2018年4月20日付で毎日新聞茨城版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県教育委員会は19日、県内5市町の学校給食で18日に提供された牛乳に洗浄液が混入していたと発表した。
鮮度保持のため野菜にかけて使うものと同じ成分で、健康に影響はないとしている。
県教委によると、18日午後3時ごろ、取手市内の児童生徒が「味が薄い」などと訴えていると報告があった。
竜ケ崎と土浦の両保健所が、同日、牛乳を販売したK乳業(龍ケ崎市)の工場に立ち入り検査したところ、牛乳を紙パックに詰めるパイプの洗浄液「ソフト酸化水」が約200ℓ混入していたことが判明。
1パック(200mℓ)に詰める作業が終わる前に、洗浄液を流したことが原因とみられる。
この製造ラインで造られた牛乳は、鉾田、潮来、石岡、取手、阿見の5市町の小中学校計72校に、約2万3000本配送された。
このうち約1500本に混入したとみられる。
19日は牛乳を提供せず、20日からは別業者の製品に変更する。
出典
『洗浄液混入 給食牛乳に 製造ラインで 県内5市町 /茨城』
http://mainichi.jp/articles/20180420/ddl/k08/040/128000c
4月20日0時8分にテレビ朝日からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
18日、茨城県内の7つの小中学校で、学校給食に出された牛乳を飲んだ複数の生徒から「味が薄い」「色が薄い」などの訴えが相次いだ。
県が調べたところ、牛乳が作られた工場で、瓶に牛乳を詰める作業の最中に誤ってタンクの洗浄液が混じっていたことが分かった。
健康被害は出ていない。
通常、作業の終了を確認したうえでタンクや配管などを洗浄するところ、作業終了を確認する担当者と洗浄を担当する担当者の間のやり取りで行き違いがあったという。
県は業者に行政指導をし、再開できるまでは20日から別の業者が牛乳を配送するという。
出典
『学校給食の牛乳に洗浄液混じる 茨城・取手市』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000125542.html
4月20日付で朝日新聞茨城版(聞蔵)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
竜ケ崎保健所などが同日、製造業者に立ち入り検査したところ、充填機を洗う洗浄液が製造過程で誤って牛乳に混入したことがわかった。
2017年10月3日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7627/
(2018年4月23日 修正1 ;追記)
2018年4月15日10時14分に毎日新聞から、新宿区はこれまでの瓶入りではなく紙パック入りに変更することで事実上、メーカーを変えたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都新宿区などの区立小中学校で、昨年9月、給食で提供された牛乳に異臭がするという訴えが相次いだ問題で、区は4月から、給食の牛乳を瓶入りから紙パック入りに変更し、納入業者も変わった。
区教育委員会は、これまで納入していた明治に異臭の原因などを照会してきたが、同社は「子どもは味を敏感に感じやすい」などと説明。
同社製品の継続は子どもや保護者の理解を得られにくいと判断した。
同区や板橋区の区立小中学校では、昨年9月、牛乳を飲んだ児童や生徒から「ガソリンのよう」などと味や臭いの異常を訴える声が相次いだ。
新宿区では児童生徒と教職員計約1300人が、板橋区では約630人が異変を感じた。
下痢や気分の悪さを訴えた人もいた。
両区を含め、同社が納入していた177校中、42校で同様の訴えがあった。
保健所などが原因を調べたが、異物混入や衛生面の異常は確認できなかった。
新宿区は、これまでに数回、明治に原因などを照会した。
区によると、同社は製造設備や衛生面の問題はなく、特定地域の生乳を使ったのが原因と回答。
生乳は気温や餌などで風味が変化するとして、「敏感な生徒が通常と異なる風味に感じた」との見解を示した。
だが、多数の児童・生徒らが異常を訴えており、区教委は「児童・生徒の過剰反応と思わせる内容」と反発。
区議会でも、「誠意がなさ過ぎる」との声が出された。
納入業者は入札で決まるため、区側は業者を指定できないが、区教委が紙パック入りを選択することにより、紙パック入りを提供していない明治は、結果として入札対象の業者から外れる。
担当者は、「瓶入りの牛乳は重い。遠からず紙パックに切り替える方針だった」とした上で、「異臭問題で時期が早まった」との見解を示した。
明治は取材に対し、「原因および再発防止策について、誠意をもってご説明させていただいた」と回答した。
出典
『新宿区 給食牛乳異臭問題 瓶→紙パックへ 業者も変更』
https://mainichi.jp/articles/20180415/k00/00e/040/171000c
2016年11月16日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6474/
(2018年1月26日 修正1 ;追記)
2018年1月19日13時13分に日刊スポーツから、H社が缶詰を製造した下請け業者を提訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月19日付でテレビ静岡からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
下請け業者が製造したツナ缶にゴキブリとみられる虫が混入し、ブランドイメージが傷つけられたとして、H社(静岡市)が下請けのO食品(同)に約8億9700万円の損害賠償を求める訴えを静岡地裁に起こしていたことが19日、分かった。
訴状によると、2016年10月、山梨県内のスーパーで販売したツナ缶に虫が混入していたことが判明。
混入問題が報道されるなどし、判明から約5カ月間で売上高は想定より約16億9300万円減少。
また、消費者からの問い合わせに対応する緊急コールセンターの設置や購入者への返金などの負担も強いられたという。
H社は、O食品とH社ブランド製品を製造する基本契約を締結した際、異物混入対策や品質問題が起きた場合の対応を取り決めており、「被告の責によるため、問題処理にかかった費用を負担する義務を負う」と訴えている。
H社は「係争中のためコメントは差し控える」とし、O食品は「原告の損害と異物が混入したこととの因果関係は認められない。法的責任を負う理由はなく、全面的に争う」とのコメントを出した。
H社は調停を申し立てていたが、不成立となったため、提訴に踏み切った。
(共同通信)
出典
『H社が下請け業者提訴、ツナ缶に虫で損害賠償』
https://www.nikkansports.com/general/news/201801190000360.html
『H社虫混入で製造元提訴』
http://www.sut-tv.com/news/2018/01/post-2762.php
(ブログ者コメント)
今回の報道を機に再調査したところ、昼休みに製造ラインを止めていた際に缶の中に入った可能性があるという、下記趣旨の記事が見つかった。
(2016年10月28日 19時17分 J‐CAST ニュース)
・・・・・
J-CASTニュースの取材に対し、はごろもフーズでは、混入した原因について次のように話す。
「ツナの肉を入れる缶は、フィルムが巻かれた状態から取り出して、洗って製造のラインに置きます。
従業員がお昼休みにラインを止めて外に出ますが、この間に虫が缶の中に入ってしまった可能性があります。
そのまま気づかずにラインを再開したため、肉を詰める機械に缶が入ったということです」
一方、従業員が工場に入るときに、エアシャワーを浴びるなどしているが、服などに虫が入っていれば完全には防げないとした。
これまでに工場内に虫が入ったケースについては、極めて少ないながらも、まったくゼロではないという。
混入が分かってからは、昼休みのときは空の缶が残らないようにするなどの再発防止対策をしたとしている。
出典
『ツナ缶の真ん中にゴキブリ1匹 H社が自主回収しない理由』
https://www.j-cast.com/2016/10/28282099.html?p=all
また、H社は問題発覚時に対応を誤ったという記事も見つかった。
長文につき、冒頭部分のみ紹介する。
記事中、同じ事故でもマスコミの報じ方はマチマチであり、中には印象操作につながりかねない表現の記事、見出しもあるとの論調もある。
(2016年11月3日 ダイヤモンド オンライン)
H社のSチキンにゴキブリ混入が発覚した。
2014年12月、P社の焼きそばにゴキブリ混入が発覚し、半年の長きに渡って販売中止となった事件は記憶に新しいが、両ケースとも、不祥事そのものに加えて、お粗末な広報対応がネット上の「炎上」に油を注いだ。
P社を苦しめたあの「黒い悪魔」が、今度はSチキンに「大炎上」をもたらした。
10月27日、「SチキンLフレーク」に1.5cmほどのゴキブリの死骸が混入していることが発覚した。
メディアの取材に対して製造元のH社が、「同様の申し出がなく、他の商品への混入はない」と、公表や自主回収などの対応をとらないと回答したことに、ネットのみなさんの怒りが爆発してしまったのだ。
このような批判の嵐をうけ、同社は慌ててホームページ上に「お詫び」を掲載。
混入の事実を公表したものの、鎮火するどころか、「言い方が気に食わない」「上から目線だ」と、さらに炎上。
翌日には、当該製品の協力企業名まで明記して製造休止を宣言する「お詫び②」を掲載する事態に追い込まれる。
当然、株価も下落。
28日までに苦情や問い合わせは約900件にも上ったという。
・・・・・
出典
『Sチキンのゴキブリ炎上、「公表しない」宣言が運命を分けた』
http://diamond.jp/articles/-/106719
2018年1月21日3時1分に大分合同新聞から、同趣旨の記事がネット配信されていた。
県は20日、県沿岸で取れるショウサイフグの皮を自宅で調理して食べた宇佐市内の80代夫婦が食中毒になったと発表した。
夫婦は同市内の病院に入院中だが、いずれも快方に向かっているという。
県によると、夫婦は19日午前8時半ごろ、フグ2匹の皮をみそ汁に入れて食べた。
同正午ごろから、唇のしびれ、手足の脱力感、嘔吐などの症状が出て、病院に運ばれた。
病院から通報を受けた保健所が調査。
残品がなく、夫婦からの聞き取りにより、種類はショウサイフグで、皮に含まれる毒(テトロドトキシン)が原因と推定している。
尿検査などで確定する。
夫婦は18日に知り合いの漁師から5匹を譲り受け、同日の夕食でも、調理した身や皮を食べた。
「小さい頃から、腹がつるつるであれば身や皮を食べても大丈夫と聞いていて、これまでも食べていた」と話しているという。
フグは、食品衛生法で、食べられる種類や部位が定められている。
皮は、肝や卵巣などとともに、食用を禁じた種類が少なくない。
県内のフグによる食中毒は、1970年以降、36件目。
これまで8人が死亡した。
県食品・生活衛生課は、「素人が調理して食べるのは非常に危険。専門の資格を持った人に任せてほしい」と呼び掛けている。
出典
『フグの皮食べ中毒 高齢夫婦、自宅で調理 宇佐市』
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2018/01/21/JD0056543212
1月21日3時0分に朝日新聞大分版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
県内のフグによる食中毒は、2016年8月以来。
食べたフグは「ショウサイフグ」とみられ、フグ毒(テトロドトキシン)があるため、皮などは食品衛生法で販売することなどが禁止されている。
同課によると、県北部では、ショウサイフグなど沿岸部でとれるフグを「ナゴヤフグ」と呼んでいる。
夫婦は、「昔から、ナゴヤフグの中でも腹部にトゲがないものの身と皮は食べても大丈夫だと聞いていた。これまでも自分たちで調理して食べていた」と話しているという。
2人はフグを調理する免許を持っていなかった。
出典
『大分)「ナゴヤフグ」食べ80代夫婦が食中毒 宇佐』
https://www.asahi.com/articles/ASL1N42MWL1NTPJB001.html
1月20日16時2分にNHK大分からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
保健所の聞き取りに対し、夫婦は「地元の言い伝えで、腹がツルツルしているフグは食べても大丈夫だと思っていた。これまでも、もらったフグを自分たちで調理して食べてきた」と話しているという。
県食品・生活衛生課の佐伯課長は、「こうした言い伝えは信じないでほしい。専門の免許を持たない人がフグを調理して食べるのは非常に危険なので、絶対にしないでほしい」と注意を呼びかけている。
出典
『自宅でフグ調理 2人食中毒』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/5074550601.html
(ブログ者コメント)
〇漠然とした安全伝承を長年信じてきて起きた事故。
昨日までの安全が今日の安全を保障するものではないということを改めて教えてくれた事例だ。
〇この事例の数日前にも、愛知県三河地方のスーパーで昔から毒がないと言われてきたフグの肝が売られていたという、下記趣旨の報道があった。
(2018年1月18日11時50分 朝日新聞)
愛知県蒲郡市のスーパーがフグの肝を販売し、県が「絶対に食べないで」と注意を呼びかける騒ぎになった。
国はフグの肝には毒があるとして販売を禁じているが、問題のフグは地元ではよく食べられていたという。
なぜ、これまで問題にならなかったのか。
売られていたのは「ヨリトフグ」の切り身と肝のパックで、15日に5個売れた。
県によると、買った人の一人が偶然、「ふぐ処理師」の免許を持っている人で、「肝が入っている」と保健所に連絡。
県は返品を呼びかけたが、すでに2パックは食べられた後だったという。
健康被害は確認されていない
・・・・・
問題のスーパーは1998年に「ふぐ処理施設」の設置届を県に出し、2年以上のフグ処理の経験があり、食べられる部位を区別する実技試験に合格した専門職の「ふぐ処理師」も置いていた。
だが、このスーパーは県に「ヨリトフグの肝臓は無毒で、売っていいと思っていた」と話しているといい、処理過程で除かれることなく売られていた。
県が16日、食品衛生法に基づきスーパーに立ち入り調査したところ、20年近く肝を売っていた可能性が出てきたという。
これまで、毒にあたることはなかったのだろうか。
地元の海産物販売所の店員は「昔から、浜辺で育った地元の人は肝をみそ汁や鍋などで食べていた」と話す。
ニュースで騒ぎになり、地元のみんなは驚いている」のだという。
フグの肝を食べる習慣は、蒲郡市周辺だけではない。
「シロサバフグの肝は脂がのっておいしいのに、子どもたちに食べさせてあげられない」。宮崎県川南町の漁協に勤める男性(41)はこう話す。
川南町は日向灘で育った天然の「シロサバフグ」が特産品だ。
昔は肝も食べていたが、微量の毒が検出され、店では買えなくなったという。
・・・・・
出典
『スーパーでフグの肝販売、なぜ? 地元でなじみの味』
https://www.asahi.com/articles/ASL1L3QMWL1LUBQU004.html
〇各種フグの可食部位は、厚労省HPに一覧表として掲示されて
いる。
『処理理等により人の健康を損うおそれがないと認められるフグの種類および部位』
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_01.html
2017年12月6日17時2分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
農林水産省は、インターネットなどで健康によいと紹介されている「ビワの種」について、天然の有害物質が含まれ、多量に摂取すると健康を害するおそれがあるとして、粉末にするなどして食べないよう注意を呼びかけている。
農水省によると、果物のビワの種に含まれている「アミグダリン」という物質について、インターネットなどで「ビタミンの一種で健康によい」とか「がんに効果がある」などと紹介されたり、ビワの種を使った料理のレシピが掲載されたりしているという。
しかし農水省は、「アミグダリン」は青酸を含む天然の有害物質で、健康によいという科学的な根拠は無く、多量に摂取した場合、頭痛やめまいなどの中毒症状を起こすおそれがあるとしている。
実際に、ビワの種を粉末にした食品から有害物質が高い濃度で検出され回収されたケースが、今年度に4件あったという。
農水省は、ビワの種を粉末にした食品を食べないよう注意を呼びかけているほか、粉末にせず種のまま料理する場合も注意するよう呼びかけている。
一方、熟した果肉については、安全に食べることができるとしている。
農水省では、「回収されたビワの種の粉末食品のうち、特に濃度が高いものは、小さじ1杯程度でも健康に影響が無いとされる量を超えて青酸を摂取してしまう可能性があった。種を料理した場合も、これまでに健康被害の報告は無いが、注意してほしい」と話している。
出典
『「ビワの種」に有害物質 食べないよう注意呼びかけ 農水省』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171206/k10011248621000.html?utm_int=all_side_ranking-access_004
(ブログ者コメント)
以下は、平成29年12月6日付の農水省HP記事
『ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう』
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin/loquat_kernels.html
2017年10月21日付で東京新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
群馬、埼玉両県の系列総菜店の総菜を食べた人が腸管出血性大腸菌O157に感染し、都内の女児(3つ)が死亡した食中毒をめぐり、群馬県は20日、調理された食品を不特定多数の客が取り分ける露出陳列形式の総菜店を対象に、独自の衛生管理指針を策定した。
客が総菜の取り分けに使う器具「トング」などの取り扱いや、食品の陳列時間と温度管理の具体的な基準を示し、事業者に周知を図る。
県によると、同様の指針は全国的に珍しいという。
この日開かれた県食品安全県民会議で、学識経験者や生産・流通関係者、消費者団体代表らの意見を聞いた上で、正式に決めた。
女児が死亡するなどした食中毒では、調理後の店内で菌が付着した二次汚染の可能性が指摘されている。
指針では、防止対策として、トングなどの器具の品目ごとの使い分けや適切な交換、使い方の明示などを規定。
利用客の手指の洗浄の奨励や、消毒液を備えた手洗い設備の設置などを定めた。
陳列場所の室温や食品の温度管理についても具体的な数値を示して指導し、陳列時間も原則、調理後4時間を限度とするなど、基準を明確化した。
こうした対策が適切に行われるよう、温度確認やトング交換などの点検事項の記録と保管、施設に適した衛生管理マニュアルの作成も求めている。
県は総菜販売店に指針を通知し、再発防止につなげる。
ビュッフェやバイキング形式の外食店は直接の対象としないが、県は「衛生管理の参考にしてほしい」としている。
女児の死亡を受け、県は中核市の前橋、高崎両市の保健所関係者らと連携して策定作業を進めていた。
出典
『衛生管理指針を策定 総菜店の食中毒で県 陳列時間など示す』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201710/CK2017102102000189.html
10月21日付で毎日新聞群馬版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
群馬、埼玉両県の総菜店「でりしゃす」系列店で購入したポテトサラダなどを食べた人が病原性大腸菌O157に感染した問題を受けて、県は20日、客がトングを使って取り分ける販売形態の総菜店を対象に、県独自の衛生管理指針を策定した。
事業主にトングの交換頻度を決めるよう求め、食品の陳列は調理後4時間を限度とする--などの内容。
ただ、強制力はなく、事業主の自主的な取り組みに委ねられる。
県は、この問題を受け、
(1)利用客による2次汚染
(2)陳列場所の不適切な温度管理による微生物増殖
(3)長時間の陳列による微生物増殖
という観点から対策を検討してきた。
指針は、
▽店舗の出入り口に消毒液を備える
▽トングの交換頻度と洗浄消毒方法をマニュアルで定める
▽食品の陳列は原則、調理後4時間を限度とする
などを求めた。
このほか、
▽温度管理やトング交換など衛生管理の点検事項を記録・検証
▽従業員の健康チェックを毎日実施し記録
なども盛り込んだ。
県食品・生活衛生課の中村課長は、「指針に強制力はないが、再発リスクが低くなる」と話している。
県によると、総菜販売許可を得ているのは661店。
週明けから指針を配布する。
今後、監視指導などの際に、指針の実施状況を確認するという。
県は、20日に「食中毒と感染症」をテーマにした食品安全県民会議を開き、この指針について学識者や流通関係者らの意見を聞いた。
事業主には、実務的な負担の増加が予想される。
ベイシア品質・鮮度向上SV部の石井部長は、「中小の小売りには負担が大きい。どこまでできるのか」と実効性に懸念を示した。
東洋大食環境科学科の佐藤順教授は、「指針の策定は画期的で、食中毒を減らすために有効」とした上で、「トングによる汚染は二次的。直接の原因が判明し、その対策を盛り込めたら良かったのだが……」と話した。
出典
『O157 食中毒問題 県が衛生管理指針 強制力なく業者に委ね』
https://mainichi.jp/articles/20171021/ddl/k10/040/276000c
10月21日6時0分に上毛新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
トングの交換や消毒の徹底のほか、サラダなど未加熱食品は10℃以下を保ち、商品を並べるのは調理後4時間までとすることなどを盛り込んだ。
指針を参考に店ごとにマニュアルを作り、従業員に周知徹底するよう求めている。
指針は県内に約660店ある総菜店を対象に配布予定で、バイキング形式の飲食店は対象外。
違反した場合の罰則はない。
同日開かれた県食品安全県民会議で原案が示され、委員が了承した。
会議終了後、民間の委員の一人は、「商品の回転を考え少量ずつ作る必要がある。厳しい内容だが、お客さまの安全が第一」と理解を示した。
出典
『トング交換や消毒徹底 独自の衛生管理指針策定 県』
http://www.jomo-news.co.jp/ns/5615085139906488/news.html
(ブログ者コメント)
〇10月20日付で群馬県から下記の文書が公表されていた。
『「そうざい販売店(露出陳列)の衛生管理指針」の策定について』
http://www.pref.gunma.jp/05/by01_00030.html
〇中毒事故の概要については下記記事がよくまとまっている。
(2017然月21日17時0分 東京スポーツ)
『O157食中毒事件の惣菜店「閉店」〝菌の温床〟スマホ感染の危険性』
https://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/772843/
2017年9月26日19時23分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
25日、東京・新宿区と板橋区の小中学校で、出された給食の牛乳の味やにおいがふだんと違うという訴えが相次いで出された。
訴えたのは、児童や生徒らあわせて1900人あまりで、今のところ大きな健康被害は報告されていないという。
東京・新宿区と板橋区によると、25日、区内の小中学校に通う児童や生徒らから、給食で出された牛乳の味やにおいがふだんと違うという訴えが相次いで出された。
新宿区と板橋区が調べたところ、異常を訴えたのは、新宿区立の小中学校あわせて29校と、板橋区立の小中学校あわせて24校に通う小学生と中学生、それに教職員の、あわせて1900人あまりで、今のところ大きな健康被害の報告はないという。
これらの学校に提供されていた牛乳は、いずれも埼玉県戸田市にある「明治戸田工場」で今月22日に製造されたもので、新宿区と板橋区は、26日の給食からこの工場の牛乳の使用をとりやめ、別の工場で製造した牛乳の提供に切り替えた。
異臭などが指摘された牛乳は、工場から学校に運ばれたあと、給食に出されるまでのあいだ、冷蔵で保存していたということで、2つの区は成分を分析するなどして原因を調べている。
牛乳を製造した「明治」によると、25日、新宿区内の小学校から「いつもと風味が違う」という指摘があったという。
この牛乳は、埼玉県戸田市の工場で今月22日に製造され、東京の板橋区、渋谷区、新宿区、豊島区、埼玉のふじみ野市、和光市の6つの自治体、あわせて282の小中学校に給食用の牛乳として出荷されていた。
これまでに、35の小中学校から「ふだんと風味が違う」などという指摘が寄せられたという。
指摘を受けて会社では、この工場で製造された牛乳を検査したが、今のところ牛乳の成分に異常は確認されていないという。
ただ、においや味が違うと指摘されたことの原因は分かっていないということで、会社では原因の調査を進めるとともに、戸田市の工場から出荷していた学校には、27日は神奈川県の工場から牛乳を出荷する予定だとしている。
明治は、「お召し上がりになられたお子さんやその保護者の皆様、また関係者の皆様にご迷惑とご心配をおかけし深くお詫び申し上げます。まずは原因を究明した上で、再発防止に努めて参ります」とコメントしている。
出典
『給食の牛乳から異臭 訴え相次ぐ』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170926/0001035.html
9月26日22時58分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都新宿区と板橋区は26日、区内の小中学校給食の牛乳を25日に飲んだ児童や生徒、教職員から「いつもと違う味がする」「せっけんの臭いがする」などの訴えがあったと発表した。
新宿区の40校中29校、板橋区の75校中24校の、計1900人以上が違和感を感じた。
板橋区では、児童1人が帰宅後に下痢を訴えるケースがあったが、牛乳との因果関係は不明という。
製造したのは「明治」の戸田工場(埼玉県戸田市)。
同社によると22日に製造し、両区のほか、東京都渋谷区、豊島区と埼玉県ふじみ野市、和光市に出荷した。
自社の出荷前検査では、異常は認められなかったという。
出典
『給食の牛乳が「せっけんの臭い」 都内1900人違和感』
http://www.asahi.com/articles/ASK9V6X2QK9VUTIL058.html
9月26日19時18分に日テレNEWS24からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新宿区教育委員会によると、25日、区立の小中学校計29校の給食で出された牛乳を飲んだ児童や生徒らから「味が薄い」「ガソリンくさい」などの訴えがあった。
牛乳を飲んだ約1万人の小中学生のうち1301人が違和感を訴えたという。
このうち小学生2人が「お腹が痛い」と体調不良を訴えたが、いずれも軽症で、この牛乳が原因か分かっていない。
出典
『給食牛乳に1300人が違和感訴え 新宿区』
http://www.news24.jp/articles/2017/09/26/07373603.html
9月27日付でTBS NEWSからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
これまでに新宿区と板橋区の53の小中学校の児童・生徒らおよそ1900人から「普段と味が違う」「塩素のにおいがする」などの訴えが相次いだ。
埼玉県は工場の立ち入り検査を行ったが、衛生上の問題は見つからなかった。
出典
『都内53校で給食の牛乳から異臭、工場に立ち入り検査』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3168764.html
(ブログ者コメント)
給食で出された牛乳の味やにおいに違和感ありと騒ぎになった事例は、本ブログで過去に2件ほど紹介している。
それらについては、
・複数の牧場の牛乳を混ぜることなく、1つの牧場の牛乳だけを使っていた
・エサや季節が変わった
といったことが原因ではなかったか・・・などと報道されていた。
2017年9月1日17時28分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
奈良県葛城市教育委員会は31日、2学期の学校給食から米飯の納入業者を変更することを明らかにした。
異物の混入が過去3年間で40件以上と相次いでおり、健康被害は報告されていないが、食の安全安心を確保するために決めたという。
同市教委によると、給食は市立の幼稚園と小中学校の12校園で1日に計約4000食を配食。
おかずは給食センターですべて調理し、米飯とパンは、30年以上前から市内の食品会社が一括で請け負っていた。
しかし、2014年頃から米飯やパンに頭髪や虫、金属片などが相次いで発見。
確認されただけでも、14年度は10件、15年度は19件、16年度は15件あった。
今年4月下旬には、米飯にナット(1cm四方、厚さ2mm)1個が見つかり、市教委は同社からの納入を停止。
米飯は御所市、パンは河合町の業者に変更していた。
市PTA協議会からの改善要望もあり、市教委は8月に同社との契約を解除。
9月以降、米飯は大阪府八尾市、パンは引き続き河合町の業者から納入する。
杉沢教育長は取材に対し、異物の混入は業者が安全管理を怠ったとの認識を示した上で、「子どもや保護者に心配をかけて申し訳ない。信頼回復に全力で取り組む」としている。
出典
『給食異物混入、3年間で40件以上…業者を変更』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170901-OYT1T50060.html
2017年8月11日18時22分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
購入した食品に異物が入っていたという苦情が、昨秋までの約3年間で全国の保健所に約1万4千件あり、このうち4519件は業者の製造過程で混入したとみられることが、厚生労働省研究班の調査でわかった。
健康被害は236件で確認された。
厚労省は、食品販売業者の異物混入対策を強化する方針という。
研究班(代表=砂川・国立感染症研究所感染症疫学センター第二室長)は昨年12月、保健所を設置する142自治体(当時)に調査票を送付。
2014年4月~16年11月に対応した食品の異物混入事例を尋ね、127自治体(89%)から回答があった。
調査によると、工場や飲食店、小売店の食品製造過程で、異物混入が判明したか、可能性が高いものの件数は計4519件。
異物はゴキブリやハエといった虫が最も多く、金属やビニール、人の毛もあった。
飲食店の料理や弁当など調理済み食品が最も多く、菓子類、米飯やカット野菜などの農産加工品と続いた。
口の中を切ったり、歯がかけたりなどの健康被害は236件。
金属や動物の骨、プラスチック片などが原因の約9割を占めた。
硬い異物が混入した事例のうち、混入工程がわかった約1000件を調べると、調理済み食品や菓子類、飲料は、製造過程で調理器具の一部が入る事例が多かった。
調査した国立医薬品食品衛生研究所安全情報部の窪田・第二室長によると、年度ごとの苦情件数や異物の割合はほぼ同じ。
「食品業者は、異物混入が起きている現実を認識し、『うちは大丈夫か』と注意してほしい。異物を発見した消費者は保健所に相談して」と話す。
食品衛生法は、健康被害の恐れがある異物が混入した食品の販売を禁じており、食品製造の現場では、食品の一部を抜き取る自主検査が主流という。
より効果的な対策につなげようと厚労省は、異物混入や食中毒菌による汚染などのリスクを予測し、従来より厳しくチェックする国際基準「HACCP(ハサップ)」に基づく衛生管理を食品業者に義務づける方針だ。
厳格にした後は、製造工程で異物混入のリスクを予測し、適した対策をとる。
金属片が混入するリスクがある場合は金属探知機で調べることが、具体例としてあがっている。
厚労省は、ハサップに基づく管理を義務づける食品衛生法改正案を、来年の通常国会に提出することをめざしている。
出典
『食品への異物混入、最多はゴキブリ・ハエ… 厚労省調査』
http://www.asahi.com/articles/ASK7M5J35K7MULBJ00S.html
2017年7月6日16時57分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
本格的な夏の到来を前に、各自治体が、加熱しても殺菌しにくい「ウェルシュ菌」食中毒への注意を呼びかけている。
作りおきしたカレーなどの煮物が原因となることがあり、昨年は全国で約1400人が発症した。
専門家は、「梅雨や夏は、1年の中で最も菌が増えやすい。料理は常温保存せず、速やかな冷蔵を心がけ、食中毒を防いで」と呼びかけている。
「Rホテル」(大阪市北区)のレストランでは、5月初旬、昼食をとった利用客25人が下痢や腹痛などの症状を訴え、患者からウェルシュ菌が検出された。
大阪市は、提供メニューのうち、カレーなど作りおきの煮物料理が感染源の可能性が高いとみている。
3日間の営業停止処分を受けた同レストランは、料理の作りおきの中止や温度管理の徹底などの再発防止策をとった。
担当者は、「うまみを出すなどの目的で作りおきをすることがあった。調理後、速やかに提供するよう徹底する」と話す。
夏場は気温、湿度が高く、他の季節以上に食べ物への注意が必要だ。
ウェルシュ菌は肉や魚、野菜などに広く付着する。
加熱処理さえすれば「安心」と考えがちだが、この菌は加熱しても、一部は残存する。
カレーやシチューのようにとろみがあり、空気が通りにくい料理だと、特に増えやすい。
しかも、食材の温度が45℃程度まで下がると急激に増殖する特徴があり、いったん増殖すると死滅させるのは難しい。
100℃で6時間加熱したが、それでも殺菌できなかったという報告もあるという。
厚労省の統計では、ウェルシュ菌による食中毒は過去10年間、およそ500~2800人で推移。
昨年は、前年の2.6倍の1411人に急増し、原因物質別でノロウイルス、カンピロバクターの次に多かった。
特に、7月は大量発生が頻発する“要注意”月で、1980年には埼玉県久喜市で小中学校の給食が原因で生徒ら3610人、2012年には山梨県富士河口湖町のホテルで宿泊客の高校生126人がそれぞれ集団で発症した。
大阪府立大食品安全科学研究センターの三宅センター長は、予防策として、
(1)調理後はすぐに食べる
(2)保存する時はできるだけ速やかに15℃以下に冷蔵する
(3) 再加熱する際は、長時間よく混ぜる
の3点を挙げる。
出典
『一晩寝かせたカレー、ウェルシュ菌増殖の恐れ』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170706-OYT1T50000.html
(ブログ者コメント
同趣旨の情報は、過去に下記記事でも紹介スミ。
2017年4月18日掲載
[昔の事例] 2017年3月8日 東京都世田谷区の幼稚園で1晩おいたカレーを食べた園児など76人が食中毒、トロミある料理を常温保存すると再加熱してもウエルシュ菌で食中毒の恐れあり
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7010/
2017年7月4日17時26分にNHK福井から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
富士・東部保健所管内にある障害者福祉施設で、先月、井戸水を飲んだ18人が下痢や腹痛を訴え、患者から食中毒を引き起こす細菌の「カンピロバクター」が検出された。
県は井戸水による食中毒と断定し、施設に再発防止の指導を行った。
県によると、先月21日から26日にかけて、富士・東部保健所管内にある障害者福祉施設で、敷地内の井戸水を飲んだ10代から60代の職員や施設の利用者18人が下痢や腹痛を訴えた。
保健所が調べたところ、このうち10人から細菌のカンピロバクターが検出された。
入院した人はおらず、全員が快方に向かっているという。
県が原因を調べたところ、この施設では先月のカラ梅雨で敷地内の井戸水の水位が下がり利用を控えたが、水位が戻り、今月21日から利用を再開した際に、塩素を使った消毒をしていなかったという。
県は、消毒をしていない井戸水を飲料水に使ったことによる食中毒と断定し、施設に対し、再発防止に向けて衛生管理の徹底を指導した。
出典
『福祉施設の井戸水で18人食中毒』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/1044854491.html
2017年3月11日に掲載した第2報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正4として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6874/
(2017年6月21日 修正4 ;追記)
2017年6月13日8時17分に産経新聞westから、御坊市が調達したきざみのりゆえ営業停止は不当と調理委託業者が提訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
和歌山県御坊市の市立給食センターで一括調理された学校給食を食べた小中学生ら800人以上が下痢や腹痛などの症状を訴えた集団食中毒で、県から営業停止処分を受けた同センターを運営する調理委託業者の「Sサービス」(東京都)が、処分の取り消しを求め、和歌山地裁に提訴していたことが分かった。5月1日付。
6月12日の定例会見で仁坂知事は、「当然、争わないといけない」と述べた。
訴状などによると、大阪市の食品加工業者が提供した「きざみのり」を使用したが、御坊市が調達した食材であり、過失はなく、営業停止処分は違法などとしている。
今年1月下旬の集団食中毒の発生後、県は、同社が運営する同センターの運営状況を調査。
14日間の営業停止処分を出した。
今年2月に東京都内の小中学校で発生した集団食中毒の原因が、御坊市の調達先と同じ大阪市の食品加工業者が提供した「きざみのり」と判明した。
処分後、同社は県内外の24自治体の給食事業の参加資格の停止や指名停止を受けており、同社は、「食中毒の過失はなく、創業以来食中毒事故がなかった当社のブランドが毀損された」と主張している。
一方、県側は答弁書をまとめ、近日中に同社側に送付する方針。
営業停止処分について、県食品生活衛生課の担当者は、「県内でこれ以上、食中毒の被害が拡大しないようにとった適切な対応。処分の取り消しに応じることはできない」と争う方針を示している。
出典
『給食食中毒のり訴訟 業者「御坊市が提供」VS和歌山県知事「当然争う」』
http://www.sankei.com/west/news/170613/wst1706130015-n1.html
(ブログ者コメント)
他社から支給された物品を使用して、その物品が原因で事故が起きた場合、責任はどちらが負うべきなのだろうか?
ブログ者は、以前、安全保護具を安易に貸し借りして、その保護具の不具合で事故が起きた場合、貸した側の責任が問われることがあると聞いたことがあるのだが・・・。
2017年6月6日19時36分にJ-CASTニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新潟県妙高市立小学校の3年生児童らが飲んで食中毒になった湧き水は、県の調べによると、しみ出る場所ではなく、水を通したパイプから汲んでいた。
県では、しみ出る場所が汚染されたことも可能性の1つとして考えられるとしている。
児童らの食中毒は、カンピロバクターという細菌によるものだった。
鳥獣の腸管内にいるとされ、フンなどを通じて感染が広がる。
小学校では、今回、校外学習の一環として2017年5月26日、妙高市の猪野山地区の里山の頂上付近にある湧き水まで足を運んだ。
水を自宅に持ち帰った児童もいるため、児童27人と家族16人の計43人が発熱や下痢などの症状を訴え、児童3人が入院する事態になった。
3人はすでに退院し、ほかの児童らも快方に向かっているという。
この食中毒で、12人の便からカンピロバクターが検出され、県では、児童らが飲んだ湧き水が汚染されていたことが原因とみている。
県の生活衛生課が6月6日にJ-CASTニュースの取材に答えたところによると、湧き水のある場所は、水がしみ出る場所からパイプを1~2m引いて、汲みやすいようにしていた。
湧き水は、土と砂が混じった地面からしみ出ており、県では、ここにたまった水がフンなどで汚染された可能性もあることを認めた。
ただ、水はどこから来ているのか分からないため、もともと動物の死骸などに汚染された水だった可能性もあるとしている。
一方、この湧き水で食中毒になったという報告は、ここ数10年ないという。
新潟県内では、「名水」に選定されたところが60か所以上ある。
今回の湧き水は、選定場所ではなかったが、こうした名水でも危険はあるのだろうか。
新潟県では、名水などでは定期的な水質調査も行っている。
しかし、県の生活衛生課では、地殻変動などで重金属などの毒物が混入するケースも含めて、水質が変動することもありうるとして、「基本的には、飲まないでほしい」と言っている。
県のホームページでも、同様の理由から、選定した名水について「飲用について保証するものではありません」と書いている。
県では、自己責任で飲む場合でも、煮沸してからにするように呼びかけている。
妙高市教委のこども教育課は、小学校の教員らは、地元の人の案内で事前に湧き水の下見をし、その場で飲んだものの、食中毒の症状は出なかったと取材に説明した。
コップも置いてある場所で、これまでにお腹を壊したといった話は聞いていなかったという。
「今回は、『地域のお宝を探す』という総合学習の一環として行い、地元でも自慢の湧き水だけに、先生方も子供たちに飲ませてあげたいという思いがあったのだと思います。しかし、湧き水を巡る条件が変わることを考えれば、認識が甘かったと思っています。今後は、選定された名水も含めて、子供たちに飲ませることは控えたいと考えています」
出典
『妙高「自慢の湧き水」で児童43人が食中毒 「名水もそのまま飲まないで」と新潟県』
https://www.j-cast.com/2017/06/06299898.html?p=all
(ブログ者コメント)
ブログ者は、しばしば銘水の里、久留里まで湧き水を汲みに行っている。
そこでは、上総掘りという伝統手法で地下深く掘られた井戸から自噴した水が、いったん地上にあるタンクに入り、そのタンクから水が出てきているので、汚染される心配は、まずないと思っている。
また、中には水質検査結果を表示している井戸もあるので、ますます安心だ。
以下は、様々な水汲み場の外観。
井戸によって、若干、水の味が違うように感じるのも面白いところだ。
http://www.city-kimitsu.jp/kanko/spot/manabu/ido-kururi.html
2017年6月6日20時52分にNHK茨城から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午後、学校の給食で出された牛乳を飲んだ児童や生徒から相次いで「消毒臭がする」とか「水っぽい」などの訴えがあった。
県教育委員会が調べたところ、同様の訴えが相次ぎ、これまでに水戸市、北茨城市、ひたちなか市、常陸大宮市、那珂市、土浦市、日立市、茨城町の61校で、合わせて3700人余りが違和感を訴えたという。
このうち377人が体調不良を訴え、2人が吐き気などの症状で医療機関を受診したが、症状は軽いという。
出された牛乳は、いずれも水戸市の牛乳メーカー「I乳業」が製造した200mℓの紙パック製品「水戸H牛乳」だということで、茨城県の水戸保健所は、5日と6日、「I乳業」に立ち入り調査を行い、製造過程が記録されている書類などを確認するとともに、牛乳に含まれる成分を検査して原因を詳しく調べている。
「I乳業」はNHKの取材に対し、「多くの皆様にご迷惑をおかけし、申し訳ございません。牛乳については国際的な基準に従って作っているので、衛生上の問題はないと考えている」とコメントしている。
出典
『給食の牛乳 3700人余違和感』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/1076083851.html
6月9日6時42分にNHK首都圏からは、牛乳の成分や保管状況に問題は見つからなかったという、下記趣旨の続報記事がネット配信されていた。
茨城県は、当初、違和感を訴えた児童・生徒の数を3333人、体調不良を訴えたのは377人としていたが、集計ミスがあったとして、違和感を訴えた人数を3193人、体調不良を訴えた人数を639人と訂正した。
この問題を受けて茨城県は、牛乳の成分の検査のほか、原料となる生乳を生産している農場の状況、集荷した生乳の保管状況などの調査を進めてきた。
その結果、8日までのところ、「異臭や風味の異常につながる問題は見つかっていない」としている。
茨城県は、さらに詳しい検査を行い、今月12日をめどにすべての結果について公表したいとしている。
出典
『給食牛乳 調査で問題見つからず』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170609/4117041.html
(ブログ者コメント)
原因が特定されたかどうか定かではないが、過去にも同じようなトラブルがあった。
2013年10月9日掲載
『2013年10月2日 山口県の小中学校で複数の生徒が牛乳を飲んだ後に違和感を訴える、下痢なども?製造ラインなど点検結果問題なし、エサなどで味が変わった?』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3329/
(2017年6月17日 修正1 ;追記)
2017年6月14日10時23分に日テレNEWS24から、原料の違いで風味が安定していなかったことが原因だという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
茨城県などは、製造元への立ち入り調査などを行っていたが、「衛生上の問題はなく、原料による風味の違いが原因だった」との調査結果をまとめた。
普段は、複数の農場の牛乳を混ぜ合わせて風味を安定させていたが、問題となった日は、1つの農場の牛乳だけを使っていたという。
専門家によると、子供は臭いに敏感で、味の違いとして反応した可能性があるという。
茨城県は製造元の「I乳業」に対し、風味を安定させることなど、再発防止策を指導している。
出典
『牛乳に違和感「原料による風味の違い」茨城』
http://www.news24.jp/articles/2017/06/14/07364186.html
6月15日11時59分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
茨城県は13日、製造会社が仕入れた原料乳が通常と異なり、風味に違いがあったことが原因だったと発表した。
衛生管理に問題はなかったとしている。
県によると、製造した「I乳業」は、通常、複数の農場の原料乳を混ぜたもので製品を作っていたが、問題の製品は一つの農場の原料乳を用いていた。
風味は、複数の原料乳が混ざっていた方が安定するという。
児童らが体調不良を訴えた点については、「異臭と感じたことで、体調不良を起こしたと思い込んだ可能性がある」と説明している。
同社は今後、日々の風味の検査を厳格化するなどし、味の平準化を徹底するとしている。
出典
『給食牛乳から異臭「衛生問題なし」 原因は原料の違い 茨城』
http://www.sankei.com/affairs/news/170615/afr1706150005-n1.html
2017年5月17日付で信濃毎日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
16日午後1時50分ごろ、長野市豊野町豊野の豊野高等専修学校から保健所に、授業で作ったニラ入りスープを食べた生徒の具合が悪くなったと通報があった。
生徒と教員の計14人が嘔吐や腹痛の症状を訴え、市内3病院に搬送されたが、全員軽症で同日中に退院したという。
保健所によると、同校は「ニラとスイセンを間違えた」と説明。
有毒のスイセンはニラと葉が似ており、誤食して食中毒になった可能性がある。
料理に使った植物を調べたところ、ニラ特有のにおいはしなかった。
保健所が経緯などを調べている。
警察も、関係者から事情を聴いている。
学校を運営する豊野学園の山岸理事長(65)は、記者会見して経過を説明した。
2年生の家庭科の授業で親子丼とニラ入りスープ、ワカメスープを作り、食べた生徒23人のうち、男子8人、女子3人の計11人に嘔吐や腹痛の症状が出た。
ほかに、料理を食べた家庭科教員と学級担任教員、男性校長の3人も体調不良を訴えた。
授業の食材は学校側が用意したが、入手経路は確認できていないという。
これまでは、メニューや食材は家庭科教員が担当してきたとした。
山岸理事長は、「安全確保に十分に注意してきたつもりだったが、生徒に大変な心配を掛けて申し訳ない」と陳謝。「原因をしっかり究明し、再発防止と安全確保に全力を挙げたい」とした。
学校は、保護者への説明など対応に追われた。
子どもが病院に運ばれたという男性は、「学校から『食あたりがあった』と聞いた。病院へ急ぎたい」と慌てた様子。
女子生徒の1人は、「会議室で何人か座り込んでいた。校長先生も一緒に運ばれていった」と不安そうに話した
出典
『スイセンを誤食か、14人搬送 長野の高等専修学校で授業中』
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170517/KT170516FTI090029000.php
5月16日19時27分にNHK信州からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長野市の高等専修学校で、調理実習の料理を食べた教員や生徒、合わせて14人が嘔吐などの症状を訴え、病院に運ばれた。
保健所では、「ニラ」と誤って有毒な「スイセン」を食べた食中毒の可能性もあるとみて調べている。
保健所によると、16日午後2時前、長野市豊野町にある豊野高等専修学校から、「調理実習の料理を食べた教師や生徒が嘔吐や吐き気などの症状を訴えている」と連絡があった。
消防によると、教員3人と生徒11人の合わせて14人が病院に運ばれ手当てを受けているが、いずれも命に別状はないという。
調理実習ではニラの入ったスープなどを作ったということで、保健所では、担当の教員が「自分で採ってきた植物を使ったが、ニラとスイセンを誤ったかもしれない」と話していることなどから、有毒なスイセンを食べた食中毒の可能性もあるとみて、詳しく調べている。
長野県によると、県内ではこの時期、家庭菜園や山菜採りで誤って有毒な植物を食べ体調不良を訴えるケースが後を絶たず、昨年度は3件の食中毒が発生し、17人が症状を訴えていて、県では、食用かどうか判断がつかない植物は絶対に食べないよう注意を呼びかけている。
出典
『調理実習でおう吐スイセン誤食か』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/1013450671.html
5月19日20時24分にNHK信州からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月20日付で朝日新聞長野東北信版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
長野市保健所は、このうちの11人について、ニラと誤って毒のあるスイセンを食べたことによる食中毒と断定した。
これを受けて学校が19日会見し、市川校長は、生徒や教員が誤って食べたスイセンは、14日に実家を訪れた学校の職員が「畑の下のほうに良いのがある」と母親から聞き、端に生えている一番新鮮そうなものを採取したが、実際に職員が向かった場所は母親が指示した場所とは違い、ニラによく似たスイセンが混生していたという。
校長は、今後、調理実習などの際は使用する食材の管理を徹底したいと話した。
出典
『スイセン誤食で食中毒 学校会見』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/1013512231.html
(ブログ者コメント)
〇同種事例は本ブログで過去にも紹介スミ。
〇ニラとスイセンの見分け方については、東京都薬用植物園から以下のとおりに写真付きで説明されている。
http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/plant/suisen.htm
ちなみに、その中に記されている臭いによる判別方法だが、「そのままだと区別できないこともあるが、茎を折ればニラだと特有の臭いがする」と書かれた、別の非公式情報もあった。
2017年5月9日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事が中毒件数の棒グラフ付きでネット配信されていた。
生の魚介類に付いている寄生虫「アニサキス」による食中毒の報告件数が急増している。
厚労省の統計によると、2007年は6件だった報告件数は、16年に20倍以上の124件に増え、食中毒の原因物質としては、ノロウイルスとカンピロバクター菌に次いで3番目に多い。
「報告は氷山の一角」との指摘もあり、専門家が注意を呼び掛けている。
アニサキスは、幼虫(体長2~3cm)が魚介類の内臓に寄生し、鮮度が落ちると筋肉に移動しやすい。
人がそれを生で食べると、数時間後から激しい腹痛や嘔吐などの症状が出る。
原因食品はサバが最も多く、サンマやサケ、アジ、イカなどでも起こる。
シメサバによる報告も目立つように、酢では予防できない。
ここ10年ほどの報告急増は、13年から法令改正でアニサキスによる食中毒が届け出対象に明示されたのも一因だが、背景にあるのが生の魚介類の流通の多様化だ。
大手の量販店や鮮魚専門店が市場の競りを介さず産地の業者から直接買い付ける「相対取引」などが盛んになり、消費者の口に入るまでの経路が複雑になっている。
国立感染症研究所の杉山広・前寄生動物部第二室長が約33万人の診療報酬明細書(レセプト)のデータを使って推計したところ、年間発生数は約7000件に上った。
杉山さんは、「アニサキスの食中毒を防ぐには、加熱するか、マイナス20℃以下で24時間以上冷凍すること」と、管理の徹底を訴える。
海外では、生食用の魚の冷凍保存を義務づける国もあるという。
厚労省などは、消費者には
▽鮮度の良いものを選ぶ
▽速やかに内臓を取り除く
▽内臓を生で食べない
といった対策を呼び掛けている。
刺し身を食べる時は、細かく砕くようによくかむことも大事だという。
出典
『アニサキス中毒 急増 10年で20倍に 鮮度に注意、酢でも防げず』
https://mainichi.jp/articles/20170509/ddm/041/040/207000c
(ブログ者コメント)
アニサキスについては、以下の情報もある。
2016年9月30日掲載
2016年9月23日報道 サバの生食文化が九州に根付いているのは日本海側と太平洋側でアニサキスの種類が違うことが理由、日本海側アニが筋肉部位に移行する割合は太平洋側アニの1%程度
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6327/
2017年4月11日11時6分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
食中毒を引き起こす「ウェルシュ菌」をご存じですか?
この菌には熱に強いものがあり、作りおきしたカレーや煮物などを食べて発症するケースが多くみられます。
春にも食中毒が起きており、注意が必要です。
【熱に強い性質、煮物も注意】
3月8日夕方から翌朝にかけて、東京・世田谷の私立幼稚園の園児67人と教職員9人の計76人が、次々と下痢や腹痛、嘔吐の症状を訴えた。
複数の患者の便からウェルシュ菌が検出され、保健所は、8日昼の「年長組を送る会」で食べたカレーが原因と断定した。
カレーは、7日午前11時ごろから、教職員と園児が職員室で2つの大きな鍋を使って作り、そのままの状態で一晩、常温で保存。
食べる直前に再加熱したという。
ウェルシュ菌は、人や動物の腸管内や土壌、下水などに存在。
肉や魚、野菜などの食材にも付着し、体内に大量に取り込まれると食中毒を引き起こす場合がある。
日本食品衛生協会の栗田・技術参与によると、ウェルシュ菌による食中毒が起きやすいのは「カレーやシチューなど、とろみのある料理を大鍋で作った時」だという。
筑前煮や煮込みハンバーグなどでも起こる。
ウェルシュ菌の中には「芽胞(がほう)」という、殻のような状態になるものがある。
熱に強い芽胞は、100℃で60分間熱しても死滅しないとされる。
そのため、調理の際に煮沸してもウェルシュ菌が残り、その後増殖して食中毒を引き起こす可能性がある。
常温で保存し、温度が55℃程度まで下がってくると、芽胞から新しい芽が出て菌が増殖し始める。
特に43~45℃で急速に増える。
料理にとろみがついていたり、量が多かったりすると、温度はゆっくり下がるため、菌が増殖する時間も長くなる。
飲食店やイベントで大量に調理した時に食中毒が発生しやすく、2014年には京都市の業者が製造したキーマカレーの弁当を食べ、900人が食中毒症状を訴えた。
ウェルシュ菌による食中毒の症状は、腹痛や下痢など。
ほとんどの場合、発症後1~2日で回復するという。
ただ、病気などで免疫力が低下していると、まれに重症化することもある。
【常温放置せず冷蔵を】
厚生労働省へ報告があった2016年のウェルシュ菌による食中毒は31件。
患者数は計1411人にのぼる。
31件の事故を発生月別でみると、4月と5月に計7件、10月と11月に計9件が起きている。
細菌性の食中毒は一般的に夏に多いが、ウェルシュ菌は春や秋の発生が目立つ。
では、どうすれば防げるのか。
「一番の予防法は、調理後すぐに食べること」と栗田さんは言う。
家庭でも注意が必要だ。
カレーなどは一晩おくとおいしいとも言われるが、保存の仕方によっては、ウェルシュ菌が繁殖してしまう。
ポイントは、一度に作りすぎないこと。
作りおきする場合は、常温で長時間放置せず、容器に小分けにし、冷蔵庫や冷凍庫で10℃以下に冷やして保存する。
料理が早く冷めるよう、小分けする容器は底の浅いものがいい。
ウェルシュ菌は酸素が苦手な嫌気性菌のため、容器に移し替える際に料理を混ぜて空気に触れさせると、より効果的だという。
作りおきしたものを食べる際には、ムラなく加熱できるよう、鍋に移し替えた上でよくかき混ぜながら全体にしっかり火を通す。
ウェルシュ菌には熱に強い芽胞をつくるものもあるが、75℃で1分ほど加熱すれば死滅するものもある。
栗田さんは、「菌の数を少なくすることで食中毒の防止につながる」と話す。
出典
『「一晩寝かせたカレー」食中毒ご注意 ウェルシュ菌増殖』
http://www.asahi.com/articles/ASK463CMDK46UTFL002.html
2017年4月8日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月7日21時18分に共同通信から、4月7日23時54分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都は7日、足立区の生後6カ月の男児が3月、蜂蜜が原因の食中毒で死亡したと発表した。
家庭で与えた市販の蜂蜜にボツリヌス菌が含まれ、乳児ボツリヌス症を発症したとみられる。
都によると、同症状は統計で確認できる1986年以降、今回を含め全国で36例が報告されているが、死亡は初めて。
都によると、男児は2月16日からせきなどを発症し、20日にけいれんと呼吸不全で救急搬送され、3月30日に死亡した。
発症の1カ月前から、家族が離乳食として1日2回ほど、計約10g蜂蜜をジュースに混ぜて飲ませていた。
保健所が、便や自宅にあった蜂蜜から菌を検出し、ボツリヌス菌による食中毒で死亡したと判断した。
都によると、ボツリヌス菌は海や川の泥砂などに存在し、市販の蜂蜜にも5%程度の商品に含まれる。
腸内の細菌が十分にあれば、摂取しても菌は発芽せず、毒素を出すことも少ない。
しかし、1歳未満の乳児は消化器官が未熟で腸内の細菌が少ないため、発芽して毒素を出しやすい。
乳児のボツリヌス症の大半は蜂蜜が原因で、死亡した男児の家族には、リスクを知らない人もいたという。
乳児ボツリヌス症は、1986年に千葉県で初めて確認され、厚生省(当時)は87年、1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないよう通知を出し、注意喚起を続けてきた。
死亡した男児が食べた製品にはメーカーの注意書きがあったが、家族が見逃していた可能性が高いといい、厚労省の担当者は、「改めて注意を促したい」としている。
東京都も以前から注意を促してきたが、今回の事故を把握した後の3月中旬、食品安全情報サイト「食品衛生の窓」に改めて注意情報を掲載した。
食品安全に詳しい唐木英明・東京大学名誉教授(薬理学)は、「乳児はまだボツリヌス菌に免疫をもっていないので、蜂蜜を与えてはいけないのは常識だと思っていたが、最近は知らない人がいる。ボツリヌス菌は、芽胞の形で何年も生き残る。これを機に、乳児に摂取させてはいけないとの表示を徹底すべきだ」と話す。
出典
『食中毒 蜂蜜摂取の乳児死亡 国内初、ボツリヌス菌中毒 東京・足立』
http://mainichi.jp/articles/20170408/ddm/041/040/107000c
『蜂蜜原因で6カ月児死亡、東京 乳児ボツリヌス症、全国初』
https://this.kiji.is/223025453527434742?c=39546741839462401
『乳児ボツリヌス症、初の死亡…離乳食にはちみつ』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170407-OYT1T50121.html?from=ycont_top_txt
4月11日4時1分に朝日新聞からは、乳児に与えてはいけない飲食物は他にもあるという、下記趣旨の解説的記事がネット配信されていた。
蜂蜜入りの離乳食を与えられていた生後6カ月の男児が亡くなった。
蜂蜜は危険なのか?
蜂蜜には、「1歳未満の乳児には与えないで下さい」と表示があったが、離乳食を与えていた家族は把握していなかった。
「栄養があると思った」と話したという。
ボツリヌス毒素について研究している東京農大の丹羽光一教授(病態生理学)によると、菌は土や川など自然界に広く存在。
成人でも、辛子レンコンなどでの食中毒が報告されている。
蜂蜜の場合、酸素が苦手な菌が自分を守るために殻を作り出した「芽胞(がほう)」という形態で存在し、低酸素状態になると発芽して強い毒を出す。
121℃で一定時間加熱すれば死滅するとされるが、家庭の調理では難しい。
1歳までは、腸内の菌の種類が大人と違い、消化吸収の機能も未熟なため、腸内で増殖しやすく、重症化すると呼吸困難や呼吸停止に至ることもあるという。
内閣府食品安全委員会によると、菌が土ぼこりなどで巻き上げられてハチや巣箱につき、混入するとみられる。
過去には、自家製の野菜スープや井戸水が感染源とみられる例も報告され、コーンシロップや缶詰も混入の可能性があるとされる。
業界団体の一般社団法人「全国はちみつ公正取引協議会」の担当者は、「蜂蜜に関する注意をラベルに表示する義務はないが、表示している業者が大半。さらに周知徹底していきたい」と話した。
離乳食に蜂蜜を使わないことは母子手帳にも書かれ、乳児健診でも指導されている。
ただ、料理情報サイトには、蜂蜜を使った離乳食レシピも。
投稿形式の大手サイト「クックパッド」(東京都渋谷区)では、10日現在、「ハチミツ」「離乳食」で検索すると100件以上表示され、中には離乳食初期用としての投稿もある。
同社では、問題があると判断したレシピは投稿者に連絡し、非公開にすることもある。
投稿者が「蜂蜜は1歳以上から」などと書いていない場合は、注意点について書かれたリンクを末尾に貼るなどしていたという。
9日には、サイト上で改めて注意喚起した。
厚労省も7日、改めて、乳児に蜂蜜を与えないよう通知を出した。
同省は87年に、1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないように求める通知を出していたが、子育て経験者でも、世代によっては知らない人も多いようだ。
祖父母と親世代の子育ての「常識」の違いについての著作がある小児科医、森戸やすみさんは、「子育てでは、以前やっていたことがだめとされていることもある」と指摘する。
例えば、今は口うつしで食べ物をあげると虫歯菌がうつるとされ、うつぶせ寝も突然死のリスクがあるとされる。
「かつて、たまたま大丈夫だったとしても、その後の研究で危険性がわかったこともある。子育てに関わる人は、行政など信頼できる機関が出した最新の情報を見てほしい」
出典
『蜂蜜食べ乳児ボツリヌス症で死亡 危険な食品、ほかにも』
http://www.asahi.com/articles/ASK4B5FGMK4BUTIL03X.html
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
4月12日付で毎日新聞東京版からは、今回の事故で波紋が広がっているという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
子育て世代に驚きが広がっている。
1歳未満に蜂蜜を与えないよう、さまざまなかたちで注意喚起される一方、料理サイトは蜂蜜入り離乳食のレシピを載せる。
乳児についての基礎知識は、氾濫する育児情報に埋もれてしまったのか。
都によると、男児は1月中旬からほぼ毎日、蜂蜜入りジュースを1日2回与えられ、2月下旬に発症した。
蜂蜜の量は、1回約5g(小さじ1杯弱)だった。
国立感染症研究所によると、植物の種子のような状態にあるボツリヌス菌は酸素や熱に強く、なかなか死滅しない。
これを大人が食べても問題ないが、1歳未満では腸内の細菌が未発達のため、菌が腸内で発芽、増殖して毒素を出す。
大人でも、真空パック内など低酸素状態で菌が増殖し、毒を含んだ食品を食べると食中毒を起こす。
同研究所の加藤はる・細菌第2部第3室長は、「蜂蜜は、乳児ボツリヌス症との因果関係が分かっている唯一の食品。繰り返し啓発しなくてはいけない」と強調する。
医師に相談できる掲示板サイト「Ask Doctors」には、親たちから「蜂蜜入りの菓子を食べてしまった」「誤ってなめたかもしれない」など、100件以上相談が寄せられている。
だが、乳児ボツリヌス症は、症状が出ないと診断も治療もできないという。
料理検索サイト最大手クックパッドは、10日夕、トップページに「1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないでください」と注意文を掲載した。
サイトには蜂蜜を使う離乳食レシピが約140件投稿され、注意喚起のないものもあり、懸念する声が上がっていた。
クックパッド広報部は、「これまで投稿内容をチェックしてきたが、今後は投稿者などにも注意を呼び掛ける」としている。
蜂蜜を扱う業界団体「全国はちみつ公正取引協議会」によると、国内で流通する大半の商品には注意書きがある。
また、足立区は国の通知に基づき、母子手帳や乳児健診で注意を呼び掛けていた。
だが、インターネット上に「これはダメ」「これはいい」と育児情報があふれている。
親は惑い、肝心の大切な情報が伝わらないおそれは消えない。
米国で5歳の長男を育てた東京都中野区に住む女性(34)は、「米国の離乳食で普通の牛肉やパスタも、日本では与えない方がいいとされ、混乱した」と振り返る。
蜂蜜については、「ダメと知っていたが、腸が弱い子は下痢をする程度と軽く考えていた」。
今は生後11カ月の次男を育てており、「市販のパンを与え、原材料を見たら蜂蜜が入っていたことはある。気をつけたい」と話す。
ちなみに国は、蜂蜜が原材料に使われている食品も1歳未満に与えないよう求めている。
出典
『乳児に蜂蜜、危険 ボツリヌス菌、6カ月男児死亡 ネットに離乳食レシピ多数』
http://mainichi.jp/articles/20170412/ddm/041/040/084000c
4月12日6時51分にNHK首都圏からは、厚労省が改めて注意喚起の通知を出したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
厚労省は、発症のリスクがある1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないよう、自治体を通じて全国の保健所などに対し、注意喚起を求める通知を出した。
これまでも、母子手帳や蜂蜜を使った食品の表示などで注意喚起が行われているが、今回の通知では、子育ての訪問相談や乳幼児健診でも積極的に指導するよう、求めている。
厚労省は、「菌に汚染された井戸水でミルクを作っても発症するリスクがある。乳児は特に抵抗力が低く、病気になるリスクが高いので、安心して子育てができるよう情報提供を徹底したい」としている。
出典
『乳児ボツリヌス症死亡で注意喚起』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170412/5487111.html
(2018年9月16日 修正1 ;追記)
2018年9月14日15時23分に読売新聞から、注意表示が義務化されるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ハチミツを食べた乳児が昨年3月、ボツリヌス菌が原因の「乳児ボツリヌス症」で死亡した事故を受け、業界団体が会員業者に、容器への注意表示を義務付けることを決めた。
来夏にも規約を改正し、統一した表示基準を設けて、乳児に対する危険性を明確にする。
出典
『「乳児ハチミツ注意」、死亡事故受け表示義務化』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180914-OYT1T50069.html
2017年4月2日22時28分に中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月2日22時51分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
製パン大手Fパン系列の「Fパンストアー」(名古屋市)は、2日、愛知県みよし市の商業施設「イオン三好店」で運営する店内調理のパン店「パン工場」で、昨年12月5日、金属製の型が中に入ったチョココルネ1個を誤って製造、販売したと明らかにした。
Fパンストアーによると、購入して食べようとした愛知県内の男性から、翌日、イオン側に「歯が欠けた」と苦情が入り、判明。
Fパンストアーが型の残数を確認したところ、1個足りなかった。
男性は、右下にある治療中のセラミック製の歯が欠けた。
型は長さ13.5cmの円すい形で、内側が空洞。
パン生地を巻き付けて焼き、抜き取った後にチョコレートクリームを注入するが、膨らんだパンの生地に埋もれ、店員が気付かなかったという。
同時にコルネ10~20個を焼いたが、外した金型の数を確認し忘れたため、混入を見落とした。
Fパンストアーは、型を一回り大きくて空洞になっていないシリコーン製に変えて生地の中に埋もれにくくし、残数の確認も徹底する。
イオンの委託を受けて運営する全国の計124店のうち、対策が終了した店から、コルネの販売を再開する。
Fパンストアーは男性に謝罪。担当者は「治療費を支払うなど誠意をもって対応したい」と話している。
出典
『パンに金型、男性歯欠ける Fパンストアー、みよしで販売』
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017040290222643.html
『買ったパンに13センチの金属製の型 男性「歯にひび」』
http://www.asahi.com/articles/ASK42739LK42OBJB004.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。