一方、男子学生の立場になれば、「投げます」と叫んだ後、呼吸を整え、投てきの準備動作に入り、投げるまでに、やはり10数秒くらいはかかるのだろう。
両者のタイミングが悪いことに重なっての事故だった気がする。
まこと、事故はヒヤリと紙一重だ。
□一方、五輪出場のディーン選手の投てき風景が、たまたまテレビで放映されていたが、目は槍を投げる先、一点を見つめていた。
ああいう状態になると、脳は槍の着地点しか認識せず、物理的な視界に通行人が入っていても、なかなか気がつかないものだ。
□危険予知はできていたのに、それを活かしきれなかった事例でもある。
事故後に考えると、ああしておけばよかった、こうするべきだったなど、多くの対策が浮かんでくるが、時すでに遅しだ。
(2013年5月21日 修正1 ;追記)
2013年5月20日16時54分にNHK広島から、投げた学生と監督が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は、男子学生が安全を十分確認せずにやりを投げていたほか、陸上部の監督を務める大学の非常勤講師も着地点に人を立たせるなど、安全対策を十分に講じていなかったとして20日、この2人を業務上過失傷害の疑いで書類送検した。
警察によると、陸上部の学生がやりなげの練習をしている場所には、女子生徒が通う高校が設置した倉庫があり、生徒たちが頻繁に出入りしていたという。
警察の調べに対し、男子学生は「着地点をもっとしっかり確認するべきだった」と話しているほか、監督は、「倉庫を別の場所に設置すべきだった」と話しているという。
一方、福山平成大学は、「再発防止のため事故のあと投てきなどの種目は別のグラウンドで練習させるなど安全対策を強化した。今後、検察庁の判断を待ちたい」とコメントしている。
警察によると、女子高校生は頭の骨を折るなどの大けがをして、現在も右手足がまひするなどの後遺症が残っているという。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/hiroshima/4004699441.html?t=1369081256540
(2014年4月24日 修正2 ;追記)
2014年4月23日11時47分に読売新聞から、罰金略式命令を受けたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
また、4月22日付で朝日新聞備後版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
福山区検は22日、やりを投げた同大学4年の男子学生(21)と、陸上部監督の男性講師(63)を業務上過失傷害罪で略式起訴し、2人が福山簡裁から罰金30万円の略式命令を受けたと発表した。命令は10日付。
起訴状などによると、やりの落下地点周辺に県立高校が利用する倉庫があったのに、男子学生は十分な安全確認を怠ってやりを投げ、女子高校生に重傷を負わせたとされる。
監督は部員に適切な指導をせず、落下地点周辺を立ち入り禁止にするなどの安全確保もせずに練習させたとされる。
同大学は、事故後、安全策として投てき種目の練習場を岡山県内の専用施設に移した。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140423-OYT1T50070.html
相模原市教育委員会は5日、同市南区内の市立中学校の体育館でバレーボールの練習をしていた同校新入生の女子生徒(12)が、胸に床板の一部が刺さるけがを負ったと発表した。
この体育館では昨夏にも同様の事故が起きていた。
市教委によると、4日午後3時ごろ、地域のチームに所属する生徒がレシーブの練習中、床に飛び込んだ際に床板のささくれ状の木片(長さ約5cm、幅約3mm、厚さ約1mm)が右胸部に刺さった。
病院で木片を取り除き、現在は快方に向かっているという。けがの程度は軽いという。
練習前には床板の剥がれに気づかなかった。
体育館は2002年に改築。
昨年7月には、同校バレーボール部の女子生徒(12)が同じように左胸に床板が刺さり、手術で摘出するけがを負って8日間入院し、現在も通院している。
市教委は前回の事故後、全市立小中学校に安全管理の徹底を通知したほか、床の老朽化した部分は張り替える措置を実施。
この体育館も床の一部を張り替え、床材がはがれかけている場所を粘着テープなどで補修。利用者が使用前にモップがけなどをして点検していたという。
そういった日常的な点検のほかに学期の前後には全教職員によって目視点検を行っていた。
3月23日に点検した際、異常は見つからなかったという。
市教委は「けがをされた生徒には大変申し訳ない。同様の事故が起き残念。原因を調査し、再発防止に努めたい」とコメントした。
市立小中学校の屋内運動場の総点検を再度行うなど対応を図るという。
市教委は、一般開放を含め同体育館の利用を続けるとしているが、学校名は公表しないとしている。
出典URL
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1204060004/
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20120405-OYT8T01336.htm
(ブログ者コメント)
この体育館の利用を続けるのなら、来館者全員に「このような事故が続いているので利用前には十分に床を点検すること」と注意喚起しなければいけない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。