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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2021222122分にYAHOOニュース(47NEWS)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

大方の予想どおり、2月、緊急事態宣言が延長された。

 

感染者が減っているにもかかわらず、解除されないまま「自粛要請」が続いている。

 

一方、このところの陽気に誘われてか、高齢者の外出も目立つようになり、渋谷のスクランブル交差点では60%も夜間の人出が増えたと報道されている。

 

「不要不急の外出を避ける緊急事態宣言下」、「医療崩壊を防ぐために自粛を」―。

行政やマスコミからのメッセージが、なんともシュールにこだまする。  

 

自粛メッセージが人々の心に響かなくなっているのはなぜか。


リスク心理から考えてみた。

(リスク管理・コミュニケーションコンサルタント=西澤真理子)  

 

 

▽緊迫感は長く続かない  

 

「緊急事態宣言が出ている感じがしない」

「これだけの感染者数だ、と言われても、大きな数に慣れてしまった」。

多くの人々が街頭インタビューで語る。  

 

この1年、普通の生活の「自粛」が求められてきた。

 

法的な強制ではない「自粛」は、新しいリスクへの「不安心理」、「一致団結し抜け駆けは許さない」という集団心理、「誰かのために自分も協力しよう」という利他の心に依るものだ。

 

横並び的な集団心理は、とりわけ日本人に強く働く。

 

だが、ここにきて、人間心理の利用はさほど有効では無くなっている。

 

緊迫感のあるリスクは身近にないし、「慣れ」がある。  

 

 

▽新型コロナが恐怖をあおった理由  

 

何を怖いと感じるか。

 

人のリスク心理には、リスクとベネフィット(利益)が大きく関わっている。

 

自分への利益が高ければ多少のリスクは目をつぶり、逆に利益がないのならばリスクを高く見積もる。

 

人が不安に思うリスクにも種類がある。

典型的には以下のようなものだ。

 

・新しいものや未知のもの(新型インフルエンザ、ゲノム編集などの新規技術)

・恐ろしさを想起させるもの(発がん物質、治療法のない疾病)

・強要されること(受動喫煙)

・ほぼ確実に死に至ること(飛行機の墜落事故)

・リスクが広がるもの(感染症)

・次世代や子供に影響するもの(子供の被ばく、子宮頸がんワクチン)

・慣れ親しんでいないもの(海外で生産された食品)  

 

要するに、慣れているもの、命に関わらないもの、子供に関わらないもの、治療法が見つかっているものには、さほどリスクを感じない。

 

一方で、同じ行為であっても、自発的でない場合にはリスクを感じやすい。

例えば、こういうことだ。

 

・自分でタバコを吸うのはいいが、人の煙は嫌。

・ラドン温泉で天然の放射線を浴びてリフレッシュ。

・海外渡航の際、飛行機内で放射線を浴びることは許容するが、福島第1原発からの放射能汚染には過敏に反応する。  

 

これはみな、自発的ではなく、リスクが知らぬ間に強要されるからだ(詳しくは拙書『リスクを伝えるハンドブック』など参照)。  

 

そう考えると、新型コロナウイルスが発生した1年前の春は、人を不安にさせる要素のオンパレードだった。  

 

ダイヤモンドプリンセス号で毎日のように死者が出て、志村けんさん、岡江久美子さんなど、身近な芸能人や若い相撲取りまでもが命を落とした。

 

イタリアやスペインでの医療崩壊のすさまじい映像に、人は恐怖におののき、自宅に閉じこもった。  

 

 

▽認識の変化が生んだ「コロナ慣れ」  

 

だが、1年が過ぎ、身近に感じる重症者の話も聞かなくなってきた。「

 

かかったら死ぬかもしれない」という疾病から、ワクチン接種でなんとかなりそうという認識に変化してきた。

 

そして1年間コロナと付き合って、手洗いや飛沫感染に気を付けたら、まあ大丈夫、と分かってきた。

 

それが「コロナ慣れ」だ。

 

慣れは悪いことではない。

慣れは人類の生存では必須だ。

そうして外部環境に順応して生き延びてきたからだ。  

 

その中での「自粛要請」である。

 

現在、「自粛」をしないというバッシングの矛先は、主に若者だ。

 

だが、若者は自覚症状も出ないことが多く、死に至ることは少ない。

友人や仲間との楽しい時間を過ごすベネフィットはリスクより大きい。

自分のなじみの店は閉店の危機にある。

なんで飲んだり、ワイワイ楽しい時間を過ごすことが悪いのか。

仲間と集まりたいし、デートや合コンだってしたい。

第一、店は開いている。

飲食店の応援の意味でも会食しよう。

 

こういう心理は当然で、理解できる。  

 

国民の代表で自粛を呼びかける立場の国会議員でさえ、緊急事態宣言後に、5人の夜の会食が発覚、それ以降も後を絶たない事態となっている。  

 

 

▽コミュニケーションの問題ではない  

 

人の協力を仰ぐには、

(1)法での強制、罰則などの強い措置

(2)人の心理に訴え、利他の心をも稼働し、リスクを下げるための協力を仰ぐ強いメッセージ

が必要だ。

 

それがリスクコミュニケーションである。

 

そのメッセージには、確固たる根拠と理由が必要とされる。

 

この一年、政府が指摘されてきたのは、リスクコミュニケーション不全の問題であった。

 

しかし、真の問題は、判断の根拠(科学的エビデンス)と、対策とその有効性が不明確で矛盾だらけだったことだ。  

 

例えば、感染者数がぐっと減っているのに、「医療崩壊だ」というメッセージが出されていること。


日本より多くの感染者が発生しているドイツでは、医療崩壊という話は出ず、重症患者を隣国から受け入れている。

どういうことだろう?となってしまう。  

 

言い尽くされたが、「GoToトラベル」と「GoToイート」もそうだ。


政府が補助金を出して、移動や会食を奨励しておきながら、突然に手のひら返しで「外出自粛」「会食自粛」「営業自粛」を呼び掛ける。

混乱を招き、自粛要請が効かなくなるのも当然であろう。  

 

リスクコミュニケーションは、科学的評価とそれに基づく政策の「結果」だ。

それ自体が独立しているものではなく、それ自体を改善できるものではない。

改善すべきは、その中身である。

 

そして、過ちは過ちと認め、謝罪し撤回。

そして根拠と有効性がわかりやすく説明できる新しい政策をすぐに打ち出し、実行することだ。

 

一体いつまで「自粛」状態を続けたらいいのか。

普通の生活が危ぶまれるほど経済的な打撃を受けている人が多い中で、切実感とモヤモヤ感ばかりが募っている。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/07504fa9213c7cfb3deec3c834c5031f9563cd28

 

 

 

 

 

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20212202222分にYAHOOニュース(東海テレビ)から下記趣旨の記事が、映像ならびに多くの写真付きでネット配信されていた。

 

道路の車線規制されている場所で見かける、一生懸命腕を振る人形、その名も「安全太郎」。

 

ドライバーと交通作業員の安全を守るこの安全太郎は、1970年に当時交通誘導員が車にはねられる事故が相次いだため導入されました。

 

そして今、およそ半世紀にわたりドライバーを見守ってきた安全太郎の初の後継機が登場。

安全太郎より大きく、光り輝く可愛らしい“太郎”でした

 

 

■「安全太郎」を作り続けて50年…これまでに2500体以上を全国の現場へ

 

名古屋市港区にある「トクデンコスモ」。

配電盤や交通規制標識の製造をするかたわら、ガードマンロボットの安全太郎を製造しています。

 

昭和50年代から半世紀近く生産、これまでに2500体以上を全国に送り出しています。

 

トクデンコスモの常務取締役:

「(製造期間は)1か月半くらいですね。塗装と中の動く部分(駆動部)」

 

製作に1か月半かかる安全太郎。

身長185センチ、体重約40キロ。

胴体は、頑丈な強化プラスチック製で、大量生産ではなく、全て社員の手作業で作っています。

 

修理中の安全太郎もありました。

工事現場の最前線に立っているため、常に危険と隣り合わせで傷が絶えません。  

 

修理完了。

電源を入れるとモーターで円盤を回転させ、腕を上げ下げさせるシンプルな仕組み。

しかし、シンプルがゆえのメリットも…。

 

同・常務取締役:

「例えばこれでも2001年(製造)ですから、ほぼ20年前ですね」

 

こちらの太郎は、20年目にしての初修理。

単純構造のため頑丈で、故障しにくいのがメリットです。

 

 

■一つとして同じ表情の太郎はいない・・‥白目、熱血、ホラー 年代ごとに特徴のある“先輩”たち

 

工場の外には、太郎の歴代の先輩たちがいました。

ズラリと並んだ12体の色鮮やかな歴代モデルたち。

よく見ると、作られた年代によって微妙な違いがあります。

 

30年前のモデルは、今の太郎と比べると作りがリアル。

作業着ズボンのシワやヘルメットの紐など、人間のガードマンを忠実に再現されていました。

 

何と言っても歴代モデルの一番の特徴は人形ごとに、その表情が違うこと。

少し「白目の太郎」。

そして、目力のある「熱血太郎」。

さらに、若干シリアスな「ホラー太郎」と、バリエーションが豊富です。

 

各時代のトレンドなどがあるのでしょうか…。

同・常務取締役:

「メイクする人によって変わるんですね。化粧みたいなものですよ」

 

顔も全て社員の手書きのため、表情は各担当者のセンス、同じ表情の太郎は一体としてありません。

 

描く時の統一のルールなどはあるのでしょうか。

同・常務取締役:

「受け入れられるように、優しさだけは欲しいなと思っていますけどね」

 

ドライバーを見つめる優しい表情。

確かに、少し微笑んでいるようにも見えます。

 

 

■最新の交通事情に合わせて進化…「ニュー太郎」はLEDで輝く可愛いキャラクター系

 

ドライバーの安全を守る安全太郎。

最新の交通事情に合わせ、進化した「ニュー太郎」がいるという話を聞き、東海地区の高速道路を管理する「NEXCO中日本」を訪ねました。

 

倉庫の中には、NEXCO中日本のシンボルカラーであるオレンジの安全太郎がずらり。

名古屋支社の管内だけでも、50体以上が活躍しています。

 

NEXCO中日本の担当者:

「愛嬌があって、仲間の一人かなと思います」

別の担当者:

「愛称で『太郎!太郎!』と呼んでいますね。『太郎、積め忘れてないか』とかですね」  

 

しかし、この太郎は、これまでのモノと変わりありません。

 

後継者の太郎が入っているというジュラルミンケースを開けてもらうと、人形が一気に膨らみました。

空気で膨らむ、バルーン型の人形でした。

 

2等身の可愛い顔をした人形は、2種類。

一つが男の子の「i光太郎くん」、もう一つが女の子の「i花子ちゃん」です。

i(アイ)は「“愛”を込めて交通安全を」という意味からつけられました。

 

安全太郎と並ぶと、大きさから印象が全く違います。

そして、i光太郎とi花子の一番の特徴は光ることです。

 

NEXCO中日本の担当者:

「夜間工事の時は大きいし光るので、遠くからお客様に規制していますよっていうことが、分かるようになっています」

 

 

5秒で膨らみコンパクトで便利…主に夜間に活躍「ニュー太郎」が急増中

 

進化した光るバルーン型のi光太郎くんとi花子ちゃん。

実際に活躍している姿を見るために、夜の高速道路へ。

 

(リポート) 「いるいる、遠くからでも分かりやすい!輝いてます

 

i光太郎くんとi花子ちゃんの大きさは、安全太郎の倍以上。

さらにLEDライトで光っているため、夜間でもはっきりとわかります。  

 

さらにもう一つのメリットは、バルーン型のため軟らかいことです。

スマホなどの普及で「ながら運転」による交通事故が多くなったことにも考慮。

万が一、車両と衝突しても、ドライバーや作業員へのリスクが軽減されるよう工夫がされています。

 

コンパクトで持ち運びにも便利、しかもわずか5秒で膨らむ手軽さから、名古屋支社管内では去年から導入が始まり、既に約30体が活躍。

安全太郎に迫る勢いで急増中です。

 

後継者が増えた中、近い将来、安全太郎は引退してしまうのでしょうか。

 

NEXCO中日本の担当者:

「長年一緒に規制をはってきた仲間という位置付けで、必ずトラックに1台積んでいくという感じで、大事に扱っています」

 

安全太郎は、昼間を中心にまだまだ現役バリバリです。

「安全太郎」と進化系「i光太郎くんとi花子ちゃん」、3人がこれからの日本の道路を守っていきます。

 

 

※以下は、写真では紹介されていない映像の2コマ。

 



 

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/febb9e0fdf12c15163beb8e90d9e568cbe24b0bb 

 

 

 

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20212121021分にYAHOOニュース(弁護士ドットコムニュース)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

従業員の労災を隠す企業もあれば、申請をうながしてくれる企業もあります。

 

今回、紹介するのは、「ハチに刺されて労災がおりた」という会社員のケース。

 

当初は、「労災にならない」と思っていたそうです。

 

冬場であれば、「ポットの熱湯が手にかかった」といった場合でも、労災が認められたことがあります。

 

 

●ハチに刺された!首に感じた激しい痛み

 

機械加工の会社で働く高橋さん(仮名)がハチに刺されたのは、昨年8月のことでした。

 

―ケガをした状況を教えてください

 

処理室で作業中に、突然、カサッとした感覚を首元に感じ、手で払おうとしました。

直後に鋭い痛みが襲ったので、ハチだと考え、とにかく、体からひっぺがさないといけないと思いました。

首にいる虫をウエス(布)で捕まえてみると、体長3センチほどの女王アリに似た虫でした。

あとで調べたところ、「トゲアシオオベッコウ」というハチでした。

 

すぐに報告した上司が、病院に連れていってくれました。

 

―病院での処置は?

 

ハチの毒性が弱いことから、患部に軟膏を塗り、抗アレルギー薬を処方されました。

 

上司も高橋さんも、当初、以下のような理由から、「労災にならない」と考えていたそうです。

 

・高橋さんの仕事が、虫駆除などの業務ではない

・屋外作業ではなく、屋内の作業場で刺された

 

そこで高橋さんは、約1700円の医療費を自腹で支払いました。

 

 

●自腹のお金が戻ってきた

 

それから数日後、総務から「労災が認められます」と言われた高橋さんは、上司に労災申請の書類記入を頼むとともに、病院で医療費を返してもらったそうです。

 

会社の掲示板には、ハチに刺された件と、対策として職場の出入り口に網戸を張ったことが、張り出されました。

 

半年たっても労基署から連絡はありませんが、総務からは「高橋さん個人の負担が必要な場合は、会社にその旨の通知が届く。今回は通知がないため、労災は認定されたということでよい」との説明を受けたそうです。

 

「私と上司は半日、仕事をストップさせています。痛いし、仕事も止まってしまえば泣きっ面にハチ。安くても労災が認められてよかったです」

 

 

●労基署に問い合わせれば、教えてもらえます

 

今回のケースでは、労災が認められたようだが、どのような場合に、労災が認められるのだろうか。

 

杉山和也弁護士に聞いた。

 

―高橋さんには「労災の申請が認められた」ことがハッキリと通知されていません

 

一般的には、厚労省から、支給決定通知という書類が届きますが、直接、医療機関に振り込まれた場合や一部支払の場合などは、支給決定通知を発送しない取扱もあるようです。

もっとも、担当の労基署に問い合わせれば、回答してくれるはずです。

 

―仕事中、ハチなどの虫に刺されてケガをした場合、労災補償の対象として認定されるためのポイントを教えてください

 

1)使用者の指揮命令権に服している間に起きた出来事か、

2)その業務から通常起こりえる事故といえるか、

2点から判断されます。

 

まず(1)については、通常は業務中であれば認められますので、休憩中や終業後の事故について、該当性が問題になります。

 

2)については、およそ虫に刺されることがあり得ない仕事だといえない限り、認められるのではないでしょうか。

 

宇宙ロケットなど特に機密性の高い工場での仕事であれば、ハチに刺されることはないでしょうとなります。

 

 そうでもなければ、ハチに刺されることがないと言えない
 仕事はなかなかないと思います。

 

 

●蛇にかまれて労災が認められることがある

 

―ハチに刺されて労災が認定されるケースは珍しいのでしょうか

 

私は聞いたことがありません。

ただ、沖縄、九州エリアにおいて、農林業や建設業など、屋外での業務中にハブ、マムシに噛まれて怪我をしたことで、認められたというケースはよく聞きます。

 

―ほかにどのような労災認定事例があるでしょうか

 

今のような寒い冬の季節であれば、工事現場の車中で暖をとっている最中に、雪が車の排気口を塞ぎ、一酸化炭素中毒になったという事例で、労災が認められるケースはあります。


あとは、「風で飛ばされた帽子を追いかけ、車にはねられた」,「お茶を入れようとしてポットの熱湯が手にかかった」などの事例で労災が認められたことがあります。

 

 

【取材協力弁護士】

 

杉山 和也(すぎやま・かずや)弁護士

労働事件を中心に、中小企業の法務、相続、離婚に注力。

特に、解雇・パワハラ・セクハラ問題について取扱多数。

「オーダーメイドの法律事務所」として、一人ひとりの依頼者に寄り添いながら、ぴったりの解決方法を提案することをモットーとしている。

 

事務所名:鳳和虎ノ門法律事務所 事務所URLhttp://www.houwatoranomon.com/

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/235a42280a23d6a6cf077f4febed08ec9f57d256

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

本ブログで、これまで何回か記事を利用させていただいている弁護士ドットコムニュース。

 

その弁護士ドットコムが、2021211日に放映されたカンブリア宮殿で取り上げられていた。

そして番組中、社長が「こういったニュースを配信しているのは、YAHOOニュースの最初のほうにとりあげてもらうことで弁護士ドットコムの知名度を上げることが目的・・・」といった趣旨の話しをしていた。

 

また、ドットコムに登録している弁護士の方も「サイト上で無料相談に答えることで自分を知ってもらえ、依頼につながることを期待している・・・」的な話しをしていた。

 

 

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20212111710分にYAHOOニュース(乗りものニュース)から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。

 

三菱重工は202129日(火)、引火性の高いガスが蔓延する中でも、安全に走ることが可能な磁気誘導式「防爆無人搬送車」を開発し、初号機をこのほど顧客に納入したと発表しました。

 

無人搬送車とは「AGVAutomatic Guided Vehicle)」と呼ばれる産業用の自動運転車の一種で、人間が運転操作をせずに自動で走行可能な搬送車両のことです。

 

加えて「防爆無人搬送車(AGV)」は、工場電気設備防爆指針「Ex2018」に準拠した防爆設計となっており、これにより可燃性ガスのある危険エリア(Zone1)においても安全に使用できる自動運転車となっています。

 

三菱重工の防爆無人搬送車は、自ら出す電気火花や熱などでガスへ引火し、爆発や火災を引き起こす危険性を抑えているほか、今回発表された新型は、床面に敷設した磁気テープを読み取って操縦不要で走行できるのが特徴で、これにより操縦がさらに省力化できるといいます。  

 

このタイプの最大牽引能力は800kg

また指定場所で牽引物を自動着脱するようカスタマイズしたり、バッテリーを交換することで稼働率を高めたりすることも可能とのこと。

 

なお、バッテリーには耐圧防爆構造に適用可能なニッケル水素電池を採用しており、高い安全性と信頼性を両立させています。  

 

さらに、安全運用のためのセンサー(接触型および非接触型)が複数設置されており、衝突防止などの安全性向上にも配慮した作りになっています。  

 

開発に際しては、三菱重工が原子力発電プラント事故の収束支援活動などで成果を挙げた防爆移動型ロボットの設計技術をベースに、愛知機械テクノシステム株式会社(名古屋市)が保有する磁気誘導式AGVの設計・製造技術を統合する形で行われたそうです。


https://news.yahoo.co.jp/articles/26aa98aafb633c57f3c98430963edad67b3baa35

 

 

 

 

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2021129日付で毎日新聞東京版から下記趣旨の記事が、複数枚の雪の結晶の写真付きでネット配信されていた。

 

大雪が降ると、特に首都圏の交通網は大混乱ということも珍しくない。

 

実は、太平洋側の雪に関するデータは十分でなく、未解明な部分も多いのだとか。

 

データ収集のため、気象庁の研究員が考案したのが市民参加型研究プロジェクト「#関東雪結晶プロジェクト」だ。

 

開始から約4年。

研究成果も見えてきた。

 

仕組みはわりと簡単。

市民にスマートフォンなどで降った雪の結晶を撮影してもらう。

 

この画像をツイッターに「#関東雪結晶」のハッシュタグを付けて撮影日時と場所と共に投稿してもらう。

これを研究に活用する。

 

考案したのは、雲研究者でアニメ映画「天気の子」(新海誠監督)で気象監修も務めた気象庁気象研究所研究官の荒木健太郎さん(36)だ。

 

参加手法の手軽さがうけて、これまでに10万枚以上の画像が集まった。

 

開始した2016年は関東甲信地方限定だったが、19年から対象地域を全国に広げた。

 

きっかけは、首都圏を直撃した14年2月の大雪だった。

 

「2週連続の大雪で交通機関はマヒしました。この時、気候学や雪氷学、災害情報学など、多分野の研究者とともに、首都圏の雪の研究を始めました」。

 

荒木さんは全体の取りまとめと低気圧や雲の現象などを担当した。

 

だが観測データが少なすぎて、分からないことが多かったという。

 

そもそも、日本海側と太平洋側では大雪のメカニズムが違う。

 

日本海側では、西高東低の冬型の気圧配置が強まった時に、大陸から流れ込む寒気が日本海で暖められて大気に水蒸気が供給される。

海上に筋状に並んだ積乱雲が発生し、それが次々と陸地に入って雪をもたらす。

 

20年12月に日本海側に降った大雪もこうしたメカニズムで起きた。

 

一方、太平洋側は、日本の南岸を進む南岸低気圧と呼ばれる前線を伴った温帯低気圧が原因となる。

 

だが、雨が降るのか雪が降るのか、その量はどれくらいなのかといったことは、低気圧の中心位置や、降雪や降雨がどの程度地上を冷やしたのかなど、複数の条件が作用し合ってガラリと変わる。

 

そのため、「関東では、大雪になるかどうかは直前まで分からないことも多い」。

 

そもそも頻度が少ないため、観測データもあまりなかった。

 

荒木さんは、最初は自分で雪の結晶を撮影して調べていたのだが、「時間的にも空間的にももっと広く、多くのデータがほしいと考え、プロジェクトを思いつきました」。

 

狙いは的中。

18年1月の大雪では、わずか1日で約2万枚の画像が集まった。

 

画像の解析で分かったことがある。

 

17年3月27日、栃木県那須町のスキー場で、表層雪崩により高校生ら8人が亡くなった。

こうした表層雪崩の原因となりやすい結晶の形があるという。

 

交差角板状や砲弾状と呼ばれる形状の結晶で、いずれも粒が小さく、さらさらしている。

マイナス20度以下でできる「低温型結晶」だという。

 

気象データなどと合わせて画像を分析。

 

前線を伴った低気圧(南岸低気圧)では低温型結晶ができやすく、前線を伴わない低気圧では低温型結晶がほとんどできないことを突き止めた。

 

「南岸低気圧による大雪では、表層雪崩への注意が特に必要になる」と警鐘を鳴らす。

 

荒木さんは「プロジェクトなどを通して、冬に太平洋側に発生する雪雲の実態が少しずつ見えてきた」と、手応えを感じており、市民に協力を呼びかけている。

 

なぜ、こうした画像が予測精度の向上につながるのか。

 

「物理学者の中谷宇吉郎博士の言葉に『雪は天から送られた手紙である』というのがあります。

 

雪の結晶には、樹枝状や角柱状などさまざまな形がありますが、これは雲の中の温度や水蒸気量によって決まる。

 

つまり、地上に降った雪の形を見ることで、雲の状態が分かるわけです」。

 

中には、結晶の周りに大量の雲粒(うんりゅう)と呼ばれる氷の粒が付着した「あられ」もある。

 

あられは、雲の中の強い上昇気流によって作られる水滴が雪の結晶に付着して凍ってできる。

 

たくさん付着していれば、それだけ上昇気流も強いというわけだ。

 

雪の結晶は、みぞれやひょうなどを含め121種類あるという。

 

うまく撮影するコツは?

 

・・・・・

 

https://mainichi.jp/articles/20210129/dde/012/040/008000c 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

本ブログでは、過去に、雪崩の原因となる雪は、主に以下の3種類だという情報を紹介した。

《1》雲粒(うんりゅう)なし結晶

《2》表面霜(ひょうめんしも)

《3》こしもざらめ雪

 

このうち、突起の少ない「雲粒なし結晶」が、今回情報にある「低温型結晶」だと思われる。

 

20181215日掲載

2018128日報道 北海道札幌市の「日本氷雪学会北海道支部」
  は、まとまった雪が降るたびにHPに雪の粒子の写真を公開し、
  雪崩を起こしやすい雪がある場合は注意を呼び掛けている

https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9159/

 

 

 

 

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20211251359分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

全国有数のスイカの産地、千葉県富里市で、街のシンボルとして親しまれてきたスイカの模様が描かれたガスタンクの解体工事が進められています。


その作業は、巨大なスイカがリンゴの皮をむくように解体されるユニークな方法で行われています。

千葉県はスイカの収穫量全国2位で、富里市は有数の産地です。


その郊外にある高さ37メートル、直径34メートルの巨大なガスタンクは、特産のスイカの模様が描かれ、住民に親しまれてきました。


しかし、設置されて20年間がたち、老朽化に加えて各世帯にガスを届ける導管の技術が進歩したことで、ガスをタンクにためる必要がなくなったことから撤去することになり、東京ガスが去年11月から解体作業を進めてきました。


その解体作業は「リンゴ皮むき工法」と呼ばれるユニークな方法で行われています。


解体工事はガスタンクの頂上付近から作業員2人が乗ったゴンドラをクレーンでつり下げて行われます。


作業員がタンクの外側からガスの切断機を使って厚さが3.6センチある鋼板を少しずつ切り取っていきます。


鋼板の幅は1.5メートル。
リンゴの皮のように切り取られていきます。


切り取られた鋼板はその重みでらせん状に少しずつタンクの内側に垂れ下がり、地面に落ちていきます。


こうして鋼板は1日におよそ80メートルずつ切り取られていくということです。


この「リンゴ皮むき工法」は、高い場所で切り取った鋼板をクレーンを使って地上に降ろす必要がないため、工事費用を抑制できるほか、安全性も高くなるメリットがあるということです。


ガスタンクのすべての解体作業を終えるのは3月中旬になるということです。


巨大なスイカでリンゴの皮をむくように行われるユニークな解体作業。


東京ガスは、「ガスを供給する役目を終えたガスタンクにお疲れさまという気持ちです。最後まで作業が無事に終わるよう工事を進めてまいります」と話しています。

 











 

 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20210125/1080013442.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

「日本の会社が独自に開発した技術」という音声情報もあった。

 

 

 

 

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2021121413分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

猫が大好きなマタタビ。

その匂いを嗅いだ猫は体をこすりつけるような特異な反応を示すが、マタタビには猫を陶酔させるだけではなく、蚊を遠ざける効果もあった――。

 

岩手大などの研究グループが、こんな研究成果を発表した。

新たな虫よけ剤の開発に活用できる可能性があるという。

 

猫がマタタビに示す反応の理由は判明しておらず、研究者は「長年の謎に対する重要な解答」としている。

 

岩手大の宮崎雅雄教授と名古屋大の西川俊夫教授らの共同研究グループが米科学誌「サイエンスアドバンシズ」に発表した。

 

マタタビにはネペタラクトールという物質が含まれ、マタタビを嗅いだ猫に、体をこすりつけたり転がったりする行動を起こさせるという。

 

研究グループは、この物質に蚊を遠ざける効果があることを解明した。

 

蚊は寄生虫などを媒介するが、ネペタラクトールを体に塗った猫に止まる蚊の数は、塗らない猫の半分程度だった。

 

猫がマタタビに特異な反応を示す生物学的な意義は未解明だったという。

 

今回の研究で、猫がマタタビに反応すると、幸せを感じた時に脳内で働く物質の血中濃度が上がることも初めて確認した。

 

宮崎教授は、「ヒョウなど、ネコ科の動物だけに現れる反応。虫が多い茂みに隠れて狩りをするという習性が影響しているのではないか」と推測している。

 

https://mainichi.jp/articles/20210120/k00/00m/040/219000c 

 

 

121414分に同じ毎日新聞からは、研究開始のいきさつなどの裏話的情報が下記趣旨でネット配信されていた。

 

19日に同大で記者会見した宮崎教授は、8年におよぶ研究を振り返り、「猫の行動に隠された意義があったのが非常に面白く奥深い」と語った。

 

名古屋大や京都大、英リバプール大との共同研究で解明した。

 

研究を始めたきっかけは、名古屋大の西川俊夫教授が高校時代、猫がマタタビに反応することに興味を持ったことだったという。

 

西川教授が、猫を専門に研究している宮崎教授を誘い、プロジェクトが始まった。

 

研究では、マタタビに含まれる物質「ネペタラクトール」に蚊を避ける効果があることが分かり、研究室で飼っている25匹の猫を使って、物質を塗った猫が蚊に刺されにくいのかを調べた。

 

「猫にとってかわいそうな実験だったので、最後は私の腕でも調べた」と明かし、蚊がいるケージに約30分腕を入れたところ、物質を塗らなかった腕は刺された一方、塗った腕は刺されなかったという。

 

マタタビによく反応する猫には、宮崎教授が著名科学誌にちなんで「サイエンス」と名付けた。

 

実験には猫の機嫌も重要だったため、毎日朝と夕方に1時間ずつかけてケージ内を掃除したという。

 

論文の筆頭著者の岩手大院修士1年、上野山さん(女性、23歳)は、「猫は私たちにとっても身近な伴侶動物。先祖たちの生存戦略を明らかにできてうれしかった」と笑顔だった。

 

https://mainichi.jp/articles/20210120/k00/00m/040/263000c 

 

 

 

 

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2021115171分にNHK香川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

今月上旬からの寒さによる電力需要の高まりで火力発電所の燃料が不足していることから、四国電力は災害現場などで使う発電車を臨時に稼働させて、電力を供給する異例の対応をとっています。


四国電力は引き続き、節電への協力を呼びかけています。

今月上旬からの寒気で冷え込みが厳しかった四国では暖房の使用などによる電力需要が高まり、四国電力が火力発電所をフル稼働した結果、燃料となるLNG=液化天然ガスと重油が不足している状況だということです。

このため四国電力は、今月12日からガソリンスタンドで軽油を調達し、災害などで使用する発電車を臨時で稼働させています。

15日、高松市内の変電所では発電車1台を高圧線でつないで電力を供給していました。

1台の出力は最大240キロワットで、1時間稼働すれば一般の家庭1か月分の電力をまかなえるということです。

電力の供給不足を理由にした発電車の稼働は初めてで、管内に25台ある高圧の発電車を活用して当面、供給を続けることにしています。

四国電力はLNGと重油を追加で調達する手配を進めていますが、早くても1月末ごろまでかかる見通しだとしています。

四国電力香川支店広報課の藤村副長は、「燃料は海外から輸入しているので、どうしても時間がかかる。日常生活に支障がない限りで節電への協力をお願いしたい」と話しています。

 



 

 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20210115/8030009014.html

 

 

 

 

(2021年1月31日 修正1 ;追記)

 

20211301336分にNHK香川からは、130日にLNGを積んだ船が坂出港に入港したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

この冬の寒さで電力の需要が増加し、発電所の燃料が不足していた四国電力に、30日、四国の一般家庭およそ1か月分の電気を発電できる量のLNG=液化天然ガスを積んだ船が到着し、厳しい需給状況は解消されることになりました。

四国では、今月前半の電力需要が去年の同じ時期より1割増え、香川県坂出市にある四国電力の火力発電所では稼働率を高めたため、燃料となるLNGが不足し、電力の需給状況がひっ迫していました。

こうした中、30日昼ごろ、坂出市の発電所の近くにマレーシアからおよそ6万トンのLNGを積んだ船が到着しました。

四国電力によりますと、今回到着したLNGで、法人を除く四国すべての一般家庭およそ1か月分の電気を発電できるということで、厳しい需給状況は解消されることになりました。

しかし、全国的には依然として厳しい需給状況が続いていることから、四国電力送配電は今後ほかの会社に電力を融通する可能性もあるとして、引き続き効率的な電気の使用を呼びかけています。

 





 

 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20210130/8030009146.html 

 

 

 

 

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20211141930分にYAHOOニュース(静岡新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

明電舎沼津事業所(沼津市)に昨年10月開設された技術研修センター「Manabiya(学びや)」が、中小企業などの安全教育の場として注目されている。

 

拡張現実(AR)や仮想現実(VR)の技術を導入した安全教育システムを通し、安全教育の推進が難しい中小企業の意識高揚に寄与。

 

社員向けの研修施設を外部に開放するのは珍しい。

 

工業高校などの利用も受け入れたいとし、新たな社会貢献として期待される。  

 

同社の安全教育システムは、はしごの昇降中の転落や溶接作業中の火花による火災、過剰積載したフォークリフトの横転など、現場で想定される14ケースの事故を再現。

 

グループ会社の明電システムソリューションが開発に携わり、VR技術などを活用して、実際に自分が危険に遭遇しているかのような疑似体験ができる。  

 

開設時から外部企業の体験希望を受け付け、12月半ばまでの2カ月ほどで、想定を上回る200人以上が訪れた。

 

中小企業経営者からは「大手企業は安全教育にここまで力を注いでいるのかと驚いた」、「体験させてもらい、自社で社員研修を行う際の勉強になった」との反響が寄せられた。  

 

沼津商工会議所では会報などで施設を紹介し、会員事業所に勧めている。

 

紅野会頭は、「地域の産業をけん引する大規模事業所がこうした施設を開放することで、中小企業の安全意識も高まる。社会に貢献するありがたい取り組み」と話す。  

 

研修施設公開は企業価値を高めるメリットがあるという。

 

同社の“本業”はプラント建設や水インフラシステムの構築など、一般消費者にはなじみが薄い事業。

 

安全衛生担当者は、「体験者を受け入れることで事業内容も理解され、住民に身近に感じてもらいやすくなる。安全教育システムの今後のビジネス展開にもつながる」と語る。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/8bd640577101b11c409ce8209d6a253019e54edc

 

 

 

 

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2021181032分にYAHOOニュース(47NEWS)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

クマの人里への相次ぐ出没を受け、対策が模索されている。

 

餌となるドングリを各地から集め、山にまく自然保護団体の取り組みには各地から支援が集まっているが、専門家は生態系への悪影響を危惧し、自粛を求める。

 

ふるさと納税を活用し、ドングリの苗木の植栽に乗り出す自治体も出てきた。

 

【クマの命を守る】  

 

一般社団法人日本ヴィーガン協会(兵庫県)は2020年10月、千葉市や神戸市などのカフェや雑貨店でドングリを回収し、山に届ける事業「どんぐりすてーしょん」を立ち上げた。

 

事業に寄付を募るクラウドファンディングは開始2日目に目標額の20万円が集まり、終了時には5倍に達した。  

 

協会によると、各地から届いたドングリは800キロを超える。

 

北陸などの山間部へ運び、地元の人や動物保護団体の協力でクマの通り道やえさ場に置いた。

 

協会の三宅K子代表理事(58)は、「保育園児たちが集めてくれた例もあった。子どもが公園で拾えるような気軽さが大きな反響につながったのかもしれない」とみる。

 

人に近づく個体は殺処分される場合もあり、「あくまでクマの命を守るための緊急の措置。殺処分にショックを受ける人に希望を与えたい」と語る。

 

【逆効果】  

 

ただ、各地で集めたドングリを人為的にまく行為は、その土地の生態系を乱す危険をはらむ。

 

森林総合研究所(茨城県)が11年に作成した「広葉樹の種苗の移動に関する遺伝的ガイドライン」によると、天然の樹木は長い時間をかけて気候変動に対応し、分布域を変えるなどしており、「人為的にかく乱すると、集団や種の衰退につながることがある」という。

 

ガイドの作成に関わった同研究所の松本M子研究員は、「樹木の成長は年月がかかり、影響が見えにくいため、顕在化した時には手遅れとなっている恐れがある。予防的な措置の観点で、樹種はなるべく移動すべきでない」と指摘する。  

 

動物関連の書籍やテレビ番組を多数監修する「どうぶつ科学コミュニケーター」の大渕Mさん(38)も、「人が実を運ぶと、クマが人のにおいを学んでしまう。個体数が山の本来の収容力を超える恐れもある。結果として、人里への出没が増えて逆効果になりかねない」と警鐘を鳴らす。

 

ゾウムシなどがドングリに寄生していれば、虫が拡散してしまうリスクもある。

 

大渕さんは「共生や寄生、食物連鎖といった複雑な関係性の上に多様な生物が存在している。クマを救いたい気持ちは理解できるが、生態系全体を考慮する必要がある」と強調する。  

 

環境省によると、20年4月~11月のクマによる人身被害は151人と、過去最悪ペースだった。

 

餌となるドングリが2年連続で不作の地域が多く、冬眠前に農作物を求めて人里へ来たとみられる。

 

同省は、▽カキやクリなどの農作物や生ごみを放置しない、▽鈴など音の出る物を携帯し、クマに人の存在を知らせる、といった対策を呼び掛けている。  

 

【共存を目指して】

 

クマは本来なら人を避けて森の深くで暮らしている動物だが、急に遭遇した場合は驚いて攻撃してくることがある。

 

学習能力が高く、人の食べ物の味を覚えると、強く執着する習性もある。

 

クマの生息地や目撃情報があった場所には近づかない、万一出会ってしまった場合は刺激しないようゆっくり後退する、といった適切な行動が求められる。

 

「痛ましい事故を避け、クマと共存できる道を探りたい」。

 

石川県小松市は昨年11月、えさ場の整備や森林保全の資金を募るふるさと納税のコースを新設した。

寄付は好調で、12月下旬には目標額を超えた。  

 

同市ではクマの出没が例年の5倍を超え、住宅街で女性が頭をひっかかれる事故も発生。

 

消防や警察が警戒に当たったり、クマよけの柵を設けたりといった措置を講じてきたが、根本的な解決には、クマが餌に困らない自然環境をつくることが重要だと考えたという。  

 

ふるさと納税で寄せられた資金で、クヌギなどドングリの実を付ける苗木を育て、えさ場として整備する計画だ。

 

植栽には年月がかかり、出没を防ぐ特効薬とは言えないが、「長期的な視点に立ち、クマが自力で餌にありつける豊かな森をつくりたい。専門家のアドバイスを受けながら生態系に配慮して取り組んでいく」(担当者)としている。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/8c0b2cac0fb49345432730916276e283e7a30a8b

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

ブログ者も以前から、山奥にドングリを撒けばクマも人里には降りてこなくなるだろうに・・・と思っていたのだが、そう簡単な話しではなさそうだ。

 

 

 

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20211390分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

京都府亀岡市で1日、全国初のプラスチック製レジ袋提供禁止条例が施行された。

 

市内全ての小売店が対象となり、有料でも提供が禁じられた。

代わりの紙袋を提供する場合も有料が義務付けられた。

 

元日から営業している全国チェーン店をはじめ、各店舗が条例に沿った対応を始めた。

 

市環境政策課によると、客とのトラブルの相談などは寄せられていないという。

 

「手さげ紙袋が有料になりました」。

1日朝、同市千代川町のマクドナルド9号線千代川店の店内やドライブスルーのブースに、条例に合わせた対応を伝える看板やポップがお目見えした。

 

全国約2900店舗の中で市内3店舗のみの対応で、接客クルーは客に有料の紙袋の要否を尋ねた上で、購入量に合わせ10円か20円の紙袋を提案した。

 

訪れた大学生(21)=青森県弘前市=は、「環境問題を見据えた大切な取り組み。これまで無料のレジ袋をたくさんもらっていたが、極力もらわないようにする」と、条例に理解を示していた。

 

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/460224 

 

 

15946分にNHK京都からは、事業者には紙袋購入支援制度がある、違反した事業者名は公表されるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

京都府亀岡市は、市内のすべての小売店でプラスチック製レジ袋の提供を全面的に禁止する全国で初めての条例を、今月から施行しました。

「保津川下り」の観光で知られる亀岡市が今月1日から施行した全国初の条例では、市内のスーパーやコンビニを含むすべての小売店がプラスチック製レジ袋を提供することを、有料であっても禁止しています。


紙袋についても無料での提供を禁止し、事業者への支援策として紙袋を安く仕入れることができる制度を合わせて設けています。


亀岡市は、ことし6月からは、違反が報告された事業者に対し立ち入り調査を実施し、事業者名の公表や改善勧告などを行うことにしています。


また、市民に対しても買い物にはできるだけマイバッグを持参するよう協力を求め、プラスチックごみの大幅な削減を目指すことにしています。


https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20210105/2010008987.html 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

〇対象となるのは、店で購入した商品を持ち運ぶための持ち手がついている袋。(6/7ページ)

 https://www.soumu.go.jp/main_content/000702290.pdf 

 

〇ご覧になった方も多いと思うが、本件、新年早々の「ガイアの夜明け」でも取り上げられていた。

 

 

 

 

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202012251745分にNHK秋田から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

県内は南部を中心に大雪となっていますが、屋根から落ちてきた雪などで軒下に置いているガスボンベのパイプなどが壊れ、ガスが漏れる事故が起きるおそれがあることから、県LPガス協会などでは、雪下ろしの作業はガスの設備に十分注意して行うよう呼びかけています。

県LPガス協会によりますと、県内では、およそ7割の家庭でLPガスを使用していて、その多くが、自宅の軒下などにガスボンベを置いたり、ガスメーターなどを設置したりしています。


県内では県南部を中心に大雪となっていますが、屋根からの落雪や雪下ろしで落とした雪がLPガスの設備に覆いかかった場合、雪の衝撃や重さでパイプが外れるなどしてガスが漏れる事故につながる可能性があるとして、協会で注意を呼びかけています。


具体的には、屋根の雪下ろしをする際は、ガスの設備のまわりに雪を落とさないようにするとともに、屋根からの落雪があった場合は、ガスの設備を確認するとともに、雪を取り除くよう呼びかけています。


また、緊急時にガスのバルブを閉めることが出来るよう、ガスの設備のまわりを除雪するとともに、万が一、ガスが漏れた際は、火花が出るものには手を触れずに、戸や窓を大きく開け、LPガスの販売店に連絡するよう呼びかけています。


県LPガス協会によりますと、平成23年1月には、湯沢市で、ガスボンベ周辺の雪でガスの設備が壊れて、ガスが漏れて小規模な爆発があり、窓ガラスが割れる被害もあったということです。


県LPガス協会の船木専務理事は、「ガスの容器自体は丈夫ですが、容器付近のガスメーターの取り付けの部分や、パイプのつなぎ目などに雪が覆いかぶさると、設備が壊れ、ガスが漏れる可能性があります。パイプの部分に雪がかぶさっていないか、定期的に見回りをしてほしい」と話しています。

 





 

 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20201225/6010009091.html 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

落雪による死亡事故や設備損傷事故は、本ブログでも気になった事例を何件か紹介してきたが、爆発を伴う事故があったという情報は初めてだ。

 

 

 

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202012242128分にYAHOOニュース(TBS NEWS)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

海水浴場にいる聴覚障害者などに津波警報が発表されたことを知らせる旗=「津波フラッグ」について、多くの人々に知ってもらうなど、水難事故や災害を防ぐための普及啓発活動を一緒に行おうと、気象庁と日本ライフセービング協会が協定を結びました。  

 

気象庁は今年、津波警報が発表されたことを、海水浴場にいる聴覚障害者や泳いでいる人などに知らせる全国共通の旗として、赤と白の格子模様のデザインを「津波フラッグ」に選び、日本ライフセービング協会の協力を得て、ライフセーバーによる「津波フラッグ」のデモンストレーションなどを行ってきました。  

 

両者はこのほど、連携をさらに深め、水難事故や災害を防ぐための普及啓発活動を一緒に進める目的で協定を結びました。  

 

気象庁は、「津波フラッグが多くの海水浴場で活用され、多くの方々に覚えていただけるよう、全国での周知・普及に取り組みたい」としています。

 

 
 

https://news.yahoo.co.jp/articles/0601a9d84443c9b4f7371837bd8d2eafc59c65a7

 

 

 

 

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202012221830分にYAHOOニュース(朝日新聞)から下記趣旨の記事が、システム画面の写真付きでネット配信されていた。

 

ゼネコン大手の大成建設は、作業員や建設機械の位置をデジタル技術で把握して事故を防ぐ安全管理システムを開発した。

 

作業員が建機に近づいた頻度や建機のスピード超過なども表示でき、これらは業界で初めての取り組みという。  

 

作業員にスマートウォッチを付けてもらい、位置を全地球測位システム(GPS)でとらえる。

 

立ち入り禁止エリアに入ったり重機に近づいたりしたら、専用の画面に表示。

その回数も測る。

回数が多い作業員は直接指導し、安全意識の向上を図る。  

 

このほか、クレーン同士が近づき過ぎたり、クレーンがつり上げた荷物の下に作業員が近づいたりすると警報などで知らせるシステムもつくった。  

 

担当者は「(事故の)リスクを軽減できれば、生産性の向上につながる。蓄積したデータはほかの現場にも応用していく」と話す。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/f0189f359b63061fb6dc9be6842f18c620826bc6

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

関連情報調査結果、2年前の日付で同社HPに、当該システムを開発したという記事が掲載されていた。

なぜ、2年後に朝日新聞が報道したかは不明。

 

IoTを活用した従業員作業状況の見える化ツールを開発

2018726日 大成建設株式会社)

 

大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、株式会社インフォキューブLAFLA(社長:田中健吾)の協力を得て、IoTを活用した従業員作業状況の見える化ツールを開発しました。

 

本ツールは、生産施設を対象として、大成建設の技術的なノウハウと、インフォキューブLAFLAのリアルタイム位置情報取得・表示技術を組み合わせて、統合情報を把握し、作業状況を考慮した動線、レイアウト設定や無駄のない作業計画立案による作業の効率化と、作業見守りによる不安全行動の抑止、熱中症等の事故防止など安全性向上を実現します。

 

生産労働人口の減少や従業員の高齢化が社会的な問題となる中、作業の効率化や安全性向上は生産施設においても大きな課題となっています。

 

近年、これらの課題に対し、施設や装置の改善だけでなく、従業員の作業状況を把握するための新しいソリューションが求められており、心拍、体温、姿勢などの身体の状態、所在、作業環境をモニタリングする様々なツールが開発されています。

 

しかし、従来のツールでは、生体や位置などの情報をモニタリングし、従業員の身体の状態や所在を個別に記録・分析することは可能でしたが、各取得データから作業状況などに係る複数種データを抽出し、その関連性の分析には相当の時間がかかっていました。

 

そこで、当社は、複数種データの統合的な分析をスピーディに実施するため、従業員の身体の状態(生体データ)、所在や作業内容(位置データ)および作業空間の環境(作業環境データ)など様々な情報を一元的に取得し、分析するツールを構築しました。

 

本ツールは、一つのアプリケーション上で取得した各種情報の関連性を総合的に分析することが可能となります。(図1参照)

 

本ツールの主な機能は以下のとおりです。

 

1.屋内外を行き来する従業員の位置データは、電波ビーコン(屋内)とGPS(屋外)を組み合わせて連続的に取得し、パソコンやスマート端末でリアルタイムに表示・確認することが可能です。

画面は2D3Dで表示可能で、スムーズな拡大・縮小、視点移動に加え、施設内での各階状況を一画面にまとめた立体表示にも対応しています。(図2、図3参照)

 

2.現場で取り組んでいる作業内容を細分化して、従業員が所持するスマートフォンに登録し、従業員ごとの動線解析だけでなく、滞在頻度の高いエリアや行き来が頻繁な経路と作業工程との相関を表示でき、無駄のない作業指示が可能です。(図4、図5参照)

 

3.生体データは、使用条件や用途によって、ウォッチタイプやシャツタイプなどの様々なバイタルセンサーを選択して取得し、常時従業員の身体の状態を把握し、管理します。

 

4.作業環境データは、温湿度、風向・風速、特殊ガス・酸素濃度などをセンシングで取得し、異常発生時にはアラーム発報などにより、従業員への周知を図ります。

 

5.従業員の生体データや位置データに異常が生じた場合には、本人および管理者へメールで通知するとともに、作業エリアに設置したカメラ等の画像で現地の様子を目視にて確認することが可能です。

 

本ツールによる取得データを組み合わせ、以下に示すような効果を得ることが可能です。

 

(図表の転載は割愛)

 

なお、作業環境データの取得・記録・分析に対するネットワークおよびクラウドの活用については、株式会社NTTドコモと共に検証を行い、様々な環境センサーのオンライン化、ネットワーク・クラウドのセキュリティなどについて確認済みです。

 

今後、当社は、生産施設において、リアルタイムに従業員の作業状況を把握するためのツールとして、作業の効率化や安全性向上の実現に向け、本ツールをお客様に提供するとともに、当社のコンサルティング業務への活用を行います。

 

また、位置データを取得するため、スマートフォン以外の低コストな着脱型小型・軽量の汎用通信端末の開発や、各データの高精度化を図るため、小型カメラや各種センサーによるセンシングデータのラインナップの拡充等に取り組み、更なるシステムの高付加価値化を追求します。

 

https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2018/180726_4395.html 

 

 

 

 

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20201222916分にYAHOOニュース(PRESIDENT Online)から、ルポライターの体験取材記事が下記趣旨でネット配信されていた。

 

日本最大のドヤ街、大阪市西成区あいりん地区にある飯場の日雇い労働者は、どのような環境で働いているのか。

 

そこで働き、『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)を出版した國友公司氏は、「15センチ角のガラス片が上から降ってきても、周りの労働者は意に介さなかった」という――。

 

 

■「訳アリ」人間が全国から集まる地下の世界  

 

筑波大学を7年かけて卒業するも、就職できずに無職となった私が流れ着いたのは、日本最大のドヤ街、大阪市西成区あいりん地区だった。

 

新宿都庁前のホームレスについて書いた卒業論文を出版社の編集長に見せたことをきっかけに、「西成に潜入してルポを書かないか」と言われたのだ。  

 

生きていくには、とにかく仕事をしなければならない。

私は、S建設という建設会社の飯場で働くことにした。

この会社だけ募集の「健康保険」の欄に丸がついており、何となく安心だったからだ。  

 

テレビカメラが入ることはない飯場は、想像以上に壮絶であった。  

 

飯場――。

インターネット上では「タコ部屋」とも呼ばれる。

建設現場や解体現場で働く肉体労働者たちが共同生活を送る寮のことである。  

 

英国人女性殺人・死体遺棄事件で無期懲役となった市橋T也は、27カ月もの間、逃亡生活を送っていたが、彼が選んだ潜伏先もまた、西成区あいりん地区の飯場であった。

 

逮捕されてからすでに10年以上が経過しているが、同地区の飯場には今でもさまざまな「訳アリ」人間が全国から集まってきていた。

 

 

■いままで関わることのなかった人間たちがここに集まっている  

 

なぜだか分からないが、自分が本当にどうしようもない――西成で一生ドカタをするしか選択肢のない――人間であるように思えてきた。  

 

朝の四時半に起床し、五時に一階の入り口に集合する。

 

食堂では、岩のような手をした大柄な男や、歯が抜け腰の曲がった老人が生卵を白飯にぶっかけ、初めて持ったみたいな箸の持ち方でかき込んでいる。

 

ズボンに手を入れ股間をかきむしり指先の匂いを嗅ぐ男。

ポケットに両手を突っ込み、肩を揺らして歩きながら何事かわめいている男。  

いままで関わることのなかった人間たちが、ここに集まっている。

 

世間の目が届くことのない、日の当たらない地下の世界へやってきたのだ。  

 

新しく現場に入るということで、書類を何枚か書かされた。

これはS建設ではなく、これから行く現場のクライアントに提出する物のようだ。

 

安全対策に関する講習はしっかり受けたか、といったいくつかのチェック項目がある。  

「よく分からないだろうけど全部チェック入れておいて」と、私の現場の班長である菊池さんに書類を渡された。

 

 

■「安全帯」の使い方すら知らないまま現場へ…  

 

この菊池さんはS建設に入って、すでに15年以上。

その想像を絶する勤務年数ゆえに班長に抜てきされているが、日給は私と同じ一万円(内寮費が三千円)

 

むしろまったく度が合っておらず、遠くの物はもちろん、近くの物もそれはそれでぼやけるという眼鏡(菊池さんは乱視なのにケチって乱視用レンズを入れなかったらしい)のせいで、周りからはボンクラ扱いされている。  

 

「北海道出身だが、住民票がどこにあるかもう分からない」ということから分かるように、一生飯場暮らしのチケットが発行済みの菊池さん。

いつも下を向いては行き詰まった顔をしている。  

 

講習などもちろん受けていない上に、私は高所での作業の際に自分の腰と手すりなどをつないで落下を防ぐ「安全帯」の使い方すら知らない。

 

こんな状態で安全に作業ができるとは到底思わなかったが、あと10分で現場に向かうというので、内容も読まず、すべてにチェックを入れた。  

 

私は「土工」という職種になるらしい。

簡単に言うと、一番下っ端の底辺労働者ということだ。

飯場に入っている人間のほとんどが、この土工というポジションになる。

何年飯場にいるとか、そういったことは関係ない。

全員ひっくるめて底辺土工だ。

 

 

■頭上で跳ねた無数のガラス片  

 

バンに乗り込んで約1時間、今日の現場に到着した。

老朽化で閉館したデパートらしい。

これから10日間、どんな仕事をするかさっぱり分からないが、取りあえずこの建物をぶっ壊して更地にするというのが現場の最終目標である。  

 

ユンボで地面を掘り返すと、おびただしい数の鉄筋がぐちゃぐちゃになって飛び出してくる。

結局、こんなにぐちゃぐちゃにするのなら、こんな粗大ゴミ初めから作らなければいいのではないか。

スクラップ&ビルドばかり繰り返して、無駄なことばかりしてバカなんじゃないか。  

 

そんなことを考えながら粉じんに水をまいていると、3階から「ガガガガガ」と耳をふさぎたくなるほどのごう音が聞こえてきた。

 

そんなむやみやたらに壊して大丈夫なのだろうか。

まだ壊しちゃいけない場所まで壊して一気に倒壊しないだろうか。  

解体現場の作業員が下敷きになって死亡する事故をよく目にする。

今までは他人事だったが、もうそういう訳にはいかない。

 

ついに振動で3階部分の窓が割れたのか、「バリバリ」と音がした。

思わず上を向くと、無数のガラス片が降ってきている。

とっさに下を向くと、ヘルメットの上で無数のガラス片が跳ねた。  

中には15センチ角ほどの鋭利なものもあり、ヘルメットがなければ今頃、私は脳みそを垂れ流しているだろう。

肩や腕に当たっていても切り傷では済まない。  

 

S建設とは別のドカタ軍団、T組の一員である高見さんは、バーナーで鉄筋を切るのに夢中で、気付いていない。

その体勢だと、背中にガラス片が思い切り刺さってしまう。

「高見さん! ガラス! ガラスが上から降ってきています!」と私は叫んだ。  

 

「気い付けえや」  

高見さんはそういうと、再び鉄筋を切り始めた。

背中に刺さったらどうするの?  

ヘルメットをしているとはいえ、首筋の頸(けい)動脈を切られたら、本当に死んでしまう。

 

私はホースを投げ出し、安全な場所へ逃げ出した。

ガラスの雨が収まると、私は高見さんの元に駆け付けた。

 


■安全帯をつけずに穴に落ちて死んだ作業員  

 

「ガラスが落ちてくるなんて日常だぞ。そのためにヘルメット被っとるんやろ。解体の現場は、この業界でも一番ケガが多いんや。ある程度は覚悟持ってやらんと仕事にならんで? 」  

 

運が悪ければ死んでもおかしくないということか。

 

たしかにガラス片を気にしていたのは現場で私だけ。

3階で重機を動かしている人間も、窓が割れたことにすら気付いていないだろう。  

 

「違う現場で安全帯つけんと作業していたやつがいてな、そいつは目の前で穴に落ちて死によってん。とんだ迷惑や。兄ちゃんも気を付けや。重機に背中向けるのは殺してくれって言っているようなもんやで」  

 

夕方を過ぎると一気に空が暗くなってきた。

ポツポツと雨が降っている上に、ジェット噴射の水が身体に跳ね返る。

ユンボが掘り返した穴の粉じんが舞わないように水をまいているのだ。

そのせいで、体中が泥だらけになってしまう。

17時になると、道具の片付けも途中のまま、定時ちょうどに帰らされた。

バンに乗り込み、タイヤの上で揺られながら、飯場の1日目が終了していった。

 

 

(2/2へ続く)

 

 

 

 

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(1/2から続く)

 

■頭の中にいる誰かと話す、2人殺した殺人鬼  

 

飯場生活も1週間を過ぎると、訳アリとはいえ、ほかの労働者たちともだいぶ打ち解けてきた。


中でも坂本さんは、飯場の人間模様をいつも面白おかしく私に教えてくれた。 

この坂本さんも、覚せい剤の密売所を襲撃し、現場に残った覚せい剤と現金400万円を奪って逃走したという過去を持つ「訳アリ」である。  

 

「おい、アイツ見てみろ。そこでブツブツ言いながら洗濯機回しているおっさんや。アイツが人2人殺して刑務所から出てきたっていうのは有名な話や。包丁で腹からズブッと刺し殺したんやて」  


現場から飯場へ戻り、一階のランドリーで作業着を洗っている私に坂本さんがそう耳打ちしてきた。


私の目の前にいるその元殺人鬼は、焦点の合わない目で頭の中にいる誰かと話しながら洗濯機に洗剤を投げ込んでいる。  

 

元ヤクザ、薬物中毒者は飯場では基本的なステータスとなっているが、殺人はさすがにまれである。


当然ながら私も、人殺しに直接会ったのは初めての経験だ。
 

犯罪者の話は漏れなく面白く興味深いものであり、いつか殺人者の話も聞いてみたいものだと思っていた。  

 

しかし、いざ目の前にすると、相手に対する興味というのがまったくもって湧いてこない。

人間というより、何か違う生き物を見ているような気がしてくる。

関わりたくない。

声を聞いただけで、こっちの寿命が縮んでしまいそうである。  

 

この死神みたいなやつは珍しいとしても、やはり飯場には、他にも個性的な人間がギュッと集まっている。


特に、この西成のど真ん中にあるS建設は、このかいわいでも有名で、ビックリ人間の巣窟のような場所なのであった。

 

■十分に一回洗面台に向かっては手を洗うオヤジ  

 

私と同じフロアに通称“手洗いハゲ”という、10分に1回洗面台に向かっては10分間手を洗い続けるというオヤジがいる。

10分間手を洗い、10分間部屋で休憩してまた手を洗うという繰り返し。

うそみたいな話だが、現場が終わって飯場に着く18時から21時くらいまで、ずっと手を洗っているのだ。

そのため、私のいるフロアは常に石けんの香りが漂い、場末の飯場とは思えない、

ソープランドのような雰囲気がある。  

 

風呂場に入ると、まず風呂用のイスを石けんで泡だらけにする。

その後は20分ほど入念に身体を洗い(というよりも磨き上げ)、湯船に浸かり、湯から上がるとまた新しいイスを泡だらけにして、もう一度身体を磨き上げる。

 

トイレの個室には自分の服を持ち込みたくないようで、用を足す時は常に全裸。

仕事道具の手入れも怠らず、ヘルメットはいつも信じられないくらいにピカピカだ。  

 

そんな手洗いハゲは、「なんでそんなに手洗うんですか?」という私の問いに、「気になるんや。疲れが取れなくて大変なんやで」と笑いながら答えてくれた。

 

話してみると、意外や意外にいい人で、仕事中は目をギラギラさせながら馬車馬のように動き続けるため、S建設には重宝されているという話もある。


こんな潔癖症もいるもんだなあと感心していたのもつかの間、坂本さんはこう教えてくれるのであった。

「アホ。アイツただのポン中やで。覚せい剤の幻覚で体中に虫が這()っているだけや」

 

 

■ユンボの先がつまんだ土工の生首  

 

40手前の山田君は、風呂に入るたびに鏡の前でニヤニヤしていた。

エグザイルを意識しているらしく、昔は見た目がアツシそのものだったそうだ。


だが、どこでも構わずはだしで歩くなどの奇行が目立ち、訳も分からず他のドカタに顔面をボコボコに張り倒される日々。


ある日突然、「自分頭おかしいんで辞めます」と自ら宣言し、京都の精神科病院に週一で通い始めたという。  

 

つい最近辞めた(というよりパクられた)小山君は、ちょっとしたことで相手の顔面をグーで殴るという、かなり危ないやつだ。

たとえ相手が老人でもお構いなし。

「くしゃみがうるさかった」「目が合った」くらいの理由で、いままでに4人のドカタをボコボコにした。

ついには社長に呼び出され、殴った理由を話したところ、「それやったらしゃあない」で騒動は完結。

小山君もおかしければ、それを雇う人間も頭がイっている。  

 

S建設も大粒ぞろいやけど、京都にあるF興業って会社もエゲつないらしい。その会社は従業員の9割が中国人。会社の前のクレーンには犬がぶら下がっとるらしいぞ。とにかく労働環境がメチャクチャで、バンバン死人が出とるらしいわ。ユンボの運転手がよそ見して手元(手伝い)やってる土工の首つまんでな、生首になってしもたんやって」  

と坂本さんは言う。

 

まるでサークルみたいなノリで解体作業をするF興業。

また、あるときは、ユンボを運転する人間が、運転席で注射器を引っ張り出し、その場で覚せい剤を打ちながら作業に励んでいたこともあったという。

 

S建設もF興業も、とにかく平凡な人間という者が見当たらないのである。

壮絶な10日間は、私が目を丸くして驚いているうちに、あっという間に過ぎていってしまった。

 

 

國友 公司(くにとも・こうじ)

ライター 1992年生まれ。

筑波大学芸術専門学群在学中より、ライター活動を始める。

キナ臭いアルバイトと東南アジアでの沈没に時間を費やし、7年間かけて大学を卒業。

編集者を志すも就職活動をわずか3社で放り投げ、そのままフリーライターに。

元ヤクザ、覚せい剤中毒者、殺人犯、生活保護受給者など、訳アリな人々との現地での交流を綴った著書『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)が、2018年の単行本刊行以来、文庫版も合わせて4万部6000部のロングセラーとなっている。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/075bfd41383520f5d23738e430a69964e52a5886 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

レアケースだとは思うが、中にはこういった凄まじい現場もあるということに絶句した。

 

 

 

 

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20201221018分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

人里からヒグマを遠ざけることを目的に、北海道羅臼町で住民らが、ヒグマが身を潜めることの多い草やぶをなくす取り組みを行ったところ、目撃される回数が実際に減ったことがわかった。

 

駆除とは異なる住民主体のヒグマ対策の効果が得られた格好で、人とヒグマの新たな共生に道を開くものと注目を集めそうだ。

 

同町が、今月14日に釧路市で開かれた知床世界自然遺産地域科学委員会で発表した。

 

同町は今春、ヒグマの調査研究に取り組む公益財団法人「知床財団」(斜里町)と協力し、共生を目的に、人とヒグマのディスタンス(距離)を保つための独自の地域づくり計画を策定した。

 

その具体策として、人里近くの草やぶをなくすこととし、今年5月から7月にかけて、延べ176人の町民が参加して草刈りを行った。

 

この結果、同町内でのヒグマの目撃数は、昨年度1年間が340件だったのに対し、今年度は11月25日現在で182件となった。

 

同日現在で今年度は4か月以上残っているが、この間はヒグマが冬眠に入り活動が減ることから、同町は、今年度1年間の目撃数が昨年度を大きく下回るのは確実だとしている。

 

羅臼町産業創生課の田澤主任は、「今後も草刈りを継続的に実施し、効果の検証などを行いたい」と話している。

 

https://www.yomiuri.co.jp/national/20201218-OYT1T50280/

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

関連情報調査結果、半年前に、エサになるフキや身を隠せるササなどを刈り取ったなど、下記旨の記事が刈り取り状況の写真付きでネット配信されていた。

 

2020615日20時38分 NHK北海道)

 

知床半島の羅臼町で、住宅地にヒグマが近寄らないよう、餌となるフキや身を隠すときに使う背の高いササを、各町内会ごとに住民の手で刈り取る作業が始まりました。

 

羅臼町では去年、ヒグマの目撃の件数が、統計がある2007年(平成19年)以降で2番目に多い340件にのぼり、飼い犬が襲われるなどの被害も相次ぎました。


このため、ヒグマ対策に取り組む羅臼町と知床財団は、各町内会に対し、ヒグマが住宅地に近寄る原因となる草やぶを刈って取り除くよう呼び掛けていて、14日、3つの町内会で刈り取り作業をしました。

 

このうち礼文町南町内会では、住民や高校の教員など20人あまりが参加し、草刈機やカマなどを手に、ヒグマの餌となるフキや身を隠すときに使うササなどを丁寧に刈っていました。

 

礼文町南町内会会長;
「草刈りで自分たちの身を守っていきたい」

 

羅臼町では、17の町内会のうち、山が住宅地に近い海岸沿いを中心に10の町内会で、ヒグマ対策の草刈りを行うことにしています。

 

人の生活と、となりあわせに生きているヒグマたち。

両者が残念な形でぶつからないように、北海道各地で地域の人たちが始めた「できること」を取材中。

放送とweb、同時展開でお伝えしていきます。

 

https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n1ebd9bcec56e 

 

 

 

 

 

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12月初旬、房総半島の亀山湖付近に行ってきた。

目的は、関東で一番遅いといわれる紅葉見物。

 

途中、崖崩れ防止のためのコンクリート打設作業に出くわした。
見れば、粗い金網で崖を覆い、その上からコンクリートを噴射している。
なかなかに大変な作業だ。 

 



 

写真を撮り終わった頃、コンクリートミキサー車が動き出し、紅葉の下を戻っていったので、急ぎ、こちらも撮影。

こんなレア写真が撮れることは珍しい?ので、皆様にもご披露します。

 

 

 

しかし、なにせ狭い道路。

数分走れば大きい道路に出られるのだが、その間、コンクリートミキサー車と出遭った車がなかったのか、ちょっと気になった。

 

 

 

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20201123853分にYAHOOニュース(SPA)から『恐るべき「人喰いクマ」の衝撃。最凶の7大獣害事件を振り返る』というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

先日、クマに出会った場合の危険回避行動を本ブログに掲載したこともあり、参考までに紹介する。

 

【人間を捕食するために徘徊する】

 

今年はクマの出没件数が過去最多を記録したという。

 

石川県のショッピングセンターにクマが14時間も立てこもった事件や、北海道羅臼町で犬を専門に襲う「犬食い熊」が飼い犬5頭を喰い殺した事件など、ショッキングなニュースが起きたことは報道などでご存じの方も多いだろう。

 

死亡事故も起きており、1011日には新潟県関川村で73歳の女性が、秋田県藤里町では1016日に83歳の女性が、それぞれに襲われて亡くなっている。

 

NHKによれば、今年4月以降でツキノワグマに襲われ怪我をした人は、全国で123人に上るという。

 

クマの出没が多い理由は、エサとなる木の実の不作が第一に挙げられるが、その他にも、里山の廃屋に住み着く熊が増えたことで「人慣れ」したクマが現れ始めたことや、’18年が豊作だったためにクマの繁殖行動が盛んで、今年3歳になって親離れした若熊が、好奇心にかられて人里に下りてくることなどが考えられるという。  

 

いずれにしても、犠牲者が2名に止まっていることは僥倖と言うべきだろう。

 

なぜなら、かつて開拓時代の北海道では、人間を捕食するために徘徊する、恐るべき「人喰いクマ」が数多く存在していたのである。

 

さらに言えば、過去50年間においてすら、凶悪な人喰いクマによる食害事件は断続的に発生しているのだ。

 

以下、それらの中から最も凄惨を極めた「人喰いクマ事件」のいくつかを取り上げてみよう。

 

 

【恐るべき「人喰いクマ」の実例】

 

いわゆる「人喰いクマ事件」は、長らく「5大事件」と言われてきた。

 

もっとも有名なのが大正412月に起きた「苫前三毛別事件」である。  

 

吉村昭の小説『羆嵐』で知られるこの事件では、留守居をしていた男児と女房がヒグマに襲われて死亡し、その通夜の現場に再び姿を現した後、さらに付近住民が避難する隣家に乱入して、女子供4人を喰い殺すという、「世界最悪」とも言われる獣害事件に発展した。

 

犠牲者数は、事件後23年を経て死亡した1人と、胎児を含めた8人だったというのが定説となっている。  

 

次に犠牲者を出したのが、大正128月に発生した「沼田幌新事件」である。

 

この事件は、夏祭の帰り道、そぞろ歩いている群集にヒグマが襲いかかるという、極めて珍しい事例である。

 

その場で男子1人が殺された後、付近の開拓小屋に逃げ込んだ村人等を追ってヒグマも侵入し、屋内を暴れ回った。  

ここで男子の母親がつかまり、藪の中に引きずり込まれたが、念仏を唱える彼女の声が、長く細々と漏れ聞こえたと伝えられている。

 

数日後に熊狩りが行われ、その過程で2人の猟師が襲われ死亡した。

犠牲者は4人である。  

 

さらに古い記録では、明治111月の「札幌丘珠事件」が知られている。

 

この事件は、冬籠もりしていた穴から追い出されたヒグマが空腹をかかえて吹雪の中を徘徊し、民家に押し入って、父子を喰い殺したという恐るべき事件である。

 

銃殺されたヒグマは札幌農学校で解剖され、胃袋から取り出された被害者の遺体の一部がアルコール漬けされて長らく北大付属植物園に展示されていたことなどから、北海道ではよく知られた事件である。  

 

このとき解剖に立ち会った学生が熊肉の一部を切り取って焼いて喰ったが、その後、胃袋から犠牲者の手足が転がり出たのを見て、実験室を飛び出して嘔吐したという笑えないエピソードもある。

 

加害熊を穴から追い出した猟師も含めて3人が犠牲となった。

 

 

【登山中の学生が喰い殺される】

 

大きく時代が移り、昭和457月に発生した「福岡大学遭難事件」も、悲惨な獣害事件として長く語り継がれている。

 

同大ワンダーフォーゲル部員5人が日高山脈縦走中に、食料の入ったザックをヒグマに漁られ、これを奪い返したことから執拗につけ狙われて、結果的に3人が犠牲となった。

 

学生の1人が事件の経過を克明に記録したメモが発見され、遭難中の生々しい様子が公開されたことで、世間に衝撃を与えた事件である。  

 

最後に、昭和51年の「風不死岳事件」も有名な事件として知られている。

 

この事件では、山菜採りに山に入ったグループがヒグマに襲われ2人が喰われた。

 

実は、それ以前に事件現場から4キロ離れた地点で笹藪の伐採をしていた作業員が襲われるなどの事件が起きており、入山禁止が呼びかけられていたにもかかわらず、山菜採りに入ってしまったために起こった悲劇であった。  

 

そして「第六の事件」ともいうべき事件が、平成2856月に発生した「秋田十和利山事件」である。

 

 

【凶悪化するクマ】

 

ツキノワグマが人間を襲うことは滅多にないと言われる。

 

排除行動として人間を傷つけ、結果的に死に至らしめた事例は数多いが、「人間を喰った」という記録はまったくなく、唯一、以下の事例のみが報告されているだけであるとされてきた。

 

「それはよほど前のことだそうであるが、福井県下で、あるおばあさんが山菜とりに山に入ってクマにやられて死んだ事件があった。

そこで、その犯行の主とおぼしいクマを射殺して解剖したところ、被害者の片足が、胃の中から出たそうで、これが現在知られる限りの、わが国でツキノワグマが人を食った、唯一つの珍らしい事例だということである」

(『くま』斉藤基夫 農林出版 昭和38年)  

 

このように、ツキノワグマが人間を喰うために襲うことはあり得ない……と、長らく信じられてきた。

 

しかし、これを覆す事件が、平成285月に起きた。

 

秋田県鹿角市山中で起こった、戦後最悪の獣害事件「十和利山人喰い熊事件」である。  

 

この事件では4人が喰い殺されたが、死体の損壊には5頭のツキノワグマが関与していたとされる。

 

このうち「スーパーK」と名付けられた若いオスの熊(体重80kg、推定4歳)が3人を喰い殺し、残り1人は「スーパーK」の母熊と推定される「赤毛」のメスの熊が関わったという。

 

つまり、人間をエサと見なして襲いかかったのは母子のツキノワグマであり、他の3頭は食害に加わっただけと見られる。

 

近年稀に見る凶悪事件だったので、覚えておられる読者も多いだろう。

 

 

【クマの胃から体の一部が…】

 

しかし実は、この事件の30年前にも、恐るべき人喰いグマが存在していた。

 

ほとんど知られていないが、昭和63年に起きた「戸沢村人喰い熊事件」がそれである。

 

以下は、「日本クマネットワーク」がまとめた『人身事故情報のとりまとめに関する報告書』からの摘記である。  

 

昭和635月、山形県戸沢村の神田集落でタケノコ採りに出かけた61歳の男性が熊に襲われ死亡した。

加害グマは逃亡し、駆除されなかった。

 

その年の10月、同じ集落で59歳の女性がクルミ採りに出かけ、熊に襲われ死亡した。

同月、山ひとつ隔てた古口集落で、59歳の男性が栗拾いに出かけ、やはりクマに襲われ死亡した。

この2人の被害者には食害の跡が認められた。  

 

3件の死亡事故を受けて地元ハンターが駆除に努め、ついに加害グマを射殺した。

当該クマの胃からは人間の筋肉や皮膚の一部が取り出され、三人目の犠牲者の体の一部であることが確認された。

 

この凶悪グマの頭骨には明かな損傷があったことから、次のような事実が明らかになった。

 

「事件発生以前に、戸沢村内で子グマが飼われており、その子グマは飼い主に大変なついていたが、成長して飼育できなくなったため山に放すことにした。

クマを山に連れ出し、放獣しようと試みたが、なついたクマは飼い主から離れようとしなかった。

そこで、その飼い主は持っていた棒で、熊の頭を激しくたたくと、熊は鳴きながら逃げていった」

(前掲報告書)  

 

このことから人に対して怨みを抱くようになり、事件に至ったと推定された。

 

これら2つの事件を加えるなら、日本史上の「人喰い熊事件」は「7大事件」と言えるかもしれない。

 

 

(2/2へ続く)

 

 

 

 

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(1/2から続く)

 

【歴史に埋もれた「人喰いクマ事件」】

 

実は、こうした事件以外にも、複数の人間が喰い殺された「人喰いクマ事件」は、いくつも記録されている。  

 

例えば大正元年に4人が喰い殺された「朝日村登和理事件」では、狩猟に山に入った村人1人がヒグマに襲われ、逃げ帰った者が危急を知らせたので、4人が救出に向かったところ、ヒグマに逆襲されて3人が噛み殺されてしまった。  

 

また大正2年に親子3人が喰い殺された「愛別町事件」では、夜間帰宅途中の父子がヒグマに襲われ、悲鳴を聞きつけた女房も襲われ死亡した。

 

翌朝、喰い散らかされた被害者等の人肉が散乱する現場を多くの村人が目撃したことで、地元では長く語り継がれた。

 

大正14年に美瑛町で起きた人喰い熊事件では、釣りに出かけた2人の村人がヒグマに襲われ死亡した。

 

当時の新聞は凄惨な現場を次のように報じている。

 

「胴体から上はなく、内臓はことごとく喰われ、また手足もむしり取られ、頭は崖の上に発見された。

なお、浜岸の死体は両足はなく、顔面は傷だらけで、内臓を喰らって土の中に埋めてあったが、実に目もあてられぬ惨状であった」

(『小樽新聞』大正14622日)  

 

この事件の3か月後に再び釣り人が喰い殺される事件が発生し、加害グマは射殺されたが、市街地へ運搬途中にヒグマの口中から前日飽食した人肉が多量に吐き出され、周囲の人々は「もらいゲロ」しそうになったという。  

 

さらに昭和10年、高山植物の採集のために山に入った男性3人が喰い殺された「樺太伊皿山事件」では、山中で血の海となった笹藪に被害者等の頭蓋骨が転がっているのが発見され、樺太全島に衝撃が走った。

 

この事件は管轄が「樺太庁」だったためか、専門家の間ですらまったく知られていない。  

 

このように、歴史に埋もれた「人喰いグマ事件」は数多く存在するのである。

 

ただし、ここに挙げた「人喰いグマ」は極めて稀なケースであり、山に入る時はクマ鈴やラジオを点けるなどして人間の存在を知らせることが大切であることに変わりはない。

 

紅葉シーズンにGOTOで山にいく方も多いだろうが、クマ対策をせずに山中深く足を踏み入れるのは非常に危険であることを念頭に置いていただきたい。

 

【中山茂大】 (なかやま・しげお)

ノンフィクションライター。北海道出身。上智大学文学部卒。

主な著書;「ハビビな人々」(文藝春秋)、「笑って! 古民家再生」(山と渓谷社)、「田舎暮らし始めました」(LINE文庫)など。

「渓流」(つり人社)にて砂金掘りの記事を、「ノースアングラーズ」(つり人社)にて「ヒグマ110番」を連載中。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/8c143ede810d268b400ddd5cc59dc829b1a4fd5a

 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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