2019年7月9日17時22分にNHK兵庫から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日正午すぎ、宝塚市立美座小学校から、「けさ掘り出したジャガイモを食べたところ、子どもたちが体調不良を訴えた」と消防に通報があった。
消防が医師などとともに駆けつけたところ、小学5年生の男女あわせて13人に吐き気や腹痛など食中毒とみられる症状が確認され、市内の病院に救急搬送された。
市教委によると、いずれも快方に向かっていて、重症の子どもはいないという。
学校では9日、校内の畑で収穫した50個ほどのジャガイモを使った調理実習が行われ、午前10時ごろから児童30人が「粉吹きイモ」などを食べたという。
実習の指導は家庭科専任の50代の女性教諭が担当していたということで、市教委はジャガイモの調理についてどんな説明をしていたかなど、いきさつを詳しく調べている。
市教委の橘学校教育部長は、「ご心配をおかけして、たいへん申し訳ない。原因をしっかり究明し、再発防止に努めたい」と話している。
【「ソラニン」に注意】
兵庫県などによると、子どもたちが学校で栽培したジャガイモを食べて食中毒になるケースは全国で相次いでいるという。
ジャガイモの芽や緑色に変色した部分には、「ソラニン」という有毒成分が含まれていて、食べた場合、吐き気や腹痛、めまいなどを起こす場合があるという。
「ソラニン」は、加熱しただけでは除去できないということで、兵庫県生活衛生課は、「ジャガイモを食べる際は、必ず芽の部分を取り除き、少しでもえぐみやしぶみを感じたら食べるのをやめてほしい」と呼びかけている。
【食中毒に詳しい専門家は】
ジャガイモを食べた小学生が食中毒とみられる症状を訴えて集団で搬送されたことについて、食中毒に詳しい大阪市立大学大学院生活科学研究科の西川禎一教授は、「ジャガイモは芽の部分や光が当たって緑色になった皮の部分に、ソラニンという自然毒が含まれている。こうした部分を食べると下痢やおう吐、それにめまいなどの症状を起こすので注意が必要だ」と指摘している。
また、関西では今の時期にジャガイモを収穫することが多く、食中毒が発生しやすいということで、西川教授は、「ソラニンは熱に強いため、加熱調理をしても完全に無くすのは難しく、調理する際、芽や緑色の皮をしっかり取り除くことが重要だ」と指摘している。
また、小さい芋に比較的ソラニンが多く含まれているとして、家庭菜園や学校で食中毒を防ぐためには、栽培段階で芽を間引くことで小さな芋がたくさん実るのを防ぐことや、芋に光が当たらないよう、しっかり土をかぶせるなどの対策をとってほしいと呼びかけている。
出典
『ジャガイモで児童13人食中毒か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20190709/2020004288.html
7月9日18時13分にmBS NEWSからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
実習を行っていた30人のうち、10歳から11歳の児童13人が病院に搬送され、うち8人が入院が必要と判断された。
体調不良は食中毒が原因とみられている。
「入院している8人についても、未入院の5人についても、症状は安定して快方に向かっていると聞いている。」(市教委 橘部長)
市教委は、児童の精神的ケアのため、学校に臨床心理士を派遣するとしている。
出典
『育てたジャガイモ食べて食中毒か 小学校から児童13人搬送 兵庫・宝塚市』
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20190709/GE000000000000028578.shtml
7月12日19時14分に神戸新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県宝塚健康福祉事務所(保健所)は12日、ジャガイモに含まれる毒素「ソラニン類」による食中毒と断定した。
同事務所によると、搬送されなかった3人を含む5年生16人は9日、校内で栽培したジャガイモを食べた後、症状を訴えた。
8人が入院したが、11日には全員が登校。
同じ畑のジャガイモからは通常の2.5倍の毒素が検出されたという。
出典
『ジャガイモ食べ児童13人搬送 食中毒と断定 宝塚』
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201907/0012509123.shtml
(ブログ者コメント)
2016年11月、この手の事故は、今後、特段のものでない限り、掲載を割愛すると書いた。
ただ、今回、多数のメディアから、同じような事故が相次いでいると報じられ、またジャガイモの毒成分についても解説されていたが、なぜ同じ事故が繰り返し起きているのか?という切り口から報じているメディアは、ブログ者の知る範囲では、一つもなかった。
その点に違和感を覚えたので、本事例を紹介する。
市教委と同校が合同で記者会見を開いていたので、その席で、以下のような質問が飛んだと思うのだが、なぜか報道されてはいない。
・この学校では、他校で同種事例が相次いで起きていることを知っていたのか?
・知っていたなら、どのように注意していたのか?
・注意していたなら、何が悪くて事故が起きたのか?
2019年6月11日20時47分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
生卵とゆで卵で日持ちするのはどっちだと思いますか?
梅雨で食べものの傷みが気になる今、卵の保存についても情報更新しておきましょう。
食と料理の新常識を探る「ごはんラボ」で調べました。
◇
卵には、生卵の方が熱を通したものより日持ちするという「パラドックス」がありました。
日本養鶏協会アドバイザーで元東京農業大学教授の信岡誠治さんによると、生卵の賞味期限は各メーカーが決めていますが、産んでから21日間が標準。
卵かけごはんのように生卵を好む日本の食習慣に合わせて、生で安全に食べられる期間として設定されています。
理由は、殻の中で卵黄を包んでいる生の卵白には殺菌作用があり、雑菌をシャットアウトしてくれるから。
これが、ゆで卵になると働かなくなります。
傷みやすくなるというわけです。
「殻ごと冷蔵庫に入れても、できれば当日中に食べていただき
たい」
ここで気になったのは、コンビニで人気のパック入りのゆで卵です。
「半熟トロトロ」をうたう商品に表示された賞味期限を見ると、要冷蔵とはいえ、2週間先の日付になっています。
メーカーに理由を聞くと、「サルモネラ菌による食中毒につながる心配がないように、原料の卵のチェックからゆでてパック詰めするまで、衛生管理した工場内で製造し、低温で流通させるからです」との答え。
同じに見えるゆで卵でも、食品工場と雑菌のある家のキッチンの環境はまるで違うというわけです。
では、冷凍保存はどうでしょう。
信岡さんは、「やはり衛生面から、家庭での生の卵の冷凍は勧められません」。
冷凍後に解凍した卵黄の、水分が抜けた食感を利用したレシピがインターネットなどで見られますが、冷凍中にひび割れた殻からサルモネラ菌など食中毒の原因菌が入り、解凍中に増殖するなどリスクが防ぎきれません。
卵黄だけ、卵白だけを分けて冷凍する場合も同じです。
出典
『生卵とゆで卵、日持ちするのどっち? 冷蔵しても要注意』
https://www.asahi.com/articles/ASM6C4215M6CULZU006.html
(ブログ者コメント)
関連情報を調べたところ、日本卵業協会のHPに、生卵の殻を洗うと逆効果など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
Q1 卵の賞味期限はどれくらいですか?
A:時期により異なりますが、卵の賞味期限は、安心して
「生食」できる期限を表示しています。
サルモネラ菌の増殖が起こらない期間は、卵の保存温度によって決まります。
英国のハンフリー博士の研究に基づいて算出され、家庭で冷蔵保存する7日間を加えたものです。
夏期(7~9月)が産卵後16日以内、春秋期(4~6月、10~11月)が産卵後25日以内、冬季(12~3月)が産卵後57日以内とされています。
実状は、パック事業者と量販店、バイヤーの話し合いで決めており、パック後2週間(14日)程度を年間を通して賞味期限としている所が多いようです。
日卵協ホームページ「表示とタマゴの安心」を参考にして下さい。
・・・
Q14 家庭では、卵は洗わないほうが良いのですか?
A:現在、卵のほとんどはGPセンター(洗卵選別包装施設)というところで、お湯(30℃以上で卵温より5℃以上高いこと)で洗卵してから出荷されています。
しかし、汚れが殻の表面に残っていることがあり、それを気にして再度洗う人もいますが、洗うと気孔という殻にある穴から雑菌が水と一緒に卵の中に入ったりしてしまいます。
できれば、目に付くような汚れは、洗わずに拭き取ったほうが鮮度を保てます。
・・・
Q17 ゆで卵の保存方法と賞味期限を教えて下さい。
A:ゆでる条件によって異なり、ゆでた後の保存温度や殻の割れの有無によって異なります。
株式会社 光琳 発行の「卵-その化学と加工技術」によれば、硬くゆでた場合、5℃で2~3ヶ月、10℃では3週間、室温(25℃以上)3~7日間程度の期限であるとされています。
殻を剥いた場合は、殻付きの3分の1から2分の1程度とありますが、家庭では硬くゆでた場合、10℃保管で殻にヒビのない場合3~4日、いつヒビが入ったかわからないものは食べるのを控え、殻を剥いたものはその日のうちに食べることをお勧めします。
出典
『タマゴQ&A 品質・保存編』
http://www.nichirankyo.or.jp/qa/hinshitsu.htm
2019年6月10日21時45分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜市立小学校で10日、給食時に米飯が提供されないトラブルがあった。
製造工場でネズミの死骸が見つかったため。
提供されなかったのは、給食を実施する351校のうち153校の約7万7000人にのぼった。
横浜市教委などによると、同市金沢区の業者が午前10時ごろ米飯製造を終え、炊飯機器の清掃と点検をしたところ、米を湯に浸す槽の横の溝にネズミの死骸を発見。
この工場で製造した米飯約6.2トンの提供を中止した。
業者は、毎日午前中に製造を終えた後、点検と清掃をしていたが、開始前は点検してこなかったという。
この業者はネズミの侵入経路などが明確になるまでは製造を中止する方針といい、再開のめどは立っていない。
当面は他の業者が米飯を提供するが、一部の学校では代わりにパンが提供されるという。
出典
『給食つくる工場にネズミ死骸 児童7万人超に米飯出せず』
https://www.asahi.com/articles/ASM6B6KB9M6BULOB012.html
6月11日14時3分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
回収が間に合わなかった1校で5、6年生計18人が米飯を食べたが、体調に異常はないという。
同日午前10時頃、米飯製造後のベルトコンベヤー式炊飯器(長さ10m、幅2m、高さ2.5m)を清掃中の従業員が死骸に気づいた。
7日の業務後に炊飯器を清掃した際には、異常はなかったという。
出典
『給食用炊飯器にネズミの死骸…横浜、米飯食べた18人異常なし』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190610-OYT1T50182/
6月11日5時0分に神奈川新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市教育委員会は11日、1校で回収が間に合わず、計70人の児童が米飯を食べたと明らかにした。
現時点で健康被害の報告はないという。
10日午前10時ごろ、調理員が製造終了後にスチーム式コンベヤー炊飯器を清掃・点検した際、米を浸すために使う水槽の横で発見した。
出典
『ネズミ死骸を発見 給食用米飯の提供を中止に 横浜』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-173797.html
(2019年6月20日 修正1 ;追記)
2019年6月18日21時27分に神奈川新聞から、ドア下の隙間から入ったらしいという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市教委は18日、中止している同業者による米飯の提供を19日から再開すると発表した。
ネズミの侵入経路が特定され、再発防止策が取られたためという。
市教委によると、死骸が見つかったのは、S組合(同市金沢区)の工場内のスチーム式コンベヤーの炊飯機器内。
10日午前の製造終了後、調理員が、米に水分を吸収させる水槽の横で発見した。
同組合は13日、市保健所などに報告書を提出。
専門業者が点検した結果、工場内の3つのドアの下にあった1~2cmの隙間が侵入経路とされ、侵入防止器具などを設置した。
テスト炊飯を行い、問題がないことが確認されたという。
出典
『ネズミの侵入経路特定 横浜市教委、給食調理機から死骸』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-175673.html
6月19日12時44分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
市教委によると、専門家が工場設備を確認した結果、ネズミは扉のわずかな隙間から建物内に侵入したとみられるという。
市は、粘着性のワナの増設や赤外線監視カメラの設置などで対策を強化した。
ネズミは10日午前10時頃、横浜市S組合(横浜市金沢区)の工場で、ベルトコンベヤー式炊飯器内の米をお湯に浸す水槽の横で発見された。
同工場は、給食として提供予定だった米飯計約13.6トンを回収。
11日以降は、市内256校にパンや別業者の米飯などが提供されていた。
出典
『炊飯器ネズミ死骸、扉隙間から侵入か…ワナ増設』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190619-OYT1T50208/
2019年6月6日付で河北新報から、下記趣旨の記事が調査結果のグラフ付きでネット配信されていた。
寄生虫のアニサキスによる食中毒を起こしたスーパーや鮮魚店は、起こしていない店舗に比べ、魚介類の搬入から調理までにかかる時間が長いことが福島県の調査で分かった。
県は、昨年のアニサキス食中毒発生件数が全国2位だったことを踏まえ、汚名返上に向け、早めの調理を各店舗に呼び掛けている。
アニサキスは魚介類の内臓に寄生し、時間がたつにつれて筋肉に移動する。
速やかに内臓を取り除けば食中毒は減少するとされる。
県は各店舗の処理実態を調べるため、県内で過去に食中毒を起こした19店と起こしていない51店を訪れ、搬入から調理までの所要時間を聞き取って比較した。
結果はグラフの通り。
食中毒を起こしていない店舗は所要時間が短い傾向があり、0~2時間と2~4時間がともに19.6%に上った。
これに対し、食中毒を起こした店舗は、10.5%と5.2%にとどまった。
食中毒を起こした店舗は所要時間をルール化していない割合が68.4%で、起こしていない店舗の41.1%を大きく上回った。
県食品生活衛生課は、「ルールを設けていない店舗は、すぐに調理する意識が乏しく、魚を放置して食中毒が起きやすくなる」と指摘する。
県によると、2018年のアニサキス食中毒発生件数は58件で、全国トップの東京都(78件)に次ぐ多さだった。
全国的に被害は増加傾向だったが、なぜ福島が増えたのかは分からないという。
同課の担当者は、「すぐに内臓を取り除き、零下20℃以下で冷凍処理すれば、食中毒被害は確実に減る。各店舗には適切な処理を呼び掛けていきたい」と話す。
出典
『アニサキス食中毒、素早い調理が防ぐ 発生全国2位の福島県が各店舗に呼び掛け』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201906/20190606_63021.html
2019年5月23日付の毎日新聞夕刊紙面に、下記趣旨の記事が掲載されていた。
『どうすれば安全安心 Dr.白澤 100歳への道』
【添加物の二酸化チタン】
二酸化チタンは白色で、自動車の塗装、塗料、プラスチック、印刷インキ、食品添加物、・・・と用途は幅広い。
食品添加物でも白色着色剤としてチューインガム、脱脂粉乳、チーズ、・・・などに使われている。
しかし、二酸化チタンは発がん性が指摘され、国際がん研究機関(IARC)は、二酸化チタンを「ヒトへの発がん性がある可能性がある」グループ2Bの物質に分類。
フランス政府は2020年1月1日から二酸化チタンを含む食品の市場投入を禁止すると先月(4月17日)発表し、安全性に対する懸念が広がっている。
【気になる脳、認知症への影響】
中国・広州市の南方医科大のビン・ソン博士によれば、食品添加物に使われている二酸化チタンはナノ粒子という非常に小さい粒に調整されているので、脳血液関門を通過して脳に到達し、神経毒性を示す可能性があるという。
実際、二酸化チタンを投与したネズミ実験に関する13本の研究論文を詳細に評価したところ、経口投与、静脈注射、皮下注射、鼻腔投与のいずれの方法でも脳内に到達し、神経細胞に対する酸化ストレスや神経毒性、さらに空間記憶や学習などの認知機能障害が報告されているとし、安全性に対する警鐘を鳴らす。
また、そのうち3本の研究では、二酸化チタンを妊娠ネズミに投与し子孫への影響を検討しているが、胎盤を通過して胎児の発育を阻害し、子孫で精神神経発育障害が認められた。
二酸化チタンは日本でも使われているが、認知症が急増している時代背景を考慮すると、認知機能に影響を及ぼし得る食品添加物については、長期的な健康影響を再評価する新規評価軸も必要になるだろう。
(白澤卓二・お茶の水健康長寿クリニック院長)
※フランス政府の動向詳細は、下記記事参照。
(2019年4月26日 パリ発 ジェトロ ビジネス短信)
政府は4月17日、フランス独自の規制として、2020年1月1日からナノマテリアルである二酸化チタン(TiO2/E171)を含む食品の市場投入を禁止すると発表した。
二酸化チタン(TiO2/E171)は、EUでは食品添加物(白色着色料)として認可されており、チューインガム、歯磨き粉、日焼け止めクリームなどの食品、化粧品、医薬品に使用されているが、食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、二酸化チタンがナノ粒子のため生体組織を通過しやすく、発がん性物質の可能性があるとしている。
政府は、2018年10月に成立した「農業と食品部門における商業関係の均衡、健康的、持続的で全ての人にアクセス可能な食品のための法律(通称:食品法)」で、「重大、または緊急の危険がある場合、二酸化チタン(TiO2/E171)および二酸化チタンを含む食品の市場投入を停止するアレテ(執行的決定)を発布する」と規定し、ANSESに二酸化チタンの毒性の再評価を付託していた。
ANSESは、4月15日、政府に提出した意見書で、「二酸化チタンの発がん性のリスクに対する疑いを排除する新たな情報はない」、「データ不足のため、許容一日摂取量(ADI:Acceptable Daily Intake)を定めることができない」として、「ナノマテリアルを含まず、機能、有効性において同程度で安全な製品を奨励することにより、労働者、消費者、環境の被害を制限することを推奨する」と結論付けた。
今回の決定は、「EUが充分な対策を講じていないと判断する場合、加盟国は独自に緊急措置を取ることができる」とする、EUの一般食品法(欧州議会・理事会規則178/2002)第54条に基づく措置。
フランスは2018年2月、潜在的なリスクの存在を明らかにした新たな研究発表を考慮し、欧州食品安全機関(EFSA)が完全な再評価を実施するまで二酸化チタン(TiO2/E171)の認可を停止するよう、欧州委員会に求めていた。
『食品添加物の二酸化チタン(TiO2/E171)を2020年から禁止 (フランス)』
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/04/e76813f0a19fd209.html
2019年5月5日付で秋田魁新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
秋田県生活衛生課は4日、東京から秋田県仙北市に帰省中の30~40代の夫婦2人が有毒のスイセンをニラと間違えて調理して食べ、食中毒を発症したと発表した。
2人とも症状は回復している。
スイセンとニラを間違えて起きた食中毒は、今年に入って県内2件目。
同課によると、2人は3日午前9時ごろ、実家裏の土手に生えていたスイセンを卵と炒めて食べた。
調理した妻が味見で苦味を感じ、夫も一口食べてやめたが、2人とも30分ほどで嘔吐や下痢の症状が出て、同市の病院を受診した。
病院から連絡を受けた大仙保健所が同日午後に調査した結果、妻に頼まれて畑のニラを採りに行った夫が、誤って土手のスイセンを採っていたことが分かった。
県内では4月にも、秋田市の60代女性がスーパーの産直コーナーでニラと誤って販売されたスイセンを食べて食中毒を発症した。
同課は、「スイセンの葉とニラは似ているが、ニラには特有の匂いがあり区別できる。食用と確信が持てない植物は採らない、食べない、人にあげない、売らないようにしてほしい」と呼び掛けている。
出典
『スイセン食べ夫婦が食中毒 仙北、ニラと間違える』
https://www.sakigake.jp/news/article/20190505AK0001/
(ブログ者コメント)
4月の事例は本ブログでも紹介スミ。
それにしても、スイセンが味見とか一口食べただけで発症するほどの毒性を持っていたとは知らなかった。
2019年5月3日11時38分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
山形県は、同県鶴岡市の40代女性が、知人からもらった野草モミジガサ(シドケ)に猛毒のトリカブトが混入していることに気付かないまま食べ、手足のしびれや嘔吐、呼吸困難などを訴えて入院したと発表した。
県によると、女性は野草を調理したおひたしを食べた直後から手足のしびれと呼吸困難などを発症。
医療機関を受診し、そのまま入院した。
庄内保健所が調べた食べ残しからトリカブトの葉が見つかった。
トリカブトとモミジガサは葉の形が似ており、野草を譲り渡した知人は「近くにトリカブトが生えていたことに気付かなかった」と話しているという。
平成元年以降、同県内では有毒植物による食中毒が相次いでいる。
ニリンソウと有毒のトリカブトの誤食による死亡事故は14件22人(死亡者1人)、そのほかニラとスイセン、ヤマゴボウとヨウシュヤマゴボウなどの誤食が目立っており、山菜収穫期を迎え、県は、野草が有毒かどうか判断できない場合、食べたり譲ったりしないよう注意を呼び掛けている。
出典
『トリカブト誤食で女性入院 山形』
https://www.sankei.com/affairs/news/190503/afr1905030003-n1.html
5月3日11時53分にYAHOOニュース(さくらんぼテレビ)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
患者の女性は2日昼、知人からシドケとして譲り受けた野草をおひたしにして食べた所、直後から手足のしびれや呼吸困難などの症状が出た。
女性は医療機関を受診し、入院した。
県内では4月24日にも鶴岡市の夫婦がニリンソウに混じっていたトリカブトを食べ食中毒になった。
県は、調理する前に不安を感じる植物が混じっていないか確認し、安易にあげたりもらったりしないよう呼び掛けている。
出典
『トリカブトで食中毒・もらったシドケに混入 県は「安易にあげたりもらったりしないで」 山形・鶴岡市』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190503-00010001-sakuranbo-l06
(ブログ者コメント)
4月の事例は本ブログでも紹介スミ。
2019年4月28日10時55分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道小樽市保健所は26日、有毒のトリカブトを山菜のコジャクと間違えて食べた同市の70代の夫婦が食中毒を発症したと発表した。
今季の山菜による食中毒は、道内では初めて。
同保健所によると、夫婦は25日午前10時ごろ、積丹町で群生しているコジャクを採り、トリカブトが混入していたことに気づかず、自宅でおひたしにして食べたという。
夫婦は嘔吐やしびれを訴え、一時入院したが現在は退院し、快方に向かっている。
同保健所によると、セリ科のコジャクはトリカブトと見間違われることもあるという。
誤食を避けるため、食用かどうか確実に判断できない場合、採取や譲渡しないよう注意を呼びかけている。
出典
『トリカブト誤食、小樽の夫婦中毒 山菜のコジャクと間違える』
(ブログ者コメント)
トリカブトによる食中毒については、前日の4月24日に鶴岡市でニリンソウと間違えて食べた事例が起きたばかりだ。
(本ブログ掲載スミ)
2019年4月25日21時8分にNHK山形から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
24日午後11時ごろ、鶴岡市に住む50代の男性と40代の妻が手足のしびれや嘔吐などの症状を訴えて、市内の病院を受診した。
病院から「食中毒の疑いがある」と連絡を受けた保健所が、夫婦が食べた夕食の残りを調べたところ、有毒のトリカブトが見つかったという。
夫婦は入院したが、命に別状はないという。
夫婦は、このトリカブトを知り合いから山菜のニリンソウとして譲り受け、自宅でおひたしにして食べた直後に体調が急変したという。
トリカブトはニリンソウと葉の形が似ているため、誤って食べてしまう人があとを絶たず、県内でも平成に入って以降、19人が食中毒を起こして、このうち1人が死亡している。
県は、山菜を食べる場合は、見た目やにおいで安易に判断せず、もしも食後に吐き気やしびれなどを感じたらすぐに医療機関を受診するよう呼びかけている。
出典
『トリカブト誤って食べ夫婦が入院』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/20190425/6020003524.html
4月26日3時0分に朝日新聞山形版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
トリカブトによる食中毒は2013年以来といい、県は「山菜は食用と毒のあるものが混ざって生えていることがある。安易に配ったりもらったりしないで」と呼びかけている。
県によると、夫婦は、知人が鶴岡市内の山で採取した山菜を「ニリンソウ」として22日にもらい、24日夜におひたしにして食べた。
直後から口や手足がしびれ、嘔吐したため、同日深夜に市内の病院に行き、そのまま入院した。
出典
『ニリンソウと間違えトリカブト誤食 鶴岡で入院』
https://www.asahi.com/articles/ASM4T6CYQM4TUZHB017.html
(ブログ者コメント)
以下は、映像の1コマ。
左がニリンソウで右がトリカブト。
葉の大きさは違うものの、形はよく似ている。
2019年4月4日6時50分に秋田魁新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
秋田市保健所は3日、同市のスーパーの産直コーナーで有毒のスイセンがニラと誤って販売され、同市の60代女性が食べて食中毒を発症したと発表した。
保健所は同市の生産者の男性に回収を命じた。
女性は快方に向かっている。
女性は先月下旬、Gマート手形店の産直コーナーで、「ニラ苗」と表示されたビニールポット入りのスイセン苗を1個購入。
2日朝、葉を刻み、チャーハンの具材として調理し食べた。
間もなく嘔吐の症状が出て、保健所に連絡。
調査の結果、スイセンと判明した。
生産者の男性は先月16日以降、手形店のほか、泉店、外旭川店の計3店の産直コーナーにスイセン苗9個を陳列、販売した。
購入者全員と連絡が付き、女性以外の健康被害は確認されていない。
生産者の男性は保健所の聞き取りに対し、「ニラだと思って栽培していたものがスイセンだった。申し訳ない」と話した。
保健所は、スイセンには嘔吐や下痢などの症状を引き起こす有毒成分ヒガンバナアルカロイドが含まれ、葉がニラ、球根がタマネギと類似しているとして、注意を呼び掛けている。
出典
『スイセンをニラと販売、秋田市のスーパー 女性、食中毒に』
https://www.sakigake.jp/news/article/20190404AK0001/
4月6日付で秋田魁新報からは、販売されていたポット入り苗の写真付きで、下記趣旨の続報的記事がネット配信されていた。
・・・・・
スイセンは、嘔吐や下痢などを引き起こす有毒成分ヒガンバナアルカロイドを含む。
厚労省によると、2008~17年の10年間でスイセンによる食中毒が47件発生しており、有毒植物の食中毒としては最も多かった。
他県では死亡例もある。
植物の生態に詳しい東京都薬用植物園の中村耕主任研究員は、スイセンの葉はニラと似ており、「見て判別するのは難しい」と説明。
スイセンが無臭なのに対し、ニラは特有の匂いがあるため、「匂いを確かめると分かる場合がある」と話す。
県生活衛生課によると、県内で有毒植物による食中毒は平成に入って12件ある。
山菜のシドケ(モミジガサ)やニリンソウと誤認し、有毒のトリカブトを食べて発症したケースが9件と最も多く、このうち2人が命を落とした。
このほか、アジサイの葉やチョウセンアサガオの実が原因となった事例もあった。
時期は4~6月に集中した。
本格的な山菜シーズン到来を前に、特に気を付けたいのがシドケやニリンソウと、トリカブトの誤認だ。
トリカブトは茎や葉、根など全体に猛毒のアコニチン系アルカロイドを含み、重篤な中毒になりやすいとされる。
秋田市民市場(同市中通)で山菜などを取り扱う「藤原商店」によると、シドケは例年4月中旬に出回り、5月上旬までがピーク。
今年は雪解けが早かった影響などで、シーズンが昨年より1週間ほど早いという。
藤原代表は、シドケとトリカブトは葉の形がよく似ている上、山林の同じような場所に群生していることがあり、混同しやすいと指摘。
「見つけても、(シドケだと)自信がないなら手を出さない方がいい」と注意を促す。
東京都薬用植物園の中村主任研究員によると、ニリンソウとトリカブトも葉の形が似ているが、花の色で見分けられるという。
ニリンソウは3~5月に白い花、トリカブトは8月以降に紫色の花を咲かせるとし、「白い花を確認して採取するとよい」としている。
県の担当者は、「食用と確実に判断できない場合、『採らない、食べない、売らない、人にあげない』を徹底してほしい」と強調。
有毒植物の危険性に気を配りつつ、自然の恵みを存分に味わってほしいとしている。
出典
『春の有毒植物に要注意 スイセンとニラ誤り食中毒、死亡例も』
https://www.sakigake.jp/news/article/20190406AK0008/
(ブログ者コメント)
○本ブログでは、畑にニラを採りにいってスイセンを採ってしまい、食べて中毒になった事例を過去に何件か紹介しているが、店で売られていたものを食べての中毒は初めてだ。
○この生産者の方、なぜ間違ったのだろう?
ニラ栽培の経験が浅かったということだろうか?
2019年4月3日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
香辛料のナツメグを大量に摂取すると中毒を起こすらしいと、最近、耳にした。
約15g入りの瓶が数100円で売られるスパイスに、一体、どんな危険が潜んでいるのか。
数年前の夏の明け方だった。
顔面蒼白で冷や汗をかき、手足が冷たくなった男性(30)が川崎市立川崎病院に救急搬送されてきた。
男性は落ち着かない様子で「自分は大丈夫か」と繰り返し訴えた。
8時間前に自宅で牛肉の炒めものを作って食べた。
塩やコショウ、カレー粉などの調味料とともに、刺激を楽しもうとナツメグを一気に10g加えた。
食べて3時間後に手の震えや発汗、口の乾きがあり、落ち着かない気分に襲われた。
ネットで調べるとナツメグ中毒とあった。
大量の水を飲み嘔吐を繰り返したが良くならず、自ら119番した。
「初めてでした。我々もそんな中毒があるとは知らず、医学書や国内外の論文を調べ対応しました」。
当直だった白川医師が振り返る。
文献に当たると、確かにナツメグ中毒のようだ。
治療薬はなく、病院で安静にしていると症状がやわらぎ、男性は約7時間後に歩いて帰宅した。
ナツメグは東南アジア原産の常緑樹「ニクズク」の種の核を乾燥させ粉末にした香辛料で、肉の臭み取りなどに使われる。
公益財団法人日本中毒情報センターによると、5~15gの摂取で1~8時間後に頻脈や口の乾き、嘔吐などのほか、興奮や不安、幻覚など中毒症状が表れる。
身近な香辛料による珍しい症例だとして、川崎病院の藤綱医師らは昨年12月、論文「ナツメグ中毒の1例」を「日本救急医学会関東地方会雑誌」に発表した。
それによると、ナツメグ中毒は1981年以降、同病院を含め国内で8例確認され、すべて安静にすることで回復した。
欧米では19世紀以降、死亡例が2例あるという。
白川医師は、「中毒原因として認知度が低いが、適量を使い、大量に入れたら絶対に食べないでほしい」と話す。
ナツメグ大量摂取で幻覚や興奮などの精神症状が表れるのはなぜか。
筑波大の内藤裕史名誉教授(中毒学)によると、ナツメグが体内で分解されると、合成麻薬などに似た成分ができる。
欧米では昔から幻覚を味わおうと乱用され、国内でも中毒8例中、4例が幻覚や興奮目的だった。
内藤さんは警告する。
「香辛料や薬味の多くは摂取しすぎると何らかの副作用があるが、ナツメグは特に症状が激しい。過去の事例を見ると、幻覚作用を楽しむ目的で大量摂取した人の多くが中毒から回復後に『二度と経験したくない』と語っているようです」
出典
『ナツメグで中毒? 大量摂取、幻覚・嘔吐』
https://mainichi.jp/articles/20190403/ddm/012/040/058000c
ちょっと前、2019年3月4日18時5分にハフポストからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
ナツメグは、コショウ、シナモン、クローブとならぶ4大香辛料の1つ。
インドネシアのモルッカ諸島原産のナツメグの木の種子の胚乳を乾燥したものだ。
小学館の「食の医学館」によると、ナツメグは甘くエキゾチックな香りと、まろやかなほろにがさが特徴。
その風味は挽き肉料理と相性がよく、ハンバーグやミートローフなどに欠かせないほか、クッキーやドーナツにも、好んで用いられている。
ナツメグの分量について、エスビー食品のレシピでは、ハンバーグ2人前で「小さじ1/4」と記載している。
このように少量では問題ないが、ナツメグを大量に食べるのは危険な場合がある。
というのも,ナツメグは大量に摂取すると強力な幻覚作用や興奮作用を示し、逆に有毒となる例があるからだ。
日本中毒情報センターの報告によると、成人の場合、ナツメグのヒト経口中毒量は5g~10g。
呼吸困難になるとともに、めまい、幻覚、嘔吐などの症状に陥ることもある。
通常は24時間以内で回復するが、2~3日かかることもあるという。
同センターでは、ナツメグの実2個を食べた8歳男子が24時間後に死亡した事例があるので、小さい児童の場合は少量でも受診を勧めた方が無難だとしている。
歌手・作詞家の新良エツ子さんも2017年7月に、ナツメグの大量摂取で病院に緊急搬送されたことを公式ブログで明らかにしていた。
美味しいスパイスも、分量を誤ると大変なことになる。
ナツメグの入れすぎにご注意を!
出典
『ナツメグ中毒の恐怖とは? 食べる時は分量に注意が必要 呼吸困難、めまい、幻覚、嘔吐などの症状になる恐れ』
https://www.huffingtonpost.jp/entry/nutmeg_jp_5c7ba3f6e4b0614614daf5f1
昨年、2018年7月24日に日本テレビから放映された「ザ!世界仰天ニュース」でも、以下のような内容が報じられていた。
去年の夏のこと。
明日、仕事が休みということで友人とお酒を飲んでいた、新良エツ子さん。
朝まで楽しく飲んで帰宅した。
帰宅後、お腹が空き...作ったのはハヤシライス。
そこにいつも欠かさず入れていたのが...ナツメグだった。
ナツメグは、木の種を乾燥させた香辛料の一種。
ハンバーグやカレーなど、肉の臭みを消したり、味を引き立たせるためによく使われる。
このナツメグが、彼女にある悲劇をもたらす!!
すべて美味しく平らげると、眠ってしまった。
すると、1時間後...突然、異変が!
呼吸が苦しくなり、冷や汗も。
周りの景色が歪んで見え、手足にも力が入らない。
お酒で酔っている感覚とも違うため、最初は熱中症かインフルエンザを疑った。
熱を計るが、どうやら違う...異変を感じすぐに救急車を呼んだ。
しかし電話先で住所を伝えようと思っても、
なぜか言葉がうまく出てこない。
なんとか住所を伝え、助けてもらえるよう外に出ようと体を動かした。
すると...なぜか急に症状が和らいだ。
とはいえ、念のため病院に搬送してもらった。
一応、血液検査などを行ったが、異常は見つからなかった。
大事を取って入院し、点滴していると、
数分から数十分おきにさきほどのような症状が現れた。
症状が落ち着いている時に、会社の同僚に入院したことを報告すると
何か変なもの食べたのではないか?という指摘が。
新良さんには思い当たることがあった...それはナツメグを多く入れ過ぎたこと。
実はこの日、お酒に酔っていたこともあり普段から多めに入れていたナツメグを
なんと丸々、ひと瓶も入れてしまった。そして、お腹が空いていたのでおかわりもした。
すると、症状について調べてくれた会社の同僚からメールが。
原因は、ナツメグ中毒だった!!
【大量に摂取すると危険な香辛料】
・・・・・
実は、ナツメグの他にも、ウコンやシナモンなどでも、多量に摂取すると健康障害が出る可能性が報告されている。
香辛料を多めに使う際は量に注意を!!
出典
『命をおびやかすスパイスの真実』
http://www.ntv.co.jp/gyoten/backnumber/article/20180724_04.html
2018年10月4日19時21分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
実りの秋を迎え、キノコ狩りを楽しむ人も増える一方、毎年この時期は、毒キノコによる食中毒が多発している。
今年は今月1日までに12件発生し、三重県では70代男性が死亡した。
素人が食用のキノコと見分けるのは難しく、消費者庁は4日、注意を呼びかけた。
厚労省によると、2012~17年に毒キノコの食中毒は214件発生。
患者数は608人で、そのうち1人が亡くなった。
自分で採るだけでなく、知人がくれたのが毒キノコのケースもあった。
食中毒が最も多い毒キノコはツキヨタケで、食用のシイタケやヒラタケ、ムキタケと間違えるケースが多い。
食後30分~1時間以内に、嘔吐や下痢などの症状が出る。
消費者庁の岡村長官は、「図鑑と見比べるだけの素人判断をしないことが大切。少しでも不安がある場合は、専門機関や保健所に相談してほしい」。
もし、食べた後に体調が悪くなったら、すぐに医療機関を受診することを勧めている。
出典
『毒キノコ食中毒、消費者庁が注意喚起 もらい物もご用心』
https://www.asahi.com/articles/ASLB452X8LB4UTFL00K.html
(ブログ者コメント)
〇三重県の死亡事例は、下記参照。
(2018年9月18日11時23分 朝日新聞)
三重県は17日、同県桑名市の男性(75)が、ニセクロハツとみられる毒キノコを食べて食中毒を起こし、同日になって死亡した、と発表した。
食品安全課によると、男性は10日、夕食で自分で採ったキノコを自宅で鍋の具材として煮て食べた。
11日に下痢や嘔吐などの症状が現れ、同日夜には首から肩にかけて痛みを訴えた。
桑名市内の病院に入院後、呼吸困難になり、症状が悪化したため、愛知県内の病院に転院。
意識不明の状態が続いていた。
男性は、症状が出た時点で「食用のクロハツと思って食べた」と話していたという。
同課によると、全国でニセクロハツによる死者は、データのある2000年以降では計3人という。
出典
『毒キノコ「ニセクロハツ」食べて重体の男性死亡』
https://www.asahi.com/articles/ASL9L34LTL9LONFB002.html?iref=pc_extlink
〇今年の事例としては、上記以外、死亡事故ではないが、大分県や岩手県の事例も報じられている。
(2018年8月28日16時00分 朝日新聞)
大分県は27日、毒キノコのツキヨタケを食べた玖珠町の50代男性が下痢や腹痛などの食中毒の症状を発症したと発表した。
男性は入院はせず、すでに快方にむかっているという。
県によると、男性は26日、山登りをした際に由布市庄内町の男池周辺でキノコを採取し、翌日朝に、みそ汁に入れて食べたという。
残っていたキノコを県が鑑定し、食用のヒラタケやシイタケに似たツキヨタケと判明した。
ツキヨタケによる食中毒は、昨年10月にも発生している。
県は、「素人判断はせず、確実に鑑定された食用キノコ以外は、絶対に食べないでほしい」と呼びかけている。
出典
『シイタケ似の毒キノコで中毒 大分県「素人判断やめて」』
https://www.asahi.com/articles/ASL8X41M6L8XUBQU007.html
(2018年10月10日18時53分 NHK岩手)
二戸保健所管内に住む10代から70代の祖母、母、孫娘の家族3人が、山林で採取したきのこを煮物にして夕食で食べたところ、嘔吐や下痢などの症状を訴え、10代の孫が、一時、入院した。
いずれもすでに回復したということだが、医療機関からの通報を受けた二戸保健所が食べ残したきのこなどを調べたところ、毒きのこの「クサウラベニタケ」の一種による食中毒と断定された。
この毒きのこは、シメジとよく似ているため、3人が誤って食べたとみられている。
毒きのこによる食中毒の確認は、今年初めて。
県は、今年は高温で雨が多く、きのこが多く発生する条件が整っているとみていて、本格的なきのこ狩りのシーズンを迎える中、食用きのこと確実に判断できない場合は、食べたり人にあげたりしないよう呼びかけている。
出典
『毒きのこで家族3人が食中毒』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20181010/6040002272.html
2018年10月5日付で茨城新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
茨城県内5市町の小中学校約30校の児童生徒らが4日に学校給食で出た牛乳について、味やにおいの違和感を訴えたことが同日、県教委などへの取材で分かった。
健康被害は確認されていないが、牛乳を提供したのは昨年6月にも同様の問題が発生したメーカー。
各市町教委は5日以降の提供を中止した。
保健所などが同日以降、原因を調べる方針。
県教委などによると、牛乳は紙パック200mℓ入りで、水戸市内の乳業メーカーが製造。
問題を受け、同社が牛乳を出荷している県内16市町村全ての公立小中学校や県立学校で、5日以降の牛乳提供を中止することを決めた。
違和感を訴えたのは、水戸、那珂、ひたちなか、常陸大宮、城里の5市町の小中学校。
4日の学校給食で出た牛乳を飲んだ児童生徒らから、「味が薄い」、「いつもとにおいや味が違う」などといった訴えが相次いだ。
同日午後、一部の市教委から県教委に報告があった。
県の食の安全対策室などによると、水戸保健所が5日にも同社を立ち入り調査し、製造過程に問題がなかったかなどを調べるほか、違和感を訴えた学校から回収した未開封の牛乳を検査するなどして、原因究明を進める方針。
学校給食の牛乳を巡っては、昨年6月にも同社が製造した牛乳を飲んだ県内8市町の児童生徒約3800人から同じような訴えが相次ぎ、うち約640人が体調不良を訴えた。
調査の結果、県は当時、「衛生的な問題ではなく、通常と原料が異なったことによる風味の違いが原因だった」などと結論付けた。
出典
『茨城県内5市町 給食牛乳、また異臭騒ぎ 昨年と同じメーカー』
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15386616249556
10月6日5時14分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
水戸保健所は5日、同社工場に立ち入り調査したが、異常は見つからなかったという。
出典
『茨城 給食牛乳で児童ら1014人から異臭訴え』
https://mainichi.jp/articles/20181006/k00/00m/040/113000c
※この問題について再確認したところ、ちょっと前、2018年4月26日付で毎日新聞東京版から、牛乳の異臭に関し、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
なるほドリ ; 学校給食の牛乳で異臭問題があるようだね。
記 者 ; 牛乳を飲んだ子どもたちが「いつもと味が違う」「変な臭いがする」などと訴えた問題ですね。
昨年、東京都新宿区のほか、茨城や福岡でも同様の訴えがありました。
実は、たびたび全国的に起こっています。
Q ; 異臭の原因は分かったの?
A ; 東京都のケースでは、事業者が異物の混入や有害な微生物の有無などを調べましたが、異常は見つけられませんでした。
Q ; 不思議だね。
A ; 知っておきたいのは、牛乳は、生きている牛から搾った生の乳を殺菌したもので、工業製品とは違い、味の変動は常にある、ということです。
乳を出すのは、出産を終えた雌の乳牛です。
同じ牛でも、出産直後と日数がたった時期では乳の量が違うし、夏と冬では乳の脂肪分も異なります。
味が微妙に変わるのだそうです。
Q ; 搾られた乳は、どうやって学校まで届くの。
A ; 事業者が各酪農家から集めた乳は、いったん大きなタンクのあるクーラーステーションに集められ、そのあと、乳業メーカーの工場に送られます。
風味や有害物質の検査は、このステーションでも工場でも行われます。
生乳は地域ごとにあるステーションで混ぜられるため、味は個々の酪農家の段階よりも均一になりますが、それでも一年を通じてみれば、常に一定というわけではなさそうです。
Q ; 味が違うのは仕方がないってこと?
A ; そうはいっても、子どもたちの味覚や気持ちを軽視することは許されません。
工場の衛生管理に問題が生じていることもあり得るからです。
日ごろから酪農家と乳業メーカーと学校の3者が牛乳についてよく学び、酪農業の理解につながるといいですね。
出典
『質問なるほドリ 牛乳の異臭、なぜ起こる? 生乳は常に味変動 季節で脂肪分変化=回答・小島正美』
https://mainichi.jp/articles/20180426/ddm/003/070/109000c
(ブログ者コメント
昨年6月の異臭問題は、本ブログにも掲載している。
(2018年10月13日 修正1 ;追記)
2018年10月12日付で茨城新聞から、検査結果、異常はなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
県などは11日、調査の結果、製造工程や牛乳の成分など衛生管理に問題はなかったと発表した。
5日から学校給食への提供を中止していた製造メーカー「I乳業」(水戸市)は、11日から提供を再開した。
県・食の安全対策室などによると、学校や同社から回収した牛乳について成分を詳しく検査したところ、異常は確認されなかった。
水戸保健所の立ち入り調査や牛乳の検査結果を踏まえ、県は「食品衛生上の問題はない」とした。
同室は、原因について衛生的な問題ではないとの見解を示し、「牛乳の風味は季節や飼料の種類などによって変わることもあり、一部の児童生徒が、いつもと違う風味として感じた可能性がある」と説明した。
同社が学校給食に提供しているのは、県内16市町村。
県教委などによると、県や同社が10日、16市町村の各教委などに説明会を開き、再開の了承を得た。
11日は11市町村と県立学校16校で提供を再開。
残りの自治体などへは12日以降、順次再開する。
出典
『「衛生上問題なし」 給食牛乳提供再開 県が調査』
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15392601212968
2018年9月29日18時36分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
山梨県富士河口湖町立の6保育所で27日、園児と職員がアレルギー症状を訴えた問題で、県は29日、給食に出たマグロから食中毒の原因となる高濃度のヒスタミンを検出したと発表した。
発症者は当初より13人増えて92人となったが、全員回復している。
県によると、マグロは各保育所に同じ仕入れ先から、冷凍状態で納品された。
鮮度が落ちたり、常温で放置したりするとヒスタミンが生成されることから、県は、納入までの管理に問題があったとみて詳しく調べる。
原因が特定されたことを受け、富士河口湖町は10月3日から、町内の全保育所で取りやめていた給食の提供を再開する。
出典
『給食マグロからヒスタミン 山梨の保育所、92人食中毒』
http://www.sankei.com/life/news/180929/lif1809290023-n1.html
9月29日18時52分にNHK山梨からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
27日の昼ごろ、富士河口湖町にある6つの保育所で給食を食べた園児と職員合わせて92人が、口の周りに湿疹ができたり顔が腫れたりするなどの症状を発症した。
保健所が調べたところ、給食に出されたまぐろから食中毒の原因物質である「ヒスタミン」が検出されたという。
県によると、まぐろを加工するまでの過程で温度管理が不十分だったためにヒスタミンが増えた可能性があるということで、まぐろに含まれたヒスタミンによる食中毒と断定して、町に対し、食材の温度管理の徹底などを指導した。
ヒスタミンは、保管する過程で増えた場合、調理時に加熱しても分解されないため、県は、魚を生のまま保存する際は速やかに低温で管理するなど、注意を呼びかけている。
出典
『保育園児体調不良は食中毒と断定』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20180929/1040004329.html
9月30日2時3分にFNN PRIMEからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県によると、27日に提供された「マグロのみそがらめ」と食材のマグロから、食中毒の原因となる高濃度のヒスタミンが検出された。
出典
https://www.fnn.jp/posts/00402018CXL
9月29日16時23分に山梨放送からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
ヒスタミンは赤身魚の不適切な管理で生成され、去年は全国で8件報告されている。
出典
『原因はヒスタミン食中毒』
https://www.htv.jp/nnn/news88813956.html
(ブログ者コメント)
〇冷凍状態で仕入れ、町(給食センター?)が調理したマグロ。
仕入れ先の温度管理不備、町の温度管理不備の両方の報道があるが、さて、いずれが原因だったのだろうか?
〇赤身魚によるヒスタミン中毒は、本ブログでも過去に2件、サバの塩焼きとサンマの干物事例を紹介している。
2018年9月1日15時28分にNHK大分から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中津市にある認定こども園で、給食で出されたサバの塩焼きを食べた子どもを含む36人が皮膚の発疹などの症状を訴え、大分県はヒスタミンによる集団食中毒と断定し、食材の管理の徹底などを指導した。
大分県によると、31日、中津市にある認定こども園から、園に通う子ども33人を含む合わせて36人に、皮膚が赤く腫れるなどアレルギーの症状があると保健所に届け出があった。
保健所が調べたところ、昼の給食に出されたサバの塩焼きから、じんましんなどを引き起こすヒスタミンが検出された。
サバを納入してから加工するまでの過程で、温度管理が不十分だったために、ヒスタミンが増えた可能性があるということで、県は、ヒスタミンによる食中毒と断定して、こども園に対して食材の取り扱いや調理器具の洗浄の徹底などを指導した。
ヒスタミンは、保管する過程で増えた場合、調理時に加熱しても分解されないため、県は、魚を生のまま保存する際は低温管理を徹底するなど、注意を呼びかけている。
出典
『こども園でヒスタミン食中毒』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20180901/5070001791.html
9月1日20時24分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
大分県は1日、同県中津市の認定こども園で、サバの塩焼きを食べた1~4歳の幼児33人と保育士3人の計36人が発疹などの症状を訴え、塩焼きから食中毒の原因となるヒスタミンを検出したと発表した。
15人が市内の病院を受診したが全員軽症で、快方に向かっている。
県は同園に、食材を衛生的に取り扱うよう文書指導した。
県によると、8月31日午前11時ごろ、幼児ら計80人が給食でサバの塩焼きを食べた。
約30分後、症状が現れ始めたという。
サバは同日午前9時すぎに市内の鮮魚店から仕入れ、園内で調理した。
出典
『サバの塩焼きで幼児ら36人食中毒 大分の認定こども園』
http://www.sankei.com/west/news/180901/wst1809010060-n1.html
(ブログ者コメント)
〇園が指導されたという点から考えると、鮮魚店ではなく、園での温度管理が不十分だったということかもしれない。
ただ、9時すぎに仕入れ、11時ごろに食べるまで、わずか2時間。
その程度の短時間でも、温度管理が不十分だと中毒を起こすという教訓的事例かもしれない。
〇ヒスタミンによる中毒は、今年6月にも札幌でサンマの干物を食べて発生している。(本ブログでも紹介スミ)
昔から、「サバはあたりやすい」と言われているが、それはアニサキス以外、このヒスタミンも原因なのかもしれない。
2018年6月13日付で毎日新聞東京版(夕刊)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今年は貝毒による食中毒の懸念が高まり、被害も出ている。
市場に出回る貝は安全だが、自分で取った貝には注意が必要だ。
その脅威はあまり知られず、中には化学兵器級のものもあるという。
アサリやカキなどの貝には、そもそも毒がない。
有毒の植物プランクトンを取り込んで毒性を帯びる。
農水省によると、毒の規制値超過による貝の出荷自主規制は、昨年までの10年間では年間10~37件だった。
だが、今年はすでに60件を突破。
3月には、兵庫県明石市内の川の河口で取ったムラサキイガイを食べた70代男性が嘔吐で入院した。
貝やフグなど生物毒の第一人者、東京医療保健大の野口玉雄教授は、貝毒の代表としてまひ性のサキシトキシンを挙げ、「化学兵器に分類されるほど危険です」と話す。
神経まひを引き起こす猛毒で、致死量0.5mg。スプーン1杯5gで1万人分の致死量だ。
一定量を摂取すると、しびれや焼けつく感じを覚え、やがて動けなくなり、最悪の場合、呼吸まひで死に至る。
確かに、経産省化学兵器・麻薬原料等規制対策室によると、化学兵器禁止法の対象物質で、製造や抽出が厳しく規制されている。
内閣府食品安全委員会などによると、愛知県豊橋市で1948年に起きたアサリによる食中毒が、国内初のまひ性貝毒の記録とされる。
当時はよく分かっていなかったが、70年代に野口さんらの手で解明が進み、80年に厚生省(現厚労省)が規制値を決め、検査態勢を整備。
それ以降、市場に流通するアサリなど二枚貝で、まひ性貝毒による食中毒の例はほとんどない。
ただし、個人で採取した貝による中毒は時々ある。
79年に北海道、89年に青森県で、ムラサキイガイを食べた人が1人ずつ死亡した。
まひ性とは別に、記憶喪失を引き起こす貝毒もある。
カナダでは87年、同じムラサキイガイで100人以上が中毒を起こし、4人が死亡、12人に記憶障害が残った。
他に下痢を引き起こす貝毒もあるが、死に至ることはないとされる。
店で売られる貝はほぼ安全だが、問題は自分で採取したもの。
野口さんは、「警鐘を鳴らし続けるしかない。自然界には猛毒が潜む。正確な知識を持ち、正しく怖がることが大事です」と話す。
貝毒の状況は自然条件で刻々と変わり、行政機関が調べ発表している。
「潮干狩りなどでは、その情報を必ず確かめてほしい」と、野口さんは注意喚起する。
出典
『チェック 自分で採取、貝毒注意 しびれや嘔吐、化学兵器級も』
https://mainichi.jp/articles/20180613/dde/001/040/046000c
(ブログ者コメント)
貝毒関連の事例や情報は、本ブログでも過去に何件か紹介スミ。
2018年6月12日17時17分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市内のスーパーが販売したサンマの干物を食べた家族4人が舌がしびれるなどの症状を訴え、市保健所は、このサンマが原因の食中毒と断定し、スーパーの魚介類売り場を12日から3日間営業停止の処分にした。
市保健所によると、今月7日、札幌市東区のスーパー「Cさっぽろ元町店」が販売したサンマの干物を食べた母親と子ども3人の家族が、舌がしびれたりのどが腫れたりする症状を訴えた。
症状は軽く、まもなく収まったという。
市保健所が調べた結果、この家族が残したサンマの干物とスーパーに並べられていた干物の両方から、化学物質のヒスタミンが検出されたという。
このため、保健所はサンマの干物が原因の食中毒と断定し、このスーパーの魚介類売り場を12日から3日間営業停止の処分にし、適切な温度管理をするよう指示した。
市保健所は、この時期、食中毒が発生しやすくなっているとして、魚を購入した際はすぐに冷蔵庫で保管するほか、鮮度が悪くなっているおそれのある魚は食べないよう、注意を呼びかけている。
出典
『サンマの干物で食中毒』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180612/0000691.html
6月12日19時27分にFNNプライム(北海道文化放送)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市東区のスーパーで販売された魚の干物を食べた人が口のかゆみなどを訴え、保健所に届け出た。
保健所は食中毒として、魚介の販売を3日間の営業停止を命じた。
小出ディレクター:「Cさっぽろ元町店では、サンマの干し物7パックを販売しましたが、まだ2パックが回収されていません。店では、体調を崩した方は申し出るように呼びかけています」
食中毒の原因となったのは、札幌市東区のCさっぽろ元町店が製造し、6月6日に販売したサンマの干物。
干物を購入した女性が翌日、家族に食べさせたところ、口のかゆみや発疹などを訴えたため、保健所に届け出た。
調査の結果、干物からヒスタミンが検出され、製造工程で温度管理などに不備があったとして、保健所は魚介販売について、12日から3日間の営業停止を命じた。
客:「えー知らなかった。ここは良いと思っていた」「ちょうど(暑くて)時期が悪い、気を付けて欲しい」
保健所では店に対し、製造過程が適切かどうかを確認するなど、再発防止を指示した。
出典
『干物で口のかゆみ・発疹症状 札幌市保健所 食中毒として販売店に"営業停止"命じる 北海道』
https://www.fnn.jp/posts/2018061200000007UHB
(ブログ者コメント)
ヒスタミン中毒については、以下の記事が分かりやすかった。
『加熱しても防げない ヒスタミン食中毒』;東京都中野区HP
【ヒスタミン食中毒とは?】
ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品、特に魚類及びその加工品を食べることにより発症する、アレルギー様の食中毒です。
ヒスタミンは、食品中に含まれるアミノ酸の一種であるヒスチジンに、ヒスタミン産生菌の酵素が作用し、ヒスタミンに変換されることにより生成されます。
ヒスチジンが多く含まれる食品を常温に放置するなど、不適切な管理をすることで、食品に付いたヒスタミン産生菌が増殖し、ヒスタミンが生成されます。
ヒスタミンは加熱しても分解されず、また、調理で取り除くことができません。
・・・・・
【ヒスタミン食中毒の原因食品】
ヒスチジンを多く含むマグロ、カツオ、イワシ、ブリ、サンマ、サバなどの赤身魚及びその加工品です。
海外では、鶏肉、ハム、チェダーチーズが原因となったこともあります。
・・・・・
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/475000/d024518.html アカスミ
より詳しい内容は、下記参照。
(『魚に起因するヒスタミン中毒』;日本中毒情報センター)
http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/M70351_0101_2.pdf
2018年5月9日15時24分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が解説図付きでネット配信されていた。
食品のパッケージの「原材料表示欄」で、原材料(食材)名と食品添加物名を区別して表示するルールが始まっている。
何種類の添加物が使われているかが、わかりやすくなった。
パッケージの取り換えや周知のため、2020年3月末までは猶予期間で、現在は店頭では、新表記、旧表記の食品が混在している。
以前は、原材料表示欄に原材料と添加物を明確に区分せず重量順に表示していたため、わかりづらさがあった。
たとえば、香辛料は原材料だが、食品に香りをつける香料は添加物。
消費者庁の消費者アンケートでも、見直しを求める声が強かった。
15年施行の食品表示で「原材料と食品添加物を明確に区別すること」と改められ、「豚ばら肉」「砂糖」など、使われている原材料を書き、その後に「リン酸塩」「発色剤」などの添加物を記すことになった。
①原材料と添加物を別欄にする
②改行して区別する
③両者の間を「/」などの記号で区切る
といった形で表示される。
食品問題評論家の垣田達哉さんは、「『/』で区分しているメーカーが多いようだ。添加物が何種類使われているのか、簡単に比較でき、消費者がこれまでより食品を選択しやすくなる」と話している。
出典
『原材料?添加物? 食品パッケージ、新ルールで明確に』
https://www.asahi.com/articles/ASL4S3PSZL4SUTIL00C.html
(ブログ者コメント)
本件、横浜市西区のHPにも、わかりやすく解説された記事が掲載されていた。
『新しい食品表示のルールがスタートしました!!』
http://www.city.yokohama.lg.jp/nishi/life/seiei/20151111163226.html
2018年5月1日17時55分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
二枚貝を食べると中毒症状を起こす「貝毒」が、この四半世紀で最多ペースで規制値を超える事態になっている。
潮干狩りシーズンのゴールデンウィーク(GW)を迎える中、二枚貝を持ち帰らないよう呼びかける自治体も出てきた。
農水省によると、1日までに大阪府や兵庫県、徳島県などの沿岸を中心に、延べ56海域でまひ性貝毒が規制値を超え、出荷が自主規制された。
1993年以降最多で、昨年同時期に比べて2.6倍のペース。
同省は4月、各都道府県に対して、注意喚起を徹底するよう求める文書を出した。
貝毒は、ホタテガイやシジミなどの二枚貝が有毒なプランクトンを食べて一時的に体内に毒をためることで発生。
加熱しても毒は消えず、食べると手足や顔面のしびれなどの中毒症状を起こし、死に至ることもある。
徳島県では、採取したカキから体重60kgの人がむき身1個を食べると死亡する恐れもある高濃度の貝毒を検出。
県は漁業者に出荷の自主規制を指導し、県民には潮干狩りで二枚貝を採らないよう求めた。
大阪府では、国の規制値の42倍の毒性を持つアサリが見つかったほか、兵庫県西部で35年ぶり、岡山県東部で32年ぶりに貝毒が発生している。
貝毒の大流行は、行楽シーズンの潮干狩り場を直撃している。
例年なら潮干狩り客でにぎわう徳島県藍住町の吉野川。
4月10日、県が吉野川のシジミから国の規制値を上回る貝毒を検出したと発表してからは、地元漁協が岸辺にシジミ採り禁止の看板を出し、訪れる人も途絶えている。
漁業権をもつ吉野川第一漁協の加藤組合長は、「残念だが、県が大丈夫だと言ってくれないと再開できない」と漏らす。
「海のカキの貝毒は毎年発生していたが、川のシジミは初めて。40個食べれば死亡する恐れもあるということで、ショックが大きい」
中毒症状を起こす事例も相次いでいる。
大阪府泉南市で3月上旬、友人が採ったアサリを食べた50代の男性が口や手足のしびれで入院。
同月下旬には、堺市の男女3人が和歌山市の海岸でムラサキイガイを採って食べ、2人が歩行困難などで入院した。
【震災復興途上の東北で出荷規制】
貝毒の影響で、カキやホタテガイの出荷規制も相次いでいる。
宮城県では、例年より多い延べ18海域(4月30日時点)で出荷を自主規制した。
・・・・・
貝毒が流行している原因について、水産研究・教育機構瀬戸内海区水産研究所の神山業務推進部長は、「一般的に水温や海水中の栄養などが関係するが、今年の増加原因はまだわからない。潮干狩りなどの前には、自治体のホームページなどで発生情報を確認してほしい」と話している。
出典
『貝毒が猛威、潮干狩り名所打撃 手足しびれや歩行困難も』
https://www.asahi.com/articles/ASL4K4TZ5L4KPTIL015.html
4月28日12時18分に日本経済新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪湾を中心に、アサリなどの二枚貝で貝毒が広がっている。
今年は例年と比べて毒性が強いのが特徴で、兵庫県西部や岡山県東部の瀬戸内海でも、約30年ぶりに発生が確認された。
大阪湾では2013年から毎年、アサリやトリガイから貝毒が検出されている。
アサリの場合、例年は3月ごろから5月下旬ごろまで発生が続く。
今年は1カ月ほど早い2月に発生し、3月には兵庫県東部に拡大。
4月には兵庫県西部で35年ぶり、岡山県東部でも32年ぶりに確認された。
兵庫県の担当者は、「貝毒が一度確認されると、翌年も発生しやすい」と懸念する。
府立環境農林水産総合研究所によると、貝毒は有毒プランクトンを取り込むことで起きる。
担当者は、「工場からの不正な排水がなくなり、大阪湾の水質が浄化された。海中の栄養素が減り、低栄養でも増殖できる有毒プランクトンが増えた可能性がある」とみる。
年々毒性は強くなっており、4月上旬にはアサリから、体重60kgの成人が8個以上食べた場合に死に至る恐れがある強い毒性が検出された。
同研究所は、「近年は有毒プランクトンの発生が多く、貝が毒をためやすい傾向にある」(担当者)と説明する。
大阪府が毎週実施している検査で、3週連続で毒が基準値以下になれば規制はなくなる。
毒性の数値は減少しているものの、アサリは5月中、アカガイとトリガイは6月まで規制がかかるとみられる。
貝毒は加熱や洗浄でも消えない。
食べた場合の症状は主に「まひ性」と「下痢性」の2種類があり、大阪湾で見つかるのは「まひ性」がほとんど。
現在、アサリ、アカガイ、トリガイの3種類で発生が確認されている。
まひ性の貝毒は、神経を鈍くする点でフグ毒と似ており、治療薬はない。
対症療法として点滴や胃の洗浄などの処置しかなく、府は「異変を感じたら病院に行ってほしい」と呼びかけている。
出典
『貝毒に注意 大阪湾で例年より毒性強く、瀬戸内海でも確認』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29981800Y8A420C1AC1000/
一方、5月2日19時48分にNHK岩手からは、岩手県でも貝毒でホヤなどが出荷規制されているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岩手県沿岸南部で水揚げされたホヤや真がきから基準を超えるまひ性の貝毒が検出され、岩手県漁業協同組合連合会は、釜石湾など3つの海域からの出荷を2日から自主的に取りやめている。
出荷を再開するには、検査で3週間続けて基準値を下回る必要があり、少なくとも今月下旬まで出荷をしないことになる。
県内ではホタテも、釜石市から陸前高田市にかけての5つの海域で貝毒が検出され、今も出荷の自主規制が続いている。
出典
『基準超の貝毒 ホヤなど出荷規制』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20180502/6040000745.html
(ブログ者コメント)
〇貝毒については、本ブログでも2013年と2014年に事例を紹介しているが、両方ともに大阪湾。
〇農水省によれば、貝毒の検査は各都道府県で定期的に実施され
ている。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/gyokai/g_kenko/busitu/01c_taisaku.html
以下は千葉県からの今年5月1日付の結果公表例。
https://www.pref.chiba.lg.jp/gyoshigen/kaidokukekka.html
2018年5月2日付で中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
給食センターの調理室に鳥が入り衛生面に問題が出たとして、羽島市は1日、市南部学校給食センター(同市下中町石田)で予定していた2533人分の給食の調理を中止した。
児童生徒らへの給食は、急きょ発注したレトルトカレーで賄った。
このため、中央小学校で給食開始が30分遅れるなどしたという。
センターによると、午前8時40分に準備をしていた職員が、調理室の床で鳥のふんらしきものを発見。
保健所などに連絡し、センター内を探したところ、隣接する食器などの洗浄室で鳥を見つけて、窓から逃がした。
茶色でハトほどの大きさだったが、種類は不明。
ふんは11カ所で見つかり、1つは調理室の作業台に落ちていた。
洗浄室には、配送車に給食を積み込むための高さ3m、幅4mほどの搬入口が2カ所あり、鳥はここから入った可能性があるという。
当時は、搬入口のシャッターは閉まっていた。
以前にシャッターを開けたのは4月27日が最後だという。
同センターでは、市内の小中学校などの約4割にあたる給食を調理。
市南部の2小学校、3中学校、1義務教育学校に配送している。
衛生面から清掃が必要なため、2日は弁当を持参してもらうよう、保護者に通達。
センターの運営再開は、連休明けの7日以降にずれ込む可能性もある。
出典
『給食センターに鳥 羽島市、2500食の調理を中止』
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20180502/CK2018050202000030.html
5月1日22時30分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
教委は、4月末に各校からの食器が戻ってきた際、搬入口から野鳥が入り込んだとみている。
出典
『給食センターに野鳥、調理中止 岐阜、レトルトカレーで2500人分代用』
http://www.sankei.com/west/news/180501/wst1805010097-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。