







2016年11月24日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6503/
(2017年3月23日 修正2 ;追記)
2017年3月14日付で読売新聞九州版から、県企業局が検証報告書を公表したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月15日付で山口新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、第1報ともども、タイトルも修正した)
工事を発注した県企業局は14日、受注した建設会社「S社」(山口市)が厚労省の「建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドライン」の留意事項をほとんど実施していなかったとする検証報告書を明らかにした。
厚労省の指針では、作業中は継続的にCO濃度を測定し、送風機の風量を使用前に確認するよう定めている。
報告書は、建設会社の現場代理人が指針の存在を知らず、濃度測定や送風機の風速測定などを怠ったと指摘し、送風機の管がトンネル内に届いていないなど、換気効果が不十分だったことが、事故の一因になったと結論づけた。
また、作業中は発電機などCOが発生する機械が使われていたが、事故が発生した場合の避難や連絡に関しての作業員への説明もなかったという。
事故当時のトンネル内のCO濃度は最大500ppmだったとみられるが、COが充満したことについて、「当時の換気効果は、本来の30%程度しかなかったと推定できる」と指摘。
送風機の換気能力が不十分だったことなどを原因にあげた。
再発防止策としては、設計、施工計画、作業時の各段階で指針が守られているかどうかを県が業者に確認し、山口労働局と連携して安全講習を実施することなどを挙げた。
出典
『受注会社「CO中毒予防指針守らず」、下松トンネル事故で県が検証報告書』
http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20170314-OYS1T50060.html
『国の予防指針、守られず 下松トンネル事故、県企業局が報告書』
http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2017/0315/4.html
3月15日14時1分に産経新聞westからは、下記表現の記事がネット配信されていた。
県企業局が検証報告書をまとめたことが、15日、分かった。
工事を受注した建設会社が、厚労省の指針にある留意事項を実施していなかったなどとする内容。
県企業局の聞き取り調査に、業者側は、現場監督も指針を知らなかったと回答したという。
出典
『山口のトンネル一酸化炭素中毒、業者が指針順守せず』
http://www.sankei.com/west/news/170315/wst1703150065-n1.html
(ブログ者コメント)
厚労省のガイドラインは下記参照。
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/hor/hombun/hor1-39/hor1-39-11-1-0.htm
県企業局の報告書は下記参照。
http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a40100/kohsui/tokuyamajiko/jikohoukoku.html
報告書(本編)の記載ポイントは以下のとおり。
〇CO濃度測定器は車に置いたままで、1度も測定せず。(22ページ)
〇事前計算結果、700m3/分の換気量が必要と判明。それには送風機2台が必要。
しかし工事時に送風機1台分のダクトが間に合わなかったため、300m3/分の1台のみで換気。(22ページ)
〇そうしたのは、3年前に同じトンネルを工事した際、300m3/分の1台で10km区間を換気して問題なく、今回の区間は1.5kmだったから。
〇トンネル内では、工事区間外の部分と吸気ダクト挿入口をブルーシートで目張りし、送風機1台でトンネル内の空気を吸引。図では、ダクトは奥までは入っていない。(5ページ図解)
〇ブルーシートは構造物に設置された釘などに掛け、下部を土のうで押さえてある程度。
坑内の密閉性は高くなく、計画通りの換気効果が得られなかったと考えられる。(35ページ)
〇会社は、工事ごと該当するガイドラインを徹底している。(22ページ)
〇会社として、この工事は4回目。3年前の工事ではCOなど測定している。
今回の現場代理人は、その時、サブとして配置していたので、大丈夫と思っていた。(22ページ)
〇施工計画書ではCOとO2濃度を午前と午後に測定し記録するとなっていたが、事故当時は測定も記録もされていない。(40ページ)
〇CO濃度が上昇するという認識が低かった。(主語不明、22ページ)
〇今回の工事は過去の工事と工事内容が異なるため、これまでよりも多くの発電機やエンジンコンプレッサーを使用していた。(41ページ)
〇事後検証として、風速1m/分から0m/分まで何ケースかに分け、トンネル内CO濃度の経時変化を計算している。(45ページから)
2017年3月4日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6841/
(2017年3月17日 修正1 :追記)
2017年2月26日付と2月27日付の中日新聞紙面に、元請けは有機溶剤入り塗料の使用を認めたなど、下記趣旨の記事が掲載されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
消防の担当者によると、3人が倒れていたのは、地下を延びてきた農水管が安藤川をまたぐため、地上に垂直に折れ曲がるL字形の底の部分。
垂直部分の高さは4.5mあり、救急隊員が中に入った時には、管内の上方から縄ばしごが掛かっていた。
管への出入り口は、そこから川へ向かって27m延びたところにあり、近くに換気のための送排風機が置いてあった。
管の内部は塗料のシンナーの臭いが強くしたため、先行した隊員が酸素ボンベ3本を開放。
酸素濃度や可燃性ガスの有無を調べてから、救助にあたった。
また、現場に止まっていた工事車両の荷台に有機溶剤入りの塗料が積んであり、元請け業者に確かめたところ、設計通りの塗料を使っていなかったことを認めた。
(2017年7月28日 修正2 ;追記)
2017年7月25日付で毎日新聞中部版から、乾燥が早いトルエン含有塗料を勝手に使っていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警西尾署は25日、工事の元請け会社の社員で現場監督の男(58)=西尾市=を業務上過失致死傷容疑で書類送検した。
また、作業主任でトルエン中毒で死亡した下請け会社の男=名古屋市南区、当時61歳=も業務上過失傷害容疑で書類送検した。
送検容疑は2月25日、県が発注した西尾市小島町での農業用水管の塗装工事で、作業効率を上げるため、人体に有害なトルエン含有の塗料を適切な届け出や安全対策を取らずに使い、トルエン中毒で男性作業員1人を死亡させ、2人に軽傷を負わせたとしている。
同署によると、県は塗料について人体に無害なものの使用を指示していたが、男2人は乾燥の早いトルエン含有のものに勝手に変更していたという。
事故当時、作業員3人は地下3mの管の内部で作業中だったが、換気設備を設けていなかった。
出典
『愛知・西尾の用水管死亡事故 現場監督らを書類送検 業過致死傷容疑』
https://mainichi.jp/articles/20170725/ddh/041/040/008000c
7月26日付で朝日新聞(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
現場監督は塗料の変更を了承し、適切な届出と労働者の安全管理を怠った疑いがあり、死亡した作業員は塗料の変更を申し出て現場監督から了承を得たものの、換気設備の設置などの安全対策を怠ったとして、業務上過失傷害の疑いが持たれている。
現場監督は容疑を認めているという。
2017年2月26日2時34分に日テレNEWS24から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月25日22時20分に朝日新聞から、2月26日9時23分にNHK東海NEWS WEBから、2月26日18時14分にCBCニュースから、2月27日12時42分にNHK東海NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
25日午後5時すぎ、愛知県西尾市の安藤川沿いで、農水管内部で男性3人が倒れているのが発見され、病院へ搬送後、一人の男性の死亡が確認された。
警察によると、事故があったのは西尾市小島町の安藤川沿いの農業用水を流す農水管の内部で、さび止めの塗装作業中に男性3人が倒れていたのを現場監督の男性が発見し、119番通報した。
3人は病院へ搬送されたが、名古屋市南区の自営業Iさん(男性、61歳)の死亡が確認された。
他に49歳の男性が意識不明の重体で搬送されたが、その後、会話ができるまで回復したという。
もう一人の49歳の会社員は、意識がもうろうとしているが、軽傷という。
警察などによると、農水管は直径約1mで、地下から垂直に突き出して地面の1.5mほど上で直角に曲り、そばにある川の上を渡る構造で、3人は垂直部分の地下3mのあたりで倒れていたという
警察によると、消防隊が送水管に入った時、中でシンナーのようなにおいがしていたという。
県の西三河農林水産事務所によると、近くにとめてあった工事用車両の荷台に有機溶剤の「トルエン」が含まれる塗料の缶が置いてあり、塗装に使われた疑いがあるという。
県では、有機溶剤は揮発性が高く吸い込むと有害なことから、換気がしにくい今回の送水管の工事では使わないよう、発注の仕様書で指示していたという。
警察は、事故の原因や安全管理に問題がなかったかなどを調べている。
出典
『農水管内でさび止め塗装 1人死亡1人重体』
http://www.news24.jp/articles/2017/02/26/07355107.html
『さび止め塗装作業中、3人倒れ1人死亡 愛知・西尾』
http://www.asahi.com/articles/ASK2T6DGBK2TOIPE00Q.html
『送水管で倒れ1人死亡1人重体』
http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20170226/4246501.html
『愛知・西尾の送水管作業事故で実況見分』
https://hicbc.com/smart/news/detail.asp?cl=c&id=00042F6D
『揮発性高い有機溶剤で塗装か』
http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20170227/4264151.html
2月25日23時18分に読売新聞からは、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
3人は、同日午前8時半から、管の中でさび止めのための塗装作業をしていた。
発見時、地中2~3mの管の底部に折り重なるように倒れており、救急隊員らが約2時間半かけて順次ロープで引き上げ、病院に搬送した。
管の中は、強いシンナー臭がしたという。
3人とも、作業が終わる時間にもかかわらず姿が見えないことから、現場監督の男性が管の中をのぞいたところ、倒れているのを見つけたという。
出典
『農業用水管で塗装作業中、男性3人が死傷…愛知』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170225-OYT1T50095.html
2月26日0時16分に中日新聞からも、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
警察によると、3人は南区の同じ塗装店に勤務。Iさんが代表を務めている。
25日午前8時半ごろに作業を始め、現場監督は、しばらくして別の仕事のため、その場を離れた。
監督が戻った時、3人がいなかったため管の中に入ると、中で折り重なるように倒れていたという。
塗装作業は、愛知県西三河農林水産事務所が発注した。
作業は、水を抜いた状態で行われていた。
出典
『農水管塗装中に1人死亡 西尾、1人重体』
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017022590195655.html
(ブログ者コメント)
NHKの映像を見ると、空気呼吸器を装着した消防隊員が、川の上を渡っている配管部から配管内部に入っていた。
作業員の方も、同じところから配管内部に入ったと思われる。
とすれば、直径1mの狭い管の中、それも配管内に入ったところから4~5mほど下に立ち下がったそのような窮屈な場所で、3人が一緒に作業していたとは考え難い。
1人が中毒で倒れ、助けに行った人も次々と・・・という可能性も考えられる。
2016年8月12日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6172/
(2017年2月21日 修正2 ;追記)
2017年2月14日17時57分に産経新聞westから、換気扇8台のうち吸気用2台が故障していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月14日9時44分にNHK宮崎からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、第1報ともども、タイトルを修正した)
複数ある換気扇の一部が壊れた状態で実習を続けていたことが、14日、経産省九州産業保安監督部(福岡市)への取材で分かった。
同部は、故障で換気が不十分になった可能性があるとみている。
同部によると、実習室には換気扇が計8つあり、室内の空気を外に出す4つは全て動いていたが、外気を取り込む4つのうち2つが壊れていたため、室内の気圧が低くなっていたとみられる。
当時、窓を閉め切ったままガスオーブンを加熱しており、オーブンのダクトを通って排出されるはずのガスが、気圧低下の影響で室内に逆流した可能性が高いという。
ガスオーブンには、故障などはなかったという。
出典
『調理実習室、換気扇が故障 15人手当ての宮崎・門川高』
http://www.sankei.com/west/news/170214/wst1702140055-n1.html
『換気扇故障し排気ガス逆流か』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/5063891811.html?t=1487104605763
(2017年9月16日 修正3 ;追記)
2017年9月13日6時42分にNHK宮崎から、再発防止として警報器2台設置など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
発生からおよそ1年が経過し、学校は12日夜、保護者向けの説明会を開き、およそ40人が参加した。
説明会は非公開で行われ、学校によると、外から空気を取り込む換気扇のうち2つが故障し、換気が不十分だったということで、消防や経産省の指導を受けて、安全に授業を行う環境を整えたことを説明した。
具体的には、故障していた換気扇を取り替えたほか、一酸化炭素の発生を知らせる警報器2台を設置したという。
そのうえで、今月下旬から実習室での授業を再開する方針を示した。
2年生の生徒の母親は、「学校がしっかり対応してくれたことがわかり、安心して子どもを通わせることができる」と話していた。
門川高校の奥平教頭は、「今後、機器が作動するかを最終的に確認をしたうえで、実習を再開する。安全管理を徹底したい」と話していた。
出典
『門川高校 実習室の使用再開へ』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/5063881741.html
2017年2月13日19時47分にNHK札幌から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前9時40分ごろ、室蘭市仲町にある三菱製鋼の子会社、「三菱製鋼室蘭特殊鋼」の工場で、鋼材の製造過程で発生する粉じんを回収する作業を行っていた下請け会社の社員の男性(41歳)が倒れているのを、同僚が見つけた。
男性は病院に運ばれたが、その後、死亡が確認され、警察が遺体を詳しく調べたところ、硫化水素による中毒症状で死亡した疑いがあることがわかった。
警察によると、粉じんを回収する作業では、人体に有害な化学物質を取り込まないように薬品が使われるということで、警察は、男性が使う薬品の種類を誤って中毒になった可能性もあるとみて、詳しい状況を調べている。
出典
『製鋼会社で男性死亡 薬品中毒か』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20170213/3884921.html
2017年2月1日付で朝日新聞但馬版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
豊岡市城崎町の市営上山住宅(鉄筋コンクリート4階建て)の改修工事で、請負業者がガス給湯器の吸排口を誤って塞いだため、30日夜、入居者の1歳男児が一酸化炭素中毒で救急搬送された。
男児は翌日に退院し、意識はしっかりしているという。
同市が31日、発表した。
市建築住宅課によると、業者が外壁の塗装をするため、30日昼に養生シートを施した。
同日午後8時ごろ、入浴後の男児が、一時、意識がはっきりしない状態になり、救急搬送されたという。
吸排気口が塞がれていたため、風呂の給湯器が不完全燃焼を起こし、一酸化炭素が発生したらしい。
同住宅には13戸が居住。7部屋は空き部屋になっている。
市は、居住者がいる部屋には養生をしないよう指示していたが、業者が間違えたという。
1月31日21時16分に神戸新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
男児は市内の病院に一時入院し、回復したという。
同市によると30日午後8時ごろ、同住宅の一室で、風呂から上がった男児が不自然にうとうととした様子を見せ、母親が119番した。
男児以外の家人に異常はないという。
同住宅は昨年11月から屋根などを工事しており、工事の請負業者が男児がいた部屋を空き室と間違えて、30日、外壁塗装のため、部屋のガス給湯器の吸排気口をシートで覆ったことが原因とみられる。
市建築住宅課は、「安全確認などを徹底し、再発防止に努める」とコメントし、住民にも近く説明するという。
出典
『工事ミスで1歳児一酸化中毒 兵庫・豊岡の市営住宅』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170131-00000013-kobenext-l28
2017年2月1日付で毎日新聞兵庫版からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
豊岡市は、31日、市が発注した市営上山住宅(城崎町上山)の外壁・屋根改修工事に関連し、同住宅の1歳男児が一酸化炭素(CO)中毒で救急搬送されたと発表した。
市によると1月30日、請負業者が外壁塗装工事のため、住宅内の部屋のガス給湯器の給排気口をシートで覆った。
その後、住人が風呂に湯をためる際、不完全燃焼で一酸化炭素が発生し、部屋にいた男児が眠気におそわれた。
午後8時ごろ119番通報で病院に運ばれたが、31日に退院したという。
他の家族に異常はなかった。
市は、給排気口をシートで覆うのは空き室のみと決めていたが、業者が空き室と間違えてシートを使ったという。
業者は豊岡市内の建設会社。
市は、再発防止策として、住人がいる部屋の給湯器の給排気口はシートで覆わないよう徹底するとしている。
出典
『CO中毒 豊岡の市営住宅、男児が救急搬送 工事影響』
http://mainichi.jp/articles/20170201/ddl/k28/040/407000c
2013年6月17日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正3として掲載します。(修正2もこちらに転載)。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/2943/
(2014年8月22日 修正2 ;追記)
2014年8月21日8時48分にNHK長崎から、警察が書類送検したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
清掃作業は、この旅館の経営会社で、福岡県に本社を置く「Y社」の53歳の担当者が安全管理の責任者を務めていたが、警察は、当時、この責任者がタンク内に硫化水素が充満していることを予想できたにも関わらず、従業員にマスクをつけさせたり、タンクの外に監視のための人を配置したりするなどの必要な安全管理を怠ったとして、20日、業務上過失致死の疑いで書類送検した。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5033943131.html?t=1408659128770
2014年8月20日20時21分に朝日新聞長崎版から、労基が書類送検したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
島原労基署は20日、硫化水素の特性を十分理解していない従業員に、基準値以上の硫化水素が充満する温泉タンクの清掃をさせたとして、旅館を経営する「Y社」と元管理課長を労安法違反の疑いで書類送検した。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASG8N5J9KG8NTOLB00J.html
(2016年12月26日 修正3 ;追記)
2016年12月20日付で長崎放送から、死亡した2人の遺族に対する計約1億円の賠償支払い判決が出たという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月20日付で長崎文化放送から、12月20日22時34分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
死亡した男性2人の遺族が旅館側を相手取り起こした損害賠償請求訴訟で、長崎地裁は、旅館側に約1億円の支払いを命じる判決を言い渡した。
訴えを起こしていたのは、死亡した、当時59歳と35歳の男性従業員の遺族。
訴状によると、事故当時、タンク内には硫化水素が発生する可能性があったにもかかわらず、旅館側は、危険性について必要な指導を行わなかったほか、立入禁止などの対策を取らなかったとして安全配慮義務違反を訴え、当時59歳の男性の遺族が約5540万円、当時35歳の男性の遺族が約7350万円の、総額1億1200万円の損害賠償を求めていた。
20日行われた判決言い渡しで、長崎地裁の田中裁判長は、「硫化水素の有毒性や危険性を正しく理解させる説明や立ち入り禁止の明確な指示もしておらず、被告の安全配慮義務違反の程度は著しいものである」などとして遺族の訴えを認め、旅館側に、2人の遺族あわせて約1億円の支払いを命じた。
この事故をめぐり、同社と旅館の安全管理者は労安法違反の疑いで書類送検され、14年12月に、それぞれ罰金10万円の略式命令を受けた。
出典
『事故で判決』
https://www.nbc-nagasaki.co.jp/nbcnews/detail/?$dai=0
『硫化水素で2人死亡 旅館側に損害賠償命令』
『硫化水素事故で従業員死亡、温泉旅館側に1億円賠償命令』
http://www.asahi.com/articles/ASJDN4WVJJDNTOLB00K.html
2016年12月16日21時6分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ガスレンジの火力調整作業が原因で一酸化炭素中毒になったとして、東京都の50代女性が、家庭用品の輸入販売会社「T社」(同)に約1900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、16日、東京地裁であった。
松村裁判長は、「作業が原因の不完全燃焼で一酸化炭素中毒になった」と認め、同社に約620万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は2006年、自宅の米国製ガスレンジの火力が弱かったために、輸入販売元の同社に調整を依頼。
同社の従業員がノズル交換などで火力を強めたが、その後、女性に頭痛や吐き気などの症状が出て、10年に一酸化炭素中毒と診断された。
判決は、ノズル交換で送り込まれる空気が不足し、不完全燃焼が起きたと認定。
同社や従業員が、ガス機器の専門家として「万が一にも不完全燃焼を発生させない義務があったのに怠った」とした。
同社は取材に対し、「判決の中身を承知しておらず、現時点ではコメントできません」としている。
出典
『ガスレンジ調整後に一酸化炭素中毒 販売会社に賠償命令』
http://www.asahi.com/articles/ASJDJ5TPFJDJUTIL04V.html
(2017年9月12日 修正1 ;追記)
2017年9月7日21時18分に朝日新聞から、2審で逆転判決が出たという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
ガスレンジを修理した際の部品交換が原因で一酸化炭素中毒になったとして、東京都の50代女性がレンジの輸入販売元「T商事」(東京都)に約1900万円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決が7日、東京高裁であった。
大段裁判長は、同社に約620万円の支払いを命じた一審・東京地裁判決を取り消し、女性の請求を棄却した。
高裁判決によると、女性は2006年、自宅に備え付けられた米国製ガスレンジの火力が弱かったため、同社に調整を依頼。
ノズルの交換で火力は強くなったが、女性は10年に一酸化炭素中毒と診断された。
16年12月の一審判決はノズル交換で不完全燃焼が起きたと認定し、同社に賠償を命じた。
だが、高裁は「交換後、しばらくは問題なかった。(中毒発症までに)同社以外の業者も調整している」と指摘。
「同社のノズル交換で不具合が生じたとは断定できない」と結論づけた。
出典
『「ガスレンジ修理で一酸化炭素中毒」 控訴審で請求棄却』
http://www.asahi.com/articles/ASK976753K97UTIL02W.html
2016年12月8日15時32分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午後0時40分ごろ、大阪市中央区南船場の美容皮膚科診療所「T」の女性従業員から「ガス漏れで気分が悪くなった人がいる」と119番があった。
警察や消防によると、医師や看護師など20~40代の女性従業員7人が吐き気や頭痛の体調不良を訴えて搬送されたが、いずれも軽症という。
警察などによると、同日午前11時ごろ、診療所内の医療器具を滅菌させる「酸化エチレン」がガスボンベから漏れ出たとみられる。
診療所内には、当時、従業員ら15人と患者1人がいた。
ガスボンベは納入業者が回収する予定で、警察などが詳しい原因を調べている。
出典
『診療所からガス漏れ? 7人が体調不良で救急搬送 大阪・南船場』
http://www.sankei.com/west/news/161208/wst1612080052-n1.html
2016年12月8日付で朝日新聞大分全県版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月8日付で毎日新聞大分版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
大分市の新日鉄住金大分製鉄所の構内で、6日午後11時35分ごろ、同社社員の男性(28)が倒れているのを、連絡が取れなくなったため捜していた同僚が見つけ、同社を通じて119番通報した。
約1時間後、搬送先の病院で死亡が確認された。
警察などによると、男性は同製鉄所の設備部所属。
製鋼工場内の7階の電気機器のある部屋で、1人で電気設備の点検をしていたという。
同製鉄所では、1~2月、高所から転落したり、溶けた高温の鉄に接触したりし、作業中に3件の死亡事故が起きている。
出典
『新日鉄住金 工場内で社員死亡 /大分』
http://mainichi.jp/articles/20161208/ddl/k44/040/342000c
12月9日付で朝日新聞大分全県版(聞蔵)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日、司法解剖の結果、死因は一酸化炭素中毒と判明した。
男性は、製鋼工場内の排ガス濃度を計測する部屋で、設備の点検を1人でしていたという。
(ブログ者コメント)
〇COを含んだ排ガスを部屋まで配管で引っ張っていて、その配管から排ガスが漏れていた・・・といった可能性も考えられる。
〇他3件の死亡事故は、本ブログ別記事参照。
12月2日23時47分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午後8時45分ごろ、大阪府摂津市のD社製作所で、「塩酸タンクから白煙が上がり、水をかけたら気分が悪くなった」と119番があった。
消防などによると、取引先である物流会社の19~42歳の男性社員6人が気分の不良を訴えて病院に搬送されたが、いずれも軽症という。
警察などが、事故原因を調べている。
D社などによると、同社はフッ素化学製品も製造しており、塩酸はその製造過程で生じたもの。
タンクの配管から約300ℓが漏れ出し、気化して白い煙が発生したとみられる。
近くにいた6人がみつけ、広がるのを防ぐため水をかけて薄めていたという。
出典
『D社製作所で塩酸漏れ 6人搬送、軽症』
http://www.sankei.com/west/news/161202/wst1612020089-n1.html
12月3日0時12分にNHK関西NEWS WEBからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日夜9時前、大阪・摂津市にあるD社の製作所から、「塩酸の水溶液が漏れた」と消防に通報があった。
警察と消防が駆けつけたところ、敷地内のタンクの配管から35%の濃度の塩酸の水溶液が漏れていて、薄めるための水が自動的に噴射された際に、近くを通りかかった19歳から42歳の作業員の男性6人が気化した塩酸を吸い込んで「気分が悪い」と訴え、病院に搬送された。
製作所の担当部長は、「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。今後、原因を調べて再発防止に努めていきたい」と話している。
出典
『工場で塩酸漏れ 6人搬送』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20161203/4935711.html
(ブログ者コメント)
塩酸蒸気を吸ってしまった6人だが、「水をかけて薄めていた」のと「近くを通りかかった」のとでは、意味合いが全く違う。
おそらくは後者だとは思うが、前者であれば複数の問題がある。
2016年11月26日8時52分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月16日に山口県下松市で、19日に長崎市で発生した2つのトンネル工事事故で、いずれの現場にも空気ボンベや一酸化炭素(CO)の濃度を常時観測する機器が備えられていなかったことが、捜査関係者の話で分かった。
いずれの機器も、CO中毒を防ぐため、厚労省のガイドライン(指針)で設置が求められており、逸脱していた疑いがある。
山口、長崎両県警は同様の事実を把握しており、業務上過失致傷容疑などで捜査している。
下松市の事故は16日正午ごろ発生。
ダムから工業地帯に工業用水を運ぶためのトンネルが老朽化したため、改修工事をしていた。
救助隊が駆け付けた際、CO濃度は立て坑(入り口)付近で180~200ppm、トンネル内は最大550ppmあり、9人が搬送された(いずれも軽症)。
長崎市の事故は19日正午ごろ発生し、1人が死亡、3人が軽症となった。
ダムから浄水場に水を運ぶトンネルの老朽化に伴う補修工事で、入り口から70~80mの地点でもCO濃度が700ppmあった。
現場はさらに奥の、入り口から約150~約180mの地点で、濃度がもっと高かった可能性がある。
工事を発注した山口県や長崎市によると、下松市の現場には軽トラック10台、ガソリン式発電機12台があり、長崎市の現場にもガソリン式発電機1台があった。
いずれも、機器の不完全燃焼によるCO中毒の疑いがある。
労働省(現厚労省)の定めたガイドライン(1998年)は
(1)空気ボンベなどを人数分以上備える
(2)CO濃度を継続的(常時)に測定し、上昇すれば警報で知らせる装置を設置する
などを求める。
しかし、山口県警の捜査関係者によると、下松市の現場には、空気ボンベもCO濃度の常時測定器もなかった。
工事関係者は取材に対し、こうした事実を認めたうえで、「アスベストを防ぐマスクはしていたが、ガス用ではなかった」と話した。
工事の元請け会社が事故の約2時間前にCO濃度を測った後は、測定されていなかったとみられる。
一方、長崎県警の捜査関係者によると、長崎市の現場でも、空気ボンベや警報機能のあるCO濃度の常時測定器はなかった。
なぜ、ガイドラインは守られないのか。
関係者によると、空気ボンベは買えば1台20万~30万円前後、レンタルでも5日間で約2万円~約5万6000円。
緊急時のために工事現場に一定の間隔で置いておけばいいのだが、「常時、担いでおかなければいけない」(長崎市の業者)との誤解もあり、配備が進まない。
また、CO濃度を常時計測する警報付き測定器は、小型のものでも1台5万~6万円。
福岡県内の建設業者は、「民間工事なら、発注者の企業が現場をチェックするので、請負業者は備える。しかし、自治体発注の工事はチェックが甘い」と指摘する。
これに対し、山口県は「受注会社が安全に責任を持つことを前提に契約している」、長崎市は「今回は契約上、発電機の持ち込みを禁止していた。契約内容をきちんと守るよう徹底する」とした。
厚労省の省令は「自然換気が不十分なところでは、内燃機関を有する機械を使用してはならない」と定め、違反すると、刑事罰がある。
ただ「換気する時は、この限りではない」としており、今回は、いずれの現場にも換気装置があった。
一方、ガイドライン違反には刑事罰はないが、厚労省化学物質対策課は、「ガイドラインは人命を守るためのもの。事業者には積極的に取り組んでほしい」としている。
■工事現場での一酸化炭素中毒とみられる主な事故
1996年 7月 山梨県都留市の地下工事現場で2人死亡
2003年 8月 東京都文京区のマンション新築工事現場の地下で4人が搬送され、うち1人死亡
2008年 1月 北九州市八幡西区の送水管工事現場(地下)で3人死亡。ガソリン式発電機を使用
2008年 9月 三重県四日市市の市道に埋設された配水管の中で2人死亡
2016年 1月 札幌市豊平区のマンション新築工事現場で2人死亡
2016年11月 山口県下松市のトンネル工事現場で9人軽症(16日)長崎市のトンネル工事現場で4人搬送、うち1人死亡(19日)
【ことば】一酸化炭素(CO)
物質の不完全燃焼によって発生する無色無臭のガス。
空気とほぼ同じ重さで、吸い込むと血液の酸素運搬能力が低下する。
東京消防庁によると、濃度が300~600ppmの空気の中に4、5時間とどまると激しい頭痛や嘔吐に襲われ、700~1000ppmの中に3、4時間いると意識障害に陥る。
出典
『トンネル工事事故 CO中毒防止の指針逸脱か 山口・長崎』
http://mainichi.jp/articles/20161126/k00/00m/040/155000c
(ブログ者コメント)
本ブログの下松、長崎事例紹介記事に、それぞれ今回報道のポイントを追記スミ。
2016年11月19日20時41分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月19日21時59分に産経新聞westから、11月20日19時59分と11月21日19時50分にNHK長崎からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
19日午前11時45分ごろ、長崎市三京町の導水用トンネルの補修工事現場で「作業員が酸欠状態になっている」と119番通報があった。
警察などによると、30~50代の作業員4人が病院に運ばれ、東京都大田区の会社員Aさん(男性、36歳)の死亡が確認された。
ほかの3人は軽症だという。
長崎市発注の老朽化に伴う漏水対策の工事で、下請けの東京の防水工事業者が、浸水しないよう内壁に防水効果がある薬剤を注入するため、電気ドリルで穴を開ける作業などをしていた。
補修箇所を確認するため、事故前、4人とは別の作業員が様子を見に行き、戻ってきた際に「酸欠かもしれない」と、体調悪化を訴えた。
トンネル内にいた4人の体調も悪くなり、搬送された。
消防によると、発生から40分ほどで作業員の救出にあたった際、トンネル内の一酸化炭素(CO)濃度はおよそ700ppmと、中毒症状が出る高い値を示していた。
化学物質による中毒について啓発などを行う日本中毒情報センターによると、400ppm以上の濃度に数時間さらされると酸素不足などにより呼吸や循環器にも影響がでて、1000ppmを超えると非常に重い症状に陥り、5000ppmでは5分で死亡するケースがあるという。
現場では、ドリルや照明の電源としてガソリン式の発電機を使っていたといい、換気用の送風機も使われていたという。
しかし、換気が不十分な場所で発電機を使うと不完全燃焼を起こしてCOが発生する可能性があり、市上下水道局は、「坑内で発電機を使うことは、通常は考えられない」としている。
会社側が市に出していた工事の手順などが書かれた「施工計画書」にも、トンネル内で発電機を使うことは書かれていなかったという
警察は、発電機が原因のCO中毒の疑いがあるとみて、当時の状況を詳しく調べている。
一酸化炭素中毒の症状について、長崎大学病院救命救急センターの田﨑修センター長は、「まずは頭痛がひどくなって、吐き気やめまいといった症状がでてくる。症状が悪化すると意識を失ってしまう。一酸化炭素は無味無臭で気づきにくく、血液中のヘモグロビンとくっつくと体内の組織に酸素が運べなくなり、酸素不足の状態になることが一番怖い」と述べた。
そのうえで、作業員が救助されたトンネル内の現場で測定された700ppmのCO濃度について、「5分から10分の短時間なら大きな障害や中毒は起きないと思うが、2時間くらい作業をすれば700ppmに2時間をかけあわせて1400ppmの一酸化炭素にさらされたことになるので、死亡に至る濃度だった可能性がある」と指摘した。
このトンネルは、ダムから浄水場まで水を運ぶためのもので、幅1.8m、高さ2m、延長2.8km。
2005年から20年まで、ほぼ隔年で総延長300mの補修工事を行う計画で、今年度の工期は10月から来年2月まで。
10月13日から始まっていた。
現場は長崎市中心部から北西約15kmの山中で、19日は、入り口から約150mから180mにかけての30m区間で作業をしていた。
救急車など11台が出動し、周辺は一時騒然とした。
出典
『トンネル補修中に酸欠、4人搬送 1人は死亡確認 長崎』
http://www.asahi.com/articles/ASJCM4DKNJCMTIPE00G.html
『坑内で発電機が作動 CO中毒か 作業員「酸欠かもしれない」と訴え』
http://www.sankei.com/west/news/161119/wst1611190072-n1.html
『トンネル事故で警察が現場調査』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5034558661.html?t=1479673806676
『救出時CO濃度700ppm』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5034579871.html?t=1479763130379
(2016年11月28日 修正1 ;追記)
2016年11月26日8時52分に毎日新聞から、現場にはCO濃度常時計測器が置かれていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。 (本情報は、3日前に起きた下松市での事故とあわせた解説記事につき、別途、独立記事として掲載)
現場に空気ボンベや一酸化炭素(CO)の濃度を常時観測する機器が備えられていなかったことが、捜査関係者の話で分かった。
いずれの機器も、CO中毒を防ぐため、厚労省のガイドライン(指針)で設置が求められており、逸脱していた疑いがある。
(2017年1月14日 修正2 ;追記)
2016年11月20日付と22日付の長崎新聞紙面に、下記趣旨のやや詳しい記事が掲載されていた。
市上下水道局が施工業者に確認したところ、作業前の酸素濃度に異常はなく、送風機はトンネルの外から内に向けて回し、換気をしていたという。
同局が入札前に参加予定業者に示した現場説明書の中で「トンネル内に発電機を持ち込まない」と明記していたことが、21日、同局への取材でわかった。
現場説明書には、工事内容や現場の情報などを示しており、業者は事前に確認して入札に参加する。
同局によると、安全対策の事項では、トンネル内の発電機使用に触れていなかったが、水質事故対策として「発電機など油流出の恐れのあるものを持ち込まない」と記載していた。
トンネル内には神浦ダムから手熊浄水場に送る水が通っており、発電機から燃料が流出し事故につながる恐れがあるためという。
(2018年1月13日 修正3 ;追記)
2018年1月11日18時33分にNHK長崎から、送風機は換気用でなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
長崎労基署が調べたところ、作業員らは事故当時、トンネルの入り口から160m付近の自然の換気が不十分な場所でガソリン式の発電機を使って作業していたが、現場に置かれていた送風機が換気用ではなく粉じんなどを除くためのものだったうえ、現場から離れた場所に設置されていたという。
このため同署は、ガスによる健康障害を防ぐために必要な措置をとらなかったとして、工事を請け負っていた東京・北区の「S防水工業」と、当時、施工や安全管理を統括する立場だった42歳の現場責任者を11日、労安法違反の疑いで書類送検した。
同署によると、この責任者は調査に対し容疑を認めているという。
出典
『トンネルCO中毒事故で書類送検』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5034287401.html
2016年11月16日23時3分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月17日7時16分に中国新聞から、11月17日付で山口新聞から、11月17日付で朝日新聞山口版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
16日正午ごろ、山口県下松市下谷(くだたに)のトンネル工事現場で、作業員から「トンネル内に人が取り残されている」と119番があった。
トンネル内で作業していた男性8人と救助に入った男性1人の9人が、一酸化炭素(CO)中毒の疑いで病院に搬送されたが、いずれも意識はあって命に別条はない。
作業員たちは「息苦しい」、「動けなくなった」などの症状を訴えており、工事を発注した県や警察が、事故原因などを調べている。
この日は午前8時ごろから作業員10人がトンネルに入り、凹凸があったコンクリートの底面を平らにする作業をしていた。
途中で2人が外に出たが、残る19~58歳の8人が、地表に戻る予定だった午前11時半を過ぎても帰ってこなかったため、不審に思った別の作業員(43)がトンネル内に入り、8人が倒れているのを見つけた。
この作業員が1人をトンネルの外に連れ出し、さらに4人が作業用の運搬車に乗って自力で外に出てきたところを消防隊が救助した。
取り残された3人も、午後3時過ぎまでに救助された。
様子を見に行った作業員も救急搬送された。
現場は、作業用のトンネル入り口から約1.5km進んだ地点。
県企業局などによると、酸欠防止のため、作業前の酸素濃度の測定や送風機を設置するなどの対策を講じていた。
トンネル内では、換気用の送風機1台が動いて空気が送られていたというが、警察によるとCOの濃度が高かった。
工事関係者によると、現場では軽トラック10台、発電機12台、コンプレッサー5台、ポンプ13台が持ち込まれており、それらの排ガスが十分に換気されていなかった可能性があるという。
この日は午前9時に作業を始め、CO濃度は、同10時の測定の際は異常はなかったという。
県によると、トンネルは同県周南市の水越ダムから沿岸部のコンビナート企業に工業用水を送るための導水路。
全長15km、幅2.3m、高さ2.3mのかまぼこ型で、貫通している。
2017年度までの補修事業として、県企業局周南工業用水道事務所が工事を発注し、山口市の建設会社が受注。
今月11日から水を止め、特殊なコンクリートで床を覆って補強するために、老朽化したコンクリートをはがしていた。
同市と周南市の下請け3社の作業員が工事に従事していた。
厚労省によると、CO中毒で4日以上の休業を余儀なくされた労働災害は、2014年までの過去3年間で85件発生し、死傷者は136人。
その約半数を建設業が占めており、換気が不十分な場所でガソリンエンジンで動く発電機などを使ったのが主な原因だった。
出典
『トンネル工事 作業員9人を搬送、CO中毒か 山口』
http://mainichi.jp/articles/20161116/k00/00e/040/252000c
『トンネル工事、9人搬送 下松、一酸化炭素中毒か』
http://this.kiji.is/171746295691314683
『CO中毒か 下松の工業用水トンネル工事中9人重軽症』
http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2016/1117/1p.html
11月19日付の朝日新聞山口版(聞蔵)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、CO中毒の症状を訴えた作業員9人のうち、8人までが18日までに退院。
残る1人も、週明けには退院できる見通しという。
県によると、15日までの2日間で発電機や軽トラックなどが運び込まれたとみられ、無限軌道に荷台がついた作業車も持ち込まれていた。
これらの機械や車両は、クレーンでトンネル入り口から降ろし、現場付近まで移動させていたという。
事故当日は、コンクリートの床面を平らにする機械に圧縮空気を送り込むコンプレッサー5台も持ち込まれていた。
事故当時、トンネルでは、内部の空気を吸い出し、外に送り出すことで、空気の循環を生み出す送風機が作動していたとみられる。
(ブログ者コメント)
詳細不明だが、19日付の朝日新聞(聞蔵)記事が正だとすれば、空気を吸いだすダクト口とCO発生源の位置関係が不適切だった可能性も考えられる。
というのは、ブログ者の手持ち情報に以下のような事例があるからだ。
(2010年8月24日掲載、2011年4月16日転載)
換気方法不適切で軽度の溶剤中毒
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/278/
(2016年11月28日 修正1 ;追記)
2016年11月22日付で朝日新聞山口版(聞蔵)からは、事故時のやや詳しい状況が、下記趣旨でネット配信されていた。
前日の15日も水がトンネル内に流れ込んでいる状態で、作業員はポンプを使って、水の汲み上げ作業をした。
この際、複数の作業員が目の痛みを訴えたという。
ある作業員の家族は「『両目に尋常じゃない痛みがあった』と聞いた。この時、きちんと対策がとられていれば」と話した。
こうした作業員の体調もあり、事故当日は、トンネル内の換気を促す送風機が大型のものに換えられたというが、事故は起きた。
また、2016年11月26日8時52分に毎日新聞からは、現場にはCO濃度常時計測器が置かれていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(本情報は、3日後に起きた長崎市での事故とあわせた解説記事。長崎事例は、別途、独立記事として掲載予定)
現場に空気ボンベや一酸化炭素(CO)の濃度を常時観測する機器が備えられていなかったことが、捜査関係者の話で分かった。
いずれの機器も、CO中毒を防ぐため、厚労省のガイドライン(指針)で設置が求められており、逸脱していた疑いがある。
出典
『トンネル工事事故 CO中毒防止の指針逸脱か 山口・長崎』
http://mainichi.jp/articles/20161126/k00/00m/040/155000c
2016年9月8日20時16分にNHK福井から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月8日12時55分に共同通信から、9月8日10時59分に朝日新聞から、9月10日13時17分にNHK福井からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午前3時すぎ、坂井市三国町にある化学メーカーで化学薬品の製造中に有毒ガスが漏れ、従業員が倒れていると、会社から消防に通報があった。
従業員の男性(39)が福井市内の病院に搬送されたが、約1時間後に死亡が確認された。
司法解剖の結果、死因は硫化水素による中毒だったことが、捜査関係者への取材でわかった。
また、男性を助けようとした従業員が転倒して顔面を打ち、病院に搬送された。
警察の調べによると、工場ではメッキ加工に使う化学薬品の製造が行われていて、男性は、粉末状の薬剤をつくるタンクで発生する硫化水素を抜き出して液状化する作業をしていたが、何らかの原因で硫化水素が漏れ、高濃度のガスを男性が吸った可能性があるという。
会社の規定で定められていた防毒マスクは、着用していなかった。
会社の説明によると、男性1人で、7日夜11時半から作業を行っていたという。
警察によると、別の場所にいた従業員が異臭に気付いた。
硫化水素が外に漏れるようなことはなく、周辺の住民に影響はなかった。
現場は福井港の近くにある工業団地、テクノポート福井のなかで、周囲に住宅はほとんどなく、工場や会社の事務所などが立ち並んでいる。
警察は、作業の方法や薬剤をつくる装置に問題はなかったかなど会社から話を聞くなどして、硫化水素が漏れた原因を調べている。
(ブログ者 注記)
文字情報としては報道されていないが、NHKでは当時の状況を、現場の側面図を使って以下のように説明していた。
工場は3階建てで、男性が2階と3階にまたがって取り付けられている装置を使った作業中に起きた。
会社側の説明によると、男性は1人で、昨夜11時半から今朝8時半までの勤務で作業していた。
けがをしたもう一人の従業員は、2階と3階を行き来する別の作業をしていた。
男性は、3階で熱加工に使う化学薬品の製造過程で装置から硫化水素を抜き出す作業をしていた。
しかし午前3時ごろ、何らかの原因で漏れた硫化水素とみられる有毒ガスを吸った可能性があるとみられる男性が2階の階段下で倒れていたという。
出典
『化学工場で有毒ガス 1人死亡』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3055503181.html?t=1473373431202
『福井で作業員死亡、有毒ガスか 1人軽傷、坂井市の化学工場』
http://this.kiji.is/146402941069297141?c=39546741839462401
『化学薬品会社で硫化水素漏れか、作業員1人死亡 福井』
http://www.asahi.com/articles/ASJ982TBNJ98PGJB002.html
『ガス漏れ事故 死因は硫化水素中毒』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3055576571.html?t=1473544713453
(2017年5月20日 修正1 ;追記)
2017年5月19日19時43分にNHK福井から、責任者らが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年9月、坂井市にある化学メーカーの工場で硫化水素を含む有毒ガスが漏れ作業員が死亡した事故で、警察は、マスクを着用させるなどの安全対策を怠っていたとして、工場の責任者らを業務上過失致死の疑いで19日までに書類送検した。
この事故は、去年9月、坂井市三国町にある化学メーカー「A化学工業」でメッキ加工に使う化学製品の製造中に硫化水素を含む有毒ガスが漏れ、このガスによる中毒が原因で39歳の男性従業員が死亡したもの。
男性従業員は、粉末状の薬剤を作る装置から硫化水素を抜き出す作業を行っていて、警察は、工場側の安全管理に問題がなかったか捜査を進めた。
その結果、有毒ガスはこの装置の配管から漏れていたほか、ガスが漏れた場合に備えて社内の規則で定めた防毒マスクの着用をさせていなかったことがわかった。
このため警察は、十分な安全対策を怠っていたとして、工場の責任者らを業務上過失致死の疑いで19日までに書類送検した。
会社によると、書類送検されたのは工場の責任者ら4人だという。
「A化学工業」はNHKの取材に対して、「今回の事故を重く受け止めています。消防や労働基準監督署の指導を受けて再発防止を徹底しています」とコメントしている。
出典
『有毒ガス死亡事故で書類送検』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3053543601.html
(ブログ者コメント)
「社内規則で定めた防毒マスクの着用をさせていなかった」と報じられている件だが、社内規則を守ることを徹底させていなかったということだろうか?
それとも、現場で防毒マスク不着用が常態化していたのに、それを黙認していたということだろうか?
2016年8月7日8時50分にNHK札幌から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
『工事現場でCO中毒か6人搬送』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20160807/4668601.html
6日午後2時半ごろ、利尻富士町鴛泊本町の保育所の改修工事現場で、作業員から「作業中に具合が悪くなった」と消防に通報があった。
警察などによると、現場では、54歳から74歳までの男性作業員6人が電動工具や小型の建設機械を使って床を剥がす作業をしていたところ、体がふらつくなどしたということで、6人とも病院に搬送された。
いずれも一酸化炭素中毒の症状とみられ、意識はあるという。
警察によると、現場は、ほこりが外に飛ばないように囲いをするなどしていて、風通しが悪い状態だったという。
このため警察は、使用していた電動工具などから一酸化炭素が発生し、うまく換気が行われなかったために中毒症状を起こした可能性があるとみて、詳しく調べている。
2016年8月6日付で毎日新聞長野版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
『男性死亡 タンク補修中に倒れ 松本の飲料工場 /長野』
http://mainichi.jp/articles/20160806/ddl/k20/040/069000c
4日午後4時35分ごろ、松本市の飲料メーカーS社の工場で、水をろ過処理するタンク(直径約1m、高さ約2m)の補修作業をしていた会社員の西田さん(男性、44歳)と同僚の男性(39歳)が倒れていると、119番があった。
西田さんは間もなく死亡が確認された。死因は不明。
同僚男性は意識はあるものの、松本市の病院に入院している。
警察が調べている。
警察によると、2人はタンクの定期点検と補修をしていた。
有毒ガスなどの発生の可能性は低いとみられる。
(ブログ者コメント)
詳細不明だが、暫定的に酸欠カテゴリーに入れておく。
(2018年3月8日 修正1 ;追記)
2018年3月5日18時14分にNHK信州から、換気不十分による有機溶剤中毒だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
おととし、松本市にある飲料製造会社の工場でタンクの補修作業をしていた男性2人が中毒症状を起こし、このうち1人が死亡した事故で、労基署は、必要な安全対策を講じていなかったなどとして、2人を派遣していた会社と50歳の取締役を労安法違反の疑いで書類送検した。
書類送検されたのは、埼玉県上尾市に本店がありタンクの補修などを業務としている会社「M」と、安全管理を担当している50歳の男性の取締役。
労基署によると、この会社と取締役は、おととし8月、松本市にある飲料製造会社の工場で、会社から派遣されタンクの補修作業をしていた男性社員2人が有機溶剤による中毒症状を起こし、このうち1人が死亡した事故で、必要な安全対策を講じていなかったとして労安法違反の疑いがもたれている。
労基署によると、中毒の原因は、作業で使っていた有機溶剤がタンク内で温められて蒸気になったのを吸い込んだためだということだが、その後の調べで、会社と取締役が、定められた講習を受けた作業員を派遣せず、タンク内の蒸気を排気する設備を設けるなどの対策を講じていなかったことがわかり、5日、書類送検した。
労基署によると、調べに対し、会社側は容疑を認めているという。
出典
『中毒死事故で会社など書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/20180305/1010002354.html
3月7日10時51分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
送検容疑は平成28年8月4日、松本市の飲料製造工場で有機溶剤のトルエンを使った作業を行う際、男性社員2人にマスクや排気装置を持っていかせるといった対策を取らなかった疑い。
作業中、社員の西田さんが中毒で死亡、もう1人が重体となった。
松本労基署によると、マスクなどの不携帯は、常習化していたという。
出典
『点検中に有機溶剤中毒死 タンク補修会社の取締役を書類送検』
http://www.sankei.com/affairs/news/180307/afr1803070009-n1.html
(ブログ者コメント)
直径1mの狭いタンク内で有機溶剤を使っていた際の事故。
ブログ者が過去に見聞きした事故と同じパターンのような気がした。
2011年4月16日掲載
『換気方法不適切で軽度の溶剤中毒』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/278/
2016年7月22日9時56分にniftyニュース(神奈川新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月22日8時3分にNHK横浜からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
『撮影スタジオで16人搬送 川崎』
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12152-187367/
『スタジオで体調不良16人搬送』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/1056978931.html?t=1469223973511
21日午後8時20分ごろ、川崎市宮前区宮前平2丁目のアバコ撮影スタジオで、「撮影中に男女2人が気分が悪いと訴えている」と119番通報があった。
男女計16人が発熱や関節の痛み、倦怠感などの体調不良を訴え、病院に搬送された。
消防によると、16人は23~41歳で、呼吸困難やガス中毒の症状。
重傷者はいないという。
スタジオでは、午前7時ごろから、CM撮影用に床に水性ペンキ約10ℓを塗った。
その後、27人で撮影を行ったところ、午後1時ごろから数人が気分の悪化を訴え始めた。
消防隊が現場を調査したが、有毒ガス成分は検知されなかった。
換気が不十分だったとみられるという。
(ブログ者コメント)
ブログ者は、水性ペンキであれば溶剤を使っていないので、中毒の危険はないと思っていた。
スタジオの広さは不明だが、27人が入っていたことから考えると、そう狭くはないと思われる。
また、ペンキ10ℓといえば、そう多いとも思えない量。
そういった状況で中毒事故が起きるとは・・・。
塗ったばかりだったとか、撮影用の照明の熱が揮発促進?といった側面もあったかもしれないが・・・。
水性ペンキでも中毒になるか調べたところ、以下の情報が見つかった。
油性ペンキに比べ危険性は低いものの、ゼロではない、といったところかもしれない。
『建設業における有機溶剤中毒予防のためのガイドラインの解説』
(平成9年3月25日 労働省)
「3.作業管理」について
(1)「危険有害性の少ない有機溶剤等を選択する」とは、塗装作業を行う場合に、有機溶剤を含有する塗料から水性の塗料に代替することを含むものである。
ただし、水性の塗料であっても、上記のMSDS等により、塗料等に含まれる化学物質の危険有害性について把握し、判断することが必要である。
https://www.mmm.co.jp/ohesd/regulations/pdf/reg06.pdf
『水性塗料成分1-メチル-2-ピロリドン及びテキサノールによる新築小学校の室内空気汚染』
(2010年 室内環境 掲載論文 抄録)
北海道のオホーツク海に面した小学校において,新築校舎使用開始後,全児童17人中10人と教職員9人中3人が様々な体調不良を訴えたため,約1ヵ月後に近隣の地区センターへ避難して授業を行うことになった。
竣工後と症状発症後の民間検査機関による検査では,学校環境衛生基準に定められた8物質及び指針値の設定された13物質はいずれも基準値・指針値を下回っていた。
竣工後約6ヵ月を経過した時点で室内空気中化学物質を精査したところ,指針値の設定されていない1-メチル-2-ピロリドンと2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート(テキサノール)が高濃度(前者の最高濃度:1000μg/m<sup>3</sup>,後者の最高濃度:290μg/m<sup>3</sup>翌月の測定では510μg/m<sup>3</sup>まで上昇)で検出された。
これら2種の化学物質は新校舎内壁面の塗装に使用された水性塗料成分であることが判明した。
これらの低減化を図るために換気の徹底とベークアウトを行った。
また,児童・教職員が体調不良を発生した時点の1-メチル-2-ピロリドンとテキサノール濃度を推定するために,学校の環境を模した温湿度条件で小形チャンバー法による放散量の測定を行った。
その結果,竣工後から校舎使用開始までの1-メチル-2-ピロリドンやテキサノールなどの減少量は少なく,校舎使用開始に伴う暖房の使用によりこれらの放散量が急激に増加し,校舎内の室内空気を汚染したことが推測された。
http://ci.nii.ac.jp/naid/130002151353
2016年6月24日付で中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午後1時20分ごろ、御嵩町と八百津町を結ぶ県道で建設中の伊岐津志トンネル(仮称、全長1363m)内で、道路舗装工事をしていた男性作業員7人が気分の不調を訴え、病院に搬送された。
一酸化炭素中毒か熱中症とみられるが、いずれも命に別条はない。
警察によると、7人は県内と名古屋市の20~62歳で、御嵩町側の入り口から約380mの地点で作業していた。
可児市の20歳が重症、ほかの6人は軽症だったが、全員が快方に向かっている。
トンネル工事は、県可茂土木事務所が発注。
この日は、元請けの大日本土木と下請けの6業者の計27人が、午前8時から作業していた。
警察が、作業環境や換気が十分だったかなどを調べる。
現場に残った40代の男性作業員は、「生コンを流している人が『気分が悪い』と言っていた。今日はとても暑く、自分も昼すぎから頭が痛くなってきた。空気が悪かったのだと思う」と話していた。
出典
『トンネル工事の作業員7人搬送 御嵩-八百津』
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20160624/CK2016062402000038.html
6月23日22時16分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
6月24日付で朝日新聞岐阜全県版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午後1時25分ごろ、岐阜県八百津町の建設中のトンネル内で作業していた工事責任者の男性(53)から「気分が悪いと作業員が訴えている」と119番があった。
可茂消防から救急車5台が出動し、症状を訴えた20〜62歳の男性7人を救急搬送した。
症状はいずれも軽く、命に別条はないという。
警察によると、トンネル内で舗装工事をしていた建設作業員の男性(20)が頭痛を訴えたのに続き、他の6人も同様の症状を訴えた。
現場は、県が発注した、御嵩町と八百津町を結ぶ全長1360mのトンネル。
当時は、作業員ら約30人がいた。
トンネル内は、生コンクリートの運搬車両など計42台が行き来しており、警察は、排ガスによる一酸化炭素中毒の可能性もあるとみて調べている。
出典
『一酸化炭素中毒か トンネル内で作業中の7人搬送 岐阜』
http://mainichi.jp/articles/20160624/k00/00m/040/109000c
2016年4月23日7時4分にNHK松山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた
22日午後6時半ごろ、今治市のI社で、建造中の6,300トンの輸送船の内部で塗装作業を行っていた塗装工の男性(34歳)が船内で倒れているのを、同じ作業をしていた男性が見つけた。
通報を受けた消防が駆けつけたところ、男性は、すでに心肺停止の状態だったということで、搬送先の今治市内の病院で死亡が確認された。
警察によると、男性は、もう1人の作業員の男性と2人で、船内で塗装作業をしていたという。
船内は、作業に使われた塗料に含まれているガスが充満している可能性があるということで、警察は、船内の状況を確認しながら、詳しい原因を調べることにしている。
出典
『造船所で塗装作業中の男性死亡』
http://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20160423/4790581.html
(2017年11月30日 修正1 ;追記)
2017年11月28日11時15分にNHK愛媛から、エアラインマスク?を使わせなかった容疑で現場責任者らが書類送検されたが社長は否定しているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
今治労基署は、新鮮な空気を得るために必要なマスクを男性に使用させなかったとして、27日、男性が勤めていた松山市に本社がある会社と現場責任者の書類を松山地検へ送った。
書類送検されたのは、松山市に本社がある船の塗装工事を請け負う会社の「H工業」と、38歳の男性の現場責任者。
同署によると、去年4月22日、今治市吉海町本庄の「I造船」の建造中の貨物船で、当時34歳の塗装工の男性が、周囲が鋼板で囲まれた区画内で床や天井などに吹き付け塗装を行っていたところ、その後、区画内で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。
この事故について今治労基署は、男性が勤めていた「H工業」と現場責任者が、法令に基づき、ホースなどを通じて区画外から新鮮な空気を送り込み呼吸を保護するためのマスクを男性に使わせなければならなかったのに使わせなかったとして、きのう,書類を松山地検に送った。
これについて「H工業」の社長は、「従業員が亡くなったことについては責任を感じている。ただ、当時、マスクは使用させており、現場では最善の対応を取っていたと考えている。処分までに時間がかかりすぎて納得できない部分もあり、監督署の対応には不服がある」とコメントしている。
出典
『塗装工事請負会社を書類送検』
http://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20171128/3071961.html


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。