







2021年5月18日12時15分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
山中龍宏「子どもを守る」
動くものに乗っていて転倒すると、けがの重症度が高くなります。
今回は、学童編です。
【ポールにぶつかって肝臓破裂】
学童や生徒の自転車事故は多発しています。
転倒すると大けがを負う場合があります。
<事例1:7歳女児>
2018年7月17日午後4時少し前、自転車に乗っていて坂道を下り、車止めのポールにぶつかって転倒した。
起き上がれず、30分くらい現場に横たわっていた。
通りかかった軽自動車のおじいさんに家まで送ってもらい、5時半に母親に付き添われて私のクリニックに来院した。
とても苦しそうな顔で、左上腹部に直径6~7センチの内出血斑、あちこちにすり傷があった。
内臓障害を疑い、救急車で大学病院の外傷センターに搬送した。
肝臓が破裂しており、1週間入院した。
< 事例2(https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/injuryalert/0006.pdf):11歳女児>
春休み中の午前8時50分頃、塾へ行くために自転車(ママチャリ)に乗って歩道を走っていた。
ハンドルに掛けていた傘が前輪のスポークに引っかかって転倒し、左前腕を打撲、右腹部をハンドルの先端で強打した。
腹痛が持続するため医療機関を受診した。
腹部CT(コンピューター断層撮影)で肝臓の損傷が見つかり、19日間入院した。
学童の交通事故は、低学年では歩行している時の事故が多いのですが、高学年になると自転車の事故が多くなります。
自転車に乗る場合は、ブレーキの利き具合、タイヤの空気圧、サドルの高さの調整などの整備のほか、ヘルメットの着用など基本的な準備をすることが大切です。
自転車の転倒による事故では、自転車のハンドルバーによる内臓の損傷がよく知られています。
自動車事故のような非常に大きなエネルギーではなく、比較的小さなエネルギーであっても、自転車のハンドルバーやパイプ椅子の脚にぶつかるといった「一点に集中する」場合や、シーソーの角、ブロック塀の角など腹部に対して線状に外力が加わる場合に内臓損傷が起こることがあります。
このようなけがでは、外力と脊椎に臓器が挟まれて臓器の損傷が起こると考えられています。
肝臓や脾臓(ひぞう)が損傷すると大量に出血し、膵臓(すいぞう)の損傷では膵液の漏出によって腹腔(ふくくう)内の組織障害が起こります。
自転車のハンドルのバーエンドの形状と、腹部外傷のデータを収集し、どのような機序で腹部外傷が起こったのかを検討し、傷害を起こしにくい形状にする必要があります。
バーエンド部分の面積を広くする、金属部分が露出しない構造にする、バーエンド部は軟らかい素材にするなど、形状や硬さの工夫をすれば、受傷時の衝撃を緩和することができると思います。
自転車が転倒しやすい状況としては、自転車のハンドルに傘を掛けていて、右・左折した時に傘が前輪タイヤに絡んで転倒する、走行時の振動で前かごに入れた荷物のひもが垂れ下がって前輪に巻きついて転倒するなどがあります。
坂道でブレーキが利かず、何かに衝突して転倒することもあります。
自転車のハンドルには物を掛けない、あるいは物が掛からない・掛けにくいハンドルにする、前輪にカバーをして物が挟み込まれない構造にすることもできると思います。
【スケートボードで転倒した8歳女児 大型バスにはねら
れ…】
・・・・・
【転倒は不可避 けがをしない対策を】
ローラー付きシューズによる転倒事故もよくみられます。
・・・・・
今回で「転倒シリーズ」は終わります。
ヒトは、歩いたり、走ったり、乗り物で移動したりするので、「転倒する」ことは不可避です。
転ばないように気をつけるよりも、転んだときにけがをしないよう、けがをしても軽く済むよう、事前の対策をすることが重要なのです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/127e3813403ea10e6a6ca672ab706fd7d0f58c6d
2021年5月12日6時28分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
スマートフォンなどの画面から出る「ブルーライト」を抑えるメガネを子どもがかけることについて、眼科の学会などは先月、発育に悪影響を与えかねないとして慎重な対応を求めましたが、これを受け、東京・渋谷区で検討されていた小中学生に寄贈する計画が中止されたことが分かりました。
ブルーライトはデジタル端末の画面などから出る波長が短い青い光で、この光を抑えるとするメガネが多く販売されています。
このメガネを子どもがかけることについて、眼科の専門医で作る学会などは先月、太陽光を十分浴びないと近視が進行するリスクが高まるなどとして「推奨する根拠はなく、発育に悪影響を与えかねない」とする意見書を出し、慎重な対応を求めました。
このメガネを販売している専門店チェーン、「JINS」の運営会社は、ことし3月、東京・渋谷区立の小中学校のすべての児童生徒に無償で配ると発表していましたが、意見書を受けて渋谷区教育委員会と対応を協議し、関係者によりますと計画は中止されたということです。
「JINS」の運営会社はNHKの取材に対し、「答えられることはない」とコメントしています。
また、教育委員会の担当者は、「意見書を踏まえて判断した」としています。
意見書を作成した東京都眼科医会の福下公子会長は、「ICT教育の推進で子どもの目の健康に関心が高まっているので、同様のことが起きないか、学校教育の現場を注視していきたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210512/1000064242.html
(ブログ者コメント)
ブルーライトの悪影響が議論されているという情報は、本ブログでも過去に紹介スミ。
日本眼科医会などの意見書については、以下の解説記事参照。
(2021年4月21日19時0分 FNN PRIME)
近ごろのメガネ店では、当たり前のように「ブルーライトカット」の商品がずらりと並んでいるが、日本眼科医会など6学会は4月14日に、「ブルーライトカット眼鏡」を子どもに使わせることを危惧する意見書を公開した。
そもそも、ブルーライトとは、太陽光や電球など目に見える光に含まれる青色成分のことで、スマホやパソコンの画面からも出ているという。
この光を「ブルーライトカット眼鏡」で抑えると、スマホなどの使用による睡眠障害や、眼精疲労の軽減、眼球への障害予防などの効果があると謳われているが、意見書は科学的観点から問題点を指摘している。
まず、スマホなどの画面が発するブルーライトは、曇り空やガラス越しの自然光よりも少ないため、いたずらに恐れる必要はないという。
逆に、子どもにとって太陽光は心身の発育に好影響を与えるもので、十分に浴びない場合は、近視のリスクが高まるとしている。
さらにアメリカの科学誌に掲載された最新の研究では、ブルーライトカット眼鏡には眼精疲労を軽減する効果が全くないと報告されているそうだ。
ただ、ブルーライトと体内時計の関係があることは、いくつもの論文で指摘されており、夜遅くまでデジタル端末の強い光を浴びると、睡眠障害をきたす恐れがあるという。
しかし、就寝前ならともかく、日中にブルーライトカット眼鏡を使うメリットはないとしている。
これらの理由から意見書では、子どもにブルーライトカット眼鏡を推奨する根拠はなく、むしろ、かけさせることは発育に悪影響を与えかねないとまとめている。
なぜこのタイミングで意見書を出したのか?
そして、言及はなかったが、大人への悪影響はないのか?
日本眼科医会の担当者に聞いてみた。
【小中学校“デジタル授業”の本格化が背景】
――なぜ意見書を公開した?
政府のGIGAスクール構想により、2021年4月から、多くの小中学校でデジタル端末を用いた授業が本格化したことを踏まえ、文部科学省も子どもたちの目の健康に留意した文書やリーフレットを3月、4月と立て続けに発出しており、我々もまた、健やかな目の成長を願う立場から公開しました。
また、3月に米国眼科アカデミーからもブルーライトカットについての意見が出ました。
偏りのない情報を皆さんにお伝えすることで、子どもたちの健やかな成長に役立てていただくための情報提供として発出しました。
(編集部注:米国眼科アカデミーは3月5日付で公式サイトに「米国眼科アカデミーはブルーライトカット眼鏡を推奨しません。」と掲載)
――今までブルーライトカット眼鏡を使ってきた子供もやめたほうがいい?
現在お持ちのものを使用することが明らかな害になるという証明はされていませんので、お持ちのものをご使用いただくことは大きな問題にならないと思います。
一方で、ブルーライトカット眼鏡を使用すれば、子どもが長時間にわたってデジタル端末を見ても良いことにはなりません。
——子どもがブルーライトカット眼鏡を就寝前に使うのもよくないのでしょうか?
今回の発出文書にもありますが、夜間のブルーライトカットは特に悪いことではないと思います。
また、ブルーライトカットの有無にかかわらず、先の文部科学省のリーフレットにもあるように、就寝1時間前からはデジタル端末を使用することは、控えるべきと考えています。
【大人は、見え方が向上することもあり、すべてにおいて不要ではない】
――ブルーライトカット眼鏡は大人への悪影響はない?
中年以降では、見え方が向上することもあり、すべてにおいて不要というわけではありません。
眩しさに関しては、デジタル端末の場合、画面の明るさ調整も効果的と考えます。
ブルーライトカットの有無よりも、度数や、利用する用途に合った本人に最適な眼鏡の使用をおすすめします。
――パソコンやスマホを長時間見て目が疲れる人はどうしたらいい?
適切な度数の眼鏡を使用する、 画面を離してみる、 休憩を取る、 遠方を見る、 画面は低輝度にする、といった対応がお薦めです。
今回、意見書が指摘しているのは成長期の子どもについてで、ブルーライトカット眼鏡が明らかな害になるわけではないとしながらも、学校の授業のデジタル化が本格化する中で、正しい知識を持って使用してほしいということだった。
https://www.fnn.jp/articles/-/172656
2021年5月11日21時1分にYAHOOニュース(現代ビジネス)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
気温が上がってきて、野外活動に絶好のシーズンがやってきた。
しかし、キャンプや野営を行っていると、様々なトラブルに出会うことがある。
その一つが毒虫による被害だ。
ハチやアブ、蚊などに襲われるのは日常的なものだが、温暖化に伴い、これまで気にする必要がなかった猛毒の昆虫も生息域を拡大している。
登山やキャンプ、バーベキューなど、野外活動時の対処方法や準備などをお伝えしたい。
【ハチの毒で毎年約20人が死んでいる】
年間で約20人ほどの死者が発生しているハチによる死亡事故。
春から秋にかけて長期間にわたって全国で被害が発生している。
中でも攻撃性の高いスズメバチによる被害が数多く報告され、ハチの毒に対してアレルギーを持っている人や、以前に刺された経験のある人は「アナフィラキシーショック」と呼ばれる急性の全身アレルギー症状を起こすことがあり、血圧低下や呼吸困難、心停止などが発生し、刺されてから10数分で死に至るケースもある。
これはスズメバチやアシナガバチの他、ミツバチなどに刺されることによっても発生する。
中でもスズメバチは攻撃性が高く、巣に近づいたり、手で払ったりすることで対象に反撃を始める。
かまわずに速やかにその場を離れることが大切だ。
【口で吸ってはいけない】
筆者は機会があって、蜂の習性を十分理解した上で、防護服や薬剤など万全の体勢で、山小屋や別荘、自宅の庭にできたハチの巣の撤去を複数回行っている。
そのためハチ、特にスズメバチの攻撃性は非常に高く、危険であることを身をもって知っている。
ただし一般の方は、自宅に巣を作られた場合は自分で撤去しようとせず、コストはかかるものの、自治体(無料の場合もある)か、業者に依頼するほうが得策である。
万が一、ハチに刺されてしまった時の応急処置は、まず流水で刺された箇所を洗い流し、周辺を抑えて毒液を絞り出すようにすること(市販のポイズンリムーバーがあれば使用)。
この際、口で吸うような事をしてはいけない。
毒物を吸収する可能性があるからだ。
そのあとは抗ヒスタミン剤の入った薬を塗り、患部を濡れタオルなどで冷やしながら安静にする。
目まいや動悸など、別の症状が現れたら、迷わず病院へと向かうことだ。
山や高原ではハチの被害を避けるため、基本的に長袖長ズボンを着用するように心がけたい。
さらに、ハチは黒い動く物体を攻撃する傾向があるため、黒い衣装を着ないこと、必ず帽子を被ることが大切だ。
キャンプや屋外でのバーベキュー時、化粧水や香水など匂いをするものを付けないように指示しておくことも必要だ。
アウトドアでは、その他にも様々な虫が人を襲ってくる。
アブ、ブユ、蚊などの吸血性の虫を避けるために虫よけスプレー(対象の虫を必ず確認)が効果的なので、屋外活動には常備しておきたい。
ちなみに筆者は、自作の虫よけスプレーを持参していく。
ミント(ハッカ油)、無水エタノール、精製水などを混ぜたものを定期的に衣服に吹きかけることで十分に効果を発揮する。
香りで気分転換にもなるので、他の虫よけ効果のあるアロマオイル(レモングラス、ゼラニウム、シトロネラ)などと組み合わせるのも良いだろう。
【マダニがもたらす深刻な病気】
日本全国に広く分布している吸血する「マダニ」。
野草や葉の先端付近に付いていて、動物が近づくのを待ち構えていることが多い。
ハチや蚊などと違って、噛まれているときに痛みや痒みがあまり発生しないため、気づかないことが多く、食いついている姿を見て慌てるケースも多い。
マダニやツツガムシは「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」、日本紅斑熱、ライム病、ツツガムシ病などを発生させる、様々な致死性のあるウイルスを媒介していることで知られている。
SFTSは2019年に過去最高の102例の感染報告があり、これまでの死亡率は50代以上に限られるが、27%と恐ろしく高い。
刺された後、1週間~2週間程度で発症し、発熱や下痢、腹痛、嘔吐、意識障害など、様々な症状が発生して死に至る。
日本列島の温暖化に伴い、これらのダニ類は生息地域を広げている。
マダニは多くの野生生物に寄生することで繁殖しているのだが、犬や猫などのペットを屋外で遊ばせた後に付着していないか、注意して見てあげないといけない。
2020年にはマダニによって感染した動物(猫)からヒトへの感染が報告されてニュースとなった。
過去には死亡例もある。
【ワセリンでマダニごと覆う】
マダニは吸血により3mm程度の体長が1cmにも膨張する。
そこで気が付いて、あわてて無理やり引き抜くことで、虫の体液が逆流。感染リスクが高まる。
そのため、食いついた部分を身体に残さないように、ピンセットなどで丁寧に抜く必要がある。
ワセリンなどの軟膏で噛まれている部分を被覆して、窒息したマダニが自然に取れるのを待つ方法もある。
マダニに吸血された後、もしも熱が出ることがあれば、すぐに医療機関に駆け込むようにしたい。
マダニは屋外活動で衣服などに付いてたものが家屋内に持ち込まれる時もある。
被害を防ぐには、草むらなどに入った後は付着していないか注意深く確認すること、草むらに直接座らずに敷物を使うこと、上着やタオルなどを地面に不用意に直接置かないこと、虫よけスプレーを活用すること、帰宅後は玄関外で十分に衣服に付着していないか確認し、すぐにシャワーを浴びて着替えをするなどを習慣付けておくことが必要だ。
日本の平均気温の上昇により、これまで日本に存在しなかった神経毒を持つ外来種の毒蜘蛛(セアカゴケグモ)やアナフィラキシーショックを起こす毒素を持つ蟻(ヒアリ)なども生息範囲を広げていると報告されている。
屋外で見知らぬ虫を見つけたら、うかつに近づかない、触れない、かまわないようにすることを心がけたい。
和田 隆昌(災害危機管理アドバイザー)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f7181931969100ee58d6f222aa56dfa937f1c052
(ブログ者コメント)
1ケ月ほど前のブログ者経験談。
そこそこ整備された森林公園内の、車も通る鋪装道路を散歩中、クマンバチに5分ほどつきまとわられた。
大きな羽音が聞こえ続けたり、2~3mほど前を横切られたりして、ヤバイ感は半端なかった。
刺激するとマズイだろうと思い、速度を変えず、ゆっくり歩いていくと、そのうち、いなくなったが、今、思えば、その時の服装は黒い帽子に黒いジャージの上下と、黒づくめだった。
2021年4月23日9時6分にYAHOOニュース(日刊ゲンダイ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ヘビは江戸時代までは「長虫(ながむし)」と呼ばれていたことをご存じだろうか。
日本ではヘビがそれだけ身近な存在だったということだろうが、日本に生息するヘビの中で、毒があるのはマムシ、ヤマカガシ、ハブの3種類だ。
ヤマカガシは数が減ってほとんど見られなくなったが、ハブは沖縄と奄美に生息し、マムシは九州から北海道まで広く分布している。
最近はハイキングやキャンプ、登山ブームで野山に出かける人も多いが、その前に毒ヘビの知識も知っておきたい。
長浜バイオ大学(医療情報学)の永田宏教授に聞いた。
ヘビに噛まれて亡くなる人は、2019年に5人と近年では年間数人程度で、そのほぼすべてがマムシによるものだ。
毒ヘビというとハブを連想する人が多いだろうが、最近は2014年に奄美諸島で1例あっただけで、沖縄県はずっとゼロが続いている。
マムシに噛まれる事故(マムシ咬傷)は、今ごろから9月いっぱいがシーズンで、年間1000~2000件と推定されている。
2014年に全国の救急病院・診療所9433施設を対象にしたアンケート調査(回答率47・2%)では、975例が報告され、致死率は0・8%だった。
「噛まれるのは手(指や手の甲など)と足(足首より下)に集中しており、体幹が噛まれることはめったにありません。
畑や里山での農作業中に噛まれるケースが多いのですが、マムシを捕ろうとして返り討ちに遭う人もいます。
マムシはいまでも精力剤や漢方薬の原料として売れますし、自家製のマムシ酒をつくる人もいます」
ちなみにマムシには、赤褐色のいわゆる赤マムシと、黒褐色の黒マムシがいるが、種としてはまったく同じだ。
噛まれた直後はあまり痛みを感じない場合が多いようで、「何かに噛まれたようだ」という人もいるほど。
しかし30分から1時間後には、創の周辺が腫れあがり(腫脹)、激しい痛みが襲ってくる。
■横紋筋融解症や急性腎不全を発症するケースも
「マムシ咬傷では、とくに腫脹の程度から重症度を5段階に分類しています。
最も軽いグレードⅠは、噛まれた周辺が赤く腫れる程度です。
救急搬送されてくる患者の多くはこの段階です。
しかしグレードにかかわらず、原則として全員がそのまま入院となります。
というのも、搬送時は比較的軽症でも、時間を追うごとに重症化することが多いからです」
腫脹が手首ないし足首までにとどまっていればグレードⅡ。
とはいえ、たとえば手を噛まれたとすると、スキー用の手袋をはめたくらいに腫れあがる。
しかも噛まれた部位は、内出血を起こして青紫色に変色することも多く、かなり衝撃的な見た目になるという。
さらにグレードⅢでは、肘ないし膝関節まで腫脹が広がる。
グレードⅣは一肢全体、つまり噛まれた側の腕または脚全体が腫れる状態。
そして最も重いグレードVでは、腫脹が体幹にまで達する。
右手を噛まれたとすると、腫れが右肩を超えて肩甲骨辺りにまで達するという。
「腫脹がひどいと筋肉にかかる内圧が上がり、血行不全から壊死に至る(コンパートメント症候群)ことがあるため、予防的に皮膚を切開するケースもあります(減張切開)。
腫脹のピークは、噛まれてから24~48時間後。
それを過ぎると少しずつ腫れが引いていきますが、完全に引くまでには2週間から1カ月程度を要します」
重症化すると筋肉が溶けて(横紋筋融解症)、いわゆる血尿が出る場合がある。
「人によっては急性腎不全を起こすこともあります。
また播種性血管内凝固症候群(DIC)といって、血小板の数が減り、消化管から出血が起こり、吐血することもまれですが報告されています。
マムシ毒には血小板を凝集させる成分が含まれているため、正常な血小板が急激に減ってしまい、出血しやすくなるのです。
重症化の割合は、患者の2%前後とされています」
噛まれたときの応急処置として、創より上流(心臓側)をベルトやタオルなどで縛って、毒の回りをできるだけ遅らせること。
アウトドア用のポイズン・リムーバーで毒を吸い出すのも効果的と言われているが、口で吸い出すのはやめたほうがいいだろう。
まずは、なにより急いで病院に搬送することだ。
以前は「少々時間がかかっても慌てず安静を保って搬送するように」と言われていたが、いまは「走ってでも病院に急げ」に変わってきているという。
毒が広がるまでに30分から1時間かかるので、それまでに救急を受診し、初期治療を受けられれば、重症化のリスクを下げることができる。
万一、ゴルフ場などで噛まれたときは、とにかく病院に急ぐことが肝心だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1fb0c6a5fe23c4e52657e0e27320191a48dde089
(ブログ者コメント)
〇マムシに噛まれた場合は走ってでも病院に行ったほうがよいという件は、本ブログで過去にも紹介スミ。
今回は、より詳しい情報を得られたので紹介する。
『[プチ昔の報道] 2015年7月12日報道 マムシにかまれた場合の対応;病院に行くまで時間がかかる場所なら、応急処置後、走って助けを求めに行くほうが良いとの調査結果』
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5059/
〇関連情報調査結果、縛る場合は緩めにという、以下の情報も見つかった。
(2015年02月14日発行 Web医事新報) P.65
【Q】
マムシ,ヤマカガシにかまれたときの対処法について。
【A】
[1]かまれた部位よりも中枢部を縛るべきか否か
現在では,局所の組織損傷を起こすような毒蛇による咬症では,緊縛によって蛇毒を局所にとどめることで損傷を大きくする危険性が高くなるため,緊縛は勧められていない。
また,患者は細いひもなどで完全に血流が止まるほど強く縛りすぎていることが多く,そのことによる悪影響も考えられる。
ただし,神経毒は吸収が速く,呼吸麻痺の危険があるため毒の吸収を遅らせる必要がある。
その場合,包帯などで骨折時のように患部の前後を含めて広く巻いて固定するクレープバンデージ法が勧められている。
マムシ咬症でも、医療機関に行くまでかなり時間がかかる場合にはこの方法が勧められるが,腫脹の広がりにより圧迫が強くなるため,ときどきチェックして調節する必要がある。
ヤマカガシ咬症でも,短時間で医療機関まで行けるようであれば,縛る必要はない。
・・・
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=3670
(宇部市医師会外科医会)
・・・
マムシに咬まれた場合、まず噛まれた傷口より心臓側を布などで軽く縛り安静にして下さい。
これは毒が全身に回るのを遅らせるためです。
あわてて走ったりすると毒が全身に回りやすくなります。
次に、傷口から血を絞り出すようにして毒を体外に出します。
水があれば血を絞り出しながら洗浄して下さい。
口で毒を吸い出す方法は、口付近に傷があるときには禁忌です。
・・・
http://www.yamaguchi.med.or.jp/g-med/ube/consultation/014.html
2021年4月20日13時46分にNHK石川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
合成洗剤など生活用品の香りによってさまざまな体調不良に悩まされる「香害」と呼ばれる健康被害について、能美市の女性が、「多くの人に理解してもらい、なくすための対策を講じてほしい」として、全国から約2万人の署名を集め、国に要望書を提出しました。
香りの害「香害」は、合成洗剤や柔軟剤など生活用品の香りによって頭痛やけん怠感など、さまざまな体調不良を引き起こすとされるもので、全国で多くの人が健康被害を訴えています。
能美市に住む園山さんも「香害」に悩む1人で、実情を多くの人に理解してもらい、国に対策を講じてもらおうと、インターネットや紙面を通じて賛同を募ったところ、全国から約1万9800人の署名が集まりました。
園山さんは、今月、これらの署名とともに、環境大臣などに宛てた要望書を提出したということです。
健康被害のメカニズムはまだ詳しくわかっておらず、周囲からの理解も得にくいのが現状だということで、要望書は健康被害を解明するための研究を進めることや、「香害」を多くの人に知ってもらうことで悩む人が周りに相談したり、環境の改善を求めたりしやすくするための啓発活動などを求めています。
要望書を提出した園山さんは、「香害で当たり前の生活が送れない人もいます。要望書の提出が目的ではないので、香害が広く認知されるまで活動を続けたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20210420/3020007955.html
(ブログ者コメント)
香害については本ブログでも何件か情報を紹介している。
2021年4月20日0時37分にYAHOOニュース(読売新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
さいたま市で1月に発生し、1人が死亡するなどした住宅火災で、現場に製造から15年以上経過した石油ストーブがあったことから、部品の劣化などにより出火した可能性もあるとして、経済産業省所管の独立行政法人「製品評価技術基盤機構(NITE)」が調査していることがわかった。
さいたま市消防局や埼玉県警浦和東署によると、今回の火災は1月9日午後4時頃に発生。
世帯主の男性(当時72歳)が死亡したほか、妻(当時71歳)が重いやけどで入院するなど、2人がけがをした。
焼け跡の2階から、今回のストーブが発見された。
メーカーによると、このストーブは、2004年8月~05年12月に約8万5000台が販売された。
これまでに大きな事故は報告されていないという。
だが、市消防局から現場にこのストーブがあったことを知らされたメーカー側は、ストーブが異常燃焼を起こし、近くの可燃物に火が移った可能性があるとして、今年2月下旬、消費者庁に報告した。
製品による重傷以上のけがや死亡、火災などの重大事故について、製造業者や輸入業者が知った場合、事業者は消費生活用製品安全法に基づき消費者庁に報告し、消費者庁が経産省と協議した上で公表する仕組みとなっている。
今回のストーブについては、火災の要因となる不具合などがなかったか、NITEが詳しく調査している。
【片づける機会に点検を】
冬場に使う暖房器具や、夏場に使う扇風機については、多くの家庭で1年のうち数か月だけ使用した後、押し入れなどに入れて保管する――ということを毎年繰り返しがちだ。
このため、買い替えることもなく、何十年も同じ製品を使い続けてしまい、部品の劣化に気づかずに使用して事故につながるケースも多い。
4月中旬となり、暖房器具を片付ける家庭も多いことから、NITEは「不具合などはないか、この機会に確認してほしい」と呼びかけている。
製造から長い時間がたち、部品が劣化する「経年劣化」による製品事故を巡っては、2005年に松下電器産業(当時)製の石油温風暖房機で、内部のエアホースに経年劣化などで亀裂が入り、一酸化炭素が漏れ出して、中毒事故が相次いで発生していたことが判明。
07年には、三洋電機(当時)が30年以上前に製造した扇風機が発火したことによる火災が相次いだ。
こうした経年劣化による製品事故が頻発したことを受けて、経済産業省は09年4月に「長期使用製品安全点検制度」を新設。
石油温風暖房機をはじめとする9品目を対象に安全点検などを義務づけた。
また、扇風機など5品目については、製造年と標準使用期間を表示するよう求めた。
例えば扇風機では、多くのメーカーが「5~10年」と設定している。
一方、石油ストーブは、同制度の安全点検や標準使用期間表示の対象に含まれていないが、一般社団法人「日本ガス石油機器工業会」は、「石油暖房機器には寿命があり、8年たったら点検・取り替えを」と呼びかけている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5549fb7ca5d5605c1d7d763946137aaad29680d8
2021年4月20日付で秋田魁新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日正午ごろ、秋田県大館市比内町独鈷(とっこ)字向日詰の山中で、山菜採りをしていた同市比内町扇田字町後の男性(75)がクマに襲われ、顔の骨を折るなどの重傷を負った。
県警によると、県内で今年、クマによる人身被害が発生したのは初めて。
大館署などによると、男性は同日午前、友人の70代男性とタラノメやゼンマイを採るため入山。
約20メートル離れた場所にいた友人が悲鳴で気付くと、倒れた男性に体長約1メートルのクマが覆いかぶさっていた。
友人が大声を上げたりストックで木をたたいたりすると、クマは逃げた。
男性は下山後に救急搬送され、市内の病院で手当を受けた。
友人によると、友人は鈴を着けていたが、けがをした男性は着けていなかった。
現場は東館小学校の南東約2・5キロ、直近の集落から約300メートルの山中。
2人が現場周辺に入山するのは今年初めてで、友人は「こんなに早い時期に、集落の近くでクマに合うとは…。甘く見ていた」と語った。
【人間の存在、音でクマに知らせて】
秋田県自然保護課でクマ対策を担当する近藤主任は、「まずはクマに出合わないこと、クマを寄せ付けないことが重要」と指摘。
鈴やホイッスルなど、音が鳴るものを携帯したり、同行者がいる場合は声を掛け合ったりするなどして、人間の存在をクマに認識させるよう呼び掛ける。
近藤さんは、事故を受けて今回の現場を調査。
クマは当初、被害男性と友人の間にいたとみられ、鈴を持っていなかった男性とクマが互いの存在に気付かず、山菜採りをしていた男性がクマの方に近づいていった可能性があるという。
今回の事故は、2人で山に入っていたため友人がすぐに被害に気付けたとして、「山に入るときは単独ではなく複数人で入り、一定の距離を保ち、常に声を掛け合うようにしてほしい」と話した。
https://www.sakigake.jp/news/article/20210420AK0036/
4月21日10時12分に朝日新聞からは、襲われた男性は持っていた鎌で応戦していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男性は顔面骨折などの重傷を負ったが、意識はあり、歩けるという。
通報した男性によると、山菜採りから下山しようと声を掛け合っていたところ、20メートルほど離れた所で川口さんの悲鳴が聞こえた。
駆け寄ると、クマが覆いかぶさり顔面をひっかいていた。
川口さんは持参していた鎌で応戦していたという。
逃げたクマは太っていたという。
https://www.asahi.com/articles/ASP4P35G4P4NULUC00T.html
4月21日17時34分にNHK秋田からは、現場はヤブの中だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
山菜採りのシーズンを迎えてクマによる被害を防ごうと、秋田県内の自治体の担当者などによる会議が開かれ、20日、大館市で男性が襲われたケースの情報も共有しながら、音の鳴る物を携帯するといった基本的な対策を徹底することの大切さを改めて確認しました。
会議は、山菜採りのため、山に入る人が増える時期を迎えたことから開かれ、県や市町村、警察の担当者など、およそ80人が出席しました。
はじめに、秋田県ツキノワグマ被害対策支援センターの近藤さんが、県が、クマに関する市町村などからの相談を受けるホットラインを今年度、1台から2台に増やして態勢を強化したことや、今後、市街地にクマが出た場合を想定した訓練も行う方針であることを説明しました。
このあと、20日、大館市の山林で山菜採りをしていた男性がクマに襲われたケースの現地調査の結果が報告され、近藤さんは、現場はやぶで見通しが悪く、男性が鈴など音の鳴る物を持っていなかったことなどから、突然遭遇してクマが驚き攻撃してきた可能性があると話しました。
その上で、山に入る際には、存在を知らせるため、鈴やラジオなど音の鳴る物を携帯し、複数人で行動するといった基本的な対策が重要だと呼びかけました。
県自然保護課の澤田課長は、「県民一人ひとりがクマに関する正確な知識を持って自分の身を守るよう、注意喚起を行っていきたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20210421/6010010220.html
4月21日20時41分にYAHOOニュース(秋田テレビ)からは、下にいた同行者と2人でクマを挟むカタチになってしまったらしいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
会議では近藤さんが、「下にいた同行者と上にいた被害者の間にクマがいた。2人でクマを挟んでしまった」と、事故の調査結果を報告した。
また、クマよけの鈴は同行者しか持っていなかったということで、近藤さんは「早めにクマが人の存在に気が付いて、早め早めにクマが逃げられる状況であれば人と人の間にクマが挟まるという状況は生まれなかったかもしれない」と話した。
秋田県は、山には複数人で音を出しながら入ることを呼びかけるほか、クマが人里に近づかないよう緩衝地帯を設置するなどの対策を進めることにしている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d3fb558288c2387b8483c996d33097e947858df3
2021年4月20日17時44分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月17日、八王子市南新町のアパートで、住人の50代の女性が2階につながる階段を上っていたところ、階段の一部が突然崩れ落ち、およそ2メートル下に転落しました。
女性は頭を強く打って病院に搬送されましたが、意識不明の重体となっています。
崩れた階段は、金属と木材を組み合わせたものだということです。
アパートは木造3階建てで、8年前の2013年に建設されましたが、階段が崩れた影響で2階と3階に上がれないうえ、建物自体にも被害が出ているおそれがあるということで、ほかの住人は現在、ホテルなどに避難しているということです。
警視庁は20日、現場検証を行い、アパートの施工や管理に問題がなかったか調べることにしています。
アパートの1階の部屋を借りているという40代の女性は、「事故の当日は部屋にいませんでしたが、きのう、警察から『階段が落ちた』と聞き、とても驚きました。1階なので階段を利用したことはありませんが、ほかの住人が上り下りする音が響くので少し気になっていました。これからどうなるのか心配です」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210420/1000063288.html
4月22日19時47分にNHK首都圏からは、女性は死亡した、設計では当該部にも鉄を使うようになっていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
腐食が確認された木材はアパートの設計段階では使用が想定されていなかったことが、関係者への取材で分かりました。
女性は22日、入院先の病院で死亡したということで、警視庁は当初の設計と異なる工事が行われたいきさつを詳しく調べています。
アパートを設計した横浜市の建築士事務所は、9年前の2012年に設計図を民間の検査機関に提出していますが、設計段階では接続部分にも鉄を使うことになっており、木材の使用は想定されていなかったことが関係者への取材で分かりました。
当初の設計と異なる工事を行う場合、自治体や検査機関に変更の届け出を行うことが法律で義務づけられていますが、関係者によりますと、今回、こうした届け出はなく、建築士事務所は警視庁に対し「事故が起きて初めて木材が使われていることを知った」と説明しているということです。
アパートの工事は神奈川県相模原市の建設会社が担当したということで、警視庁は当初の設計と異なる工事が行われたいきさつを詳しく調べています。
建設会社によりますと、アパートの管理会社からはこれまでに不具合などの連絡はなかったということで、建設会社では、過去に手がけたアパートなどのうち、同じように管理会社から連絡がない物件については順次、安全点検を行っているということです。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210422/1000063388.html
(2021年4月29日 修正1 ;追記)
2021年4月23日20時22分にYAHOOニュース(TBS NEWS)からは、階段は踊り場側から落下したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
踊り場と2階に向かう階段は一部木材で接続されていましたが、この接続部分が腐食していて、階段は踊り場側から落下したことが捜査関係者への取材でわかりました。
また、階段と2階の廊下の接続部分の溶接も不十分だったとみられるということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c5dee3ae6ee9db6e760db5328c6ba68d7cd29117
4月24日6時27分にNHK NEWS WEBからは、踊り場との接続部分に使われていたクギが錆び、その周辺の木材が腐食していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
警視庁によりますと、階段は鉄製ですが、1階と2階の間にある踊り場と2階の廊下には木材が使われていて、階段とはくぎで接続する形になっていたということです。
このうち、踊り場との接続部分に使われていた2か所のくぎがさび、その周辺の木材が腐食していたことが捜査関係者への取材で分かりました。
国土交通省によりますと、アパートの外付けの階段に木材を使うことは、建築基準法で原則、禁止されているということです。
今回の事故について、欠陥住宅などの問題に詳しいNPO法人「建築Gメンの会」の副理事長で、一級建築士の田岡照良さんは、「外階段は屋外に露出しているため、木造の場合は雨水がしみこんで木が腐ってしまい、非常に危険だ。特にくぎで止めると鉄に水分が付着し、その周りの木が腐りやすくなる。通常、今回のような外階段に木材を使うことはありえず、なぜそのような工事が行われたのかが分からない。工事そのものはもちろん、設計図どおり適正に行われているかをチェックできていなかったことも問題だ」と指摘しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210424/k10012994641000.html
4月26日15時11分に読売新聞からは、事故の2時間前には踊り場の床板が剥がれ落ち管理会社が補強していたなど、下記趣旨の記事が階段と踊り場の接続模式図付きでネット配信されていた。
これまでの捜査で、鉄製で設計されていた踊り場が木材に変更され、その木材が腐食していたことが判明した。
捜査関係者によると、階段と踊り場はL字形の金具2個で結ばれ、鉄製の階段側は溶接、木製の踊り場側は各3本のくぎで固定されていた。
だが、事故後に調べたところ、踊り場の木材は腐食し、金具との接続部分がもろくなっていた。
事故の約2時間前には、踊り場の床板がはがれ落ちて下に隙間ができているのに別の住民が気づき、連絡を受けた管理会社が隙間に木の板をはめ込んで補強していたという。
踊り場は、設計時には鉄骨を使う予定だったが、実際には木材が使われていた。
建築基準法施行令では、屋外の階段に木材を使う場合、防腐処理をするよう規定しているが、行っていなかった疑いがある。
施工業者の「N地所」(相模原市)の社長は、「当時の社長や担当者が退職し、詳細が分からない。被害者に申し訳ない」と述べた。
同社が過去に施工した建物については、一部の自治体が施工状況の確認を始めている。
一方、アパート建設時には、設計通りに施工されているかを確認する中間検査や完了検査も行われていた。
担当した民間建築確認機関「J建築検査センター」(東京都渋谷区)は、取材に「答えられない」とした。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210428-OYT1T50164/
(2021年5月3日 修正2 ;追記)
5月1日8時5分にYAHOOニュース(時事ドットコム)からは、踊り場の板の表面はモルタルで覆われていたなど下記趣旨の記事が、モルタル面まで含めた施工状況の断面図付きでネット配信されていた。
捜査関係者によると、崩落した階段と踊り場はL字型の金具2個でつながれ、階段側は溶接、踊り場側は各3本のビスで固定されていた。
踊り場の内部は床板で、表面をモルタルで覆っていたという。
警視庁は、踊り場の板が腐食したため、つなぎ目の金具とともに階段が落下したとみている。
建築基準法12条は、自治体が指定する建物の所有者や管理者に、建築士らによる腐食などの定期調査と報告を義務付けている。
ただ、今回のアパートは3階建て、床面積は約300平方メートルで、八王子市が定める基準(5階建て以上、床面積1000平方メートル超)に満たず、対象外だった。
アパートの建築時には、施工状況を確認する中間・完了検査も行われており、警視庁は担当した第三者機関の検査内容も調べる方針だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b08dd909af7944ce5e18fec92fe9dc654f0bbb46
5月1日9時58分に朝日新聞からは、この業者が建てた別のアパートでも外階段が腐食していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神奈川県厚木市のアパートでも事故現場と同様に外階段が腐食していたことが、厚木市への取材でわかった。
市職員が確認したという。
この業者が建てたアパートは東京都と神奈川県で計120棟以上あるとみられ、国土交通省は両都県に緊急の調査を要請した。
業者は相模原市のN地所。
同社が2010年度以降に建てた2階建て以上の共同住宅が調査対象になる。
大半は木造アパートという。
https://www.asahi.com/articles/ASP4Z7JZCP4ZUTIL039.html
5月2日8時59分に朝日新聞からは、防腐措置した木材が外階段に使われるのは例外扱いだという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
建築基準法施行令では、こうした建物の階段に木製の素材を使うことを原則として禁じている。
例外は、有効な防腐措置が施されている場合だ。
https://www.asahi.com/articles/ASP520BMNP51UTIL023.html
2021年5月14日18時50分に読売新聞からは、当該施工会社が自己破産を申請した、他の6物件でも外階段の腐食が確認されたなど、という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
アパートを施工した「N地所」(相模原市)が、横浜地裁相模原支部に自己破産を申請した。
申請は13日で、申請代理人弁護士によると、負債は6億円超の見通し。
帝国データバンク横浜支店によると、N地所は2000年7月創業。
賃貸用木造共同住宅の建築を中心に手がけ、17年4月期の売上高は約20億5100万円だった。
しかし、建築元請け工事の減少などで、20年4月期には約9億7800万円に落ち込み、近年は取引先への支払いの遅れも生じていたという。
申請代理人弁護士は読売新聞の取材に対し、「八王子市の事故後、契約キャンセルが相次ぎ、資金繰りが悪化した」と説明した。
同社の物件を巡っては14日、八王子市の5物件、神奈川県厚木市の1物件の外階段で、木材の腐食が確認されたことが判明。
国土交通省は今後、専門家を現地に派遣して安全性の確認を進める。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210514-OYT1T50164/
5月14日12時43分にNHK神奈川からは、当該施工会社が建設した屋外に階段がある共同住宅は166棟あるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「N地所」が建設した屋外に階段がある共同住宅は、国土交通省によりますと東京都と神奈川県に166あり、自治体が今月末にかけて現地調査を行っています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20210514/1050013811.html
5月14日21時32分にNHK神奈川からは、会社の点検で57棟の外付け階段に劣化などが見つかったが、自己破産申請したため修理は保険かオーナー負担を希望しているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
代理人の弁護士はNHKの取材に対し、会社が工事を行ったほかのアパートを点検した結果、東京都と神奈川県の少なくとも57の物件で外付けの階段に劣化や腐食が見つかったことを明らかにしました。
物件のオーナーには、さらに詳しい調査や修理を行うよう求める文書を送付したということです。
しかし、会社側は自己破産を申請したため、これ以上の対応は困難だとしていて、修理などは別の業者に依頼したうえで、費用も保険を適用するか、オーナー側で負担してほしいとしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20210514/1050013817.html
(2021年5月18日 修正4 ;追記)
5月17日8時6分にNHK首都圏からは、則武地所で働いたことがある職人がNHKの取材に応じ、ずさんな工事の実態を証言したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この会社のもとで複数のアパートなどの建設に携わったことがあるという職人の男性がNHKの取材に応じ、ほかの複数の物件でもずさんな工事が行われていた実態を証言しました。
男性によりますと、則武地所が手がけたアパートでは会社の幹部が階段の工事を行っていて、今回、事故が起きた八王子市のアパートのように、踊り場に木材が使われるケースが多かったということです。
また、階段の踏み板が人が乗ると曲がるほど薄かったり、接続部分の溶接が不十分だったりと、一見して危険だと分かる状態のものばかりだったとしています。
男性は、「階段は踏み板の形がそろっていないような雑な作りで、『これで大丈夫なのか』『落ちるんじゃないのか』と現場の人たちはみんな話していた。怖いので、階段ではなく作業用の足場で上り下りしていたほどだ。則武地所の幹部からは『アパートは入居者にとっては自分の財産ではないので、多少仕上がりが悪くてもクレームはこない』と言われたこともある」と話しています。
さらに、八王子市のアパートのほかにも、階段の一部が落ちるなどして社員が現場で対応にあたったケースが複数あるということです。
今回の事故について、男性は「ついに起きてしまったというのが正直なところだ。今思えば、私たち職人の側から『おかしい』と告発することもできたかもしれない。しかし当時は、やり方に納得できない職人は辞めていき、結果的に目をつぶることになってしまった」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210517/1000064491.html
5月18日12時50分にYAHOOニュース(TBS NEWS)からは、施工会社が自己破産したことについて国交相が苦言を呈したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
施工会社が自己破産を申請したことについて、赤羽国土交通大臣は「法治国家の前提が崩れる」と苦言を呈しました。
「責任を果たさずに自己破産の申請が行われたというのは、私はあってはいけないことだと。こんなことが許されると、法治国家としての成り立ち、前提が崩れるというふうに大変厳しく思っております」(赤羽一嘉 国交相)
そのうえで、「則武地所に対し誠実な対応を求める」としています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/db9af01d301e516b2118548afef898862b261b29
(ブログ者コメント)
〇ずさん工事の実態については、他のメディアからも報じられていた。
(5月19日20時26分 YAHOOニュース;日テレNEWS24)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8a5792decc0985bada343c900583fee1f0a17710
〇本件、事故というよりは事件の様相を呈してきたので、今後、特段の情報がない限り、続報紹介は省略する。
2021年4月12日11時24分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
滋賀県多賀町四手(しで)の南四手川付近で11日午後2時15分ごろ、山菜採りをしていた70代の女性2人が猟犬2匹に襲われた。
県警彦根署によると、ハンター5人が害獣駆除に使っていた猟犬で、女性2人とも足などをかまれて大けがという。
署は業務上過失傷害の疑いでハンターから事情を聴いている。
現場は山間部で、5人は町の委託を受け、猟犬3匹で鹿やイノシシの駆除をしていた。
猟犬を山林に放ち、けものが山から出てきたところを猟銃で狙っていたという。
猟犬は5人のうちの1人が飼っていた。
最初に1人が2匹に襲われ、助けに入ったもう1人もかまれたという。
1人は右足など、もう1人は両腕と両足を負傷して入院中。
ハンターの1人が119番通報した。
「人をかんだのは初めて」と話しているという。
https://www.asahi.com/articles/ASP4D3QMXP4DPTJB003.html
(ブログ者コメント)
シカなどと間違われて誤射された事例は本ブログでも何件か紹介しているが、猟犬に襲われた事例が報道されるのは珍しい。
2021年4月11日1時37分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午後2時前、札幌市清田区北野7条の住宅で、「息子が倒れている」と、この家に住む家族から消防に通報がありました。
駆け付けた消防が、住宅の敷地内に倒れていたこの家に住む凱音くん(3歳)を病院に搬送しましたが、頭部を強く打つなどしていて、およそ1時間後に死亡しました。
警察によりますと、家族が目を離した隙に、窓の近くに置いてあった、折りたたまれた布団にのぼって窓を開け、およそ10メートル下の地面に誤って転落したとみられるということです。
窓には、転落防止の棒が取り付けられていましたが、子どもが通り抜けられるすき間があったということで、警察が事故の状況について調べています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20210411/7000032810.html
4月10日20時46分に日テレNEWS24からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
「3歳の男の子が3階から転落した」と家族から消防に通報がありました。
目撃者「急にがしゃんと音がして頭からいったのか、正面から血がすごい出ていて、動けなくなっている状態だった」
https://www.news24.jp/articles/2021/04/10/07854223.html
4月11日9時32分にYAHOOニュース(北海道文化放送)からは、男の子が布団によじ登っている姿が目撃されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によりますと、男の子が転落した3階の部屋には窓のそばに布団が積まれていて、事故直前に男の子が布団によじ登っている姿が目撃されていました。
窓は地面から約6.2メートルの高さとみられていて、警察は家族から事情を聞くなどして、男の子が転落した原因を調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f9581cd55e81bd6ec0fd4fef0c9777f6051dea94
(ブログ者コメント)
映像によれば、押して開けるタイプの窓だった模様。
布団によじ登っているのを見たが、まさか窓を開けるとは思ってもみなかった・・・ということだったのかもしれない。
2021年4月8日17時19分にNHK NEWS WEBから下記趣旨の記事が、リードディフーザーのイメージ図付きでネット配信されていた。
芳香成分を含む液に木製の棒などを浸して香りを楽しむ「リードディフューザー」と呼ばれる液体芳香剤を子どもが誤飲する事故が相次いでいるとして、国民生活センターは、子どもの手が届く場所では使わないことなど、注意を呼びかけています。
「リードディフューザー」は、ガラス瓶などのボトルに入れた芳香成分を含む液に木製の棒などを浸して使う液体芳香剤で、市販のもののほか、手作りすることもでき、利用が広がっています。
国民生活センターによりますと、去年11月、1歳の男の子がトイレに置いてあった「リードディフューザー」の液を飲んでしまい、「化学性肺炎」と診断され、肺の一部に空洞のようなものができるなど、長期の入院や通院が必要になったケースが報告されているということです。
同じように、ふたがあいた状態で使用する形式のものを含む液体芳香剤に関しては、3歳以下の子どもの事故情報が、去年12月までのおよそ10年間に、医療機関から31件報告されていて、2歳の女の子が誤飲しておう吐や脱力症状が出たケースや、0歳の男の子が頭から浴びてしまい顔が腫れたケースなどがあったということです。
国民生活センターは、液体芳香剤を誤飲すると、含まれている成分によっては意識障害や肺炎をひきおこすおそれもあるとして、子どもの手の届く場所では使わないよう呼びかけています。
また、万が一誤飲した場合は、すぐに医療機関などに相談してほしいとしています。
子どもが誤飲したときなどの問い合わせ先の情報です。
▽救急安心センター「#7119」
▽子ども医療電話相談「#8000」
▽日本中毒情報センター「072-727-2499」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210408/k10012963161000.html
4月8日18時28分に朝日新聞からは、きれいなボトルや長い棒が子供の興味を引き付ける傾向があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
センターに寄せられた医師からの情報によると、男児は昨年11月、トイレにあったリードディフューザーを誤飲し、激しいせきや嘔吐(おうと)、40度の発熱といった症状が出た。
化学性肺炎を起こし、肺の一部が空洞になっていたという。
男児は現在も通院しているという。
同センターによると、リードディフューザーは開口部が大きく空いているものが多く、きれいなボトルや長い棒が子どもの興味を引きつける傾向があるとして、乳幼児の手や目が届かないところで使用してほしいと呼びかけている。
消費者庁と国民生活センターが全国30病院に呼びかけ、消費生活上の事故情報を集めている「医療機関ネットワーク」によると、2010年12月からの10年間で、3歳以下の乳幼児に関する、リードディフューザーも含めた液体芳香剤に関する事故情報が31件。
うち、誤飲・誤嚥(ごえん)が28件で、年齢別では1歳児が最も多く15件だった。
https://www.asahi.com/articles/ASP48628LP48UCLV01R.html
※以下は国民生活センターからの注意喚起文書の一部。
で紹介する。
(2021年4月8日付)
「液体芳香剤の誤飲事故等に注意!-乳幼児がリードディフューザーの液を誤飲して入院する事故が発生-」
・・・・・
【液体芳香剤及びリードディフューザーとは】
液体芳香剤は、開封して使用を開始すると、芳香成分等が溶解した液が徐々に揮散し、液がなくなるまでの数カ月程度持続するものです。
主流は、ろ紙、不織布、スポンジ、竹ひご等の一端を芳香成分を含む液に浸して吸い上げさせ、徐々に周囲に芳香成分が拡散するものです。
その中で、リードスティックにより芳香成分を拡散する商品が、リードディフューザーと呼ばれています。
リードスティックの本数や太さなどにより、香り立ちの強さを調整できるのが特徴です。
さまざまな香りをうたった商品がありますが、芳香成分を含む液には、水や10%前後のエタノールを含有し、植物抽出物や数%の有機酸、10~20%程度の界面活性剤を配合しているタイプや、香料や精油を溶剤(30~70%程度のイソパラフィン系などの炭化水素類やグリコールエーテル類等を含むもの)で希釈した、揮発性の低い液体のタイプなどがあります。
エタノール、炭化水素類、グリコールエーテル類はいずれも、粘膜の刺激作用、中枢神経の抑制作用があるとされているもので、これらの成分を含む芳香剤の液が目に入ると、痛みや充血、誤飲すると悪心(おしん)、嘔吐(おうと)のほか、量が多い場合は意識障害などが起こる可能性があります。
また、誤えんすると肺炎につながる可能性もあります。
・・・・・
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210408_2.html
2021年4月8日10時13分に毎日新聞から下記趣旨の記事が、道路に開いた大きな穴の写真付きでネット配信されていた。
山口県美祢市内の道路や農地で陥没が相次いでいる。
県や市によると、市内では2020年度に計11カ所の陥没を確認し、このうち5カ所は同市伊佐町だった。
県などは、周辺地域の地中に陥没につながる空洞が無いかを調べているが、原因の特定には至っていない。
20年4月下旬、同市伊佐町伊佐の70代女性は、自宅前の市道に幅約50センチの穴が開いているのを見つけた。
穴は夜までに幅1メートル以上にまで広がったといい、「近所では、この1、2年で陥没が相次いでおり、不安だ」と振り返る。
県や市によると、20年度に確認した11カ所の内訳は、道路1カ所、河川2カ所、農地7カ所、空き地1カ所。
それ以前に確認した分は、19年度6カ所、18年度4カ所、17年度1カ所で、20年度の多さは目立つ。
市は埋め戻し工事を実施したが、財政上の制約や私有地であることなどの理由で、多くの陥没箇所で原因究明のための掘削工事ができていない。
一方、県と市は市内の県道や市道でレーダーを使った調査を実施し、異常を検知した19カ所のうち15カ所を掘削して空洞が無いことを確認した。
7日には、残り4カ所がある同市美東町赤の県道に直径約5センチ、深さ約20~40センチの穴を開け、小型カメラで内部を調べた。
今後、空洞の有無を特定していくという。
鍾乳洞調査が専門の村上崇史・市文化財保護課特別専門員(44)によると、日本最大級のカルスト台地、秋吉台(同市)周辺は石灰質の岩盤で水に浸食されやすく、他の岩盤と比べて格段に陥没が起きやすいと説明。
その上で「近年の集中豪雨で岩盤上の地中に水の通りが増え、陥没が続く一因になった可能性がある」と指摘した。
https://mainichi.jp/articles/20210408/k00/00m/040/040000c
1ケ月ほど前、3月11日6時0分に山口新聞からは、地中探査レーダー機を使った調査風景の写真付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
美祢市伊佐町伊佐の市道や農地などで、地面の陥没が相次いでいる。
市は、周辺の地下に空洞がないかを確認する調査を始めた。
市建設課によると、2020年1月以降、田んぼ4カ所や市道、宅地の計6カ所で陥没したとの連絡が市民からあった。
陥没は伊佐町伊佐で集中的に発生しており、穴は大きいもので幅約4メートル、深さ2~4メートルだった。
原因は不明で、他に陥没の恐れがある危険箇所がないかを見極める・・・
(以下は有料)
https://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/e-yama/articles/23251
(2021年4月22日 修正1 ;追記)
2021年4月20日10時16分にNHK山口からは、地下に空洞の恐れありとされた13カ所を緊急調査した結果、新たな空洞は見つからなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
山口県は、美祢市内の道路や田んぼなどで陥没が相次いで確認されたことを受けて、先月、緊急の調査を行い、県道などの13か所の地下で空洞が生じている可能性があることが分かりました。
このため、県は、今月7日から、道路のアスファルトに穴をあけて陥没につながる空洞がないか確認を進め、15日までにすべての調査を終えて分析していました。
県は、19日、調査結果を発表し、それによりますと、いずれの調査か所でも、陥没につながる新たな空洞は確認されなかったということです。
このうち3か所では、地中から石灰岩が見つかっていて、県は、地下に電磁波を出す装置を使って状況を確認する中で、石灰岩の亀裂で生じた溝が装置に反応したのではないかとみています。
県は、今回の調査か所については、安全が確認されたとしたうえで、「今後も道路の安全確保と適切な維持管理に努めたい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20210420/4060009344.html
2021年4月7日19時32分にNHK新潟から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
後を絶たない用水路事故の防止に向けて有効な対策を調査している水難学会の委員会が初めて対策に乗り出し、7日、新潟市内の用水路で転落防止用のネットを設置しました。
水難学会は、用水路事故を防ごうと、昨年度、企業と連携して有効な対策を調べる専門の委員会を設置していて、7日は、委員会に所属する水難事故の専門家や、転落防止用ネットの製造メーカーの担当者などが新潟市西区寺地の用水路を訪れました。
現場は、住宅街の近くにある幅約4メートル、深さ約3メートルの大きな用水路の合流地点で、すでにガードレールが設置されているものの、子どもが入ることができるほどの隙間があり、地元から対策を求める声が上がっていました。
作業員は、はじめに用水路のへりのコンクリートの部分に金属製のくぎを打ち込んだあと、用水路を覆うように転落防止用のネットをフックで固定しました。
ネットは、転落した人が自力ではい上がれるように斜めに張られていて、人が落下した際、その重さや衝撃に耐えられるか、専門家が安全性を確かめる試験を行いました。
水難学会が安全性を評価した対策が実際に施工されるのは、今回が初めてです。
全国各地で相次ぐ用水路への転落事故を防ぐためには、ガードレールなどの柵やふたといった、いわゆるハード対策が有効ですが、多額の費用がかかるほか、農作業の妨げになるなどの理由で住民から反対の声が上がることもあります。
このため、転落防止用のネットや樹脂製のポール、それに蓄光材など、比較的費用が安く簡易的に設置できる対策を含め、状況に応じた対策を進めることが課題となっています。
斎藤秀俊会長は、「今後も学会として客観的な視点で対策の検証を続け、修正すべき点を提案しながらより効果的な対策につなげ、住民が安心して暮らせるようにしていきたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/20210407/3060007080.html
4月8日20時32分にYAHOOニュース(新潟総合テレビ)からは、ネットは緊急時には取り外しが可能だなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
本格的な農作業シーズンを前に、用水路への転落事故を防ごうと、県内で初めて転落防止ネットを設置する実験が始まりました。
7日、新潟市西区の用水路に設置されたのは、転落を防止するためのネットです。
県内では、去年までの10年間で34人が、用水路に転落するなどして死亡していて、今回初めて水難学会と県がネットを設置する実証実験を開始しました。
【記者リポート】
「実験の行われるところは、新興住宅地と農地の境界線と
なっているようなところで、こうしたところの多くは
安全対策の工事が追いついていないということです」
子どももすぐ横を通る用水路。
ネットは柵や蓋などと違い、価格が安いほか、緊急時の取り外しが可能で、この日は作業員がネットの上に乗って耐久性なども確認しました。
【水難学会 斎藤秀俊 会長】
「安全を守る。それから(農業の)作業性を向上させる
といったところ、そこを追求していきたい」
実験は1年ほどかけて行い、報告書にまとめられます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3a226e4d9a24741b750fd19ed032633338b94663
2021年4月4日14時42分にYAHOOニュース(鹿児島テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4日午前、薩摩川内市で飼い犬と散歩していた男性が、飼い犬に耳などをかまれ意識不明の重体となっています。
警察などによりますと、4日、午前8時ごろ薩摩川内市百次町の農道で、通行人から「男性が犬にかまれて出血している」と119番通報がありました。
救急車が駆けつけると近くの無職、鬼塚さん(54)が右腕と左耳から出血し倒れていて病院に運ばれましたが、意識不明の重体となっています。
鬼塚さんが連れていた犬は体の高さがおよそ50センチのビーグルとみられ、警察や消防が駆けつけた際はリードが外れて現場にはいなかったということですが、その後、鬼塚さんの妻が捕まえ、家につれて行ったということです。
鬼塚さんは犬との散歩が日課で、倒れていた場所は自宅から400メートルほど離れていました。
警察によりますと、鬼塚さんは去年も、散歩中に同じ犬に肘をかまれ治療したということです。
警察が詳しい事故の状況を調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/27fb87a5c03b0f0368ef97c0c1d4fc122a548300
4月4日14時46分にNHK鹿児島からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
犬は首のリードが外れていて現場から離れたため、警察や地元の猟友会などが捜索したところ、鬼塚さんの妻のもとに走り寄ってきて保護されたということです。
現場の近くに住む30代の女性は、「救急車が通ったあと、消防車やパトカーが来て、事件かなと思って家の中で眺めていました。その後、首輪をしたけっこう大きめの犬が道路を走り回っていて、棒みたいなものを持って警察が山の方へ向かっていました。日曜日で雨も降っていたので外には出ませんでしたが、小さい子どももいるので心配でした」と話していました。
また、鬼塚さんの自宅の近くに住む男性によりますと、かんだ犬は 「モモ」という名前で、前の飼い主に虐待されていたのを保護したという話や、1年ほど前には腕をかまれたということを鬼塚さんから聞いたということです。
この男性は、「飼い主を引っ張るようにして散歩している姿を見ていました。3頭の犬を飼っていてその中では一番大きい犬でした。以前、腕をかまれて10針以上縫ったと聞きましたが、犬が好きでかわいがっていました」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20210404/5050014175.html
2021年4月3日15時15分にYAHOOニュース(まいどなNEWS)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
インテリア家電やPCサプライ品のメーカー、ヤザワコーポレーション(本社、東京都台東区)の公式ツイッターアカウント(@yazawaCorp)の投稿が注目を集めています。
「#本当の事なので5回言います 電源タップにも寿命があります。電源タップにも寿命があります。電源タップにも寿命があります。電源タップにも寿命があります。電源タップにも寿命があります。
※ 電源タップは消耗品で、交換目安は3ー5年。
(日本配線システム工業会より)」
同社アカウントには「知らなかった」「教えてくれてありがとうございます」「思ったより短い」「10年以上使ってました」などの声が寄せられ、現在も拡散は続いています。
同社のツイッター担当者に電話で話を聞くと、これまでにも11月11日の配線の日などに同じ投稿をしたことがあったそうです。
しかし今回は4千を超えるいいねがつき、反響の大きさに驚いた様子でした。
【あくまで目安「目視で異常あれば交換を」】
コンセントの差し込み口が1つのものは延長コード、複数あるものは電源タップやテーブルタップ 、OAタップなどと呼ばれ、家電量販店やネットショップなどで多種多様なタイプが手軽に購入できます。
配線器具メーカーなどの業界団体、日本配線システム工業会(東京都中央区)のホームページには、次のような注意喚起があります。
「テーブルタップ(延長コード)の交換の目安は3ー5年です。そのまま使い続けると危険(怪我、火災など)を生じるおそれがあります」
同会の担当者に話を聞くと、扱い方により3年から5年で不具合が起きる事例が最も多いといいます。
例えば、コードの上にコタツの脚や家具が乗っていたり、テープなどでとめていると、コード自体が傷みます。
また、コードを投げるなど乱暴に扱うと、差し込み口周辺のプラスチックにひびが入る可能性もあります。
コードなどが傷むと、火花が飛んで火災につながる恐れもあるため、「事故を起こさないためにも3年から5年での交換を」と呼び掛けています。
しかし、3年から5年はあくまで目安。
絶対に寿命がくるというわけではなく、コード周辺の環境や使い方によって傷み具合には差があるそうです。
「コードが押し潰されていたり、プラスチックの部分にヒビが入っていたり、目視による点検で分かるような異常があれば交換してください」(担当者)。
【メーカー作成「危険チェック」】
前出のヤザワコーポレーションでは、交換の目安になる項目を「危険チェック」として、ツイッターで公開しています。
1つでも当てはまる場合は、使い方の見直しや交換を勧めています。
【危険チェック】
・コンセントプラグにほこりがたまっている
・コードを束ねて使っている
・コードが家具の下敷きになっている
・電気製品の消費電力の合計が電源タップの最大容量を超え
ている
・コードやプラグが熱くなっている
・同じ電源タップを5年以上使っている
https://news.yahoo.co.jp/articles/97e92b994540001bcdbba1911ee0f4094cc2a803
(ブログ者コメント)
関連情報調査結果、3年前に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(2018年5月8日18時18分 朝日新聞)
延長コードやテーブルタップといった配線器具。
コンセントから離れた場所で複数の電気製品を使える便利グッズですが、使い方を誤ると思わぬ事故につながることもあります。
今月7日、大阪府茨木市の集合住宅で、親子3人が死亡する火事があった。
「たこ足配線」の状態で、過剰な電気が流れて台所のコンセントプラグの一部が焦げ、出火した可能性があると府警はみているという。
家電の事故を調査している独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE〈ナイト〉)によると、2012年度からの5年間で発生した異常発熱などの配線器具の事故は353件。
うち209件は火災を伴っている。
NITEによると、延長コードや、複数の差し込み口がついているテーブルタップの最大容量は、一般的には1500ワット。
正確な数値は本体に表示されている。
その最大容量を、配線器具につないだ電気製品の消費電力の合計が上回る状態で使うと、異常発熱して出火する可能性がある。
近くに燃えやすいものなどがあると、火事につながりかねない。
最大容量は、配線器具に電気製品を一つだけつないでいても、多くの電気製品をつないだりタップをさらに継ぎ足したりするたこ足の状態でも変わらない。
一つのテーブルタップにパソコンや携帯電話の充電器、プリンターなどをつないで同時に使っても、最大容量を超えていなければ、それだけで危険ということにはならないという。
NITEの柿原敬子さんは、「電気代には敏感でも、電気製品の消費電力は意識していない人が多いのでは。個々の電気製品に表示されている消費電力の目安を必ず確認してほしい」と呼びかける。
このほかにも、テレビの裏などホコリがたまりやすい場所にテーブルタップを置いている場合は別の注意が必要だ。
コンセントプラグと差し込み口の間に隙間があると、そこにたまったほこりが原因となって出火するおそれがある。
配線器具のコードがソファなどの家具の下敷きになっていると、断線して発火の原因になる可能性がある。
つないでいる電気製品がついたり消えたりしたら断線の兆候だ。
コードを束ねて使うと、伸ばした状態のコードに比べて放熱がしにくいため発火しやすくなる。
コードを巻き取る「コードリール」には、巻いた状態でテーブルタップなどを使うと最大容量が3分の1になる製品もあるという。
配線器具などを製造する企業が加盟する日本配線システム工業会は「長い間使っていると、コードなどが劣化し、そこから火花が出るなどして火事の原因となるおそれもある。3~5年に1回は交換を」と勧める。
また、電気用品安全法の安全基準を満たした製品には裏側などに「コ」の文字が表示されており、表示のある製品の使用を呼びかけている。
「配線の危険チェックリスト」
・電気製品の消費電力の合計がテーブルタップなどの最大
容量を上回る
・コンセントプラグにほこりがたまっている
・コードを束ねて使っている
・コードやプラグが熱くなっている
・コードが家具の下敷きになっている
・コードを動かすと製品がついたり消えたりする
・同じタップを5年以上使っている
※NITE、日本配線システム工業会への取材による
https://www.asahi.com/articles/ASL4N4PP4L4NUTFL00C.html
2020年3月25日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10546/
(2021年4月10日 修正1 ;追記)
2021年4月3日15時11分に読売新聞から、県教委のフォロー調査で、3時間以上の長時間利用は減ったが1時間以上利用している子供はまだ多数いることが分かったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
香川県教育委員会が県内の小中高生を対象に実施したスマートフォンやゲームの利用状況調査で、小中学生の5割、高校生の3割以上が平日に1時間以上オンラインゲームで遊んでいることがわかった。
昨年4月施行の県ネット・ゲーム依存症対策条例では、利用時間の上限が1時間。
県教委は学校現場での対策を加速させる。
同条例は18歳未満の子どもがゲーム依存症になるのを防ぐことを目的に制定され、ゲームの利用時間を「平日60分(休日90分)まで」、スマホなどの利用時刻を「中学生以下は午後9時まで、それ以外は午後10時まで」と目安を定めた。
県はこれまで3年ごとに利用状況の調査を行っており、前回は2017年に実施。
今回は条例の施行を受け、昨年9~10月、より詳しい調査を行い、県内の公立小中高校61校の小学4年~高校3年の児童生徒4881人から回答を得た。
調査結果によると、平日1時間以上ゲームを利用すると答えた小学生は全体の52%、中学生51%、高校生35%。休日は7~14ポイント上昇した。
「4時間以上」も小学生で6%、中学生5%、高校生2%だった。
また、平日午後9時以降にスマホなどを利用している小学生は33%、中学生が78%で、高校生の86%は同10時以降も利用。
「ユーチューブ」などの動画投稿サイトやSNSが多かった。
県教委は調査結果を分析し、「小中高生の4~6%に依存傾向がある」としている。
一方、平日に3時間以上スマホなどを利用する「長時間利用」は、17年の調査からそれぞれ2~11ポイント減少した。
県教委は「条例に一定の効果はあった」とする一方、更なる対策に乗り出した。
教員向けに、児童生徒のネット・ゲーム依存症への予防策をまとめたマニュアルを作成。
▽授業での啓発活動
▽保護者との連携
▽医療機関などとの協力
などの必要性が記されており、今月、県内全ての幼稚園や小中高校に配布する。
担当者は「まずは教員自身に依存症について知ってもらい、教育現場の対応力を高めたい」と話す。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210403-OYT1T50209/
(ブログ者コメント)
関連情報調査結果、大館市では条例策定の動きを凍結したなど、以下のような報道もあった。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
(2021年03月25日 07時00分 ITmedia NEWS)
子供のゲームやスマートフォンの利用時間を制限する全国初の条例が香川県で施行されてから、間もなく1年となる。
同県教育委員会の調査では、長時間利用の割合が減った一方、依存傾向の割合が急増したという結果が出た。
憲法違反として県が提訴されるなど批判もある条例だが、果たして効果はあったのか。
・・・
条例は2020年4月に施行。
県教委は同年9月から10月にかけて、小学4年から高校3年の4881人を対象にスマホやタブレット、ネット接続可能なゲーム機などの利用に関する調査を行った。
その結果、1日当たりの利用時間が「3~5時間」という回答が3年前の前回調査と比べて小中高生でいずれも減少、「1~3時間」が増加した。
依存傾向を問う8項目の設問では、「注意が必要」とされる5項目以上が当てはまった中学生が前回の3.4%から6.3%に、高校生が2.9%から4.6%に、それぞれ増加した。
利用時間は減ったが、依存傾向は強まったとも読める結果だが、ゲームやネット依存に詳しい成城墨岡クリニックの墨岡孝院長は、「調査は子供たちを対象に行っているが、そもそもゲームやネットの依存は本人が気付かないところに危険性があり、正確なものなのか疑問がある。またデジタル機器との付き合い方は幼少期の環境が重要で、条例があるからといって子供たちが利用時間を減らすとも思えない」と指摘する。
・・・
香川県以外では、秋田県大館市もゲーム依存防止に関する条例の策定を目指していたが、違憲訴訟が起こされる見通しとなったことを受けて、市側は「条例化は必要」との姿勢であるものの、制定に向けた動きを凍結させた。
・・・
政府はデジタル社会の実現を推進しているが、条例制定の動きは広がるのか。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2103/25/news070.html
2021年4月2日8時52分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
知らない間に裁判を起こされた女性経営者に対し、久留米簡裁が未払い賃金の支払いを命じる判決を言い渡し、女性の預金が差し押さえられた。
元従業員の男が女性の住所を偽って提訴したため、女性に訴状が届かず、「欠席裁判」になったという。
再審請求訴訟で判決は取り消された。
訴状が送達できなくても審理を進める民事訴訟の制度が悪用されたケースで、最高裁は全国の裁判所に注意喚起した。
「サシオサエ」
福岡県久留米市でラウンジを経営する女性は昨年6月、会社名義の通帳の文字に気付いた。
同5月に約135万円が引き出されており、銀行などに尋ねると、身に覚えのない確定判決に基づいた差し押さえだった。
原告は、女性がスタッフとして雇っていた30歳代の男。
2019年5~9月の賃金が未払いだとして同10月、約120万円の支払いを求めて久留米簡裁に提訴した。
だが、女性のもとには訴状は届かず、出廷も反論もできないまま、簡裁から訴えを認めたとみなされ、請求通りの判決が確定していた。
男は裁判手続きの「穴」を突いたとみられる。
民事訴訟では通常、裁判所が原告から提出された訴状を被告に郵送し、受け取りを確認して審理が進められる。
だが、居留守や受け取り拒否で送達できない場合は、「付郵便送達」を実施できる。
訴状を発送した時点で「送達完了」とみなす制度で、原告が裁判を受ける権利を守るためのものだが、これが悪用された。
今回、男が訴状に記した被告の住所は女性と無関係のビル。
簡裁はこの住所に訴状を郵送したが、返送された。
男は「部屋から出てきた女性に声をかけたが、無言でタクシーに乗り込んだ」とするうその報告書を簡裁に提出。
簡裁は女性がビルに住んでいると信じ、付郵便送達を実施した。
その後、女性は何も知らされないまま裁判が開かれ、昨年2月に判決が確定。
男は同5月、遅延損害金を含めて差し押さえを申し立てた。
女性は昨年7月、久留米簡裁に再審を請求。
男は出廷せず、簡裁は今年3月15日、確定判決を取り消し、男の賃金支払い請求を棄却した。
女性は「だまされた裁判所にも責任がある」と憤るが、簡裁は「個別の事案にはコメントできない」としている。
一方で福岡県内の裁判所職員は、「住所をどこまで確認するかは書記官によってまちまちだが、住民票にある住所に郵送して確認することもできた。チェックの甘さは否めない」と話す。
読売新聞の調べでは、男は別の3人に対しても同じ手口の訴訟を起こしていた。
このうち、久留米市の別の飲食店経営者は同様に再審請求訴訟を起こして勝訴。
大分市の飲食店経営の女性は、男を私文書偽造容疑で大分県警に告発した。
最高裁は、制度を悪用している可能性があるとして、男の情報を全国の裁判所に周知した。
元民事裁判官の佐藤歳二弁護士は、「訴状の送達は民事訴訟の大前提で、被告に反論の機会を与える意味で重要だ。ただ、裁判所がチェックを厳格にすれば、原告の権利が制限されかねず、バランスが悩ましい。今後、同様の被害が広がるなら送達のあり方を検討する必要も出てくるだろう」と話す。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210402-OYT1T50066/
(ブログ者コメント)
詐欺事件ではあるが、想定外のことが起きた事例として紹介する。
2021年3月31日5時2分に中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
くしゃみや鼻づまりといったスギ花粉症の症状が、花粉にくっついた大気汚染物質である鉛の濃度によって重くなることを、福井大と名古屋大の研究チームが突き止めた。
鉛が症状を悪化させる詳細な仕組みが解明されれば、症状軽減につながる可能性がある。
花粉症は日本の国民病とも言われ、スギ花粉症は二人に一人が悩んでいるとされる。
世界でも、花粉症を含む季節性アレルギー性鼻炎は、十人中一〜三人が発症しているとされる。
研究チームは、福井県内の花粉症患者約四十人の鼻水内の鉛、水銀、カドミウムなどの重金属の濃度と花粉症の症状の関係性を調べた。
結果、鉛の濃度が高いほど、くしゃみや鼻づまりなどの症状が重くなっていることが分かった。
スギ花粉に大気中の鉛粒子が付着し、その一部が鼻の奥に残って症状を引き起こしているとみられる。
鉛以外の影響は確認されなかった。
マウスを使った実験では、健常マウスは鼻に鉛を入れても変化がないが、花粉症マウスは鉛を入れるとくしゃみの回数が二倍近く、鼻をこする回数は一・三倍ほどに増加した。
福井大の藤枝重治教授(耳鼻咽喉科)は、「鼻の中の鉛を除去し、症状を改善する方法を検討したい」と説明。
名古屋大...
(以下は有料)
https://www.chunichi.co.jp/article/227767
3月31日7時10分に福井新聞からは、より詳細な、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福井大学と名古屋大学の共同研究グループは3月30日、スギ花粉症患者は鼻の中の鉛の濃度が高く、くしゃみなどの症状を悪化させる一因であると発表した。
会見した福井大学医学部耳鼻咽喉科の藤枝重治教授と坂下雅文講師は、今後、ほかにも悪化させる物質がないか研究し、症状を軽減する薬の開発や対応策につなげたいとしている。
成果をまとめた論文は今月、米医学誌の電子版に掲載された。
大気汚染物質の鉛や水銀、カドミウムなどの重金属は、ぜんそくのリスクを高めるとされている。
研究グループは、大気汚染物質がスギ花粉症に与える影響について調べた。
2016、17年に、県内のスギ花粉症患者44人と花粉症ではない人57人を対象に、花粉飛散前後の鼻汁を採取。
鉛などがどれくらい含まれているかを計測、比較した。
花粉飛散前は、両者の鉛濃度に差はなかった。
花粉が飛散している時期には、花粉症患者の鉛濃度が花粉症ではない人より1・5倍高かった。
患者に症状を聞き取ったところ、鉛濃度が高いほど1日のくしゃみの回数が多く、鼻づまりの程度が重い傾向が見られた。
一方で、水銀やカドミウムなどは検出されなかった。
症状悪化と鉛濃度との関連性を裏付けるため、マウスを使った実験を行った。
アレルギー性鼻炎を持つマウスと健常マウスを準備し、鉛を鼻に投与。
10分間のくしゃみと鼻をこすった回数をそれぞれ調べた。
鼻炎を持たないマウスは投与後も変化がなかった一方、鼻炎を持つマウスは、どちらの回数も4~5割増加した。
さらに、投与から24時間後にマウスの鼻汁の鉛濃度を測定。
鼻炎を持つマウスは健常マウスの4・3倍高い濃度を示したことから、坂下講師は「鼻の中で炎症が起きていると鉛が残りやすく、それが症状の悪化につながると考えられる」と説明した。
調査では、鼻汁を採取する1~4日前の花粉飛散量と鉛濃度に相関関係が見られた。
ヒノキやシラカバなど、ほかの花粉を調べたところ、鉛が付着していたことから、坂下講師は「マスクで花粉の吸い込みを防いだり、鼻うがいで洗浄したりする基本的な対処は大切。症状を軽減する薬の開発に役立つのではないか」と強調。
藤枝教授は「鉛を除去する空気清浄機など、新しい対応策をつくっていければ」と話した。
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1288605
2021年3月29日2時0分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
在宅勤務の広がりとともに、共同住宅のベランダでの喫煙に厳しい目が向けられている。
受動喫煙による体調不良を訴えた隣人への賠償を命じた裁判例もあり、管理規約の禁止条項に盛り込む新築物件も増えた。
トラブルを避ける上で、自主的なルールづくりやマナーの徹底が一段と求められる。
「ベランダでの喫煙は管理規約違反です。階下の方より『たばこの灰が落ちてきて非常に困っている』との連絡がありました。火災の原因にもなりかねません」
2020年12月、豊洲(東京都江東区)のタワーマンションに注意書きが張り出された。
規約でベランダでの喫煙を禁じているが、このところ違反が目立ち、煙や灰を迷惑がる入居者が少なくないという。
マンションの注意書きと、新型コロナウイルスの感染拡大で急速に広がった在宅勤務は、無関係ではない。
日本たばこ産業(JT)が20年、20歳以上の喫煙する男女約2万人に実施したアンケート調査では、86.4%が「コロナの影響で在宅時間が増えた」と答え、「自宅での喫煙機会が増えた」と回答した人は60.9%だった。
都内のマンションに住む男性会社員(30)は、「外で吸える場所はほとんどないし、そもそも外出は自粛。在宅勤務中はベランダで一服している」と話す。
15年の国勢調査によると、マンションやアパートなどの共同住宅に住む人の割合は、東京都で6割超、大阪府は約5割を占め、都市部を中心にベランダでの喫煙が増えているとみられる。
「在宅時間の増えた喫煙者が、家族への配慮に加え、室内に臭いが染みつくのを避けようと、喫煙場所にベランダを選んでいるのではないか」(不動産関係者)
住民からの苦情も相次ぐ。
国民生活センターにはコロナの感染拡大後、「階下から煙が上がってくる」、「不快を超えて頭痛や体調不良につながった」といった相談が複数寄せられた。
洗濯物への臭いの付着や、吸い殻のポイ捨てがトラブルに発展した例もある。
一般的な共同住宅のベランダは「専用使用権のある共有部分」に当たり、区分所有者がおおむね自由に使うことができる。
ただ、不動産トラブルに詳しい瀬戸仲男弁護士は、「ベランダ喫煙で近隣住民が被害を受ければ、民法上の不法行為として損害賠償を請求されることがある」と説明する。
不法行為を認めた司法判断も出ている。
名古屋地裁は12年、住民に配慮しない喫煙は違法だとして、ベランダで喫煙を続けた男性に慰謝料の支払いを命じた。
上階に住む当時70代の原告女性はぜんそくの持病があり、帯状疱疹(ほうしん)を発症。
手紙や電話で喫煙をやめるよう求めたが聞き入れられなかったため、訴えを起こした。
20年4月の改正健康増進法施行で、職場や飲食店での喫煙が原則禁止となった。
こうした流れに沿うように、管理規約などでベランダでの喫煙を禁じる新築物件も増えている。
瀬戸弁護士は、「喫煙者はベランダ喫煙が許される環境かどうか、まずは管理会社や大家に相談するのがよい」と話す。
一方で、住宅を管理する側には「掲示板などで喫煙の自粛を求めたり、灰や吸い殻を落とさないよう呼び掛けたりして、愛煙家と嫌煙家の双方が共通のルールを認識する必要がある」と強調する。
臭いが少なく、煙や灰が出ない加熱式たばこも普及している。
「ステイホーム」を皆が快適に過ごせるよう、隣人への配慮と理解が欠かせない。
ベランダ喫煙に隣人の厳しい目 コロナの在宅増で一段と: 日本経済新聞 (nikkei.com)
(ブログ者コメント)
共同住宅のみならず一戸建て住宅でも、家の中で吸わず(吸えず?)、庭や玄関で吸っている人をよく見かける。
散歩していたら、あるいは窓を開けていたら隣家からなど、家族への迷惑を避けたばかりに近所に迷惑をかけているケースも数多くありそうだ。
2021年3月26日8時54分にFNN PRIME(北海道文化放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同じ部活に所属する男子大学生の髪にライターで火をつけてケガをさせたとして、20歳の男子大学生が逮捕されました。
傷害の疑いで逮捕されたのは、北海道北広島市に住む大学2年の20歳の男です。
男は3月25日午前2時40分ごろ、同市内の友人宅で同じ部活に所属する同級生の20歳の男子大学生の頭髪にライターの火を引火させ、ケガをさせた疑いが持たれています。
男子大学生はおでこや両頬、左耳、両手に全治2か月の大やけど負い入院していますが、意識はあるということです。
警察によりますと、2人は大学の柔道部に所属していて、当時、計6人で大会の打ち上げ後の2次会として集まって酒を飲んでいました。
事件前、男子大学生の縮毛、いわゆる"天然パーマ"に関し、"オイルを塗ったら髪が真っすぐになる"などと周囲で話が上がり、男子大学生が大量のオイルトリートメントを髪に塗っていました。
その直後、男が男子大学生の頭にライターで火をつけ、燃え広がったところを周囲が水やその場にあった飲料水で消火。
事件から約10分後、「人がやけどしていて、火遊びが原因」などと消防に通報が寄せられ、男子大学生は病院に搬送、消防の通報を受けた警察も現場に駆けつけ、5人から警察署で事情を聴いていました。
現在までに、男子大学生を標的とした「いじめ」があったなどとの情報はなく、残る4人の関与も無かったものとみられています。
調べに対し、男は「火をつけたのは間違いない」などと容疑を認めていて、警察が詳しく調べています。
https://www.fnn.jp/articles/-/160816
3月25日23時6分に北海道テレビ放送からは、整髪料を塗ったのは友人で?ライターの火を近づけた学生は猛省しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
きょう(25日)午前3時前、北広島市美沢のアパートの一室で飲み会をしていた大学生6人のうち、1人が頭や耳などに火傷を負って病院に運ばれました。
6人は北広島市内の大学の柔道部の仲間で、部活の打ち上げのあと、この部屋に集まって酒を飲んでいたということです。
警察によりますと、深夜になって被害者の学生の頭に「天然パーマをなおそう」とオイル系の整髪料を大量に塗ってふざけていたところ、一人がライターの火を近づけたため引火し、額や耳、手などに2度の火傷を負いました。
警察は、火をつけた学生を傷害の疑いで逮捕しています。
火をつけた学生は警察の調べに泣きながら反省しているということです。
https://www.htb.co.jp/news/archives_10912.html
(ブログ者コメント)
本件、事故ではないのだが、珍しい事例なので紹介する。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。