2018年1月13日16時30分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
消防車の製造大手「モリタ」(兵庫県三田市)は、少ない水や海水でも十分威力を発揮する消火剤を開発した。
阪神・淡路大震災では水が確保できず、東日本大震災では津波で河川に海水が流れ込んだ。
大災害で想定外の状況に直面しても迅速に消火活動ができるように開発したという。
開発を担った坂本さん(55)は23年前、火に包まれた神戸の街で、消火栓から水が出ず、消火活動がなかなか進まない様子をテレビで見た。
「水がなかったらどうするのか考えさせられた」と振り返る。
日本では、市街地ならば消火栓があり、川の水も使える。通常は、水を集める苦労はない。
一方、欧州では、水に空気と薬剤を混ぜ、泡状にした消火剤が広く使われているという。
モリタは、少ない水でも対応できる泡消火剤の開発に乗り出した。
消火剤は河川や田畑に流れ込む可能性もあり、環境面に配慮。
水だけよりも10倍以上も効率よく火を消せる泡消火剤を完成させ、全国の消防で採用された。
ところが、東日本大震災の発生から約半月後、この泡消火剤が十分に効果を発揮しない火災があった。
現場は、津波で倒壊した宮城県気仙沼市の建物。
近くを流れる川の水を使ったところ、うまく泡が立たなかった。
海水が流れ込んでいた可能性もあり、坂本さんらは、海水でも使えるように改良に取りかかった。
気仙沼市の消防関係者に当時の状況を詳しく聞き取り、部下2人と朝から晩まで交代で実験室にこもり、人工海水に薬剤を混ぜる実験を繰り返した。
きちんと泡立つか。
金属を変色させたり腐食させたりしないか。
コストはかさまないか。
課題は山積みだった。
納得できるまで改良を重ね、試作品は400以上にもなった。
約1年後、最もよくできた試作品を持って気仙沼市を訪れた。
海辺で海水を使って試すと、淡水と同じように泡が立った。
立ち会った地元の消防関係者は、「相当有効な消火剤ができたと思った」と受け止め、13年春に発売された。
昨年4月には、零下20℃でも凍らない消火剤を開発した。
坂本さんは、「僕らの仕事は人の命がかかっている。だから慎重にもなるし、妥協もできない」。
その思いが開発チームを支えている。
出典
『震災で改良、泡の消火剤 少ない水でもOK、海水も使える 兵庫の会社開発』
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13312411.html?rm=150
※以下は、モリタ社HPに掲載されている記事。
『ミラクルフォームα+(PLUS)がさらに進化しました! 』
海水でも十分な発泡性能を確保した従来の特徴に加え、これまで-10℃までであった使用温度範囲を-20℃まで拡大しました。
CAFS消火は、ホースの軽さと消火効率の高さを利点とし、全国的に需要が拡大しています。
ミラクルフォームα+(PLUS)は、A火災用泡消火薬剤で、希釈する水は淡水でも海水でも十分な発泡性能を示します。
河川や消火栓から取水できない場合にも、海水を利用して効果的なCAFS消火を行えます。
また、従来品の-10℃~+30℃までの使用温度範囲を-20℃まで大きく拡大させたことで、寒冷地での使用に最適です。
天然成分由来の原料である界面活性剤(医薬部外品原料規格2006適合)を使用しているので、環境への影響が少ないことも特長です。
ミラクルフォームα+(PLUS)は型式を取得(泡第28~2号)した、国家検定合格品です。
次代の消火戦術に国家検定合格品のA火災用泡消火薬剤「ミラクルフォームα+(PLUS)」をお役立てください。
【水とミラクルフォームα+(PLUS)の比較】
ベニヤ板に水と泡消火薬剤を垂らす。
水は表面張力が大きく玉状になってしまいますが、泡消火薬剤は表面張力が小さいため一瞬にして板面に広がり浸透します。
更に、泡消火薬剤が浸透した板の上に水を垂らしても、水は板に浸透します。
以上のことから、ミラクルフォームα+(PLUS)は燃焼物を冷却し、再燃を防止する効果が高いことがわかります。
http://www.morita119.jp/related/parts/010.html
2018年1月14日付で伊勢新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三重県の鈴鹿市消防本部で13日、同本部提案の独自避難法「平泳ぎ避難」の検証を実施。
5つの方法による計24パターンで、所要時間や安全性について確認した。
消防職員110人が参加。
所要時間の測定や避難の様子を撮影しながら、参加者らは「多目的室からの避難」、「飽和状態からの避難」など5項目で、消灯時の状態や扉の数を減少させた状態など、細かい設定を加えながら、通常避難と平泳ぎ避難を実践しながら違いを比較した。
中でも、対面に分かれ、廊下に見立てた直線空間を互いが前方に進む「交差による避難」では、通常避難で1分50秒、平泳ぎ避難で1分13秒と、約40秒の差を実証した。
また、全ての項目で平泳ぎ避難の安全性を認識した。
参加者の1人、中央消防署西分署の消防司令補・兼丸さん(41)は、「通常避難では押しくらまんじゅう状態で危険を感じたが、平泳ぎの動作により、前との空間ができ、心理的にも恐怖感がなくなり、より安全な避難法であることを身をもって感じた。日常業務の中で市民にも広く広報していきたい」と話していた。
中西消防長は講評で、「詳細な分析としては今後になるが、条件が悪くなるほど一定の効果を実感した。データ分析とともに論文にまとめ、全国に発信していきたい」と語った。
平泳ぎ避難は、渋滞学に基づき、従来の避難行動で扉やドアなど狭くなる部分での渋滞や停滞を防止する方策として考案し、先月発表されたばかり。
平泳ぎの手の動きをすることで空間をつくり出し、混雑を緩和させながら避難する仕組み。
同本部では、検証を続けながら推奨に取り組んでいる。
出典
『鈴鹿消防 安全性高く時間短縮 「平泳ぎ避難」の効果検証 三重』
http://www.isenp.co.jp/2018/01/14/12821/
1月8日付で伊勢新聞からは、発案のきっかけなどに関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
平泳ぎ避難は、東京大学先端科学技術研究センター・西成活裕教授の渋滞学に関する理論からヒントを得て、従来の避難行動で扉やドアなど狭くなる部分での渋滞や停滞を防止するために考えられた。
渋滞学による人の混雑の定義では、「1m2の空間に、人が1.8人以上入ると混雑する」とされており、その数値を超えないように平泳ぎの手の動きをすることで空間をつくり出して、混雑を緩和しながら避難するという仕組み。
同本部によると、11月29~30日に東京都で開催した「全国消防技術者会議」の特別講演で、西成教授が「群衆運動のメカニズムと対策」について渋滞学の視点から講義。
講義を受けた市消防職員による署内での報告会で「混雑を緩和させる手段として『平泳ぎ』はどうか」との意見が出たことが、発案のきっかけという。
中西消防長は、「簡単な方法なので前例を調べたが該当するものがなく、全国でも初めての避難法になるようだ」と話す。
訓練では、避難時に両側の避難口のうち、片方で消防職員5人が事前に統一した「安全に早く避難するために、平泳ぎ避難をしましょう」と呼び掛けながら、両手を空中に広げてかき進む動作を繰り返した。
訓練後、初めての人への声掛けがどの程度理解されたかを検証し、「平泳ぎの動作は年齢を問わず理解でき、ほとんどの人が呼び掛けで平泳ぎ避難を実施した」ことから、「有効性が確認できた」という。
退出時間だけをみると、通常避難の方が約10秒早い結果となったが、その点については「通常避難側も落ち着いて行動していたことから渋滞が発生せず、スムーズな避難につながった」と分析する。
同本部から報告を受けた西成教授は、結果を踏まえ、「この方法は人口密度がかなり高い時に効いてくるので、通常の実験環境では検証は難しいかもしれないが、前方混雑で何度か止まる状況があると効果が目に見えると考える」とメールで返信。
さらに、「斬新なアイデアなので注目している」と期待を込めた。
・・・・・
出典
『<まる見えリポート>鈴鹿消防考案の避難法 「平泳ぎ避難」周知進める』
http://www.isenp.co.jp/2018/01/08/12509/
(ブログ者コメント)
渋滞学についてはいろいろな情報があるが、交通渋滞ばかりでなく製造現場の改善にもつながる学問だという記事があったので紹介する。
(2012年2月29日 日経Bizアカデミー)
『仕事の流れをつくる』 東京大学 先端科学技術研究センター教授 西成活裕さん
「イン」と「アウト」を調整すれば仕事の渋滞は解消する
「渋滞学」という新しい学問を独自に打ち立て、車、人、物資などの「流れ」の改善に果敢に取り組んでいる西成活裕さん。
この渋滞学を仕事にどのように応用できるのだろうか。
渋滞学の考え方を用いて、日々の仕事の停滞を改善する方法を伺った。
新しい案件が入ったら古い案件を減らす
Q 「渋滞学」とは、どのような学問なのですか。
一般に「渋滞」といえば車の渋滞のことを意味しますが、私が提唱している渋滞学では、「それまで流れていたものが詰まってしまう現象」全般を渋滞ととらえています。
車、人、物資にせよ、「流れ」があるところには「詰まり」が発生しがちです。
その原因を探り、詰まりを解消していこうというのが、渋滞学の根本にある考え方です。
Q どのような分野で生かされていますか。
高速道路の渋滞解消のほか、サービスエリアやトイレの混雑解消などでも大きな成果を出しています。
最近では、空港の物流ターミナルに渋滞学の理論を適用して、物資の流れをスムーズにすることに成功しました。
また、数多くの企業の業務を、流れという観点で改善してきました。
例えば、製造用資材の保管期間を短縮することで倉庫代などを大幅に下げ、約8億円に上るコストを削減したケースもあります。
Q 渋滞学は、仕事にはどのように応用できるのですか。
全ての仕事を流れとしてとらえ、流れが滞らないようにする。それが全てです。
では、流れを停滞させないためにはどうすればいいか。
「イン」と「アウト」のバランスを考えればよいのです。
仕事が忙しいということは、入ってくる案件と、終了して手を離れる案件のバランスが崩れているということです。
新たに案件が入ってきたのに、古い案件がなかなか終わらない。そんなときに渋滞が発生します。
それを解消するには、案件が1つ入る前に、必ず古い案件を1つ減らすというルールを作ればよいのです。
そのためには、新案件の発生を見込んで、古い案件をいつまでに終わらせればよいかを自分で決めることが必要です。
また、省ける仕事を極力省くことも大切です。
もう1つお薦めしたいのが、「慣性」の力を利用して流れをスムーズにすることです。
普通、1日の仕事は切りのよいところで終わりたいと思うものですが、あえて、何かをやり残した状態で終えるのです。
そうすると、次の日の仕事は、前日のやり残しを片付けるところからスタートします。
やることが決まっていて、しかも比較的簡単に終えることができる仕事から1日が始まるので、そこに慣性の力が生じ、以後の仕事が円滑に流れるというわけです。
「利他」の行動が自分の利益につながる
Q 1カ月、1年、数年といった単位で仕事の流れをつくるポイントは何でしょ
うか。
最初に考えなければならないのは、最も長い単位です。
例えば、20年後に何を達成したいかという目標を定め、そこから10年、5年、1年と、より短い期間の目標を決めます。
それによって、全ての仕事を20年後の目標に向かう1つの流れにすることができるのです。
私自身、大学の定年を迎える22年後にどうありたいかをイメージしながら、日々の仕事の流れを組み立てています。
遠くにある目標について考えるのは、とても楽しいことです。
それは自分の夢に思いを巡らしているからです。
Q これからの時代に生き生きと働くためのアドバイスをいただけますか。
「利他」の精神を大切にすることだと考えています。
自分の成果だけを求めるのではなく、同僚や部下、上司などに手柄を譲ることを考える。
他の人に任せられる仕事は、積極的に任せていく。
そうして周囲の人たちが利益を得られるような環境をつくることが、結局は自分の利益にもつながるのです。
倫理的な話をしているのではありません。
利他行動の実践が全体最適につながることは、数学的に証明されています。「進化ゲーム理論」というのがそれで、その原則は極めて単純です。
一度得をした人は、次に得をする機会を他人に譲る。勝った人は勝ち続けようと考えずに、次の勝利のチャンスを他の人に譲る。皆がこれをし合えば、全体の幸福度は最大になるのです。
逆に「自分だけ」となると、その人を含めた社会全体が駄目になってしまいます。
http://bizacademy.nikkei.co.jp/career/interview/article.aspx?id=MMACc2000027022012
2017年9月28日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7606/
(2017年11月25日 修正1 ;追記)
2017年11月21日14時28分にNHK茨城から、市が同タイプの消火栓を点検したところ49基に問題があったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
ことし9月に神栖市で火災現場近くの消火栓が腐食が進んで使えなかった問題を受けて、市が市内にある同じタイプの消火栓1500基余りを緊急に点検した結果、このうち49基で腐食や管の破損などが見つかったことがわかった。
この問題は、ことし9月、神栖市で店舗兼住宅が全焼した火事のときに、現場近くにあった「深井戸式」と呼ばれる、地下に掘った井戸から水を吸い上げる方式の消火栓が腐食して穴が開いて使えなかったもの。
これを受けて神栖市は、市内にある同じ深井戸式の消火栓1500基余りについて問題なく水が出るか、実際にポンプ車で水をくみ上げて緊急の点検を進めてきた。
その結果、このうち49基で腐食などの問題があったことがわかった。
原因として、地上の金属の部分が腐食して穴が開いていたものが21件、地中の管が破損していたものが17件、それにキャップの部分が破損して開けられなかったものが5件だった。
さらに、消火栓そのものに問題はなかったものの、ポンプ車が入れない場所にあったり、まわりがブロック塀で囲まれていて、実際の火災のときに使えないようなケースも6件あったという。
神栖市は、問題の見つかった消火栓は21日までに改修工事を終えていて、「今後は、消防団などと協議をしながら点検マニュアルを作成し、点検体制の見直しを図っていきたい」と話している。
出典
『消火栓49基が腐食や破損 神栖』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20171121/1070000863.html
(ブログ者コメント)
設備の点検や確認は、できるだけ実際に作動させて行うことが望ましい。
今回の事例でも、消火栓本体の目視点検だけで済ませていたら、ポンプ車が入れない場所にあるなどの問題点は摘出できなかったかもしれない。
2017年10月24日9時55分にNHK東海から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月23日21時21分にNHK首都圏からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
台風21号の影響で、23日夜11時頃から静岡県の熱海駅で運転を見合わせていた東京発静岡行きの東海道新幹線こだま705号の車内で、24日午前3時ごろ、乗務員らが非常食のカップケーキを乗客に配ったところ、「賞味期限が切れている」と指摘があった。
乗務員が確認したところ、賞味期限がことし8月までだったことがわかり、すぐに回収したが、配った128食のうち15食しか回収できなかったという。
これまでのところ乗客から健康被害などの届け出はないということだが、JR東海は熱海保健所に報告した。
JR東海によると、配ったカップケーキは5年間保存できるもので、賞味期限が近づけば新しいものと交換しているが、今回は一緒に配った水が賞味期限内のものだったため、非常食の期限をよく確認していなかったという。
JR東海は、今後、各駅での非常食の管理について指導を徹底するとしている。
農水省によると、賞味期限は品質が変わらずにおいしく食べられる期限のことで、色や味などに異常がなければ、期限を過ぎても食べることができるという。
出典
『新幹線客に賞味期限切れ非常食』
http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20171024/5072041.html
『JR東海 賞味期限切れパン配布』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20171023/0002520.html
10月23日20時30分に静岡新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は23日、台風21号の影響で熱海駅(熱海市)に長時間停車していた東海道新幹線こだま705号の車内で乗客に配った缶詰のパンの賞味期限が切れていたと発表した。
健康被害の報告はないという。
JR東海によると、23日午前3時ごろ、乗客に非常用に熱海駅で備蓄していたパン128食を配った。
その後に乗客から指摘を受け、乗務員が15食を回収した。
パンは5年間保存できるが、賞味期限は今年8月までだった。
出典
『新幹線で期限切れ缶詰パン配る JR東海、台風の停車中』
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/418970.html
(ブログ者コメント)
ブログ者の経験からいえば、缶詰であれば、賞味期限を2ケ月過ぎていたからといって、まったく問題はない。
報道されるほどの不具合ではないと思うのだが、非常用備品の管理不備事例としては参考になると感じたので紹介する。
2017年10月13日12時53分に山陽新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午後6時45分ごろ、瀬戸内市邑久町本庄の岡山ブルーラインで、同市消防署(同所)の消防ポンプ車からアルミ製のはしご(長さ3.2m、幅40cm、重さ20kg)が落下した。
同市消防本部などによると、後続の一般車両7台が乗り上げてパンクしたり、接触してバンパーを破損したりした。
けが人はなかった。
はしごは、取り付け金具で1カ所を固定してポンプ車上部に積んでいる。
12日日中に取り外して訓練に使った後、車に戻した際、固定が不十分だったという。
落下当時は夜間走行の訓練中だった。
市は詳しい状況を確認し、被害者への対応を検討する。
鶴海・市消防本部消防長は、「ご迷惑をお掛けし申し訳ない。固定について確実な点検を徹底し再発防止に努めたい」としている。
出典
『走行中の消防車からはしご落下 瀬戸内、後続車7台が破損』
http://www.sanyonews.jp/article/611391/1/?rct=jiken_jiko
10月13日12時46分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
市消防によると、はしごは長さ約5m、重さ約20kgで、約3mに縮めた状態で積載されていた。
走行前に、隊員が取り付け装置を確認していた。
走りだした直後、振動などが原因で落下したとみられる。
出典
『走行中、消防ポンプ車のはしご落下 後続車7台破損 岡山』
http://www.sankei.com/west/news/171013/wst1710130036-n1.html
10月13日19時10分に山陽放送からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
はしごを固定する金具の出発前の取り付け確認を怠っていた可能性が高いという。
出典
『消防車からはしご落下 後続と接触』
http://www.rsk.co.jp/news/news_local.cgi?cat=1&id=20171013_10
2017年10月8日付で河北新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月7日付で河北新報から、補足的な記事もネット配信されていた。
仙台市消防局が救急隊への指令を誤り、救急車の現場到着が遅れた問題で、市消防局は7日、市役所で記者会見し、到着遅延の事実を正式に発表するとともに、これまでの非公表を謝罪した。
指令課の男性職員(43)が、119番通報者から聞き取った住所地でなく、指令書の誤った住所地に向かうよう指示し、遅延を招いたことが明らかになった。
市消防局によると、8月31日午後9時54分、青葉区の60代女性が呼吸困難となり、家族が119番した。
家族から住所を聞いた男性職員は、指令書に出力された住所と地図の住所が違うことに気づかないまま、救急隊に地図の住所地に向かうよう指示した。
救急隊は午後10時5分に地図の住所地に着き、誤りと判明。
正しい住所地には午後10時14分に到着し、女性を収容したが、搬送先の病院で午後10時48分に死亡が確認された。
女性宅は最近転居し、指令システムには現住所が登録されていた一方、地図は旧住所のままだった。
指令システムは、区役所の住民登録情報に基づいて入力された住所と周辺地図を、指令書に反映させる仕組み。
転居などで住所が変更されても、地図の更新は2カ月に1回の点検時に合わせて行われるため、一時的に旧住所の地図のままとなるケースがあるという。
市消防局は、男性職員を厳重注意とした。
小野警防部長は、「参考情報の地図ではなく、通報者から聞き取った住所に従う原則を徹底させる。来年度に新システムが稼働する予定で、運用の改善も図る」と話した。
7日に河北新報社が報道するまで事案を公表しなかった理由については、「遺族が公表を望まなかった。今後は、個人情報を守りながら適切に公表したい」と説明した
出典
『<消防指令ミス>誤住所指示で救急車到着遅れ 幹部ら非公表を謝罪』
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201710/20171008_13007.html
『指令ミスで救急車遅れ 搬送先で患者死亡 仙台市消防局が誤った住所伝える』
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201710/20171007_13028.html
10月7日21時53分に日本経済新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
指令課員が住所を聞き取り、消防署に指令書を出したが、女性は転居したばかりで、前の住所の地図が記載されていた。
地図に従って救急隊が着いた場所は空き家で、誤りに気付いた。
女性宅への到着は、本来より約5分遅れた。
指令書を作成するシステムは、氏名や住所などを入力すれば、救急要請先を文字で表示するが、地図情報は自動更新されず、手作業で行われるため、2カ月かかることもあるという。
今回の女性患者の場合、地図情報が転居後の住所に更新されず、旧住所のままだった。
指令課員は、文字で表示された女性患者の転居後の住所でなく、地図中の旧住所から救急要請があったと思い込み、確認が不十分なまま、救急隊に旧住所へ向かうよう指示した。
消防局は、指令書の地図をうのみにせず、住所表示を優先すべきだったとしている。
出典
『指令ミスで救急車遅れる 搬送先で患者死亡、仙台市』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22033400X01C17A0CZ8000/
2017年9月20日11時58分にNHK茨城から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月7日、茨城県神栖市で店舗兼住宅が全焼した火事の際、消火栓のひとつが、金属部分の腐食が原因と見られる不具合で使えなかったことがわかった。
この消火栓は30年以上前に設置されたとみられ、消火栓を管理する市は、詳しい原因を調べるとともに、管理の方法を見直すことにしている。
不具合があったのは、神栖市の波崎地区と矢田部地区の境界にある消火栓。
消火栓を管理する神栖市によると、今月7日、近くの店舗兼住宅の火事の際に駆けつけた消防団員がこの消火栓を使おうとしたところ、水を吸い上げられなかったという。
火事は別の消火栓などを使って、およそ2時間後に消し止められ、けが人などはなかった。
この消火栓は、地下に掘った井戸とつながっていて、地上の開口部にホースをつないで水を吸い上げる「深井戸式」と呼ばれるタイプで、金属の部分が腐食していたのが不具合の原因とみられている。
消火活動の様子を目撃した近くに住む男性は、「消火栓が腐って穴が開いていて、水が上がらなかった」と話していた。
市によると、この消火栓は30年以上前に設置されたものとみられ、市内には同じタイプの古い消火栓が1500基余りあるという。
消火栓の点検は消防団に委託され、報告などは義務づけていないということで、神栖市は、「詳しい原因を調べるとともに、点検の徹底など管理の方法を見直したい」と話していた。
消火栓の管理について総務省消防庁では、「消防法では『市町村が設置し維持・管理する』と定められているが、どのように管理したり点検したりするかは、市町村が決めている」と話している。
ただ、市町村によって管理にばらつきが出てはいけないとして、消防法に基づく「消防水利に関する基準」の中で、「常に使用できるように管理されていなければならない」と定めている。
しかし、管理を怠った場合の罰則などはないという。
今回の件を受けて総務省消防庁は、神栖市に状況の確認を進めているという。
出典
『消火栓腐食か 消火に使えず』
http://www.nhk.or.jp/lnews/mito/20170920/1070000116.html
9月21日6時44分にNHK茨城からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
現場からおよそ150m離れたところにある消火栓が使えなかった。
消火栓を管理する神栖市が現場の状況などを確認した結果、消火栓は開口部のキャップが固着して開かなかったうえ、消火栓本体が腐食して穴が開いていたため、「キャップが開いても給水できなかったと考えられる」としている。
神栖市は、整備不良の原因を詳しく調べている。
出典
『消火栓のキャップ固着と腐食か』
http://www.nhk.or.jp/lnews/mito/20170921/1070000120.html
9月21日15時49分にNHK茨城からは、神栖市は同じタイプの消火栓を一斉点検するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この問題を受けて神栖市は、市内に1500基あまりある同じ「深井戸式」の消火栓について一斉点検を行い、不具合がないか確認を進めることを決めた。
点検は、市内のあわせて60の消防団に委託して行い、実際に消火栓にホースをつないで井戸の水を正常に吸い上げることができるかなどを確認することにしている。
神栖市では、早ければ今週末から一斉点検を始め、来月末ごろまでに各消防団から点検の結果を報告してもらうことにしている。
出典
『消火栓整備不良 市が一斉点検へ』
http://www.nhk.or.jp/lnews/mito/20170921/1070000123.html
9月25日18時26分にNHK茨城からは、消防庁が消火栓などの適切な維持管理を求める通知を各都道府県などに出したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月7日、神栖市で火災現場近くの消火栓が腐食が進んで穴が開いていて使えなかった問題を受けて、総務省消防庁は25日付けで、全国の各都道府県などに対して、消火栓や防火水槽の適切な維持管理を市町村や消防本部に周知するよう求める通知を出した。
この問題は、今月7日、神栖市波崎の店舗兼住宅1棟が全焼した火事で、現場からおよそ150m離れたところにあった消火栓が使えなかったもの。
この消火栓は、地下に掘った井戸から水を吸い上げる仕組みで、金属の部分がさびて腐食が進んで穴が開き、水を吸い上げられない状態だった。
問題を重く見た総務省消防庁は、25日付けで、全国の各都道府県などに、消火栓などの適切な維持管理を市町村や消防本部に周知するよう求める通知を出した。
通知では、火事のときに消火活動で使われるすべての消火栓や防火水槽について、
▽常に使える状態にあるよう、点検のための巡回監視を徹底すること
▽特に長期間にわたって使っていない設備については、速やかに点検を行うこと
▽異常が見つかった場合は、速やかに改修すること
▽点検の内容や進捗状況などを、管理できるよう記録しておくこと
を求めている。
総務省消防庁は、「不具合のある消火栓は、潜在的に全国各地にあるかもしれない。火災がいつどこで発生しても使えるように、日常的に点検してほしい」と話している。
出典
『消防庁が消火栓の適正管理を通知』
http://www.nhk.or.jp/lnews/mito/20170925/1070000162.html
(ブログ者コメント)
〇車が通る舗装道路直近の、コンクリート舗装された場所に設置された赤い消火栓。
点検し難い場所ではない。
ただ、21日放映の映像によれば、其の他の消火栓の中には、草むらに頭だけ白い目印?が出ているタイプのものもある模様。
〇同様な事例は過去にも報道されていた。
報道されない事例は他にもあったかもしれない。
2011年8月29日掲載
『[プチ昔の事例] 2011年8月11日 静岡市の住宅火災で使おうとした消火栓バルブが錆びついていて動かず』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/689/
2017年9月14日20時4分にNHK青森から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大地震が発生し被災地で石油などの燃料が不足しているという想定で、貯蔵施設から病院に燃料を運ぶ訓練が青森市で行われた。
この訓練は、被災地で長期間にわたって燃料が供給されない状態が続いた東日本大震災を教訓に、石油元売り会社でつくる石油連盟が各地で実施している取り組みで、県内で行われるのは初めて。
訓練は、「被災した青森市にある県立中央病院で暖房に使う燃料が不足している」という想定で行われ、石油連盟や県の担当者が参加した。
訓練では、貯蔵施設から燃料を運んできたタンクローリーが病院の給油口に横付けされた後、石油連盟の担当者が積まれている量の確認や消火器の準備などを行った。
そして、タンクローリーのホースを給油口とつなぎ、スムーズに給油ができるか、手順を確認しながら作業を進めていた。
県などによると、東日本大震災の被災地では、タンクローリーが駆けつけてもホースと給油口のサイズが合わなかったり、車両が大きすぎて給油口に近づけなかったりするケースもあったという。
県商工政策課の山谷総括主幹は、「こうした訓練を通じて、万が一の事態に備えたい」と話していた。
出典
『大地震想定 病院に燃料運ぶ訓練』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/6083702191.html
9月14日19時53分にNHK山形からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大規模な災害が起き、病院で燃料の備蓄が尽きかけたときを想定した訓練が山形市で行われ、関係者が大型タンクローリーを使って燃料を緊急に補給する手順を確認した。
この訓練は、石油の元売り会社でつくる石油連盟と県が初めて県立中央病院で行い、病院や県の関係者など20人余りが参加した。
訓練は、東日本大震災規模の大地震が起き、病院の燃料の備蓄が尽きかけたという想定で、緊急で燃料を供給するために石油連盟が手配した大型タンクローリーが敷地内に入ってくると、病院の担当者が重油タンクのある場所まで誘導した。
そして、給油口の大きさや残りの重油の量などを説明し、石油連盟の担当者はホースをタンクに接続して、供給する手順を確認していた。
県立中央病院では、院内の冷暖房や発電に使う重油を地元の下売り業者と契約しているが、大災害が発生して燃料が地元で確保できない時は、石油連盟から燃料を供給してもらうことになっている。
県立中央病院の松澤課長補佐は、「多くの患者がいて運営を止めることができないので、重油を提供してもらえるのはありがたく、一連の流れが確認できてよかったです」と話していた。
出典
『災害に備え病院で給油訓練』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/6023822441.html
(ブログ者コメント)
〇この取り組みは、石油連盟と各都道府県が個別に協定を結んで
実施している模様。
以下は熊本県との締結が報じられた記事。
(2017年1月21日付 毎日新聞熊本版)
県と石油連盟(東京都)は20日、災害時に病院などの重要施設への燃料供給を円滑に進めるための覚書を締結した。
熊本地震で燃料不足が起きたことを受け、県側から連盟に要請した。
石油連盟は石油精製・元売り大手13社でつくる団体。
県によると、災害拠点病院や官公庁、警察、消防などの重要施設のタンクの位置、必要な燃料の種類、タンクローリーの進入の可否、給油口の形状などの情報を連盟と共有。
災害時、県の要請を受けた連盟が円滑に燃料を供給できるようにする。
熊本地震では各地で停電が発生し、復興の拠点となる役場で非常用電源に必要な燃料が不足する事態が起きた。
出典
『県・石油連盟 覚書を締結 病院など重要施設、災害時に燃料優先 /熊本』
http://mainichi.jp/articles/20170121/ddl/k43/010/364000c
〇映像を見ると、青森市の訓練ではアダプターを介してタンク給油口と接続していたが、山形市の訓練では直接接続していた。
2017年7月16日に掲載した第2報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正3として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7349/
(2017年9月12日 修正3 ;追記)
2017年9月5日13時0分に産経新聞westから、日田市での活動状況に関する、やや詳しい情報が下記趣旨でネット配信されていた。
身をくねらせ被災地をゆく赤いボディー 1台1億1千万円。
散乱するがれきや浸水地域を越えて、一刻も早く被災者へたどり着きたい-。
ファインダーの向こうで、真っ赤なボディーのキャタピラー車が身をくねらせ、道路をふさぐ土砂やがれきを乗り越えていく。
東日本大震災をきっかけに消防庁が購入。
平成25年、南海トラフ地震の被害が想定される、愛知県岡崎市消防本部へ配備された。
軍用車両などを製造するシンガポールの「STキネティックス」が製造。
日本では、消防車の開発や製造を行う「モリタ」が販売し、価格は1億1千万円という。
ゴム製のキャタピラーで走行し、60cmの段差を乗り越え、26.6°の斜面を登ることができる。
定員は前部が4人で後部が6人。
長さ8.72m、幅2.26m。
最高時速は50kmで、水深約1.2mまで走行可能だ。
初出動となったのは、7月の九州豪雨で大きな被害を受けた大分県日田市。
「『ついに来た』という感じ。初めての現場は緊張感がありました」。岡崎消防本部の河合主査(36)は振り返る。
日田市で活動する「レッドサラマンダー」は、土砂で覆われた道路をキャタピラーで乗り越え、孤立した集落へ救援に向かった。
現地では、佐賀や大分などの消防隊とチームを組んで活動した。
当初は実績ゼロのため、隊列の最後尾を走らざるをえなかった。
しかし、孤立集落への出動時、他の車両が立ち往生する過酷な現場で、全地形対応の真価を発揮する。
「『行かせてくれ』と手を挙げました。行かないと、そこが限界になってしまう」と河合さん。
失敗できないプレッシャーの下で悪路を走破し、その実力を証明する。
「ここを乗り越えたのが、現場での印象を変えたターニングポイントだった」といい、次の出動からは、隊の先陣を切るようになる。
宮碕消防指令補(40)は、「あくまで人命救助のひとつの方法」と、控えめにいう。
多くの被災者を救うためには、選択肢は多い方がいい。
しかし、レッドサラマンダーの九州での活躍は、大きな実績となったに違いない。
レッドサラマンダーのナンバープレートに刻まれるのは「33」。
キャタピラーが切り拓(ひら)く未来は、燦々(さんさん)と輝くものであってほしい。
出典
『日本に1台しかない「レッドサラマンダー」のすべて 九州豪雨で初出動 過酷な現場で真価、土砂・瓦礫乗り越え被災者救助』
http://www.sankei.com/west/news/170905/wst1709050041-n1.html
2017年9月2日14時27分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
消火活動中の消防隊員の熱中症を防ごうと、大阪市立大学の研究チームが、身体に装着して利用する端末「ウェアラブルコンピューター」を消防服内に埋め込むことで、熱中症に関わる体の中心部の温度変化を予測することに成功した。
チームは、「隊員自らのほか、周囲への警告に生かせる」としており、今後、詳細な実証実験を重ね、早期の実用化を目指すという。
チームは、大阪市立大工学部の高橋秀也教授と都市健康・スポーツ研究センターの岡崎和伸准教授の研究グループ。
名刺サイズのウェアラブルコンピューター(縦9.5cm、横6cm)を消防服内に埋め込み、本来は計測できない身体の深部温度を、衣服内の温度から計算式を用いて割り出すことに成功した。
8月には、大阪市消防局の20~50代の隊員8人を集め、実証実験を実施。
端末を埋め込んだ消防服を着用してランニングマシンを歩いてもらい、予測値と実測値を比較したところ、ほとんど差がないことが判明した。
消防隊員を炎から守る消防服は、耐熱性に優れる半面、発汗などによる熱を逃しにくく、夏場はもとより、気温の低い冬場でも熱中症が起きることはあるとされ、常に警戒が必要な状況だという。
深部温度が39.5℃を上回ると脳機能障害などを起こす恐れもあり、活動中の隊員らの同温度の測定は課題とされてきた。
チームは、熱中症発症の予測・警告を端末で客観的に示すことができると判断しており、近い将来、予測値が危険域に迫れば、発光したり、警告音が鳴ったりするような消防服の開発が進められる可能性があるとしている。
今後、チームは、火災現場を模した状況でも同様に深部温度の予測が可能かの実験も重ねていく。
高橋教授は、「自分だけではなく、周囲の隊員も異常に気づくことができる。重装備で現場を駆け回る隊員の任務は想像以上に過酷で、研究を進め、隊員の熱中症ゼロにつなげたい」としている。
【消火中に搬送、急がれる対策】
消火活動中の熱中症対策は急務といえるが、事前の予測は難しく、消防隊員が搬送されるケースは各地で後を絶たない。
大阪市消防局によると、活動中の消防隊員による熱中症は、平成27年と28年はいずれも2件だったが、今年は8月時点で5件発生。
症状が軽いため隊員が申告をしていないケースもあると考えられ、実際はもっと多いとみられる。
東京の築地場外市場内で8月に発生した大規模火災では、隊員1人が熱中症とみられる症状を呈した。
堺市で7月、民家が全焼し家族4人が搬送された火災でも、隊員が熱中症で搬送されている。
こうした状況に、大阪市消防局では、隊員にこまめに水分補給するよう求めたり、保冷剤を準備したりしているが、関係者は「消火活動の状況によって(隊員の)負担が左右されることもあり、熱中症の予測は困難だ」と訴える。
総務省消防庁は6月、全国の消防関係者に向け、熱中症対策の徹底を要望。
活動が長期にわたる場合は、塩分摂取に配慮するほか、服の前面を開けたり、防火帽を脱いだりするなどして、衣服に蓄積された熱を放出させることを求めている。
出典
『消防隊員の熱中症を防げ 衣服埋め込み「ウェアラブルコンピューター」でリスク警告…大阪市大チームが研究』
http://www.sankei.com/west/news/170902/wst1709020047-n1.html
(ブログ者コメント)
以下は、2017年8月28日付で大阪市立大HPに掲載されていた記事中の序文。
・・・・・
大阪市消防局の協力のもと、消防服内にウェアラブルコンピュータを装着し活動中の消防隊員の衣服内温度を測定することで、深部体温を予測する実証実験を行いました。
その結果、衣服内温度により深部体温を予測できることを確認しました。
衣服内温度を監視することにより、熱中症の予知や警告が可能になります。
この実験は、本学が今年6月に大阪市消防局と締結した「消防隊員のヘルスケア等の研究開発に係る連携に関する申合せ」に基づき実施されたものです。
・・・・・
『熱中症の予知・警告を可能に! 大阪市消防局協力のもと ウェアラブルコンピュータによる 衣服内温度の測定から深部体温の予測を実証』
https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2017/170828-2
2017年8月14日10時27分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大規模地震などに伴うコンビナート災害で人が近づけない場所の消火活動が課題となる中、総務省消防庁は「消防ロボット」の研究開発を進めている。
臨海部にコンビナートを抱える三重県四日市市消防本部も研究を後押しするために、今秋、ロボットの実用化に向けた評価試験をコンビナート事業所で実施する。
コンビナート災害では、ガスタンクの爆発など、危険な事故もある。
近くで消火活動をすると人命にかかわる場合があるため、消防庁は2014年度からロボットを活用した消防システムを研究し、試作機を開発してきた。
市消防本部には既に、コンビナート災害に即応する大型放水砲車なども配備されており、試作機が配備車両と連携して現場で機能するかどうかを検証する。
試作機は、
▽実際に放水するロボット(放水射程=70m、放水量=毎分4000ℓ)
▽300m離れた地点までホースを延長するロボット
▽上空から火災の状況を監視するロボット
▽地上で偵察するロボット
の計4台。
市消防本部は9月まで試作機の操作を訓練し、10月上旬に昭和四日市石油四日市製油所のタンクヤードで評価試験を行う予定。
消防庁は試験結果を踏まえ、試作機を改良して18年度にロボットを完成させ、19年度に四日市市などに配備する方針だ。
出典
『消防ロボット コンビナートで評価試験へ 三重・四日市』
https://mainichi.jp/articles/20170814/k00/00e/040/141000c
2017年8月6日17時17分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県君津市の消防団が、深刻な運営資金不足に陥っている。
これまでは、市が団員の報酬をまとめて消防団分団に支払い、それを運転資金にしてきた。
ところが、給与や税の手続きに使われるマイナンバー制度の導入に合わせて、今年度から団員に直接支払うようにしたためだ。
他の自治体でも同様の事例があり、後継者不足のなか、難しい問題になっている。
昨年12月にあった市消防委員会。
報酬の支払い方法の変更を前に、消防団員らから懸念の声が相次いだ。
ある消防団長は、「活動費がないからといって、団員にお金を出してくれとは言いづらい。団員の意気込みが損なわれるのが一番怖い」。
委員の一人は、「一度、個人口座に入ると、奥さんが握ってしまう。また返すと消防団のイメージが悪くなる。今の時代、こんなことをしていると、団員の後継者が出てこない」と嘆いた。
消防団員は、普段は会社員や自営業者として働きながら、火災時に現場に駆けつける特別職の地方公務員。
君津市のような、農山間部が多く面積の広い市にとっては、なくてはならない存在だ。
43分団883人が、災害の際の河川の点検、安否確認も行っている。
市は昨年度まで、年2万1千円の報酬、年6千円の打ち切りの出動手当を各分団にまとめて拠出していた。
多くの分団がこれをプールして、市から出る運営交付金数万円を加えて運営資金にしてきたという。
現職の消防団長に聞くと、ホースなど備品の修理だけで、昨年は50万円ほどかかった。
出動すれば、冬にはカップラーメン、夏はペットボトル入りの飲み物を配る。
忘年会の補助に使ったこともあるという。
「幹部が自腹を切る場合も多いが、グレーな使い方なのは否めない」としつつ、「報酬が少ない中でこうして運営し、士気を上げてきたのも事実」と、「個人払い」への変更に頭を抱える。
市はこうした実態を踏まえて、1分団当たり一律20万円の補助を含む運営交付金845万円を、6月市議会で可決された一般会計補正予算案に盛り込んだ。
ただ、消防団長は「全然足りない。分団の幹部が自分の報酬などを団に入れる形にするところが多いと聞いている。うちもそうするしかない」とこぼす。
そもそも、消防団員の報酬の扱いや額は、自治体によって異なる。
県の2016年度消防防災年報によると、報酬年額は1万6千円~5万円、火災の出動手当は1回0円~7千円と千差万別だ。
分団に人数分をまとめて渡す自治体がある一方で、独自に運営費を補助する自治体もある。
君津市の近隣では、袖ヶ浦市が昨年から個人渡しにする一方で、分団に年130万円を補助。
木更津市は分団にまとめて渡し、補助はない。
「報酬は分団を通じて個人に渡っているはず」という。
団員のなり手が減る中、団を存続する上で、運営費や報酬の扱いは喫緊の課題になっている。
君津市消防本部の小泉・消防総務課長は、「備品整備などは相談して欲しい」とした上で、財政難に直面する団の運営について「消防団側とも話し合っていきたい」としている。
出典
『マイナンバー導入、消防団ピンチに 報酬をプールできず』
http://www.asahi.com/articles/ASK7J6JQLK7JUDCB028.html
(ブログ者コメント)
団員の方々は訓練や行事などに休日返上で取り組まれていることと思うが、それが年間数万円の報酬だったとは・・・。
それも、ほとんどが運営費に消えている由。
今回の記事を読み、ボランティア精神に頼るだけでは、団の維持管理はますます難しくなりそうな気がした。
2017年7月28日20時5分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
室蘭市消防本部は、消防車が出動する際、来月・8月1日から、火事に対応する出動とそれ以外の出動を区別できるよう、サイレンの音を変えることになった。
室蘭市の消防車のサイレンは、8月から音を聞けば、火事かそれ以外の出動かを区別できるようになる。
具体的には、火事の出動の際は鐘の音が入る。
一方、火事以外の出動の際は鐘の音は入らない。
室蘭市の消防車の出動は去年1年間に717件で、このうち火事での出動は4.6%だった。
火事以外の出動が多くなっているが、これは救急車を消防隊がバックアップするような出動が多いということだ。
取材したこの日、救急車の出動要請は立て続けに3件入った。
その結果、一時、3台の救急車すべてが出払ってしまった。
次に救急対応が必要な場合に出動するのは消防車。
救急車が到着するまでの間、消防隊員が救命措置などに当たるためだ。
このとき、問題になっていたのが、このサイレンだった。
サイレンだけでは、火事か、火事以外の出動かは区別できないため、こうした状況では「どこで火事が起きたのか」と住民から問い合わせがよせられ、業務に支障が起きかねない状況になっていたのだ。
室蘭市消防本部の佐藤警防課長は、「サイレンを変更することにより、問い合わせも減るのではないかと期待しています」と話す。
このサイレンの変更は、旭川市や函館市、小樽市などでは、室蘭市と同じように、鐘の音がついたら火事、鐘の音がない場合はそれ以外の出動と、すでに使いわけている。
また、室蘭市のとなりの登別市でも、来月1日から同じようにサイレンを使い分ける。
室蘭市の消防は、通報以外の火事の問い合わせは、なるべくメールサービスや自動音声による電話案内サービスを活用して欲しいと話している。
出典
『室蘭 消防車のサイレン変更』
http://www.nhk.or.jp/sapporo-news/20170728/5313461.html
(ブログ者コメント)
この鳴り分けは全国的に行われているらしく、ざっと調べただけで、以下で同じ対応をしていた。
茨城県高萩市
新潟県糸魚川市、十日町市
富山県黒部市
群馬県沼田市
2017年7月26日19時28分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月26日21時7分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
第5管区海上保安本部(神戸)は26日、テロ対策に当たる特殊警備隊の男性隊員(25)が今月12日、大阪府内の訓練施設で訓練中に熱中症となり、26日午前に死亡したと発表した。
5管は大阪府警に通報した。
特殊部隊であることを理由に、施設の場所や氏名は非公開としている。
5管本部によると、隊員は12日午後1時ごろ、大阪府内の施設で始まった約30人による負傷者搬送訓練に参加。
約1時間後、安全管理をする警戒隊員が動きが緩慢になっていると気付き、応急処置をしたが、意識混濁状態になったという。
隊員は病院に運ばれたが、26日午前7時35分ごろ、意識が戻らないまま死亡した。
訓練時は気温31℃、湿度78%だった。
訓練前に体調不良などは訴えておらず、水分補給もしていたという。
5管は、特殊警備隊の発足後、隊員が死亡したケースは初めてで、当面、今回と同様の負傷者搬送訓練を中止するとしている。
5管の石井本部長は、「心よりご冥福をお祈りする。重く受け止め、事故原因を究明する」とのコメントを出した。
大阪府警捜査1課は、業務上過失致死の疑いがあるかなど詳しい状況を調べる。
出典
『熱中症でテロ対策の海保特殊隊員死亡 大阪の施設で訓練中』
http://www.sankei.com/west/news/170726/wst1707260076-n1.html
『熱中症 5管海保隊員が死亡 施設で訓練中』
https://mainichi.jp/articles/20170727/k00/00m/040/084000c
7月26日19時28分にNHK関西からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
特殊警備隊は海上でのテロなどに対応する特殊部隊で、訓練の開始から1時間ほどたったときに男性隊員の意識が朦朧としているのに、ほかの隊員が気づいたという。
男性隊員は水分補給をしても症状が回復せず、仲間の隊員たちが病院に連れて行ったが、症状が重すぎて対応が困難だと言われ、救急車を呼んで別の病院に搬送したという。
隊員の具合が悪いのに気づいてから2時間近くが経っていたということで、海上保安本部や事故の連絡を受けた大阪府警は、訓練中の熱中症対策や対応に問題がなかったか調べている。
出典
『訓練中に熱中症 海保隊員死亡』
http://www.nhk.or.jp/kansai-news/20170726/5508441.html
7月27日付で朝日新聞(聞蔵)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この訓練では、別の男性隊員も軽度の熱中症になったという。
(2017年12月28日 修正1 ;追記)
2017年12月26日19時22分にNHK関西から、熱中症の症状に応じた対応が定められていなかったなどとする報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
海上保安庁は、熱中症に関する知識が十分にないまま体に負担がかかる訓練を急に行ったことなどが原因だった可能性があるという報告書を公表した。
それによると、隊員は3か月前に特殊警備隊に配属されたばかりで、当時は防弾チョッキなど重さ17kgの装備を着て、暑さに耐えながらけが人を救出する訓練を行っていた。
およそ1時間後に熱中症の症状を訴えたが、これについては、部隊が熱中症に関する知識を十分に得ないまま体に負荷がかかる訓練を急に行ったことが原因だった可能性があるとしている。
さらに、隊員の症状が重く、部隊が連れて行った病院では十分な治療が受けられず別の病院に搬送されたが、報告書では、熱中症の場合にどの病院に連れて行くかなど、症状に応じた対応が具体的に定められていなかったと指摘している。
海上保安庁は、訓練を行う際には救急救命士を配置することや、隊員向けに熱中症に関する講習会を開くなどして再発防止に努めるとしている。
出典
『海保訓練中に熱中症死亡で報告書』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20171226/3940561.html
12月26日19時14分に毎日新聞からは、呼びかけに大丈夫と答えていたため対処が遅れたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書によると、事故は7月12日午後、第5管区海上保安本部(神戸)が、テロ対応部隊への配属の適性を判断するために実施していた訓練中に発生。
隊員たちはヘルメット、防毒マスク、防弾チョッキを装着し、負傷者を2人1組で搬送する訓練を受けていた。
男性と組んだ隊員が体調を崩し、安全管理者がこの隊員にホースで水をかけていた中、男性が倒れ、呼び掛けに「大丈夫です」と回答したため、対処が遅くなった。
意識がもうろうとなり、搬送先の病院で7月26日に死亡した。
天候は曇りで気温は31℃だった。
報告書は、暑さに慣れさせるのに必要な事前の訓練が不足していたほか、男性が頑張りすぎる傾向があることが安全管理者間で共有されていなかったと指摘した。
男性は2014年4月に海上保安庁に入り、巡視艇勤務を経て、17年4月に5管の特殊警備基地に配属されていた。
大阪府警捜査1課が、業務上過失致死の疑いがあるかを調べている。
出典
『海保隊員死亡 暑さへの適応訓練不足が原因』
https://mainichi.jp/articles/20171227/k00/00m/040/060000c
2017年7月24日19時14分にNHK東海から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月25日付で朝日新聞三河版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
24日午前7時半ごろ、西尾市行用町の市道で、西尾市消防署一色分署の救急隊員が、救急車から降りようと助手席のドアを約40cm開けたところ、後ろから走ってきた自転車がドアと接触し、自転車に乗っていた34歳の男性が転倒して鎖骨を折るなどのけがをした。
西尾市消防本部によると、事故は救急要請を受けた救急車が、現場に到着した直後に起きたということで、急病の患者は10分ほど遅れてこの救急車で病院に搬送されたが、影響はなかったという。
また、自転車の男性については、別の救急車を新たに呼んで病院に搬送したという。
西尾市消防本部の太田消防長は会見で、「市民の生命を守るべき救急隊員が事故を起こし、誠に申し訳ありませんでした」と陳謝した上で、「安全管理の徹底を図り、再発防止に努めたい」と述べた。
出典
『救急車ドアに自転車接触1人けが』
http://www.nhk.or.jp/tokai-news/20170724/5440931.html
7月24日17時39分に中京テレビからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
西尾市消防本部によると、24日午前7時20分ごろ、西尾市行用町で、脳血管障害の疑いの患者を救急搬送するため救急車を患者の自宅前に止めドアを開けたところ、後ろから来た自転車と接触した。
そのはずみで自転車は転倒、男性(34)が鎖骨を折るなどの重傷。
この事故で患者の搬送が10分ほど遅れたが、命に別条はないという。
出典
『救急車のドア接触、自転車の男性重傷 西尾 (愛知県)』
http://www.rnb.co.jp/nnn/news86235616.html
(ブログ者コメント)
緊急車両とはいえ、ドアを開ける際は後方確認が必要なことは言うまでもない。
一方、自転車の男性については、救急車が前方の道路で停まったのを見て、すぐにドアが開くかもしれないなど、危険予知しなかったのだろうか?
2017年7月13日20時19分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
海や川でレジャーを楽しむ人が増える夏、水の事故が起きやすくなる。
こうした中、釧路市消防本部は、水難救助の安全性や効率を高める新たな装備を導入した。
捜索に携わる潜水士みずからが開発した、この装備を取材した。
新たに開発されたのは、潜水士が海中で活動する時に、お互いが離ればなれにならないように持つ検索ロープ。
最大の特長は光ること。
600個のLED電球があり、2本の電池で2時間以上、明るさを保つことができる。
このロープは、釧路市消防本部の潜水士、堂下さんが、同僚7人とともに開発にあたった。
堂下さんたちが活動する釧路近郊の海はプランクトンが多く、水の濁りが強いため視界が利かず、(救難活動の半数を占める)夜間は、さらに負担が増すという。
堂下さんは、「目をつぶっているような状況で活動しているのと一緒なので、不安や恐怖心と闘いながら捜索している。そんな時にパニックにならないように開発した」と話している。
ロープはステンレス製のワイヤーを使って補強し、電源がある部分とロープの間にはパテを塗り込んで防水性を確保している。
すべて手作りで、1本およそ7000円で制作した。
(今まで、海中でロープの所在を確認するためには ライトで照らすしかなかった。通常のロープは、照らされた部分しか見えない。)
しかし光るロープは、海中でライトがなくてもはっきりと確認でき、若手の潜水士も「とても使いやすく、捜索活動に力を入れることができるようになった」と話している。
このロープは、消防職員でつくる全国消防協会で表彰され、作り方などをまとめた資料は全国の消防本部に配布された。
堂下さんは、「隊員が安心して活動できることがうれしい。自分たちで開発したロープが全国に普及していくことがあれば、非常にうれしく思います」と話している。
出典
『釧路 潜水士開発「光るロープ」』
http://www.nhk.or.jp/sapporo-news/20170713/5045281.html
(ブログ者コメント)
カッコ内の細字は音声のみの情報。
2017年6月7日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7190/
(2017年7月16日 修正1 ;追記)
2017年7月7日付で毎日新聞愛知版から、九州北部豪雨対応で日田市に初派遣されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月6日12時56分にNHK東海からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
九州北部の記録的な大雨で、岡崎市消防本部に全国で唯一配備されている全地形対応の消防車両(レッドサラマンダー)が5日夜、専用のトラックに積まれて大分県に向けて出動した。
2013年3月の配備以降、総務省消防庁の出動要請を受けての本格的な出動は初めて。
出典
『九州豪雨 レッドサラマンダー出動 岡崎消防から大分へ /愛知』
http://mainichi.jp/articles/20170707/ddl/k23/040/166000c
『水陸両用特殊車両が救助活動へ』
http://www.nhk.or.jp/tokai-news/20170706/4914611.html
7月8日10時19分に読売新聞からは、日田市で救助活動に入ったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「レッドサラマンダー」は7日、甚大な被害が発生している大分県日田市で活動を開始した。
多くの住民の安否が分からなくなっているとされる上宮、鶴城2地区へ入り、家々を訪ねて安否確認などにあたった。
この日は逃げ遅れた人などは発見できなかった。
岡崎市からの派遣隊員は16人。
このうち4人が、佐賀県、名古屋市の派遣隊員らとともにレッドサラマンダーに乗り、各地からの消防隊の集結基地となっている日田市総合体育館を、この日午前6時過ぎに出発。
約150人と連絡が取れず、孤立している両地区を目指した。
途中の道路は土砂崩れなどで寸断されていたが、無限軌道で乗り越えるなど、期待された能力を発揮している。
ただ、土砂の上に倒れた電柱を越えられず、引き返す場面もあったという。
出典
『九州豪雨、「レッドサラマンダー」が活動開始』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170707-OYT1T50128.html
7月13日8時41分に産経新聞westからは、任務を終え13日に帰還したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「レッドサラマンダー」が任務を終え、13日、岡崎市に帰還した。
出典
『「レッドサラマンダー」が帰還…初の災害現場での活動終え』
http://www.sankei.com/west/news/170713/wst1707130032-n1.html
(ブログ者コメント)
九州北部豪雨に関し、本ブログでは、これまでJR久大線の鉄橋流出原因だけを紹介している。
(2017年7月21日 修正2 ;追記)
2017年7月20日付で中日新聞から、レッドサラマンダーの今後の課題が見えてきたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州北部の豪雨災害に伴い、現地へ派遣された岡崎市消防本部の全地形対応消防車両「レッドサラマンダー」。
災害現場での初めての出動を終えたが、遠方への派遣で生じる移動時間の問題など、課題も見えてきた。
走行用ベルトを備えたレッドサラマンダーは、通常の消防車両が通れない悪路でも走行できるのが最大の特徴。
土砂崩れなどで壊滅状態となった現場に派遣され、負傷者の生死が分かれる災害初期での活躍が期待されている。
そのため、現場にいかに早くたどり着き、活動を始められるかが問われる。
今回は、5日午後9時20分に消防庁から派遣要請があり、10時55分に岡崎市を出発した。
現地で活動した同本部消防課の半田副課長(53)は、大雨が降り始めた5日のうちに消防庁から派遣要請があったため「今回は、時間のロスがない状態で出動できた」。
ただ、現場が遠方の九州だったため、目的地の大分県日田市に到着したのは、約20時間後の6日午後6時40分。
孤立集落の安否確認の作業は7日朝からとなり、活動は8日いっぱいまで。
現場復旧が進んだ9日以降は、出番がなかった。
即応性をいかに高めるか。
レッドサラマンダーの配備を決める消防庁の広域応援室の担当者は、「車両の数を増やし、全国各地に配備した方が良いという声もある」と指摘。
一方で、価格が一台一億円以上で、維持費もかかるため、「費用対効果も考慮しなくてはならない」と悩ましげだ。
平時の訓練に加え、運転には大型特殊免許を取得する必要があり、全国的な配備となると、現場の隊員への負担も大きい。
担当者は、「今回の出動を踏まえ、聞き取りをした上で、配備のあり方を検証していく」と述べた。
また、二次災害の恐れがある災害の初期段階では、隊員らの安全を確保しつつ、車両を素早く投入する判断も必要となる。
同本部の大竹消防長(60)は、被害実態の把握から出動決定、現地での活動開始に至るまでの判断をより早くする「ソフト面での仕組みづくりが喫緊の課題だ」と話した。
出典
『レッドサラマンダー、見えてきた課題 九州豪雨で災害現場初出動』
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20170720/CK2017072002000049.html?ref=hourly
2017年7月3日21時33分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午後0時50分ごろ、大津市大石東1丁目の瀬田川で、水難救助訓練をしていた城陽市消防本部消防署警防課係長の男性(37)が流された。
約40分後、現場から約3km下流でうつぶせで浮いているところを救助要請を受けた大津市消防局に救助されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。
警察などによると、男性は川で流された人を救助する訓練のため、ロープを対岸に渡すため一人で川に入ったが、対岸にたどり着く手前で断念し、引き返す途中で流された。
救命胴衣を着用し、他の隊員が命綱を持っていたが、何人が持っていたかや、なぜ流されたかは「調査中」という。
訓練現場は鹿跳橋の上流約100mで、川幅は40~50m。
所々で急流となっており、ラフティングなどのコースにもなっている。
国交省琵琶湖河川事務所によると、上流の瀬田川洗堰(あらいぜき)では、ここ数日の雨のため、6月30日から放流量を毎秒15トンから150トンに増やしていた。
訓練には、城陽市消防本部の消防士10人が参加していた。
同様の訓練は毎年実施しているが、瀬田川は初めてだったという。
男性は訓練の指導者だった。
同消防本部の角馨消防長(59)は、「救助のスペシャリストで訓練に精通していた。優秀な隊員を失い、非常に落胆している。事故を検証し、安全管理の徹底に努めたい」と話した。
出典
『消防隊員、訓練中に流され死亡 大津の瀬田川』
http://www.kyoto-np.co.jp/shiga/article/20170703000164
7月3日21時39分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、男性は幅40~50mの川で、東側の岸から西側にロープを架ける作業中だった。
救命胴衣を着て川の中を約20m進んだが、流れが急で引き返そうとしたが、岩で身動きが取れなくなったという。
同消防本部によると、訓練には他に9人が参加していた。
出典
『城陽市消防隊員流され死亡 大津・瀬田川で訓練中』
http://www.sankei.com/west/news/170703/wst1707030090-n1.html
2017年6月21日20時2分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月21日20時47分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
21日午前9時20分ごろ、千歳市にある自衛隊の北海道大演習場で、90式戦車が訓練中に横転し裏返しになる事故が起きた。
当時、戦車内には4人の隊員が乗っていたが、このうち「車長」と呼ばれ、戦車の砲塔の部分に乗っていた30代の2等陸曹の男性が、戦車と地面の間に挟まれて心肺停止となった。
隊員は病院に搬送されたが、午前11時すぎに死亡が確認された。
戦車内に乗っていた他の3人にケガはなかった。
自衛隊によると、横転した90式戦車は南恵庭駐屯地にある第7師団第73戦車連隊に所属していて、21日は20両程度が参加し、敵味方に分かれて訓練を行い、戦車は走行中に横転したという。
自衛隊では、どれくらいの速度が出ていたかなど、当時の状況について調べを進めている。
出典
『演習場で戦車横転 男性隊員死亡』
http://www.nhk.or.jp/sapporo-news/20170621/4475821.html
『陸自戦車横転、30代の隊員死亡 北海道、訓練中下敷きに』
https://this.kiji.is/250225303837214199?c=39546741839462401
6月21日23時0分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
死亡した2等陸曹は、戦車の上部から上半身を出して指揮する役割だったという。
出典
『戦車が横転、陸自隊員1人死亡 北海道の演習場で訓練中』
http://www.asahi.com/articles/ASK6P6F36K6PIIPE01X.html
6月22日1時52分に北海道新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
陸自北部方面総監部(札幌)によると、戦車はレーザー光線を使った戦闘訓練で走行中だった。
2等陸曹は、砲弾を発射する砲身に近い「車長席」という部分に乗っていた。
戦況などを確認するため、車長席では上半身を車外に出して乗車することもあるが、事故時の状況は不明。
出典
『陸自戦車横転、下敷きの30代隊員死亡 千歳で訓練中』
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0412976.html
(ブログ者コメント)
NHKの資料映像によると、こういった訓練では、かなりのスピードで走っている戦車が、相手に照準を合わせたまま砲台を動かしたり、あるいは戦車自体がさほどスピードを緩めずに方向転換するなどしている模様。
(2017年10月13日 修正1 ;追記)
2017年10月12日0時10分に毎日新聞から、見通しが効かない中、十分に減速せず下りカーブを曲がろうとしたことが原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月12日8時15分にNHK北海道からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
北海道大演習場千歳・恵庭地区(千歳市、恵庭市)で6月に訓練中の戦車が横転し、2等陸曹だった車長の男性(当時38歳)が全身を強打して亡くなった事故で、陸上自衛隊北部方面総監部(札幌市)は11日、調査結果を公表した。
他の戦車が巻き上げた砂ぼこりで見通しがきかない中、十分に減速をせずに曲がろうとしたのが原因としている。
総監部によると、事故を起こした戦車は、敵味方に分かれての戦闘訓練でコンクリート舗装された道路を走行中、脇のくぼみに落ちて裏返しとなった。
当時は、前の戦車が巻き上げた砂ぼこりで周囲がほぼ何も見えない状況で、緩やかな右カーブの下り坂にさしかかった際に減速が不十分だったうえ、右側に曲がり過ぎて車体が道路脇約4.3m下に滑り落ち、横転したという。
視界不良は訓練中止を必要とするほどでなく、車両にも問題はなかったとしている。
また、死亡した隊員は砲塔と呼ばれる部分から上半身を外に出して指示していたが、車内にいる操縦手らとの連携不足も操縦ミスにつながったとしている。
田浦総監は、「今回の調査結果を踏まえ、二度と同様の事故を起こさないように万全を期す」とコメントした。
出典
『陸自 減速不十分で戦車横転 北部方面総監部が調査結果』
https://mainichi.jp/articles/20171012/k00/00m/040/146000c
『“戦車死亡事故は操縦ミス”』
http://www.nhk.or.jp/sapporo-news/20171012/4715181.html
2017年6月18日付で毎日新聞宮城版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月16日9時34分にNHK東北からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
塩釜地区消防本部は16日、多賀城消防署の男性署員(55)が機材の救助マットを点検中に同署2階ベランダから転落し、頭の骨を折って意識不明の重体となったと発表した。
署員はヘルメットなどを着けておらず、同本部の柴次長は記者会見で、「安全管理が行き届いていなかった。指導を徹底する」と話した。
同本部によると、15日午前、多賀城市鶴ケ谷の同署駐車場で、同署2階のベランダから、はしご車搭載の空気式救助マットに飛び降りた際、着地に失敗して頭部などをアスファルトの路面に強打したという。
男性は、この日、他の署員3人と一緒に同マットの定期点検作業をしていた。
出典
『多賀城消防署 救助マット点検 着地失敗し重体 /宮城』
https://mainichi.jp/articles/20170618/ddl/k04/040/088000c
http://www.nhk.or.jp/tohoku-news/20170616/4311781.html
6月20日9時33分にNHK東北からは、事故時のやや詳しい状況ならびに男性が死亡したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男性が19日、入院先の病院で亡くなった。
男性は、救助に使う厚さおよそ2m、直径4mほどある救助マットを点検するため、高さおよそ6mのところに組まれた足場から地面に置いたマットに飛び降りた際、中心から外れて、マットのふちからアスファルトの地面に頭から転落した。
出典
『マット点検で転落の消防士死亡』
http://www.nhk.or.jp/tohoku-news/20170620/4412061.html
6月20日12時12分に東北放送からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
男性は6月15日、多賀城消防署で、空気で膨らませる救助マットに穴が空いていないかなどの点検を行っていた際、高さ4mの庁舎からマットに飛び降りたところ、バランスを崩して地面に落下し、頭を打って意識不明の重体となっていた。
消防署がつくる点検項目の中に、実際に飛び降りての確認は求められていなかった。
出典
『救助マットから転倒の消防署員死亡』
http://skip.tbc-sendai.co.jp/01news_2/20170620_29226.htm
(ブログ者コメント)
救助マットの不具合有無は、実際に人間が飛び降りてみないと分からない・・・といった動機でもあったのだろうか?
それとも、人間相当の重しを落とす設備がなかったためだろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。